業績サマリー

守安功氏:それではただいまから、株式会社ディー・エヌ・エー2017年度第2四半期の、決算のご報告を始めたいと思います。

まず、業績のサマリーでございます。売上収益は369億円。

営業利益は、IFRSベースで73億円、Non‐GAAPで72億円、スポーツ事業を除くNon‐GAAPで51億円となっております。

第2四半期の業績予想と比較しますと、売上面で若干のプラスの一方、営業利益においては若干のマイナスで着地しております。しかし、第1四半期と比較するとほぼ横ばいとなっておりまして、想定の範囲内という考え方でおります。

セグメント別業績(IFRS)

続きまして3ページ目、セグメント別の業績でございます。

主力のゲーム事業でございますが、売上面においてはQonQで横ばいとなっている一方で、営業利益に関しては12億円の減益となっております。こちらについては、のちほど理由も含めてご説明させていただきたいと思います。

費用構成(IFRS)

4ページ目、費用の構成になっております。

四半期単位で大きくぶれ得るところとして、広告宣伝費がございます。だいたいこの1年ほどは30億円弱で推移しておりますが、(2017年度)第2四半期に関しては33億円と、通年で比べると多めにかかったということで、ゲーム事業を中心に広告宣伝費を積極的に投下したということになります。

ゲーム事業

5ページ目、ゲーム事業全体の進捗でございます。

まず、個人消費でございます。第1四半期と比較すると、アプリに関しては若干増・ブラウザは若干減ということです。トータルで見ますと、トップラインに関しては横ばいとなっております。

セグメントの営業利益が12億円ほど減ったことに関しては、先ほどの費用構成のスライドでご説明しましたように、広告宣伝費・販促費を通年に比べて多めに投下したことと、ゲーム運営の強化ということで一部外注費等のコストも増えたことが要因です。結果として、QonQで減益となっております。

ゲーム事業(任天堂との協業)①

6ページ目、ゲーム事業の進捗に関してでございます。まず、任天堂さんとの協業のアップデートということから入らせていただきます。

先般からご案内させていただいているように、スマートデバイス向け(アプリ)の『どうぶつの森』のタイトルが、現状まもなくグローバルリリースされるということで、その準備にあたっている段階になっております。

タイトル名が『どうぶつの森 ポケットキャンプ』です。従来の『どうぶつの森』シリーズは、(プレイヤーが)村の村長さんになるという設定になっているんですけれども、このスマートデバイスの『どうぶつの森 ポケットキャンプ』に関しては(プレイヤーが)キャンプの管理人ということで、キャンプ場をよくしていくというタイトルになっているんです。

設定は若干違っておりますが、いわゆる世界観でありますとか遊び方でありますとか、そのあたりは『どうぶつの森』シリーズとかなり似たかたちになっております。コアなファンの方からしたら非常になじみ深い・受けやすいタイトルになっているのではないかと思っております。

『どうぶつの森』シリーズ自体が、非常に幅広いファンの方に遊んでいただいているタイトルでございます。そのためポケットキャンプに関しましても、性別・年齢・地域を問わず、かなり幅広い多くのお客さまに遊んでいただけるのではないかと(思います)。

とくに、スマートフォンから(プレイすることで)通常、ゲームは遊ばないようなお客さまにも、わずかな時間で少しずつゲームを進めていけるようなタイトルになっていくのではないかと期待しております。

マネタイズの手法に関しましては、Free to Start型ということで、いわゆるアイテム課金のタイトルになります。

すでに(2017年)10月25日に、オーストラリア1ヶ国ではございますが、配信を開始しております。今後は日米欧を含む41ヶ国によって、11月下旬にグローバルリリースを開始する予定になっております。

ゲーム事業(任天堂との協業)②

続いて、配信中のタイトルの状況に関してでございます。

まず『Super Mario Run』でございますが、累計2億ダウンロードを突破したということでございます。

一般的にスマホゲームというのは、日本からリリースをした場合、海外においてのユーザーベース獲得に苦戦するというのが、これまで一般的だったのではないかと思います。しかし、『Super Mario Run』に関しては全世界的に受け入れられておりまして、ダウンロードの9割超が日本国外ということで、世界各国の幅広いお客さまに遊んでいただいているということになっております。

(2017年)9月にメジャーアップデートを行っておりまして、かなり多くのお客さまに遊んでいただいているタイトルでございますので、今後も末永く継続的に遊んでいただけるような運営を目指していきたいと思っております。

続きまして、『Fire Emblem Heroes』でございます。こちらも今年の初めにリリースをして以降、継続してアップデートを行っております。収益面も含めて、ビジネス全体としては順調に推移しております。

この夏以降も大型のアップデートであったり、あるいは新しいキャラクターの追加であったり、プロモーションも強化していたりと、複合的に運営強化をしておりまして、アクティブユーザーに関しても上昇したということでございます。

また、『Fire Emblem』シリーズ自体が、日本国内での人気がメインであると思われている方も多いのではないかと思うんですけれども、順調に海外の売上構成比も拡大しております。直近では、海外売上が(売上構成比の)半分を超えてきた状況になっております。

今年の末までに、香港、マカオ、タイ、シンガポール等、いわゆる繁体字の地域にも対応いたしまして、新しいユーザーさまにも遊んでいただくようなことをいたしております。

このように、『どうぶつの森』も加えまして、配信中のタイトルも運営強化・アップデートというものは今後も継続していくことを進める一方で、新規タイトルの開発も進んでおります。どのようなタイトルになるのか、いつ頃リリースするのかということに関しては、また発表できるタイミングにて発表させていただきたいと思います。

ゲーム事業(その他の内製・協業タイトル)①

続いてゲーム事業の、その他の内製・協業タイトルです。今年(2017年)に入ってから決算説明会においても何度か、『逆転オセロニア』が非常に順調にきておりますということをお話しさせていただいていると思います。今回はグラフで、アクティブユーザー数と月次の売上がどうなっているのかということをまとめております。

去年(2015年度)の2月に(配信を)開始して、非常にユーザーさまの評判は高かったんですけれども、継続率が想定よりも低いという状況がありました。そのため、プロモーションを強化する前に、まず継続率の改善ということを半年強かけて行ってまいりました。

去年の年末に納得いくようなレベルまで達したことから、初めて大型のTVCMを含むマーケティングを行ったことで、新しいユーザーさまの獲得も想定以上に順調に進み、急激にアクティブユーザー数・売上も拡大しました。その後は、ゲームの改善と継続的なプロモーション強化で山をつくりながら、どんどん右肩上がりに成長してきております。

なかなか厳しい市場環境において、半年強苦戦をしている状況から、これだけ右肩上がりに立ち上がってきているタイトルも珍しいのではないかと思います。現状もマーケティングに対する反応は非常によいと思いますので、オンライン・オフラインのマーケティングを強化することによって、より大型化できるのではないかと思っております。

そして、売上の規模としてもスマホの内製タイトル、スマホのNon-ITタイトルとしては初めて月商10億円を突破したということになりますので、今後も期待していきたいと思っております。

ゲーム事業(その他の内製・協業タイトル)②

続いて、この第2四半期中にリリースを開始したタイトルとして、『マクロス』のIPを活用した『歌マクロス スマホDeカルチャー』というタイトルがございます。(2017年)8月3日にリリースいたしまして、初月に100万ダウンロードを突破するということで、順調に立ち上がったと見ております。

『マクロス』の世界観が『マクロス』シリーズのファンの方に非常に愛されている一方で、分析をしますと、このゲームを契機に新しくIPに触れたお客さまに関しても、楽しんでいただいているということがわかってきております。今後拡大を狙うにあたって、幅広いユーザーを視野に入れて広げていきたいと思っております。

EC事業

続きまして、EC事業に移らせていただきます。

まず、オークションビジネスに関してです。有料会員数が緩やかに減少していることにともなって、徐々にではございますが、売上は減少傾向が続いているということでございます。

一方で決済代行、それから旅行に関しては順調にトップラインが拡大しておりまして、緩やかではございますが、右肩成長をトップラインに関しては続けていると(いうことです)。

スポーツ事業

続きまして、スポーツ事業でございます。

おかげさまで、プロ野球ビジネスに2011年に参入して以来、初めて日本シリーズに進出できたということです。結果としては日本一にはなれなかったんですけれども、非常にいい試合、ゲームをしたのではないかなと思います。また、去年(2016年)に続いて、クライマックスシリーズに2年連続進出したということで、着実にチーム力がアップしてきているという手ごたえを感じています。

試合の勝ち負けというのは、当然ファンのみなさまにとって重要なんですけれども、チームが勝っても負けてもスタジアムに来て楽しんでもらうということは、買収当初から意識して行っております。結果として、観客動員数が右肩上がりに増えてきております。

この2年間ほどは、(平均観客動員数の)伸びの率としては少し寝てきているように見えるかと思いますが、すでに稼働率が96パーセントになっておりまして、ほとんどの試合が満席という状況になっております。

現状進めております、スタジアムの増席を行うと、現状のキャパシティ約2万9,000席に加えまして、6,000席ほど増席のプランで進めております。これが2020年度に実現すると、このタイミングでまた(平均観客動員数を)上積むことができるのではないかと思っております。

右のグラフを見ておわかりのように、球団とスタジアムの買収も行いまして、球団・球場の一体経営ということができるようになってまいりました。

これまでに加えて、経営努力できる領域が広がったということと、なかなか球団だけだと進めるのが難しかったことも、スムーズに進められるようになったということです。収入の内訳では、スポンサー収入であるとか、あるいはスタジアムでの飲食の販売ということが大きく拡大してきておりまして、チケット収入の依存の割合が減少してきております。経営的には、より安定的な情勢になってきたかなと思います。

今後は今年(2017年)、このスポーツ事業の新しいビジョン、「スポーツを通じて、ひととまちを元気にする」に基づいて、新しいコンテンツの追加であったりとか、あるいはスタジアム周辺のいろんな施設を運営するとか、そういったかたちでプロ野球を中心に、事業の拡大を図っていきたいと思っております。

新規事業・その他 トピックス(ソーシャルLIVEサービス)

12ページが、新規事業・その他のトピックスということで、今回は「ソーシャルLIVEサービス」というものを取り上げたいと思います。

スマートフォンの動画ビジネスというのは、いろんなジャンルでこれから成長すると見られております。我々ディー・エヌ・エーとしては、スマホの動画市場の中でもソーシャルLIVEサービス。この呼び名が一般的かどうかというのはあるんですけれども、配信者がリアルタイムに生放送を行って、視聴者と配信を通じてリアルタイムのコミュニケーションを行うというようなジャンルを、「ソーシャルLIVEサービス」と定義しております。

こちらはもともと、中国や東南アジアの地域ではかなり規模的にも大きくなってきているんですけれども、このようなマーケットが日本においても拡大してくるだろうということで、「SHOWROOM」というものを数年前に開始しました。SHOWROOMは順調に成長してきておりまして、アプリストアのランキングの上でも、かなり上位に顔を出すようになっていると。

SHOWROOMの特徴としては、「アイドルになりたい」「モデルになりたい」というような配信者の方に、イベントにご参加いただく。そのイベントで優勝したり上位になったりすると、実際にメジャーデビューができたり、あるいは雑誌のモデルとしてデビューができたりということで、そういうメジャーデビューを目指す登竜門的な役割を担っております。非常に、ユニークなポジションを築けてきているのではないかと考えております。

体制整備の進捗*

そして、事業面以外というところになりますが、体制の整備の進捗です。キュレーションの一連の事案を受けまして、今年(2017年)の5月にコーポレートガバナンス、それから内部統制の抜本的な強化ということを発表させていただきました。

この4つの大きな項目を発表させていただきまして、上の2つに関しては、5月のタイミングから速やかにそのような状態に持っていったわけなんですけれども、今日はこの3つ目・4つ目に関して、具体的にどのような取り組みをしているのかを簡単にご紹介させていただきたいと思います。

体制整備の進捗

まず、コンプライアンス、それから管理体制の強化ということです。このような取り組みを統括する司令塔ということで、コンプライアンス・リスク管理本部という新しい部門を発足しております。

こちらの部門でリスクマネジメントの新しい手法、フレームワークを導入いたしました。この第2四半期で一部、いくつかの部門においてパイロット的にフレームワークを適用してみました。

リスクの洗い出しであるとか、あるいはリスクの評価、そしてリスクをどう低減するのかという取り組みを行いまして、有効にワークするのではないかという手ごたえを得ました。今後はこの新しいリスクマネジメントの手法を、全社に展開していくことを行おうと思います。

それから、内部通報制度(の拡充)。こちらも、当然これまでも内部通報制度というのは存在していたわけなんですけれども、例えば社外の弁護士さんに直接連絡することができるであるとか、あるいは匿名での内部通報が可能であるというような制度の拡充を行いました。こちらもすでに、新しいスタイルで制度導入を始めております。

そして4つ目なんですけれども、抜本的な意識改革ということで「デライト」最優先の徹底です。本質的な価値をお客さまに提供することを最優先にしていこうということで、全従業員・役職員を含めた意識改革を行っていくことを進めております。

こちらも、デライトドライブ本部という新しい組織となっております。おそらく(2017年)5月のタイミングでは、マーケットリサーチ本部というような名前だったかと思うんですけれども、デライトドライブ本部ということで新設いたしました。

各事業部門・各サービスがどのようなデライトを提供しているのかを分析・検証していくということで、事業部門のサポートをしていくような役割の本部でございまして、活動を開始しております。

それから、人事制度的なものではございますが、パッション単位(の組織形成)です。当然、全従業員に会社のビジョン・ミッションには共感して仕事をしてもらいたいわけです。

とくにディー・エヌ・エーの場合は、事業領域がかなり多岐にわたっておりますので、事業本部単位・事業単位でミッション・ビジョンを定義いたしました。なるべくならば、すべての従業員の方に本部・事業部のミッション・ビジョンに共感して、仕事をしてもらいたいと考えております。

公募制度的なものでございますが、シェイクハンズ制度など、常に自分のポジションをオープンにして、期間を区切ることなくいつでも申し込めるというような人事制度も実施しております。

また、従業員の意識改革を行うにあたっては、やはり組織強化ということが必要になってきますので、マネージャーの育成を含めた組織強化を継続して行ってまいります。

このようなことを通じて、中長期で目指す姿として今年度新たに再定義をし直しましたミッション、それからビジョンを実現できる会社になれるように、がんばっていきたいということでございます。

2017年度第3四半期 連結業績予想

最後の16ページ目が、第3四半期の業績予想になります。

売上収益が333億円ということで、QonQでは減収になるんですけれども、プロ野球がシーズンオフに入りますので、スポーツ事業を除くベースで考えた場合の売上としては320億円でございます。

営業利益は、こちらもスポーツビジネスの影響を強く受けますので、IFRSベースで31億円、そしてNon-GAAPで33億円。また、スポーツ事業を除いたベースのNon-GAAPの営業利益としては50億円ということで、だいたいQonQでいくと横ばい程度と考えております。

こちらの業績予想では、『どうぶつの森』の新しいタイトルにつきましては、まだなかなか見積もりが難しいということで、そちらを除外したかたちで予想を立てております。(世界合計41ヶ国への配信開始が2017年)11月の後半からということで、第3四半期・第4四半期にかけて、これをどこまで拡大していけるかというところが、重要なファクターになると考えております。

私からの説明は以上になります。ありがとうございました。