2017年度第2四半期決算説明会

小口正範氏:本日は大変お忙しい中、当社の第2四半期決算にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

第2四半期決算実績 サマリー

経営成績についてのサマリーです。受注高は1兆6,005億円で、前年度に対して600億円程度下回りました。これにつきましては、今年度は(前年度との)比較で申し上げると、航空関係でMRJの受注がなかったことが一番大きな理由です。

売上高は1兆8,254億円で、750億円程度上回りました。営業利益は粗利益が増えた分、DC(直接原価)が増えたところで少し消し合い、382億円とほぼ前年同期並みでございました。

経常利益は、昨年度は三菱自動車の持分法投資損失を引き込みましたので、今年度はこれが持分から外れて、大きく改善いたしまして412億円、対前年同期比430億円の増加です。

特別損益といたしましては、事業構造改善費用47億円を計上しました。税金、持分法の関係を差し引いた当期純利益は135億円、対前年同期比324億円の増加です。EBITDAは1,292億円で、ほぼ前年同期並みでございました。

第2四半期決算実績 セグメント別内訳

セグメント別内訳です。受注高につきましては、先ほど申し上げたMRJの関係で、航空・防衛・宇宙で400億円下がったことが主な(減少)理由です。

売上高につきましては、インダストリー&社会基盤が増加いたしました。こちらの分野は、とくに中量産品のターボ、フォークリフト、冷熱等々が前年同期比に対して伸びている状況です。一方、パワーは減少。航空・防衛・宇宙は増加です。

営業利益の関係でございますが、パワーにつきましては、第1四半期のときにも申し上げましたが、今年度、上半期の原子力の営業利益はマイナスで、下半期に集中して利益が上がるという構造になっており、180億円減少しております。

一方、インダストリー&社会基盤につきましては、先ほど申し上げた中量産品を中心に伸びており、それに伴い利益も増加しております。

航空・防衛・宇宙につきましては、MRJの投資が増えましたけれども、一方改善も進んで、合計30億円程度のプラスで終わっています。

第2四半期決算実績 貸借対照表

バランスシートの状況です。バランスシートを圧縮して、効率の良い経営をする、キャッシュ・フローをポジティブなものにするということが当社の基本的な方針です。

第2四半期における資産自体が5兆5,996億円でございまして、MRJによる投資資金および南アフリカのプロジェクトが進んでいるということにおいて、その関連のアセットが増えていて、増加しております。

一方、負債サイドにつきましては、対前年度比較で申し上げますと、先ほどのバランスシートの増加を、一時的に有利子負債でカバーをして補っているというところで、有利子負債で1兆984億円、前期末比で1,700億円ほど増加しております。

当社のキャッシュ・フローは第3四半期にボトムを迎えて、第4四半期で大きく取り戻すという構造でございまして、前年同期比では1,000億円程度改善しております。

自己資本が増加しているのは、利益のほかに昨今の株高を受けて、評価差損益がプラス側に出ているということです。

第2四半期決算実績 主要財務指標/キャッシュ・フロー

財務指標の状況です。自己資金比率は32.8パーセントで、比較的健全に推移しております。前年同期は29.8パーセントでしたので、そちらよりも改善いたしました。

有利子負債残高につきましても、先ほど申し上げたように、前年同期比較では減少しております。DEレシオは0.51です。

それを裏付けるキャッシュ・フローの状況です。先ほど申し上げたように、当社のキャッシュ・フローは第3四半期にかけてずっとマイナスで、最後(第4四半期に)取り戻すという構造です。

第2四半期累計のフリーキャッシュ・フローはマイナス1,862億円です。前年同期と比較しますと、先ほど申し上げたように、300億円程度の増加になっております。

年間の見通しにつきましては、1,000億円ぐらいですので、第3四半期末ではボトムになると思いますけど、第4四半期で取り戻すべく、今いろいろな活動を進めているところです。

第2四半期決算実績 セグメント別<受注高・受注残高>

続きまして、受注売上利益の状況についてセグメント別にご説明いたします。

受注高は先ほども申し上げたように、航空・防衛・宇宙で減少していますが、パワー、インダストリー&社会基盤ともにほぼ前年同期並みの成績です。

一方、受注残高につきましては、今回大きく減らしておりますのは、これまでMRJの受注残高をこちらに入れておりましたが、引き渡し自体がかなり先になるということで、個々の仕様や納期は未確定の状態で、バックローンに乗せているのは、少しどうかなというところもございます。

ボーイング、ボンバルディアといった他社の状況を見ますと、やはりそのあたりはバックローンから外しているということもございますので、あまり長期の先の受注残高をのせるのはどうかという検討をいたしまして、今般よりMRJの部分を残高から外して表示しております。

補足資料① 第2四半期決算実績<航空・防衛・宇宙>

MRJの受注状況につきましては、機数等含めて、16ページにお示ししております。

第2四半期決算実績 セグメント別<売上高>

売上高でございますが、ご覧いただいているように、インダストリー&社会基盤のところで、とくに中量産品を中心に増加をいたしております。

第2四半期決算実績 セグメント別<営業利益>

セグメント別営業利益です。パワーのところで、先ほど申し上げましたように、原子力関係の入繰がございまして、第2四半期では低い数字になっておりますけども、それをインダストリー&社会基盤がカバーしたという状況で、ほぼ前年同期と同じレベルになっています。

原子力につきましては、年間ではキャッチアップすると考えておりますので、そのようにご理解をいただければと思います。

2017年度業績見通し サマリー

そのような直近の受注環境等を踏まえて、年間の見通しを修正させていただいておりますので、その点についてご説明申し上げます。

まず受注高でございますが、4兆5,000億円を4兆円に、5,000億円ほど落としております。

こちらはすべてパワーで落としております。パワーは1兆9,500億円と言っておりましたが、1兆4,500億円に落としております。

こちらの理由につきましては、今年度に受注予定であった2件の大型案件。合計すると3,000億円ぐらいの案件でございましたが、こちらが環境アセットならびにファイナンスクロスの問題で、今年度に計上できないことが明らかになりましたので、翌期以降にズラしたことによる影響が主なものです。

そのほか火力事業に関しましては、みなさまご承知のとおり、かなり市場的に厳しい状況が続いております。そのようなことを反映いたしまして、非常に大きな数字でございますけれども、パワーは5,000億円ほど受注高を落としております。

次は売上高です。4兆1,500億円を4兆500億円に1,000億円ほど落としておりますが、パワーのところで先ほどの受注状況を短期のものも含めて、少し厳しめに推移しているということで、売上高も1,000億円ほど落としております。

これに伴い、営業利益につきましては、昨今の状況を踏まえて2,300億円の見通しを1,800億円に下方修正いたします。

その主なものは、またパワーでございまして、1,450億円と申し上げていたものを1,000億円に450億円落とします。

一方、インダストリー&社会基盤のところも、化学プラントにおいて、少し課題があった事業が今般終了いたしまして、それに関係する若干のコスト悪化を踏まえて、850億円から800億円に下方修正いたしました。合計で500億円の下方修正になります。

経常利益につきましては、これを受けて2,100億円から1,700億円に400億円(下方修正)。純利益は1,000億円から800億円に(200億円)下方修正しております。

この結果、ROEは5.5パーセントから4.4パーセント。EBITDAは4,300億円から3,700億円にそれぞれ減額になります。

フリーキャッシュ・フローにつきましては、アセットマネジメントを含めてバックアップを進めておりますので、現状においては1,000億円を横ばいにしております。

配当につきましては、本日の取締役会で中間6円配当することを決定し、年間においては下期に株式併合しますので、一桁上がるわけでございますけれども、表現的には下期に合わせたという感じで、従来の考え方では12円。併合後では120円という配当を実施する予定にしております。

2017年度業績見通し セグメント別内訳

セグメント別に申し上げると、繰り返しますけれども、パワー部門において、現状の状況を踏まえて、受注売上利益を修正させていただいたということです。

以上、簡単ではございますけれども、私の説明を終わらせていただきます。