2017年度2Q連結業績

吉田憲一郎氏:CFOの吉田です。よろしくお願いいたします。2017年度第2四半期の連結売上高は、前年同期比22パーセント増の2兆625億円となりました。連結営業利益は前年同期比約4.4倍の2,042億円となりました。当社株主に帰属する四半期純利益は1,309億円となりました。

一時的要因を除く営業利益(2Q)

なお、前年同期の営業利益においては、こちらのスライドにあるように一時的な損益が含まれており、これらを除いた実質ベースでの増益は1,156億円と試算されます。

2017年度1H連結業績

こちらは上期累計の実績となります。

一時的要因を除く営業利益(1H)

先ほどと同様、実質ベースでの増益は1,270億円となり、増益幅は64パーセントと試算されます。

2017年度2Qセグメント別業績 [組替再表示]

セグメント別の実績はご覧のとおりです。その他分野の大幅な改善は、同分野において前年同期に電池事業の譲渡に伴う減損328億円を計上していたことによるものです。

2017年度1Hセグメント別業績 [組替再表示]

こちらは上期累計のセグメント別実績です。

2017年度連結業績見通し

次に、通期の連結業績見通しをお示しします。

売上高見通しは主に為替の影響により、8月時点の想定から2,000億円上方修正し、8兆5,000億円としております。

営業利益見通しは、1,300億円上方修正し、6,300億円としております。当期純利益の見通しについても上方修正し、3,800億円としております。

下期の為替の前提レートはこちら(スライド下部)にあるように、ドルで112円、ユーロで130円に変更しております。

当年度の配当については、期末配当の予定額を12円50銭としており、正式決議した中間配当と合わせ、年間で1株当たり25円とさせていただく予定です。

2017年度セグメント別業績見通し [組替再表示]

続いてセグメント別の業績見通しは、ご覧のとおりです。こちらにあるとおり、半導体、音楽、ホームエンタテインメント&サウンドの各分野で営業利益見通しを上方修正しております。

前年度からは、為替の前提レートによる営業損益へのプラスの影響が、上期の累計実績と合わせ、通期でエレクトロニクス5分野の合計で約550億円生じると試算しております。

また、全社(共通)およびセグメント間取引消去において、ビジネスリスクへのバッファーとしてマイナス500億円を織り込んでおります。

ではここから各分野の概況説明に移ります。

モバイル・コミュニケーション分野

モバイル・コミュニケーション分野についてご説明いたします。

当四半期はスマートフォンの販売台数の減少はあったものの、為替の影響などにより前年同期比2パーセントの増収となりました。

営業損益については62億円の悪化となり、25億円の営業赤字を計上しました。この収益悪化はオペレーション費用を削減したものの、スマートフォンの販売地域ミックスの変化や、主要部品の価格が上昇したことなどによるものです。なお、上期の累計では、12億円の営業黒字を計上しております。

通期ではスマートフォンの販売台数の見通しを8月時点の想定から100万台引き下げ、1,550万台としております。これを受けて、売上高見通しは400億円引き下げ、7,800億円としております。

営業利益見通しについては、この販売減や主要部品の価格上昇によるマイナス影響をオペレーション費用の削減などによりカバーし、50億円を維持しております。

ゲーム&ネットワークサービス分野

次に、ゲーム&ネットワークサービス分野についてご説明いたします。

当四半期は、PS4®ソフトウェアの増収、為替の影響、PS4®ハードウェアの増収などにより、前年同期比で35パーセントの増収となりました。

営業利益については、この増収の影響などにより、前年同期比358億円の増益となり、548億円を計上しました。

なお、詳細は後ほどご説明いたしますが、この営業利益には、当四半期において当分野に属する子会社間の内部ロイヤリティの会計処理に伴うプラスの影響が一部含まれております。

通期ではPS4®の販売台数見通しを、8月時点の想定から100万台引き上げ、1,900万台としております。

これを受けて、売上高見通しは2兆円に上方修正しておりますが、年末商戦に向けて販売促進活動の強化を見込むことから、営業利益の見通しについては変更はございません。

なお、10月3日に当分野の事業を営むソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の社長兼CEOに、小寺剛が就任すると発表いたしました。

小寺は従来よりネットワークサービス事業を率い、昨年4月から副社長としてSIE全体の商品や事業の戦略を牽引してきた実績を有しております。

ここで先ほど触れた、内部ロイヤリティの会計処理についてご説明いたします。

こちらのスライドのとおり、当分野においては主にコンソールのプラットフォームの開発を担当する日本の子会社に対して、他の海外の子会社から内部ロイヤリティの支払いを行っております。

今般、当分野内での内部ロイヤリティの支払いおよび受け取りの会計処理において、スライド右側に記載しているように、各子会社での計上タイミングに不一致が生じていることが判明したことから、このタイミングを一致させる会計処理をいたしました。

2016年度以降、仮に計上タイミングを一致させた会計処理を行っていた場合の各四半期の営業利益は、ご覧のとおりとなります。各四半期を含め売上高に影響はなく、2016年度の年間の営業利益にも影響はございません。

イメージング・プロダクツ&ソリューション分野

次に、イメージング・プロダクツ&ソリューション分野についてご説明いたします。

当四半期は前年同期比16パーセントの増収、営業利益は40億円の増益となり、189億円を計上しました。

この増収増益は、主に為替の影響や、前年同期に熊本地震のマイナス影響があったことなどによるものです。通期の見通しについては変更しておりません。

ここで、メディカル事業について述べたいと思います。オリンパスさまとの協業により、これまですでに2つの製品が上市されており、技術開発や製品化については順調に推移しております。

一方で、従来のエレクトロニクスとは業界のルールも大きく異なる医療機器分野は、実績を積み上げていくには相応の時間がかかることも、改めて認識しております。

当社は2012年に2020年度のグループのメディカル事業の売上高として、2,000億円を目指すとの発表を行いましたが、現時点では達成は困難と判断しており、現在策定中の次期中期計画の中で見直しを実施いたします。

なお、当社のメディカル事業へのコミットメントは従来と変わりなく、長期的に取り組んでまいります。

ホームエンタテインメント&サウンド分野

次にホームエンタテインメント&サウンド分野についてご説明します。

当四半期は前年同期比で28パーセントの増収、営業利益は68億円の増益となり、244億円を計上いたしました。

この増収増益は4Kテレビを中心とした高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善や、為替の好影響などによるものです。

通期の見通しでは、テレビの販売台数見通しを50万台引きあげたことを受け、売上高見通しを300億円上方修正し、1兆2,000億円としております。

営業利益見通しについては、主要部品であるテレビパネルの価格下落や、先ほど述べた販売台数の増加などにより180億円上方修正し、760億円としております。

半導体分野

次に、半導体分野についてご説明いたします。

当四半期は前年同期比18パーセントの増収、536億円の損益改善となり、494億円の営業利益を計上しました。この増収は主にモバイル向けイメージセンサーの販売数量増によるものです。

半導体分野 一時的要因を除く営業利益

なお一時的な要因を除いた実質ベースでの営業増益は473億円と試算されます。

通期においてはモバイル向けイメージセンサーの販売数量見通しを8月時点の想定から引き上げたことから、売上高見通しを200億円上方修正しております。営業利益についてはこの増収などを反映して200億円上方修正し、1,500億円としております。

なお、先週10月23日にADAS向けの前方センシングカメラ用イメージセンサーの商品化を発表いたしました。本センサーは、Mobileye社が開発中のプロセッサー「EyeQ®4」および「EyeQ®5」との接続が可能となる予定です。

映画分野

続きまして、映画分野についてご説明いたします。

当四半期は前年同期比で27パーセントの増収、営業利益は45億円の増益となり、77億円を計上しました。この増収増益は主に映画作品において、『スパイダーマン:ホームカミング』の劇場興行収入が全世界で好調に推移したことによるものです。

通期の見通しについては変更しておりません。

スパイダーマン関連では、すでに4作品の製作を決定しております。今後スパイダーマン関連IPのフランチャイズ化を図ってまいります。

また、ソニー・ピクチャーズテレビジョンのトップに、マイク・ホプキンスが就任することを発表しました。映画分野の中で、テレビ番組製作とメディアネットワークの2つの事業の責任者となります。

彼はこれまでのキャリアにおいて、これら2つの事業を経験しており、また、直近はHuluのCEOを務めていることから、いわゆるOTT(Over The Top=動画・音声などのコンテンツ・サービスを提供する事業者、もしくはそれらコンテンツ・サービスそのものを指す)の知見も有する経営者です。

音楽分野

続いて、音楽分野についてご説明いたします。

当四半期は前年同期比38パーセントの増収、営業利益は160億円の増益となり、325億円を計上いたしました。

引き続き、モバイル向けゲームアプリの「Fate/Grand Order」が業績に大きく貢献しております。また、ストリーミング売上の増加により、音楽製作および音楽出版も前年同期比で増収となっております。

通期の営業利益見通しについては、上期の好調を反映して190億円上方修正し、940億円としております。

また、当分野において、モバイル向けゲームアプリを運営するANIPLEXからは、8月より新たに「マギアレコード」の配信を開始しております。

金融分野

最後に、金融分野についてご説明いたします。

当四半期は前年同期比で7パーセントの増収、営業利益は30億円増益となり、366億円を計上しました。この増益は主にソニー損保における自動車保険の損害率低下や、ソニー生命の保険料収入の増加によるものです。

通期の見通しについては変更しておりません。私からのご説明は以上です。