『ターミネーター』のあの名言を英語で

上村潤氏(以下、上村):そして……そうですね、何いきましょうかね。『ターミネーター』。

西澤ロイ(以下、ロイ):いいですね。I'll be back.

上村:あ、先に言われちゃいましたね笑)。

ロイ:(笑)。

上村:言おうと思ったのにな~(笑)。

ロイ:じゃあじゅんじゅん言ってみましょう。I'll be back.

上村:I'll be back.

ロイ:そうですね、I'll be back.

上村:I'll be back. これは誰もが知ってるシュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)の名言なんですけどね。実際どんなシーンで使われたかって、あんまり……。ターミネーターでやっぱり有名なシーンって、シュワちゃんが溶鉱炉の中に入っていきながら、こう……ね、サムズアップしてこう、手が落ちていくっていうね。別にそのシーンで言っているわけではないんですけど。

ロイ:そうですね。でもこの表現自体はよく使うんですよ。I'll be back. って。もう日常会話ではよく使うんですよね。だからこれはぜひ覚えておくといい表現で。ちょっと出かけてくるよ、みたいに言うときに、英語はよくI'll be backって言うんですよ。

上村:あれ? ……I shall return.とかって言うのは?

ロイ:それは、マッカーサーですね。

上村:これは、意味的にはまた違う?

ロイ:ちょっとかたいものなので。

上村:戻ってくる、っていうのとはまたちょっと(違う)?

ロイ:戻ってくるなんですけど、shallって言うのはかなりかたい表現なので。もう現代では使わないですね、ほぼ。

上村:へえー。I'll be back.

ロイ:I'll be back.

上村:これは日常会話で使われる。

ロイ:そうですね。戻ってくるよって言ったら、戻るだから、returnとか、come backとか。日本人的には言いたくなるんですけど。でも例えばcome backって言うってことは、もともとgoしてるから。けっこう遠くに行っちゃうイメージが逆に出てくるので、大げさになっちゃうんですよね。

だから、ちょっとそこまで行って、すぐ戻ってくるよみたいなときは、I'll be backとか、強調するrightをつけてI'll be right back. みたいに。

上村:I'll be right back.

ロイ:これは本当に使いますね。

上村:例えば飲み会で催してきたときに、ちょっと席を立って「I'll be back」 みたいな感じでね。トイレ行きたいときに。

ロイ:そうそう。I'll be right back. って本当に使えますね。

上村:なるほどねー。ちょっとトイレ行ってきます、とはまたちょっと違う印象を持たれるかもしれないですね。

ロイ:確かに。

上村:逆に「何言ってんだ、こいつ」って思われるかもしれないですし(笑)。

本当は「I'll be back」と言いたくなかった?

上村:そんなI'll be back. なんですけど。これはもともと、シュワちゃんはI'll be backと言いたくなかったらしいんですよ。

ロイ:へえ、そうなんですか?

上村:なんかその監督と、I will be back. ってちゃんと言いたかったっていう。それがなぜかっていうと、ターミネーターっていう機械の役だからこそ、ちゃんと言いたい。そのほうが機械っぽい。っていうことらしいんですけど。ちなみに、シュワちゃんいわく、「I'll」っていうと、女性っぽい。って本人おっしゃってたらしいんですけど。そういうの、あるんですか?

ロイ:(そういうの)はないですね。

上村:ちょっと表現が柔らかくなったりとか? そういうことなんですかね。そのほかにもね、ターミネーターのほかには……。Hasta la vista.

ロイ:ああ、Hasta la vista, baby. 言ってますね。

上村:これでも、英語じゃないんですよね。

ロイ:スペイン語ですね。

上村:はい。なんで映画のなかでいろんな言葉が出てくるかっていうと、やっぱりその、アメリカで作られた映画だからっていう。下地はあるのかな? ヒスパニックな場所だからこそ、いろんな言語が混ざり合っている。そのへんが下地にあるからこそ、Hasta la vista. みたいな言葉が出てくるのかなと、思っちゃいましたね。

『ダーティハリー』の名台詞の意味は?

上村:そして……これは、ロイさんがイチオシな表現があるんですけど。

ロイ:はい。『ダーティハリー』ですね。

上村:ダーティーハリー。

ロイ:日本語で言うと「さあ、撃たせろ」っていう表現なんですけど。Go ahead. Make my day.

上村:……Make my day. さあ撃たせろ。ん?

ロイ:これは、例えばなんですけど「You make my day.」 みたいに言ったときには、「あなたのおかげ1日が最高になったよ」みたいな。最高の1日だったよ、みたいな表現なんですよ。

上村:はい。

ロイ:それを皮肉的に使っているというか。ダーティハリーなので。

上村:銃向けてるわけですからね。

ロイ:相手が撃ってきたら、自分が撃つことができるんですよ。

上村:ああ。

ロイ:だから、撃ってくることによって、Make my dayしろ、と。

上村:なるほどね! なるほど。俺を楽しませる1日にするためにも、お前は撃ってこなきゃいけない、と。

ロイ:そうそう。

上村:だからこその、この表現になるわけですね。

ロイ:そうなんですよ。これは本当に訳せないので。これこそ本当に英語で味わったほうがいい。そういう表現ですね。

上村:なるほどね……。ダーティハリー懐かしいですね。

ロイ:(笑)。

上村:なんて言うんですか? ラッパズボンというか。ね、ガニ股で、こう(撃つ)。

ロイ:うん(笑)。

上村:実際ね、45口径なんて、両手で持っても相当な反動だって言いますもんね。

ロイ:ああ……。

上村:実際に撃ったことはないので、あれですけど(笑)。そんなGo ahead. Make my day. そして、先ほどのターミネーター、I'll be back.

ロイ:はい。

上村:そして、ドクの口癖。お願いします(笑)。

ロイ:(笑)。今、読んでくれるのかと思ったら。

上村:いや、読もうかなと思ったんだけど(笑)。

ロイ:If you put your mind to it, you can accomplish anything.

上村:「何事も為せば成る」と。そんな、いろんな表現お送りしました。