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BIを導入しても「どう使ったらいいかわからない」の声… 失敗を乗り越えて実現したリコーの業務改革

BIを導入しても「どう使ったらいいかわからない」の声… 失敗を乗り越えて実現したリコーの業務改革

最新テクノロジーやデータを活用する企業が一堂に会し、先進的な取り組みを共有するカンファレンス「ウイングアークフォーラム 2017」。11月28日に開催されたウイングアークフォーラム 仙台ではリコーインダストリー株式会社の馬場 保氏が登壇し、「リコーの『ものづくり工場』が取り組む、BI(MotionBoard/Dr.Sum)を活用した 次のアクションにつなげる情報可視化と利活用」というテーマで講演を行いました。

(提供:ウイングアーク1st株式会社)

シリーズ
ウイングアークフォーラム > ウイングアークフォーラム2017 仙台 > リコーの「ものづくり工場」が取り組む、 BI(MotionBoard/Dr.Sum Datalizer)を活用した 次のアクションにつなげる情報可視化と利活用
2017年11月28日のログ
スピーカー
リコーインダストリー株式会社 生産システム本部 生産管理統括センター 情報システム開発室 副室長 馬場保 氏

リコーのMotionBoard活用事例

馬場保氏(以下、馬場) ただいまご紹介に預かりました。リコーインダストリーの馬場と申します。本日最後のセッションになりますね。ここは仙台ですし、もう時間的に国分町が呼んでいるかなと思うんですけれども(笑)。少しの時間お付き合いください。
弊社はMotionBoardをちょうど3年前に導入しました。みなさまの会社ではどうでしょう? MotionBoardとDr.Sumを入れていらっしゃる会社さんが多いんでしょうか? 入れていらっしゃるという会社さんはどれくらいでしょうか? 
(会場挙手) これから入れようと検討していらっしゃる方が多いということですね。弊社は3年くらい前にMotionBoardを導入しました。導入当時から一番欲しい情報があったんですが、それはなかなか手に入らない情報でした。何かと言うと「MotionBoardを導入している企業では、実際に会社の中のデータを使って、どんな風に使っているんだろう?」と。デザインであったり、社内の業務部門からどんな要望が来て、どのように反映し展開しているのか。 加えてどのような情報の粒度(細かさ)で見せているのか、など実際に使っている会社さんと情報交換がしたいなぁと、ずっと思っていましたが、なかなかそういう機会に恵まれません。 ウイングアークさんの先ほどのデモを見ていても、1億件、10億件のデータをサクサク動かして、「こんなイカしたデザインでできますよ」というプレゼンがありました。へぇ簡単に開発出来るんだなぁとその時は感じるんですが、いざ実際自分の会社に帰ってMotionBoardを導入するだけで同じことができるかというと、なかなか出来ないのが現実です。 本日は最終セッションまで残って頂いた皆様には、せっかくの機会ですので弊社で動かしている実際のMotionBoardを動画としてお見せしようと思います。導入してから今まで、3年間いろいろ失敗がありましたが、現在社内で運用している最新の状態を動画サンプルとして3つくらい持ってきています。 弊社はリコーグループとしてモノを作っている工場です。工場での品質情報を可視化しているMotionBoardを後ほどお見せしますが、実際の数値部分は「あくまでデモ」のためのサンプルデータ」ですので、お間違えのないようによろしくお願いします。では始めたいと思います。

国内のものづくりを1つにしてマザー工場に

まず会社紹介ですが、名前の通りリコーグループです。国内海外合わせて230社、従業員11万名ほどの大きな会社の一員です。弊社はリコーインダストリーといい、国内5拠点に生産工場を配置しています。東北から関東、静岡というところに点在しております。 リコーインダストリーは、4年半前の2013年に設立した若い会社です。設立前は国内4つの会社がありましたが、国内での生産拠点を1つの会社にして、マザー工場としての機能強化と最適化を実現しましょう、という想いの中で設立された会社です。 おのおの20年~30年という長い歴史を持っていた4つの会社が合併してできたのが4年半前で、日本をマザー工場として、海外の工場に生産に関わるノウハウを展開していきましょうというミッションを進めています。 作っているものは、大きな産業用プロダクションプリンタであったり、新聞紙を広げたサイズより大きいサイズを印刷できる広幅のデジタルプリンタであったり、プリンタで使うサプライ用品のインクやトナー、コピー機の中の重要なパーツ、キーパーツと呼んでいますが、各種ギアや基板だったり、各種ユニットを生産しています。 ちょうど本日の会社は仙台ですので、弊社の東北事務所を少しだけご紹介致します。仙台から東北本線で東京方面に30分ほど上ったところに槻木駅がございます。そこで降りていただきますと東北事務所がございます。ご覧のような広い敷地の中でデジタルプリンタやトナーを生産しています。

すべての層で意思決定が早くなる

本日お伝えしたいことはBI(BusinessIntelligence)ツールの活用法です。よくやってしまうのがツールを導入することが目的にすり替わってしまうことですが、一番大事なのは、ツールはあくまで道具のひとつですので、その道具を使って何がやりたいかという、目的を先に考え決めておく。 その目的を経営層とコミットするなりして、BIの導入が目的ではなく、目標を達成するためにBIを活用することが重要というのを、ブレなく最後まで頭に置いて進めないと、気がついたら「導入できた。やった、終わった!」となってしまうので、そこは注意して進めた方がいいと思います。 昨今、働き方改革という言葉もよく聞くと思いますが、いろいろな会社、業種がありますので、当然施策は違って当たり前ですよね。でも、IoTや情報活用、ビッグデータというキーワード。これはどんな業種であっても同じように使えると考えて良いと思います。 そこで弊社が選んだのがウイングアークのMotionBoardで、グループ内グローバルでの様々な情報を一元的に蓄積し、可視化してクイックアクションできるようにすることで先読み経営に役立てたい。これを狙って活動しております。 皆さんが気になるのは、BIを導入するとどんな業務改革ができてどんな効果が得られるのか?というところだと思います。ひとつは、大規模、大量のデータを非常に高速に処理できますので、当然、意思決定が早くなります。これは経営層、マネージャー、一般職、全てのユーザーが実感できるはずです。 とにかく今までやっていた集計業務や報告書のためのデータを集めることが早くできます。賛否のあるプレミアムフライデーですが、ものを作っている生産会社で月末の金曜に早く帰るって無理ですよね(笑)。でも、日々の業務が早く出来るようになると、こういう月末でも無理なく早く帰れるようになります。 誰かに頼まなくても、自分で欲しい情報はいつでも自分で取れる。この便利さが習慣になっていくと積極的に自分の環境を変えていこうという動きになっていきます。そういう環境変化のチャンスを作れることが、かなり期待できると思っています。 この環境変化を生産活動と間接業務の両面で実現して、仕事のやり方を変えていこうというのが「ワンクリ」というネーミングを付けて活動していきている弊社のテーマになります。 「ワンクリ」は社内で付けたネーミングなんですけれども、使っている製品はDr.SumとMotionBoardです。ワンクリのOneは、社内のどこかで生まれた最初のデータを、重複入力することなく、会社全体で活用して、日々の業務で作成する資料や報告書のOneClickで作成できるようにして属人化の排除と共に、自動化出来たら良いよね。この「One」というのキーワードを我々情報システム部門は念頭に置いて活動しています。 よくシステム部門は金食い虫(コストセンター)と言われますよね。でも「ITは活用することで経営のための戦略的な武器になるんです!」ということを経営層にずっと言い続けて、高い投資に対しても理解を得て、稟議を通して頂いてきています。 それでは、弊社のワンクリ(Dr.SumとMotionBoard)活動を詳しく説明したいと思います。 国内、海外必ずどこかで最初のデータが生まれるはずです。その情報をグループ全体で転記であったり重複入力しないでグループ全体で活用し、かつMotionBoard等の機能を使って定型フォームはボタンをクリックするだけで自動作成し作成業務を中抜きする。日々見るべき情報はダッシュボードとして全員で同じ情報を見てクイックアクションにつなげるために使っています。

導入前の状況

2008年当時、まだ会社が合併する前なのですが、埼玉事業所でDr.Sumを入れました。まずそこではモデルラインの生産予実績から展開し、1年ほどかけて拠点内の全てのラインへ展開を拡大しました。そのあと品質保証部門、購買部門、人事総務部門、と順番に広げていった時代がありました。当時はDr.SumとDatalizerの他にVisualizerを使って可視化していましたが、現在はVisualizerは廃止して可視化部分はMotionBoardに置き換えています。 その後、2013年にリコーインダストリーとして4つの会社が合併して規模が3,000名くらいの会社になり、扱うデータ量もユーザー数も数倍に増えました。更に2016年、マザー工場というミッションから、国内だけでなく海外も含めたグループ全体での生産工場の情報を一元的に見ることが必要になり、ライセンスをグループライセンスに切り替えました。ちょうど昨年のことです。 今年になってグループ展開での情報の一元管理を本格的に展開しはじめているところです。国内海外合わせて生産に関わるスタッフが約1,600人から今2,000人くらいにまで増えています。現時点でワンクリはこのくらいのユーザーに使っていただいているシステムになっています。Dr.Sumの中のテーブル数も先週確認したところ、約700テーブルありました。 より詳しくお話ししますと、リコーインダストリーで展開しているシリーズは、Dr.SumとDatalizer for WEBとMotionBoard、をワンクリシステムとして構築し、ワンクリへ国内では主要5つの工場からデータを連携、海外では、中国、タイの複数の工場拠点からデータ連https://logmi.jp/wp-admin/media-upload.php?post_id=243799&type=image&TB_iframe=1携しております。 生産に関わる基幹システムはIBM System i AS/400で構築され、国内・海外多くの拠点単位で動いています。更にリコーグループは、グループウェアとしてIBM Lotus Notesを11万人全員で使っておりまして、そのなかのコアのNotesのデータベースも連携してきています。 また工場拠点なのでMES(製造実行系システム)ですね。生産現場のラインサイドで動いている生産システムがあります。いろいろな仕組みがSQLサーバやOracleサーバで動いていますが、それも多数連携してきております。 image6 この図は、ワンクリの活動を始める前のイメージになります。Dr.Sumを入れる前ですね。いろいろなシステムから情報を取ってきて日々一生懸命業務して、週報なり月報なり作りますよね。社内の間接部門のユーザーを対象に業務分析を最初に実施しましたが、分析していくと、あちこちの部署でアウトプットの形はほんの少しだけ違うが、同じ情報ソースから似たような資料を作っていることが多々あることがわかってきました。 またヒアリングしていくと、手間暇かけて作成したアウトプット資料は誰も使わない、保険のために作っているという資料もあるということもわかりました。「その資料をどこに出すの?」と聞いたら、「1年に1回くらい市場クレームがあったときにこれがあると便利なんです。なので毎日作っています」ということでした。ちょっと驚きですね。 狭い範囲では見えませんが、全体最適視点で俯瞰して、こういう状況をどうにかしなくてはいけない、と活動を始めました。工場拠点で重要な情報で、かつ一番多く活用されるデータはQ・C・D情報です。この情報が1ヶ所に集まっていればみんなで見て活用できますよね。

みんなが同じタイミングで同じ精度の情報を取れること

image5 目指す姿のイメージがこちらの図になります。1つの工場だけでなく国内海外もひっくるめてQ・C・Dの情報は1ヶ所、ワンクリ(Dr.Sum)に集めます。ワンクリに集めて、生産に関わるスタッフはここだけを見れば、みんなが同じタイミングで同じ精度の情報が取れる。更にワンクリの機能を活用してアウトプット資料はOneClickで自動作成する。これを目指して2008年から活動を進めて、もう9年目ですね。9年間この活動をずっと続けてきています。 冒頭にも言いましたけれども、あくまでBIを入れるのが目的ではありません。目的はBIを使って先読み経営であったり、業績に貢献できる仕組みとした活動にしなくてはいけないというところです。ここがブレてしまうと、入れて「終わった、やった!」で終わってしまいます。 3つの狙いを説明します。会社統合からリコーインダストリーになって4年半くらい、この3つの狙いを実現するための活動をしてきています。 image8 まず国内海外でグループ展開して活用していますので、ワールドワイドな情報を一気通貫で見て、同じ情報を見てディスカスしましょうということ。 もう1つ、マネジメントサイクルを短縮しましょうということ。ものを作っている会社の宿命ですが、どうしても市場に出した製品に対して品質不具合等がございます。その時はやはり対応スピードが命ですよね。お客様に迷惑がかからないように、可能な限り早く原因究明して、影響範囲はどれくらいなのかを、データを集計・分析して更なる問題が発生しないようにしなくてはいけない。こういうところに対してもワンクリは有効活用ができます。 3つ目、これはまだまだ道半ばですが、BIにはデータがたくさん貯まってきております。今後はAIなどが入っていくでしょう。AIを使って予知予兆ができるようになると先読み経営につながるはずです。たくさんのQ・C・Dデータが貯まっていますので、それにライン作業者の動線データであったり、気候データであったり、需要予測であったり、社外のデータを追加してAIを使って分析していくこともやっていきたい。ここは今いろいろ考えている最中です。 image7 ワンクリシステムのシステム概要図です。生産の基幹システムの他に、財務システム、工程内の品質システム、グループの人事システムも連携しています。各社員の残業や有給、スキルといった情報もすべて連携してきています。 システムではないが、生産のスタッフが自分のパソコンで持っていて「それは共有したほうが効果的に使えますね」というデータは、説得してDr.Sumの中に保管して共有していただくように変えてきています。

MotionBoard導入初期の失敗

image2 こうすることによって、経営層の方々は見るべき情報の範囲は広いんですが、ぎゅっとサマリーした情報を見られるようにしています。間接部門や生産現場、現場一線の方は守備範囲は自分の業務なので狭いんですけれども、扱う情報の量というのはすごく粒度が細かいため大量の情報量ですよね。この図のように扱う各層によって必要な情報を自分で必要とする粒度を選んで取りに行けるというのもMotionBoard、Dr.Sumのすごくいいところだと思っています。 経営層にはまず異常正常を可視化してサマリで見せるということを展開しています。業務部門の方々にはBIだからといって難しい操作は必要ありません。とくにDatalizerはエクセルの操作とほぼ同じで使えますので、エクセルライクで簡単に活用できるメニューとして提供しています。 我々システム部門では、開発者からの視点なんですが、メーカー名は言いませんが(笑)、あまりにも高価なBIツールを買ってしまうと、社内で開発することが難しくて、結果的に外注することになって、当然費用もかかりますしレスポンスも悪いです。 そういった面では、MotionBoardもDr.Sumも非常に開発が簡単です。弊社のワンクリの環境は、外部に開発は一切出していません。グループ展開していますが、すべて私ども情報システム開発室の中で100パーセント開発していますので、かなりレスポンス良く業務部門の要求に応えることができているというのもメリットの1つです。 さっそく弊社の実践事例を説明したいと思いますが、その前に失敗してきたことも合わせてご説明したいと思います。 MotionBoardは2年くらい前に導入しました。せっかく導入したのだから早くユーザー数を増やして展開をしたかったので、各業務部門のなかでITに詳しい人に「開発も簡単なので、どうぞ使って見てください」と展開しました。 結果的にこれが失敗なんですけれども、同じようなボードがあちこちに乱立してなにがなんだかわからなくなってしまう(笑)。かつその業務部門の開発者が人事異動でいなくなってしまうと誰もメンテできないボードになってしまった。 次は、最初は共有IDでログインして使いました。これも失敗だったんです。結局、使っていくと「この情報だけは課長職以上しかアクセスさせたくない」とか、情報によっては「人事部門しかアクセスさせたくない」ということが出てきます。共有IDだとそういうことができないんですよね。さらにアクセスログを解析しようにも共有IDでは分析できないという失敗もありました。 トップページも考えなしで「とりあえずMotionBoard導入したのでやってみてください」とやったんですが、みなさまもわかると思いますが、MotionBoardの見た方はエクスプローラみたいな、フォルダの階層のような画面ですよね。あのフォルダがたくさんできると、結局「私の見たい情報はどこにあるの!?」と、わけがわからなくなるんです。そういう失敗がありましたね。 失敗から1年経過くらいで、多くの反省点が見えてきましたのでガラっと運用を変えてみました。開発は部門に開放しないですべて私の部署である情報システム開発で巻き取りました。状況によっては開発者を人事異動で動かしてきたというのもございます。 共有IDもやめました。最初から気がつけば良かったんですけど。ワンクリの利用には申請精度にして個人単位で申請していただいてIDを付与する。個人IDになることでアクセスログも分析できるし、課長職なのか一般職なのか、部門はどこなのか、など色々なアクセス制御もできるようにしました。 トップページも簡単に作れますので、機能別に必要な情報に到達できるようなボタン配置のTOP画面を作成してまずログインしたらここが表示され、そこから誘導して迷わず必要な情報まで見にいけるように変えました。

実際にデモ画面で説明

では実際にサンプル動画を用意してきましたのでお見せしたいと思います。まずグローバルでの品質情報。国内海外のリコーの工場拠点の情報です。 大事目的は、アクションですよね。「可視化してなにをするの?」と。アクションにこだわっていろいろなボードを作ってきました。 品質保証部門と何度もディスカスして作ってきていますので出来上がりは非常に好評です。製品にはユニークなシリアルナンバーが付けられて市場に出荷されます。 仮に不具合があった場合はそのシリアルナンバーをもとに保守履歴であったり、工場内での「出荷検査はどうだった?」「工程内検査はどうだった?」「生産中での4M変化は?、作業者が変わったり部品が変わったりしてませんか?」と。 この生産履歴のすべての情報をシリアルナンバーをキーで横串で検索したいという要望が強かったので、これを実現してからは非常に好評です。 ではトップメニューからお見せしたいと思います。(スクリーンを指して)これがノーマルのMotionBoardの画面ですよね。フォルダ構成だと、このようにフォルダがたくさんあるとどこに自分の欲しい情報があるかわからないというので、トップメニューをこのように、機能別のボタン配置でわかりやすく作りました。 image1 機能分けは品質、生産という感じでボタンを並べてわかりやすくしています。かつ右のほうに英語、中国語、日本語と言語切り替えのボタンを置きました。当然英語圏や中国語圏からもアクセスがありますので、このように言語切り替えができるようにしております。個人IDでのログインにしたことで、英語圏の方は最初から英語版のトップページに遷移するようにしていますけれども、意識的に言語切り替えもできます。 また、よくある質問はFAQページを作って、自分自身で調べることもできるようにしています。 次にグループのワールドワイドの品質情報の活用のボードです。トップメニューから入って、着荷品質のボタンを押すとボードが遷移します。品質情報は見たい形が決まっていますので、あえてパターン化しています。このボタンから入ってくれれば見たい情報を雛形として用意しているということですね。今まで月報が配信されてくるまで見れなかった情報が、いつもで最新の情報を見ることができるようになりました。 着荷品質というボタンを押しました。画面下半分が国内・海外の主要工場で、かつ重点機種と設定されている製品の着荷品質の結果数値が出ています。設定した閾値から外れた部分は赤色の点滅でアラーム表示を出しています。 画面の上半分は情報をどの範囲で見たいか、あとはどの機種をピンポイントで見たいかというところになります。かつこのボタンは「どういう組み合わせで相関を見たいか?」ということもあらかじめ決めてパターンとしてボタン化しています。こういうデフォルト設定を用意しておくと迷わずに押すだけなので、特別な操作教育をしなくても浸透が早く進みます。 このサンプル動画の動きのように実際にこのレスポンスで動きます。クラウド上にサーバを置いているんですけれども、国内どこの拠点、海外からでもだいたいこのスピードで動きますのでストレスはぼぼありません。データは2014年から現在まで、約4年間分くらいのグローバルでの品質情報が入っていてこのレスポンスですね。 「責任区別で見たい」「この情報は最初は表示しなくていい」「ボタンを押したときだけ明細を横に出したい」など要望の多いパターンに対応するため、このような作りにしています。あくまでも最初はシンプルに、深掘りして見たい時はボタンを押して見るという方式で作っていますね。

製品ごとの履歴や品質情報を確認

これはトレーサビリティを検索するボードです。100パーセント一致でなくてもいいので、わかる部分のシリアルナンバーを入力します。すると部分一致で各品質システムの中の情報を横串で検索します。一番上が市場品質データ、2番目が出荷検査データ、3番目が工程内品質のデータ、4番目が工程内の4M情報です。この4つのシステムを入力されたシリアルナンバーから部分一致で検索してヒットしたものを表示しています。 表示されたデータをクリックすると、その明細内容が見られるようにしています。市場であればその製品の保守履歴、営業の方が登録したデータですね。 製品が出荷検査のときにどんな不具合があったのか? なければデータはなしなんですけど、出るということは出荷検査の時に何かがあった。かつ工程の中、製品を組み立てている最中にどんな不具合を修理したのか確認したいということがありますが簡単に調べることができるます。 最後に4M、製品を組み立てているときに作業者や部品にどんな変化」があったのか。この表示画面の場合は、ここでしょうね。ちょうどこの製品の中で山田さんから山崎さんに作業者が変わっている。そういう情報が見れます。今まであちこちのシステムを見て、時間をかけて調べていた情報が簡単操作で見れるようになってとても好評で、よく使っていただいているメニューですね。 次が各拠点の工場の中の生産ラインで、「今の品質情報」が見たいということで。画面の上半分が日本の工場です。下半分のアルファベットが海外の工場の品質情報です。このボタンを押すだけでその工場の中で動いている品質システムの「今の情報」がわかるように作ってあります。 せっかくですので、東北事務所の生産ラインの品質情報を見たいと思います。東北事業所のボタンを押して、さらにこのボタンを押すと、東北事業所の工場全体での品質情報が表示されます。工場全体で見るか、ピンポイントでこの機種だけ見たいかを選択で切り替えられるように作り込んであります。 これは海外、タイの工場です。日本にいながらにして「タイはどうなってるの?」もすぐに確認できます。国内も海外も、全てデザインは統一にして、あまり色使いも多くなく2色か3色でシンプルに作るようにしています。 タイは言葉の壁がありますので、このように不具合の写真を貼ってもらって、具体的にどんな不具合があったのかが視覚的に理解しやすいような運用をしています。このサンプルでは基板のICが浮いていますよね。こういうことがあったというのをMotionBoardの中から簡単に確認できるようにしています。

どの拠点にどういう雇用の方が何人いるのかも一目瞭然

国内拠点は5つありますが、「どの工場にどんな人がいるの?」ということです。派遣さんの情報がとくにシビアで重要なんです。派遣従業者の人数は当然労務費に関わってきますので、精度を上げてシビアに見ています。 人事部門はこういう派遣従業員の人数を把握するため、非常に時間をかけて一生懸命に集計していますが、BIを入れたことによって、集計作業はほぼ0になっています。入れる・貯める・活用する。このキーワードをワンクリでやっています。 image3 では人員情報のボードはどんなものかをデモをお見せしたいと思います。トップ画面がこれです。トップ画面は国内・海外、ユーザー全員が入れるんですけれども、これより先は社員構成情報になるので、インダストリーの社員しか入れないように制限してあります。 入ると、人事部門しか動かせないボタン、あとは組織職、課長職しか動かせないボタンというのを入れてあります。今は人事部門専用の人員構成というボタンを押しました。 国内拠点を合計して、会社の全工場の合計社員・男性社員・女性社員別グラフ。これが以前のVisualizerではできなかった表現なんですが、今はMotionBoardで簡単にできるんですね。とても助かっています。 このボードでは、工場拠点内、社員もいれば人材派遣もいます。嘱託もいます。役員の方もいます。見たい情報に絞って、どの拠点に何人くらい、どんな雇用属性の人がいるかということも簡単にわかるようになっています。 今、国内拠点4ヶ所にチェックを付けました。だいたいこのスピードくらいですね。社員数で3,000人。派遣を入れると6,000人のデータからボタンで切り替えて表示させています。 「どの拠点にどういう雇用の方が何人いるの?」という月別の推移を簡単に見られるようになっています。これは社員だけにしたところです。これも以前は人事部門がエクセルで毎月毎月履歴を保存していました。でもエクセルだと時系列で見れないですよね。蓄積された情報をMotionBoardを活用すると簡単にトレンドがわかります。 これは月次での人員を視覚的に、前月と比べて多かったのか少なかったのかを矢印で表しています。とくに弊社がよく見ているのは派遣の方、その人数が前月と比べて上がったの? 下がったの? ということを見れるようにしています。

価値あるデータを集める、有り物を使う

このボードには、3,000人の社員の2017年1月から今までの有給残業情報をすべて流し込んでいます。個人情報が特定できないようにこれ以上のドリルダウンはさせないんですけども、マネージャー職は自分の受け持つ部署がほかの部署に比べて残業が多いのか、有給をちゃんと取っているのかを見るようにしています。サービス残業にならないようにという施策の1つのアイテムとしても使っています。 次に、社員のスキル情報です。「スキル強化育成システム」が社内で動いているんですが、パッケージ製品のシステムなのであまり自由にデータを扱えないんですね。そんな場合もデータをMotionBoardに渡すことで自由な視点で扱えるデータに変えることが可能になりま 今選んだのは、情報システムという大分野で、テクニカルという中分類、それを会社全体で見るとどれくらいの人数で、どれぐらいのレベルを持っているのかグラフ表示されます。色分けされていますが、これはレベル1からレベル6まで、数字が高いほうがスキルが高いという識別で分布を出しています。 この部分にちょうどDr.Sumのスキルがありますね。23人がスキルを持っています。青い部分の人数が一番スキルが高い方ですね。少ししかいないんですけれども(笑)。ちょっと恥ずかしいのでDr.Sumはこれ以上触らないで、その先のノーツドミノのところを触ってみました。Lotus Notesですね。 ノーツドミノのグラフをクリックすると、ノーツドミノの開発スキルを保有する20代30代40代50代と、10歳単位でどのレベルの方がいるかがわかります。とくに50代後半の方でスキルの高い方、早く技能伝承しないと定年してしまいますので。積極的に技能伝承を仕掛けていくというふうに活用しています。 また、新しい事業を立ち上げるときに全拠点網羅して「このスキルを持っているのは誰だ?」ということもすぐ調べられますね。そういうシーンの時にも、人事部門は有効に活用しています。 では、最後に簡単にまとめます。BIを社内で展開するにあたって、3つのこだわりで進めてきました。 まずは、価値あるデータを集める。弊社では各社内システムから直接Motion Boardに連携させずに、中間にハブサーバを置いています。このハブサーバで一旦クレンジングして不要なデータは削除することで後々MotionBoardやDr.Sumで扱いやすいデータにしています。ゴミデータは流さないということですね。 あとは有り物を使いましょうというところです。吸収合併等、昨今の、ものづくり会社は環境変化が激しくあります。本当は同じシステムを使う運用に切り替えればベストなんですけれども、それやると簡単に3年4年経ってしまいます。 なので、今のシステムには手を加えないで有り物のまま使い、新たなシステムは作らない。そういうときにはMotion Boardは非常に便利です。 何度も言いますが、初期設定が大事です。BIは難しいものではありません。デフォルトでボタンを用意してありますので、「あなたが欲しい情報はTOP画面から入って、このボタンを押せば見れますよ」というところまで段取りしてあげれば、その後は浸透度も早く利用ユーザーもあっという間に多くなります。これは1つのコツですね。 以上、弊社の失敗事例も含め、いろいろご紹介させていただきました。1つでもなにかヒントになることを持ち帰っていただければ大変嬉しく思います。ご静聴ありがとうございました。 (会場拍手)

  
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