お金を使うと「減る」? 「増える」?

頼藤太希(以下、頼藤):こんにちは。

高山一恵(以下、高山):こんにちは。

頼藤:ゆるーくマネーについて語るラジオ。

頼藤&高山:マネラジ!

(両者拍手)

高山:始まりましたー。

頼藤:9回目と。

高山:9回目!

頼藤:10回目の大台まであともう1回と。

高山:おー、けっこうがんばってやってきたね(笑)。

頼藤:9回目ですけども、「お金を使うと減る? 増える? どっち?」というような、お金の使い方・考え方をテーマにしてお話ししていこうかなと思うんですけども。ついこの間も、高山さんがそんな記事を書かれていたということで。

まず、「お金を使うとお金は減る?」。どうですかね? 僕は、増えることもあるかなと思うんですけど(笑)。

高山:(笑)。でもね、お客さんに「お金を使うと、お金は減ると思います? 増えると思います?」って聞くと、8割から9割の人が減るって答えるんです。

頼藤:ほう、8割9割が。

高山:だって、普通にジュースを買ったら100円取られるし、コンビニで買い物をしたらお金って減っていくじゃないですか。

頼藤:なるほど。

高山:なので、この質問をすると、もう「はあ?」って顔をする方が多い(笑)。

頼藤:「お金使うと、減るに決まっているじゃない!」っていう人たち。

高山:そう。「減るに決まってるじゃない、なに言っちゃってんの?」っていう。

頼藤:あー、なるほど。

高山:そういう感じの人が、ほとんどですよね。

節約志向の「消費脳」

頼藤:そういう人たちはどんな……なんて言うんですか、呼び名があるんですか?

高山:呼び名があるというか(笑)。そういう方たちは一応、脳の考え方としてなんですけど、「消費脳」と。

頼藤:消費脳?

高山:はい。そういう方たちは、お金を使えばお金が減っていくだろうと。なので、「お金を減らさないためには、なるべく節約しなくちゃ」「なるべく使わないようにしなきゃ」って。

頼藤:なるほど、節約の方にいっちゃうんですね。

高山:そう。それを、消費脳と言っています。

頼藤:もちろんあれですよね、無駄遣いせずに節約することは大切なんだけども。

高山:もちろん、大切なんですけど。

頼藤:今の世の中を見ろと。給料も伸びないし、少子高齢化で人口も減少。

高山:そう。年金も、出るかどうかわからない。

頼藤:そして物価も上昇して、お金の価値がどんどん減っていく。そんな中、貯蓄だけでいいんですか? という話ですね。

高山:そうです。

頼藤:マイナス金利も突入しました。

高山:突入しました(笑)。

頼藤:まだね、私たちの普通預金の金利はかろうじて0.0001か。

高山:いや、0.001ですね。はい。0が多すぎてわからない(笑)。

頼藤:(笑)。だから、どんどん……。

高山:0に等しいですよね。そんな中で、やっぱり節約だけやっていくっていうことは、すごく限界があるんじゃないかなと思いまして。そもそも私、節約がぜんぜんできないんですよ。

頼藤:おー。

高山:好きじゃないんで(笑)。

頼藤:なるほど。まあ、やろうと思えばできますけど。

高山:やりたいかやりたくないかと言われたら、そんなにがんばってやりたくないけど。

頼藤:そうですね。心を貧しくさせる行動ですよね。

高山:そうそう、「行動」になってしまうので。

だとしたら、お金を使えばお金が増えるっていう発想に転換すれば、もっとお金に対してポジティブになれるんじゃないかな、ってことなんですね。

頼藤:なるほど。じゃあ、日本人の多くが消費脳になってしまっていると?

高山:そう。

頼藤:それは、昔から節約・貯蓄しろって言われているっていうこともあるから?

高山:そういうことなんです。

お金は使うほど増えていく「投資脳」

高山:その一方、今の億万長者と言われている人たちは、これは消費脳じゃなくて「投資脳」。お金を使えば使うほど、お金が増えていきますよっていう発想なんですね。

頼藤:おー、投資脳。

高山:そう。つまり、「お金は価値があるものに使えば、さらに増えるじゃない」っていう、そういう考え方なんですね。

頼藤:なるほど、すばらしい考え方ですね。

高山:お金持ちの人はもう、確実にこっち。

頼藤:なるほど。ということは、「みんなが幸せになるから、自分の幸せになる」っていう考え方ですよね。そういうことですよね?

高山:はい(笑)。

頼藤:節約っていうのは、「自分がちょっと我慢すれば、増えるかもしれない」みたいな。増えるっていうか、少なくならない。

高山:そうそう。「少なくならないかも?」っていうような考え方ですかね。

頼藤:考え方がまったく逆ですね。

高山:逆ですよね。こういう投資脳みたいな考え方をしていると、「じゃあ、価値のあるものってなんだろう?」って思考するようになるんです。お金を増やさなきゃいけないので。

頼藤:なるほど。価格と価値。

高山:そう、価格と価値ですよ(笑)。だって世の中では結局、価格や価値がどんどん上がっていくものにお金を使わないと、増えないですよね。

頼藤:そのとおりです。

高山:ですよね。価格と価値を比べた時に、「これにはこれほどの価値があるわりに、価格は安くなっているな」っていうものだったら、将来(お金が)増える可能性があるじゃないですか?

頼藤:なるほど。

高山:そういうものを探していくっていうことが、大事ということですね。

年々価値が上がっていくビンテージもの

頼藤:「投資」って言うから株とかだとイメージがつきやすいんですけど。株以外にもあるんですよね。

高山:株はわかりやすいですけどね。例えば、よくある古いもの……骨董品屋さんに行ってみるとか。

頼藤:なるほど、ビンテージもの?

高山:そうそう。ビンテージものとかだと、やっぱり年を重ねれば重ねるほど、価値が上がっていくものってあるじゃないですか。みなさん、古本屋さんとかって行ってみたことあります?

頼藤:僕はありますよ。

高山:ありますかね。あれってけっこう、神保町とかの古本屋さん。

頼藤:本屋さん、いっぱいありますもんね。

高山:ありますよね。ああいうところを覗くと、室町時代の絵本とか売っているんですよ。

頼藤:おー! そういうのって、いくらぐらいなんですか?

高山:私がこの間見たのはね、1,600万円だった。

頼藤:えー! まじすか!

高山:そう! すごくないですか?

頼藤:そっかあ、なるほど。時間が経てば経つほど(価値が)どんどん上がっていくんですかね、ビンテージものっていうのは?

高山:そうですね。あとは、ワインとか。ワインショップとかに行くと、昔からのビンテージもののやつだと、数百万円のワインとかが売っているので。今のは極端な例ですけど、そうやって年々価値が上がるだろうなあって思うもの。あとさっき言った、株式投資がそうですよね。

よく、割安・割高ってあるじゃないですか? 企業の価値がすごく高いのに株価が安いっていうのは、これは「買い」です。

頼藤:買いですね、なるほどね。でも、なかなかこの価格と価値の違いを見極めるのって難しいですよね?

高山:それはちょっとね、トレーニングが必要。

頼藤:ね。ビンテージがいいからって、じゃあ家ってどうなんだっていう。違うじゃないですか?

高山:そう。これは難しいですよね。

頼藤:はい。例えば、マイホームとかどうでしょう? 数十年前に購入したマイホーム。価値がありますでしょうか?

高山:これはね、申し訳ないんですけど……ほとんどないね。ほとんど、価値がなくなっている方が多いと思います。

頼藤:(例えば)買った時が、新築で4,000万円。

高山:とくに新築は、やっぱりまずいですよね。

頼藤:買った瞬間に、(価値が)1,000万円下がると言われますからね。4,000万円は、3,000万円になるんですよ。

高山:なんででしょうか?

頼藤:それはですね、やっぱりモデルルームとか、そういう広告をけっこう使っているんですよ。

高山:そうそう、新築マンションにね。

頼藤:そうなんですよ。だから、もともと価値がないものを4,000万円で売っているっていうことなんですよ。

高山:上乗せして売っているんですよね。

頼藤:そうなんですよ。価値よりも高く価格をつけているから、買った瞬間にもともとの価値の値段より、下がってしまうっていうことですよね。3,000万円ぐらいのやつを4,000万円で売っているから、新築を買った瞬間に下がってしまうと。そういう考え方ですよね。

高山:だいたいね、物件価格って、約2割ぐらいが広告宣伝費らしいんですよ。そういうモデルルームとか、広告とかね。けっこうきれいなのが入ってくるじゃないですか、CMとかに。そういうのに乗ってくるので。

4,000万円で買ったものが、次の日からもう3,000万円くらいになっちゃうっていう、そういうことですよね。そういうのを買ったら当然、お金は減るっていうことじゃないですか。

頼藤:なるほど。じゃあ、お金を使ってお金を増やすっていうのは、価値があるものにお金を使うということが重要。

高山:重要です。

頼藤:それが、投資脳。じゃあ、お金持ちの多くは投資脳ということですね?

高山:投資脳ですね。

消費脳の人でも、投資脳になれる?

頼藤:「お金持ちが投資脳なのは当たり前」と、みなさんもわかるかもしれないんですけど。じゃあ、お金持ちになるまでの過程で、どういうふうに買っていったのかってあるじゃないですか?

高山:あー、はいはい。

頼藤:じゃあ、今消費脳の人たちが投資脳に切り替われば、お金持ちになれるっていう……それは、大丈夫ですか?

高山:それは大丈夫です、合ってます。でもね、それにはトレーニングが必要になるので。ふだんの買い物から気を付けていくことが、やっぱり大事なんですよ。

頼藤:なるほど。

高山:例えば、洋服を買おうかなって思う時に、1万円で売ってましたと。「これは、本当に1万円の価値があるのかどうか?」とか。1万5,000円の価値があるのに1万円で売っていたとしたら、これはお買い得ですよね。

頼藤:はいはい。

高山:でも、8,000円の価値なのに1万円で売られていたら、これは買わない方がいいじゃないですか。

頼藤:なるほど。

高山:価格当てゲームっていうのを自分の中でやっていると、値段とその価値の見極めっていうのがついてくる。

頼藤:なるほど。まず値札を見ないで、「これは5,000円ぐらいかな?」って思ってから、値札を見ればいいんですね。

高山:そうそう、見て。

頼藤:それが8,000円だったら「うわっ、やめよ」って。

高山:そうそう(笑)。

頼藤:こんな感じ?

高山:そうそう、そんな感じ、そんな感じ。

頼藤:これは、本当に掘り出し物だと。8,000円でも買いたいと思った時に5,000円だった時は、「しゃー!」みたいな。

高山:あー、そうそう! そんな感じですね。なので、ふだんから価値と価格を考えるっていう習慣をつけることが大事。

「バーゲンだから買っておかなきゃ」に注意

頼藤:なるほど、すごいですね。そうやって考える。じゃあ、バーゲンとかは、どういうふうに考えるんですか? ちょっと話がずれましたけど。

高山:バーゲン?

頼藤:はい。高山さん、買い物好きって言ってたから。そういうのも、価格と価値を見極めて購入しているっていうことですかね?

高山:そうですね、バーゲン。そうそう。でもね、バーゲンになるのは、理由があるじゃないですか? ちょっと流行りものじゃなくなったから、とかがあるので。でも、流行りものじゃなくなったとしても、別にいいですよね。いいと割り切れれば、いいと思うので。そういう理由なんかも、いろいろ考えながら買うっていうことですね。

頼藤:価格と価値を見極める。

高山:そう。

頼藤:バーゲンのところは、価格と価値を見極めて買ってくださいと。バーゲンの話になると、さらにプラスして、自分にとって本当に必要かどうかを考えて買う。

高山:それ、私もやりがちなんですけどね。「バーゲンだから買っとかなきゃ」っていう、そういう心理が働いてしまうのでね。そこは、お気をつけください。

頼藤:そうなんですよ。今(2016年10月12日)って、就活が始まったじゃないですか。「スーツを2着買えば、もう1着は1,000円」「1万円になります」とか、安い時があるじゃないですか。だから2着分を買って、3枚目も買ってくださいという時がありますよね?

高山:はい。

頼藤:1着は2万円ぐらいで、2着買えば4万円だったのが、3万円ちょっとお買い得だよっていう感じなんですけど……それは、どうですかね? じゃあ、2着本当に必要なのかどうか。

高山:そうですよね。

頼藤:お買い得だからっていう感覚じゃなくて、そこはもう、価格と価値を見極めて。

高山:そうですね、惑わされないで。

頼藤:本来(1着で)2万円のものが、3万円で2着買えると。合計すれば(本来)4万円なのを、3万円で買える。それを2着買う。そうするのと、じゃあ最初から3万円の、もうちょっといいものを買うのと。どっちがいいかですよね?

高山:そうそう。そういうことですね。価格と価値を見極める。これは結局、このトレーニングが将来、今言っていた不動産っていう、大きい買い物になるじゃないですか。

「誰もが最終的にマイホームを買う」っていうことについては、ちょっと時代が変わってきているかもしれないけど。でも昔は、けっこうマイホームを買う人も多かったと思うんですね。

今流行りの不動産投資っていうものもあると思うんですけど、それって結局物件を見極められる・価値が見極められるかどうか。成功するかどうかっていうのが、結局決まるんですね。

頼藤:なるほど。

高山:不動産は金額が大きいから、1回失敗するともうリカバリーが効かない。

頼藤:そうですよね。最近、不動産投資を僕らはおすすめしているわけですけども。

高山:あれも、価値のない物件に投資したってぜんぜんだめじゃないですか。

頼藤:そのとおりだと思います。

高山:ですよね。でも巷では、価値のない不動産投資をどんどん勧めている業者もいっぱいいるよね。

頼藤:やってますよね。

高山:あまり、こういうことを言うとあれだけど(笑)。いっぱいいるじゃないですか。それに引っかかっちゃってる人も、いっぱいいるわけですよね。なので、そこはちゃんと自分で見極められるっていう力がついていれば、業者にも引っかからないし、資産形成も本当にできるよっていう話です。

不動産投資のコツ

頼藤:じゃあちょっと、不動産投資の話になっちゃったので、それの価値の見極め方を教えてください。これだといいよみたいな、不動産投資・物件を選ぶコツというか。

高山:あー、でもね、これは難しいんですよ。

頼藤:まあ、でもポイントをなんか。

高山:地域とか……? 成功セオリーってけっこう、「都会で駅から近くて」とかっていうのがあるじゃないですか。でも、結局それって競合物件がどうなのかとか、やっぱりいろいろあるし、これっていうのは難しいんですけれども。ただそれも、物件をいーっぱい見てくると、わかるようになってきます。

頼藤:要は、価値があるっていうのは、「人がちゃんと住んでくれるかどうか」の一言に尽きるのかなと。

高山:まあでも、安定して……不動産投資に限っては、そうですね。安定した家賃収入を得るっていうことが重要なので。

頼藤:そう。だから、人が住んでくれるかどうかっていうところを見ればいいので。まず「男性が住む」とかじゃなくて、「女性が住めるんだったら、男性も住める」っていう感覚。「女性が住めるような物件って、どうだろう?」って考えると、価値が高くなってきますよね。

高山:それはありますよね。

頼藤:そうそう。そういうふうにして、住んでもらえるような物件っていうのを探す。そういう視点ですね。そして、自分が住むっていう視点じゃなくて、人が住めればいいので。

高山:自分は住まないと思っても、人が住むっていう場合ってありますよね。

頼藤:そうですよね。

高山:結局そこの視点が大事ですね。

頼藤:そういうことですね。不動産投資のことは、もうちょっとね、別の回で話すということで。

高山:そうですね。語りたいことが、いくらでもありますので。

投資脳・消費脳のまとめ

頼藤:ということで、ちょっと投資脳・消費脳のまとめをお願いします。

高山:「お金を使うとお金は減るよ」っていう考え方、これは消費脳と言いますね。消費脳になっているうちは、お金をいかに減らさないか・節約するかっていう、そっちの方にいってしまうので。なかなかこう、「あるもので、いかにちんまりと生活するか」っていう思考にしかならない、ということになっちゃうんですね。

なので、できればお金持ちの人が実践している、「お金を使うとお金は増える」っていう、投資脳って言いますけど。そっちの脳の方をみなさんもどんどん、身につけていくといいんじゃないかなっていうことですね。

頼藤:ありがとうございます。じゃあ、高山さんはもちろん投資脳?

高山:もちろん、投資脳ですね。

頼藤:僕も投資脳です。

高山:消費もがんがんしますけど(笑)。

頼藤:(笑)。投資も大好きですよね。

高山:投資、大好きです。

頼藤:というわけでね、本日もお時間がきてしまったということで。

高山:早いですね。

頼藤:頼藤太希と。

高山:高山一恵が。

頼藤・高山:お送りしました。またね! See you!

頼藤:ではここで、本の宣伝をさせてください。

高山:本の宣伝!

頼藤:(2016年)10月5日に、新刊『一番わかる 確定拠出年金の基本のき』という書籍が発売になります!

高山:いえーい!

(両者拍手)

頼藤:出版社はスタンダーズ社さん。2017年1月から確定拠出年金の法律が改正されまして。今は個人型確定拠出年金って、「iDeCo」というんですけども。国民の全員が入れるようになったと。正確には、国民年金保険料を払っている方であれば、誰でも入れるようになったと。だから、サラリーマンでも公務員でも、フリーターでもフリーランスでも、主婦でも入れるということで。

「個人型確定拠出年金って、なんだよ?」っていうところは、あると思うんですけども。これは、老後資産を作る最強の制度。

高山:もう、個人の方はこれをやってほしいっていう制度ですよね。

頼藤:そうなんですよ。それを、「何がお得なの?」「どうして使うべき?」「どうやったらいい?」っていうのを、オールカラー・豊富なイラスト・図版で、基本からくわしく解説した本となっております。

高山:これ、超初心者向けですよね。

頼藤:そうなんですよ。かわいいイラストがいっぱいありますので、ぜひお買い求めいただけたらと思います。定価は1,500円となっております。ぜひ書店に! 確定拠出年金コーナーとかが、ありますので。

高山:ありますね(笑)。

頼藤:見つけていただいて、お買い求めください。

頼藤&高山:よろしくお願いします!