福島の復興は間違いなく進んでいる

安倍晋三氏:みなさま、おはようございます。今まさに実りの秋を迎えた農産期。お忙しい中、「亀岡偉民、がんばれ!」と、この気持ちでこの場所にお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。

ただいま、亀岡候補から気合の入ったごあいさつがございました。今日、私は今回の選挙、私はこの福島からスタートします。これは2012年の政権奪還の選挙もそうでしたし、次の年の参議院選挙、また次の衆議院選挙、昨年の参議院選挙。みんなそうでした。

なぜ私がこの福島の地から選挙戦をスタートするのか。それはあの東日本大震災、私は野党だった。亀岡さんは議席を失っていた。

当時の民主党政権下、なかなか復興が進まない。地域のみなさんは本当に苦しんでいた。このままでは取り返しがつかない。私たちが政権を奪還するべきだ。これが私たちの原点であります。この原点を忘れてはならない。

この思いでこの選挙戦をスタートさせていただきました。あの時、発災後、私はありったけの物資をトラックに積んで、トラックに乗ってやってまいりました。

そうしたら相馬では亀岡さんが仲間と一緒に行方不明者の捜索に汗を流していたんです。そして亀岡さんに案内していただいて避難所を回った。

その後も何度も東京に足を運んで、私のところにきて「私はバッジがないから、安倍さんこれをやってくれよ」「こんなに苦しんでいる人がいるんだ。政府はなにもやんないし」。そのように情熱を込めて語ってくれました。役所とも直談判した、一緒に。

ですから私は総理になった後、亀岡さんに復興を託そう。復興担当の大臣政務官をお願いし、大車輪で頑張ってくれました。

災害公営住宅は9割完成し、そして政権交代前は計画すらまったくなかった。私たちは驚いた。計画すらなかった高台移転。ただちに計画を作って、いよいよ今度99パーセント完成します。復興は間違いなく進んでいます。

復興を誰に託すのが最適か

そして亀岡さんが言いましたね。東京オリンピック・パラリンピックがやってくる。今度は野球とソフトボールが公式種目になる。

野球といえば亀岡さんですよね。あの江川(卓)との黄金のバッテリー。もうだいぶ腹が出ちゃってあの時の姿、面影はあんまりないけど。

(会場笑)

この野球への情熱、そして復興への情熱がつながって、みなさん、県営の近くのあづま球場。世界中から一流選手がやってきますよ。

1964年の東京オリンピック、私は10歳だった。かわいかったんですよ、当時は。

(会場笑)

あの時、日本の選手が世界の一流選手と戦う。そして日本の選手が金メダルを獲る。あの姿を見ながらワクワクしました。僕たちもがんばれば、未来に希望がある。

おそらく県営球場に足を運ぶ子どもたちは、次の世代の福島復興のエンジンになってくれることを私は確信をしています。厳しい戦いです。本当に厳しい戦いでありますが、どうかみなさんのお力を結集していただきたい。

誰がこの福島の復興をさらに進めることができるのか。それを誰に託すことができるのか。誰がやってきたのか。どうかこのことを考えていただいて、亀岡偉民を再び復興の担い手の1人に加えていただけますようによろしくお願い申し上げます。

(会場拍手)

少子化、北の脅威が今回の論点だ

今回の選挙、進んでいく少子化に対していかに取り組んでいくのか、あるいは北朝鮮の脅威に対していかに取り組んでいくのか、それを決める選挙でもあります。

北朝鮮はなんと2回、日本の上を2度も通過するミサイル発射をし、広島の10倍以上の威力を持つ6回目の核実験を行った。

この脅威に対抗していくためには国際社会でしっかりと連携しなければなりません。私はだからトランプ大統領と何回も電話会談を行い、また首脳会談も行って、しっかりとお互いに連携していこう。一致しました。

またロシアのプーチン大統領や中国の習近平主席とも、あるいはフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相ともこの問題について話し合った。「安倍さん、日本の立場はよく理解したよ。協力していくよ」と言ってくれました。

そうした努力も実り、先般の国連安保理決議において北朝鮮に厳しい圧力をかける国連決議が全会一致で採択されました。しっかりと私たちは連携しながら圧力をかけて北朝鮮の政策を変えさせなければなりません。

「安倍さん、そんなに圧力ばっかしかけて大丈夫? 戦争になりませんか? 戦争怖いからね」「まず話し合ったほうがいいんじゃないか?」。

私は気持ちはわかります。私は紛争は決して望んでいない。世界中、誰も紛争なんか望んでいないんです。しかし、ただ話し合いのための話し合いは意味がない。私はこの20年間それを経験してきた。

日本は善意で、拉致問題の解決のために、彼らがいろんな約束をすればそのたびごとにお米の支援をしました。

そして核を廃絶をする。なくしていく。放棄する。94年にも約束した。あるいは2005年にも約束した。でも、ことごとくその約束は破られて、この間、彼らは核ミサイル開発を進めてきたんです。これ以上私は騙されるわけにはいきません。

本来、北朝鮮には勤勉な国民がいるんです。そして豊富な資源だってあるんです。北朝鮮が正しい道を歩んでいけば、国民をもっと豊かにすることができる。

しかし、核問題、ミサイル問題、なによりも拉致問題を解決せずに世界に脅威を与え続ければ、北朝鮮は決して未来を切り開くことはできないんです。

今、北朝鮮が意図的に脅威を煽っている。今だからこそ私はブレてはならない。脅しに屈してはならない。しっかりと世界と協力をしながら、北朝鮮の側から「政策を変えますから話し合いしましょう」と言ってくる状況を作らなければならない。こう決意をしています。

まだ多くの拉致被害者、北朝鮮に残されたままであります。必ずこの問題を解決をするためにも、亀岡さんとともに全力を尽くしてまいります。

政権奪還してからの成果

我々は政権奪還後、「経済を成長させていこう」「デフレから脱却をし、みなさんの生活を豊かにし、賃金を上げていく」。こうお約束をしながら、一つひとつ成果をあげてきました。

例えば日本のGDPは、かつて1997年、536兆円、これがピークだった。このあとずっと落ちてきてしまったんです。ですからみなさんの収入も落ちていく。政権交代前、民主党政権はとうとう500兆円を割って493兆円まで落ちてしまった。

私たちの政策でこれをマイナスからプラスに変えたんです。とうとう493兆円から543兆円、50兆円もとうとう増やしました。

ですから、例えばみなさんの年金。年金運用してるんですよ、今ね。株でも。これはとうとうこの4年半で46兆円も……。まあ46兆円というのはなかなか実感がないんですが、これはすごく大きなお金ですよ。46兆円、年金財政、年金資産は増えました。ですから、年金財政は安心できるしっかりとしたものにもなってきています。

また最低賃金がぐっと上がりましたから、パートの時給も過去最高になっています。4年連続、今世紀に入って過去最高の賃上げがついています。

そして海外からやってくる観光客。800万人だったんですが、それが2,400万人の3倍に増えたんですね。この人たちはけっこうお買い物をします。日本でするお買い物、なんと4兆円も買ってるんですよ、これ。すごいでしょ? 

前の政権時代は1兆円だった。それを3兆円も増えたんですね。日本人1人あたりに、もし1億人だとすると、これ3万円ずつ配れるお金を使っているということです。

自分たちの未来を農業にかけよう

福島にもたくさんの観光客やってくる。福島も2倍に増えました。この福島にやってきて、彼らにもっともっとお金を使ってもらおうじゃありませんか。

例えば土湯温泉。あづま温泉もありますね。こういう温泉に入ってゆっくりしてもらって、お腹が減ったら円盤餃子。私もこれは亀岡さんにごちそうしてもらいました。そして、帰りにはこけしでも買ってもらったらいいのかな。こんなように思います。

もっともっとたくさんのみなさんに来ていただいて、ここでお金を使っていく。ここの良さも、私もお手伝いしながら、宣伝をしていきたいなと思います。

そして農業。今日は第1声、黄金色に広がる田んぼを背景にお話をさせていただいています。

私の地元、山口県長門市下関、農村地帯です。私が初めて選挙に出た時、あぜ道で農家のおじいちゃんが、私の手をぐっと握って、「晋三さん、信じちょるけ、農家を守っておくれよ」と言われました。そして私は国会に送り出された。

このおじいちゃんの手はごつごつしていた。朝早くから農作業は大変です。天気と戦いながら実りの日を待つ。でも、このごつごつした手で農家を守り、日本の地域を守ってきたんです。

でも今、農家の平均年齢は66歳を超えてしまった。守るだけでは守れない。やっぱり若いみなさんが農業、「自分たちの未来を農業にかけよう。自分たちの汗と努力で新しい未来を切り拓いていくことができる」という分野に変えなければいけない。

新農政、進めました。その結果、今40歳以下で新たなに農業就農する方、3年連続2万人を超えました。これは統計を取って以来、初めてのできごとであります。

そして大切なのは農家の収入ですね。農家の収入を上げるために農薬等のコストを減らし、なるべく高く売っていくという努力をしました。その結果、農家の収入は、生産農業所得は直近で3兆3,000億円。これ11年間で最も高い水準になりました。

この福島県においても、桃ですね、桃はタイやマレーシアに今どんどん売れています。こういうものをもっともっと増やしていきたい。

日本全体では4年連続農水産品の輸出は過去最高になっています。これからももっともっと福島のおいしい果物、そして先ほど、おいしいお米ですね。「吾妻の輝き」。おいしい、おいしいといってまだね、亀岡さんは私に1回も送ってくれたことはない。

(会場笑)

今日……あ、ありがとうございます(笑)。これはまさに福島のJAのみなさんががんばって開発した、これ世界ブランドですよ。亀岡さんと一緒に売っていきたい。こう思っているんです。

震災後、福島を襲った「いわれなき規制」

そして残念ながら被災後、福島県産品を輸出しようと思ったって、45の国々が輸入規制をしていた。いわれなき規制と言ってもいい。ですから、私は海外出張をし、首脳会談を行うたびに、福島の農産品は安全ですよというお話をしました。

また海外から首脳と晩餐会をやる際、お願いをし、「今、あなたが食べている桃は福島県の桃ですよ。安心ですよ」ということを言いながらがんばってきました。

そして、45の国々で輸入規制されていたものが今、アメリカ、ヨーロッパ、豪州で輸入が緩和された。33。33の国々で、この5年間の努力があって輸入が緩和されました。

もう亀岡さんがしつこいですから。私が外遊するという日程が入るともう毎晩必ずしつこく電話してきて、「安倍さん、必ず言ってよ」とかって。「言いますよ」。本当に情熱のある亀岡さんだとお思います。

我々はこれからさらに少子高齢化という大きな壁に挑まなければなりません。この地域でもお子さんの数が減っていると思います。やっぱり子どもたちは地域の未来、日本の未来ですよね。

そこで私たちは子どもたちの世代に思い切って投資をする決断をしました。幼児教育を無償化します。一気にします。2020年度までに保育、幼稚園の費用を無償化する。3〜5歳まで。0〜2歳は所得の低い方々の保育費を無償化してまいります。

そしてどんなに貧しい家庭に育っても、専修学校や大学に通うことができる日本にしていきます。真に必要な子どもたちに限って高等教育を無償化してまいります。

今までの給付型奨学金、これを私が、自民党・公明党が初めて始めたこの給付型奨学金、これを充実をさせて、学費だけではなくて生活費も支援して、勉強に専念できるようにします。みんなにチャンスがある社会を私は本当に作っていきたい。

そのためにかかる費用については、今までの消費税の使いみちを、借金返しに多く使われていたものを一気にこれは子どもたちへの支援、そして子育て世代への支援に使っていきます。

もちろん年金、そして介護、それもちゃんと拡充をしてまいります。社会保障を全世代型の社会保障に大きく変えて、みんなで安心できる日本を作っていきたいと思います。

未来を切り拓くのはブーム・スローガンではない

この選挙、私は愚直に政策を訴えていきたいと思っているんです。我々も3年3ヶ月、野党時代があった。自民党もあの時は本当に人気なかった。

でも、だからといって、党の名前を変えたり、ただ単にイメージだけを売っていこうなんて思わなかった。解散したり、どこかとくっついたり、こんなことを私は考えていませんでした。

車座集会を何回も何回も重ねながら、みなさんの声を率直に聞いて政策を鍛え上げ、そして政権交代とかいうスローガンではなくて、私は3本の矢の政策。デフレから脱却をして経済を成長させるという政策でもって、政権を取り返したのであります。

あれから雇用は185万人増えて、今年、卒業した高校生・大学生、就職率は過去最高となりました。

この前おじいちゃんが「最初の孫、就職の時、民主党政権でなかなか決まらなくて苦しんでてかわいそうだった。でも、今度は行きたいところに行けたんだよ。安倍さん。ありがとう」と言ってくれました。

やっぱりいちばん大切なことは、「仕事がしたい」という人にちゃんと仕事がある。そういうまっとうな政治、まっとうな社会を作っていくことではないでしょうか。

(会場拍手)

みなさん、未来を切り拓くのはブーム・スローガンではありません。政策こそ、未来を切り拓いてまいります。

この選挙、相手は共産党と社民党と一緒になって私たちを倒そうとしています。実績にかかわらず、組織を重ねていって、いったいどういう日本を作ろうとしているんでしょうか。

私は決して負けるわけにはいきません。どうか、どうか厳しい厳しい戦いでありますが、亀岡偉民に、亀岡偉民に、亀岡偉民に大きな力を与えていただけますように。ちょっとこれ重たいんですが。

(会場笑)

みなさんの力でぐっと押していただけますように。私は亀岡さんの力を必要としているんです。

みなさん、復興を進めるために日本を元気にしていくために、子どもたちの未来のために、亀岡偉民、亀岡偉民、亀岡偉民。どうぞみなさんよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。ありがとうございました。よろしくお願いします。

亀岡がんばれ! 亀岡偉民をよろしくお願いします!