決算概要

國光宏尚氏:2018年4月期第1四半期決算資料をご覧ください。まずは、連結決算概要についてご説明いたします。

第1四半期は売上高が70.2億円、営業利益が2.1億円、経常利益が2.0億円となりました。売上高は業績予想を若干下回ったものの、営業利益・経常利益はともに業績予想を上回り、引き続き黒字を継続しております。

次に、第1四半期のサービス状況についてご説明いたします。

モバイルゲーム事業においては、(2017年)5月から6月にかけて「タガタメ(誰ガ為のアルケミスト)」のTVCMを放映したことにより、ユーザーベースの拡大を実現しました。

また、(2017年)7月に「スママジ(スマッシュ&マジック)」「カクプリ(カクテル王子)」の2本の新規タイトルを配信して、当社のポートフォリオ拡充を実現しました。

スママジは年齢や性別を問わず楽しんでいただけるアクションRPGで、(現在)配信後約2ヶ月となりますが、(ダウンロード数は)好調に推移しております。今後、機能改善やコンテンツ追加を実施し、ユーザーベースのさらなる拡大を図ってまいります。

カクプリは、当社初の女性向けアドベンチャーゲームです。配信後約1ヶ月で(現在)30万ダウンロードを達成しました。リアルイベントの開催や、ゲームコンテンツのアップデート等の実施により、ユーザーベースの拡大を図ってまいります。

VR/AR事業においては、アメリカのゲーム開発会社であるinXile社(inXile Entertainment)への投資を実行して、同社との戦略的提携を実現しました。inXile社は、今年(2017年)6月に配信した「The Mageʼs Tale」がOculus Storeの売上ランキングで1位を獲得するなど、非常に高い開発力を有しています。

当社はinXile社への出資により、同社が現在開発しているVRタイトルのグローバル配信権を獲得しました。今後も国内外の有力企業への投資を通じ、有力な技術・コンテンツ・人材を保有する企業との戦略的な連携を図ることで、当社の事業展開を加速してまいります。

次に、(2017年)8月以降のトピックスについてご説明いたします。

(2017年)8月に、「セレサガ(セレンシアサーガ:ドラゴンネスト)」の配信を開始しました。セレサガは、韓国の有力IPである「ドラゴンネスト」の日本初のスマートフォン版として配信を開始し、配信後約2週間で50万ダウンロードを達成しました。今後、ハロウィンイベントやコラボ施策等により、売上の拡大を図ってまいります。

また、「FFBE(ファイナルファンタジーブレイブエクスヴィアス。販売・配信元は株式会社スクウェア・エニックス)」の日本語版においては、(2017年)9月1日より「FF7(FINAL FANTASY Ⅶ)」の人気キャラクター・セフィロスが参戦して、売上ランキングも好調に推移しております。

そして、FFBEの海外言語版においては、有力キャラクターの参戦・有力IPとのコラボの実施により、(2017年)8月に過去最高の売上を記録しました。引き続き、モバイルゲーム事業における収益力の強化・VR/AR事業の早期の収益化を目指し、取り組んでまいります。

四半期業績の推移 売上高・利益

続きまして、連結決算の概要についてご説明します。まず、売上高・利益についてお話しします。

売上高は、「ファンキル(ファントム オブ キル)」や「クリユニ(クリスタル オブ リユニオン)」は増収したものの、「ブレフロ(日本語版のブレイブ フロンティア)」及びタガタメが減収し、QonQ(前四半期比)で若干の減収となりました。

営業利益は、タガタメのTVCM放映等により販売管理費が増加し、QonQで減益となりました。

四半期業績の推移 費用

開発費は、18.8億円です。大型タイトルの開発が進捗していることから、高止まりの状況となっております。

広告宣伝費は、9.2億円です。タガタメのTVCM放映、(複数本の)新規タイトルの配信による広告出稿の強化等に伴い、(広告宣伝費は)QonQで増加しました。しかし、対売上高広告宣伝費率は13.2パーセントと、健全な水準を維持しております。

四半期業績の推移 人員数

続きまして、人員数に関してご説明いたします。(連結の)人員数は779名です。新規タイトルの開発ラインの増強に伴い、国内外とも(若干)増加したものの、引き続き適正な水準を維持しております。

四半期業績の推移 BS

次に、BSについてご説明いたします。現金及び預金は約117.6億円と、引き続き高い水準です。純資産比率も63.5パーセントと、健全な水準を維持しております。

Q2 業績予想

続きまして、(2018年4月期第2四半期の)業績予想についてご説明いたします。

第2四半期の連結売上高(予想)は、75億円です。新規タイトルの売上貢献等により、前期比で増収を見込んでおります。

また、営業利益は1.5億円、経常利益は1億円を見込んでおります。開発費は、大型タイトルの開発進捗に伴い増加(を想定しています)。広告宣伝費は、ファンキルのTVCMの放映、新規タイトルの広告出稿強化に伴い、大幅な増加を想定しています。

パイプライン

次に、パイプラインに関してご説明いたします。現在、オリジナルタイトル5本・他社IP系1本の、計6本の新規タイトルの開発を行っております。

パイプライン詳細 『ブレイブ フロンティア2』

「ブレフロ2(ブレイブ フロンティア2)」は、ブレフロの世界観を継承し、新たなバトルシステムを導入した、まさにブレフロの正統進化といえるタイトルです。開発は順調に進捗しており、今冬(2017年)の配信を予定しております。

パイプライン詳細 『ドールズオーダー』

「ドールズオーダー」は、マルチバトル要素を兼ね備えたアクションゲームです。豪華クリエイター(とキャスト)が集結したオリジナルタイトルです。今冬(2017年)の事前登録開始を予定しておりますので、こちらもご期待いただければと思います。

各タイトルの状況 新規タイトル 『誰ガ為のアルケミスト(海外言語版)』

「タガタメ(海外言語版の『誰ガ為のアルケミスト』)」の開発も、順調に進捗しております。今秋(2017年)のグローバル配信を予定しております。繁体字版に関しては、株式会社ディー・エヌ・エーとの協業により、(2017年)6月に配信済みです。

他社IPタイトルに関しては、超大型IPを活用したタイトルの開発に着手しております。その他にも、複数のIP案件につき、取り組みを検討しております。

また、パブリッシングタイトルに関しても、複数の協業先と現在取り組みを検討している状況です。なお、本パイプラインに関しては、現在開発しているタイトルの中で、一定程度開発が進捗しているタイトルのみを(資料に)記載しております。

その他の開発中のタイトルも複数ございますが、そちらに関しても、開発の進捗状況に応じ、順次パイプラインに追加していく予定です。

VR/AR事業への取り組み

続いて、 VR/AR事業及びモバイル動画事業についてご説明いたします。当社では、VR/AR市場の成長に応じた、投資戦略を展開しております。

インキュベーション事業

インキュベーション事業のご説明です。TVS(Tokyo VR Startups株式会社・日本)においては、第1期及び第2期プログラムに参加した9社中8社が資金調達を完了するなど、順調に進捗しております。また、(2017年)6月より第3期プログラムを開始し、同年12月に「Demoday(発表会)」の開催を予定しております。

SVS(合弁会社Seoul VR Startups・韓国)は、第1期プログラムに参加した4社中3社が資金調達を完了するなど、順調に進捗しております。また、(2017年)7月に開始した第2期プログラムでは、12月にDemodayの開催を予定しております。

そして、今年(2017年)5月に設立したNVS(合弁会社Nordic VR Startups・デンマーク)では、同年7月に第1期プログラムを開始しました。こちらも、同年12月にDemodayの開催を予定しております。

グローバル投資事業

グローバル投資事業のご説明です。当社がGP(ジェネラル・パートナー)として参画しているVRファンドを通じ、計19社の有力企業への投資を、現在実行しております。今後もパートナーとの連携のもと、グローバルでのVR/AR市場の拡大を牽引してまいります。

コンテンツ開発事業

コンテンツ開発事業のご説明です。有力企業への投資を通じたVRコンテンツの開発に注力しております。今年(2017年)5月には、アメリカのゲーム会社InXileとの戦略提携を実現しました。

(先述しましたが)同社は、今年(2017年)6月にリリースした、VRゲーム「The Mageʼs Tale」がOculus Storeの売上ランキング1位を獲得するなど、高い開発力を有しております。今回の提携により当社は、同社が開発している新作のVRタイトルのグローバル配信権を獲得いたしました。

モバイル動画事業への取り組み

次に、動画事業についてご説明いたします。当社は、市場の拡大が見込まれるモバイル動画領域において、有力な企業に対して積極的な投資を実行し、将来の収益機会の創出を目指してまいりました。

とくに株式会社Candeeにおいては、ソーシャルビデオプラットフォーム構想の第1弾として、ソーシャルライブコマース「Live Shop!」の提供を開始するなど、事業は順調に進捗しております。引き続き、投資を通じた積極的な事業展開を図ってまいります。

以上、駆け足ではございましたが、2018年4月期第1四半期の決算について、ご説明させていただきました。

コスト先行・新規タイトルラッシュによる減益は、通期も続くのか

質問者:東海東京証券のクリハラです。何点か質問があります。

1つ目は、第2四半期のコストに関する質問です。資料の4ページ(四半期業績の推移 費用)に、第1四半期までの開発費・広告宣伝費・対売上高広告宣伝費比率等の数字が出ています。第2四半期では、主にこの開発費・広告費がどのように推移するのかを教えてください。

ちなみにこの第1四半期は、コストが増えたものの、開発費は減っているようです。第2四半期ではどう推移するのかを教えてください。

2つ目は、資料の17ページ(パイプライン)に、「ブレフロ2がこの冬配信予定」と記載されています。ゲーム会社さんの感覚的な冬と、僕たちの感覚的な冬は違っています。

(会場笑)

質問者:このあたりは、個人ユーザーさん・株主さんが騒ぐ傾向もあるので、確認したいです。御社で言うこの「冬」とは、具体的には何月でしょうか。

(会場笑)

質問者:御社は決算が少しずれています。例えば第3四半期には(一般的な「冬」の)12月から1月が入っています。つまり、「冬」とは第3四半期ごろを考えているのかを教えてください。

3つ目は、今期は基本的にコスト先行で、新規タイトルラッシュに伴い減益という流れに見えます。これは、通期でもタイトルラッシュが続き、コストが先行して減益になるという考え方なのかを教えてください。

最後の4つ目は、この第1四半期は黒字ということで、確か5四半期連続黒字だと思います。その前は、6四半期連続で赤字だったと思います。かなりコスト削減も進み、利益が出やすい体制になっていると思います。

会社経営の面でも、四半期での黒字を強く意識しているのかを教えてください。質問は以上です。

本吉誠氏:まず、(1つ目のご質問の)第2四半期のコストに関してお答えします。開発費及び広告宣伝費に関して、少し言い方は考えなければなりませんが、大幅に増加します。とくに広告宣伝費に関しては、ファンキルのTVCMも(2017年)8月から放映しており、そちらの影響が大きいです。

開発費に関しても、新規タイトルの開発が順調に進んでおり、そちらの外注費が大きく乗ってくることが(増加の)主な要因となります。(以上のことから)大幅に増加するとご理解いただければと思います。

川本寛之氏(以下、川本):その他のご質問について、私からお答えします。まず、(2つ目のご質問の)「冬」がいつなのかという話です。

(会場笑)

川本:ここは、今ご質問いただいたようなところです。

人々が考える通常の「冬」と我々が言う「冬」は異なります。第3四半期が11月・12月・1月。第4四半期が2月・3月・4月です。遅くとも、当社の第4四半期の頭ぐらいまでには出したいと考えております。この時期を「冬」とさせていただいていると、ご理解いただければと思います。

それから、3つ目のご質問にお答えします。「今期は基本的にコスト先行の新規タイトルラッシュ」については、おっしゃるとおりでございます。資料の17ページ、パイプラインをご覧ください。

今回、新たに他社IP系を1本追加しております。もともと、今期中を目処に配信するタイトルが、期初から言うと8、9本ぐらいありました。そのうち先行的に、夏に3本配信しました。今後、秋冬でさらに5タイトルが配信される方針です。

この部分の最終的なベータ版以降、マスター版にかかる開発費・初期的な配信に伴う広告宣伝費は、リリース当初から3ヶ月ぐらい、一定数のユーザー獲得のためにある程度必要だという認識です。

それに加えて、以前より申し上げていたとおり、我々はオリジナルタイトルの開発にかなり注力しております。まず、オリジナルゲームのヒットをきちんと作ります。その上で、各種IPホルダーさんから我々のゲーム開発力・運営力・エンジンをご評価いただく。

そのようなご提案で、さらに2年先ぐらいの新たな周期を作っていく戦略でございます。そのため、このオリジナルタイトルはIPタイトルと違い、初期的なユーザー獲得が難しいものです。

昨今、マーケットにはIPタイトルが乱立している状況でございます。その中で埋もれないために、初期的に広告コストをかけていくことは、まだ必要だろうと(考えております)。

このオリジナルタイトルは、我々の中でも(各タイトルによって)ゲーム性がかなり異なるものです。一時期、「gumiといえばRPG」と思われていました。その(RPGの)ジャンルも含めて、さまざまなジャンルで挑戦しております。

そのため、今期は残念ながら(コストが先行して減益になりました)。夏にリリースした3タイトルが、現時点において芳しい成績を収めているとは言い難いのですが、これらの復調も含めて、引き続き売上を上げていくところです。

これらの売上が高まってくれば、もう少し広告コストとのバランスは見えてきます。ただ、現時点だけを切り取ると、やや広告コストが高く開発コストが先行していると見えてしまうのではないかと思っております。

以上のことを受けて、4つ目のご質問にお答えします。四半期面での黒字に関しては、社内外でもちろん意識しております。

ただ、それ(意識すること)によってコントロールできない部分もございます。やはり、(当社は)ゲームのユーザーさんありき(の会社)です。ファンのみなさんに遊んでもらうことを前提にしていますので、より多くのファンに届けるための広告宣伝費や、改修のための開発コストも必要になってまいります。

そのあたりはバランスを見つつ(開発していきます)。将来的に「ここでしっかりと広告コストをかけないといけない」という場面がくれば、いろいろな判断はあるかもしれません。

いずれにせよ、6期連続赤字を出していた事実はあったものの、去年から黒字化しました。(黒字化は、以前から)市場のみなさまにもお約束させていただいていたことです。この部分は、経営的にかなり伸長しております。

それに加えて、そもそもの体質的にも(改善がございます)。今は新しいタイトルを開発しながら、既存タイトルを運営しております。そして、一定程度の広告コストは吸収できる体質までもってきております。

しっかりとしたその範囲内でやり続けることをベースにして、戦略的に打つべきところでは手を打っていこうと、経営側としては考えております。私からの回答は以上です。

質問者:もう1つ、質問させてください。資料の17ページ(パイプライン)に、今お話に出た「他社IP系1本」の記載があります。資料をよく見ると「有力IP」ではなく、「超有力IP」と書いてあります。この「超有力IP」とは、どのぐらい「超」なのですか。例えば、御社のFFBEは「超有力IP」ですか。

川本:そうですね、FFBEは「超有力IP」というご認識でけっこうです。

質問者:FFクラスの「超有力IP」ということですね、わかりました。

川本:はい、そうご理解いただいてけっこうです。「(FF)クラス」とは、みなさんがご存じだという意味のイメージを(資料に)書かせていただいている、というご理解でけっこうです。

質問者:わかりました、ありがとうございます。