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取引高はAmazonの2倍! 数字で見る、中国最大EC「アリババ」の驚異と、中国市場の可能性

取引高はAmazonの2倍! 数字で見る、中国最大EC「アリババ」の驚異と、中国市場の可能性

中国経済の成長について、インフィニティ・ベンチャーズLLP・田中章雄氏が様々な数字をもとに解説。ベンチャー企業の恐るべき成長速度や、IT技術の一般人への浸透など、21世紀経済の中心たる中国の最新トレンドを語りました。(学生・若手ビジネスパーソン向けイベント・IVS 2014 Summer Workshopより)

シリーズ
IVS 2014 Summer Workshop > ベンチャーキャピタリストが語る最新トレンドと事業の立ち上げ方法
2014年6月27日のログ
スピーカー
インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小林雅 氏、田中章雄 氏、小野裕史 氏
参照動画
IVS SW Session 4 : ベンチャーキャピタリストが語る最新トレンドと事業の立ち上げ方法

ベンチャー企業のトレンドについて

小林雅氏(以下、小林) ベンチャーキャピタルという仕事を日々してるんですけども、実際にどうやって事業を立ち上げるのかを解説したいと思っています。事業を立ち上げる上で、組織を作ったり、いろんなことをしなきゃいけないんですけど、そもそも何をするのかっていう点で、日々いろんなリサーチをしています。 こんなトレンドがあるんだっていうのを、特に田中章雄なんてマニアックに調べてまして、何でも知ってるんじゃないかみたいな感じの知識量を誇ってます。彼はですね、日本語、英語、中国語、3ヶ国語をフルーエントにぺらぺらしゃべれます。中国から留学されてる人や中国から来てるなんて人には、中国語で質問されても中国語で答えられますので。 で、田中からですね、「実際にどんなトレンドが面白いの?」というホットトレンドをお知らせしたいと思います。終わったあとに小野から、実際に事業の立ち上げ方についてプレゼンをするっていう形です。 田中章雄氏(以下、田中) はい、じゃあみなさん、よろしくお願いします。インフィニティ・ベンチャーズの田中です。 小野裕史氏(以下、小野) 小野です。 田中 さっそくなんですが、小林から僕に中国のネタを用意しといてくれっていう、ゆるい振りだったので、今言ってた内容とは若干ずれるところもあるんですが、無理やり辻褄を合わせますので、しばらく付き合ってください。

年間17兆円、国家予算クラスの取引高を誇る「Alibaba」

田中 まず、最新のトピックから入ろうと思うんですが……。ここに集まっているみなさんで、この会社「Alibaba」って最近ニュースか何かで聞いたことあるって方、ちょっと挙手いただけますか? (会場挙手) 田中 何の会社ですか? 参加者 中国版Amazonみたいな。ネットショップ。 田中 なるほど。中国版Amazonらしい、ネットショップ。物を売ってる会社です。最近ニュースのヘッドラインとか見ると、Alibabaは世界株式市場最大のIPOを近々やるという話が出ていて。 田中 ちょっと前までですと、ネット系で多分1番デカかったのがFacebookで、それよりも規模が大きかったのがカード会社のVISAなんですけど、その2つを越えるほど巨大なIPOを控えてまして、そのときの調達額が2兆円越えると(笑)。 小野 恐ろしいですね。 田中 僕は2兆ってどういう数字か正直わかんないですけど(笑)。 小野 国が買えそうな金額ですね。 田中 そもそもそんな馬鹿デカい値段がつくAlibabaって、どれくらいのビジネスやってるかっていう。これ2013年の数字なんで、今はもっと増えてると思うんで、見ていただきたいんですが。 th_3 田中 これはドルなので、1番上の「170」でゼロが3つ付いてるその数字が、去年のAlibabaのEコマース、ネットショップで売られたものの総額ですね。Transaction volume(取引高)って言われてるものです。これは日本円にするといくらなんだろう、1ドル100円と計算して……。
17兆円ですね。17兆円のものが売買されたんですね。多分これって、小さな国の国家予算より大きいと思うんですけど、多分日本の国家予算だとしたら4分の1とかそのくらいの規模くらいになるんじゃないかと思うんですが、それがAlibabaです。

20世紀にアジアで起きた革命

田中 Amazonはその半分しかないんですね。ちょっと下に降りてくると、日本の楽天さんがあるんですが、楽天はAlibabaの10分の1なんです。 これ見てわかる通りに、僕ら最近日本のニュースとか見てると、中国のネガティブなニュースばっかり流れてるから、多分みんなそっちのほうに注目してるかもしれないんですけど、実はそういったニュースの背景に、今巨大な経済圏が僕らのお隣の国では動いてるんですね。 僕は普段中国にいるんですけど、最近になってもっと学生時代に、きちんと先生の言うことを聞いておけばよかったなっていうことが思い出されて。僕は今から25年、30年くらい前にカナダの大学で政治経済歴史学みたいなのを取ってたときに、そのときの大学の教授が「お前ら全部これ読め」みたいに言ってた本がありまして、『PACIFIC CENTURY』という本なんですね。 これ実は、本とセットになっているTVのドキュメンタリーシリーズがあって、僕、本当は本を読まないでTVのドキュメンタリーだけ見たんで、本は実は表紙しか見たことないという非常にしょうもないもんなんですけど(笑)、でもそのビデオを見てわかったのがおもしろい話で。 19世紀は大英帝国の時代だと。そこにすべての世界経済における、特に産業革命のおもしろい人たちや、そこで業界や新しい産業を作った人が集まっていて、それが20世紀になってアメリカに来た。で、20世紀はアメリカの時代だと。その20世紀のアメリカの時代に、アジアでおもしろいことが起きた。 まず、最初に日本で起きた産業革命があって、それが当時Four Asian Tigers(アジアの4匹の虎)って呼ばれる4つの国ですね。香港、台湾、それから韓国、シンガポールに飛び火して、最終的にはそこで飛び火したものがアジアの1番デカい国、中国に。 ドラゴン(中国)が目覚めるっていう話をしたんです。当時、僕はずっと北米に住んでいて、正直、中国に全然興味なくって。僕の頭の中の中国っていうのはこんな感じだったんですね(笑)。 th_5

テクノロジーの最先端はアメリカや日本ではない?

田中 確か90年代、従兄弟がたまたま北京に留学していて、夏休みに帰ったときに「北京どう?」って聞いたらトイレがすごい汚いって聞いて、それ以来、僕の頭の中ではもう絶対中国行かないと思ってたんですね。これ今から、30年くらい、25年前くらいの話です。 当時僕はアメリカに住んでいて、大学でネットやってたんですけど、そのときに、Appleが最初の小型機、今のMacBookの原型であるPowerBookの1号機を出したんですね。これって、PB100と呼ばれる名機なんですけど、実はAppleがSONYに委託して作ってもらったんです。 僕らのその当時の年代だとやっぱりテクノロジーの最先端はアメリカとか日本にあって、中国なんて関係ないと正直思ってたんです。Made in Chinaって僕の当時のイメージだと粗悪品っていうイメージしかなくって、まったくネガティブなこと思ってたんですけど。 でも気がついてみると、今の最先端、日本でもスマホ市場の半分くらい持ってるiPhoneって、これは実際に台湾の会社のFoxconnが中国で作ってるわけで、2~30年前の日本が持ってたポジションが全部今、こっち(中国)に移動しつつあるんですね。 th_7

数年後に中国は世界ナンバーワンになる

田中 それを裏付けるもっと大きなデータがあって、これはGDPの伸びのグラフなんですが、下の赤い方が中国で、上がアメリカなんですね。僕がさっき言った『PACIFIC CENTURY』という本を読まずにビデオを見てたのが2000年よりも前なので、そのとき中国はゼロみたいな感じで。 th_8 当時は、まぁ本当にいつかそういう時代が来るかもしれないけど、多分僕は引退して老後になった頃だろうと思って、ほとんど無視してたんですね。ところが、その間にものすごいことが起こって。 いつの間にか、この予測だと2018年なので、ぶれたとしてもあと4~5年後くらいに中国の経済圏がアメリカを越えて、世界で1番デカい市場になってしまうんじゃないかと思ってます。 いろんな、これを裏付ける数字があって。これラグジュアリー業界ですね、プレミアムカー、高級車の売上なんですけど、メルセデスとかBMWとかそっちの会社の人に聞けばわかるんですが、昔、高級車といえばアジアではやっぱり日本が1番のマーケットだったんです。 でも、数年前に中国に抜かれて。いよいよ今、アメリカに近づいてきて、多分もう、ここ数年で高級車の市場は中国が1番になっちゃうわけですね。 th_9

中国とビジネスをやらなければ、大きなものは作れない時代に

田中 もっと別の見方をすると、次の巨大な中産階級の人口はどこから生まれるかっていう話になるんですけど、これも『PACIFIC CENTURY』の本にあったように、実はこれから、次に大きな波のミドルクラスがどこから来るかって、アジアから来るんですね。 th_10 その多くが、これを見るとわかるんですけど、中国と、この面積が人口に比例します。これから、世の中に増えてくる部分のミドルクラスは、中国とインドに集中してるんですね。ただこれは人口だけなんですけど、これを購買力で表わしたらどうなるか。 th_11 そうすると、インドは実は人口が増えてるんですけど、中国ほど購買力はないので、これを見てわかるとおりに、コンシューマービジネスをやろうと思ったら、この下の赤いところ、中国とビジネスをやらなかったら、大きなものは作れないと。今そんな時代が来てると思います。 で、僕らにとってもうちょっと本業に近いところを出してくと、こんな数字が出てるんです。これは何の数字かっていうと、まず、大きな丸ですね。この丸のボリュームは、ネット系のベンチャーの数を表します。 th_12 もちろん、サンフランシスコやシリコンバレーがあるアメリカが大きいんですが、これ見てわかる通りに、アメリカの次に1番デカい丸は中国なんですね。 この丸の脇に書いてあるカッコの中の数字は何かっていうと、時価総額が1000億以上ついてるネット系の会社数なんです。アメリカは87あって中国は26なんですけど、最初のAlibabaであった通りですね。こういったかたちでEコマース方面とかですごい今、中国が伸びてきてるので。 th_13

19世紀はイギリス、20世紀はアメリカ、21世紀は中国の時代

田中 本当に、『PACIFIC CENTURY』の本が言ってたようなことが実現されるとしたら、多分、あのへんの数字のバランスもこれから10年後に一気に変わってっちゃうんじゃないかなと思います。その一例をもうひとつ。中国のペンギンのマークで知られている「Tencent」の業績を見ながら行こうと思うんですけど。 th_15 ちょっとわかりにくいんですけど、これ1番左の三角みたいなやつが、ここ5年でどれだけ株式市場でその会社の価値が上がったか。もちろん、AppleとかAmazon、Googleっていうとアメリカを代表するものです。 これが270%、444%、454%上がってるんですけど、Tencentはそれを越える、1000%に近い数字が出てるんですね。で、実際に売上とかの金額比較とかもあるんですけど、おもしろいところでいうと、Appleはハードウェアメーカーなのでちょっと違うんですけど、キャッシュリザーブで見ると、TencentってFacebookよりも現ナマをもってるわけですね。 これ見て何を言いたいかというと、僕は『PACIFIC CENTURY』の本を改めてもう1回読むとしたら、多分こういうことを考えるんじゃないかと思うんですね。 各時代、たとえば19世紀だったら大英帝国の時代、20世紀だったらアメリカ。これから21世紀は多分中国になると思うんですけど、その時代のホットスポットってあるんですね。 もちろんそのホットスポット以外でも文明は起きてるわけだし、いろんなことが起きてるんですが、やっぱり各時代においてデカいことをやろうと思ったら、やっぱりそこの中心に近いところにいたほうがおもしろいことが起きてるだろうし、そこから多分新しいものがどんどん生まれて来ると思うんですね。

設立3年で時価総額が1兆5千億円のXiaomi

田中 今回僕の方でいくつかそのネタのビデオを持ってきたので、ちょっとみなさんに見ていただきたいと思います。 小野 ちなみにTencentってどんな会社か名前聞いたことある人ってどのくらいいますか?
こっちのほうが少ないですね。(映像を見て)これは何ですか?
th_16 田中 これは中国のXiaomi(シャオミー)という携帯電話、スマホの会社なんですけど、多分まだ日本では知られてないと思うんですが、この会社って3年前に出来たばっかりのできたてホヤホヤのベンチャーなんです。 ちなみに、今時価総額でいうと15ビリオンなんで、1兆5千億円。3年前にできたベンチャーが1兆円越えてる時価総額で、(具体的に)どれくらいかというと、ちょっと前に身売りされた携帯メーカーの老舗であるMotorolaとNokiaのふたつを合わせたよりも、今デカい額なんですね。 この壇上でも、1000億クラスのベンチャー目指そうとかいう話も最初出てましたけど、今この世の中で、3年間で1兆円クラスのベンチャーって、なかなか出てくる市場ってないと思うんですね。 それを実現してるのが今の中国市場なんですが、ひとつおもしろいこととしては、実はこれ作ったファウンダーの人たちは、携帯電話とかハードウェアのメーカーの人たちじゃなくって、ネットの起業家なんですね。

中国のスマホユーザー、4億人

田中 中国のネット起業家が今までの家電メーカーとか電気屋さんの見方じゃなくって、ネット中心の人が、実際に携帯メーカーをゼロから作ったらどうなるんだろうと思って作ったのが、この会社なんです。 今、実績をいいますと今年度でだいたい、ここの会社で5000万台くらい出荷しまして、来年はついに1億台突破、みたいなところまで来ていて、中国ではさっきいったTencentとかAlibabaに次ぐ、次の世代の巨大な企業になると言われているところです。 小野 5000万台というと、全世界のランキングだと何位くらいになりますか? 田中 まだまだそれで言うとApple、Samsung、LGの下くらいだと思うんですが。ちなみにだいたい日本で年間売られている携帯電話の台数が3000万台くらいと言われているので、日本全部よりは大きいってとこですね。 小野 Xiaomiって名前聞いたことある人? けっこういますね。 田中 けっこうみなさん勉強してますね。 小野 次のAppleと言われているような会社ですね。 田中 これ1年前くらいのビデオなんで、解説しながらみなさんに見ていただきたいと思うんですけど、中国のモバイル業界も含めて、ライフスタイルがどう変わっているかっていうのをちょっと見ていただければって思います。これはあるコンサル会社が自分たちの宣伝に作ったものなんですけど、おもしろいものがあるんで。 北京は朝7時で、PM2.5がとんでもないことになってるんですけど、それはさておき。今中国のスマホユーザーがすごい増えてまして、去年で4億人、日本の人口の4倍くらいの人たちがスマホを使ってまして、モバイルからのネットアクセスっていうのが中国でもメジャーになりました。

20世紀のアメリカに次ぐ「産業革命」が中国で起きようとしている

すごいのが、日本以上にいろんなサービスの浸透率が早くてですね、こういうタクシーの予約アプリみたいなのがすごく増えてて。 th_17 これ数字が去年のなんでちっちゃいんですけど、去年の段階でタクシーの運転手5人に1人がそういうアプリで予約を取っていて、中国のスマホユーザーの数が、ちょうど去年アメリカを抜きまして、世界で1番デカいスマホの市場になりました。 まぁこの先はあんまり関係ないことになるんですが、今中国ではカップルが別れるときには6割は実際には合わないでメッセージで別れてるという、そういう数字がまぁ(笑)。 それぐらいライフスタイルの中心になっていて、旧正月になっても、だいたいみんな中国版Twitterとか、さっきのTencentが作ってる日本におけるLINEみたいなメッセンジャーアプリがあるんですが、そういったものでやり取りしてるとか。 さっきのカメラの絵は、だいたい中国の女の子は、65%が写真をアップする前に加工してるという、非常に危険な事実が紹介されていて。あとおもしろいのが、ビデオですね。ビデオは3割強くらいのユーザーがモバイルで見始めてるとかですね。 Appleのグローバルダウンロードの5分の1が今中国だとか、数字がいっぱい出てくるんですけど、言いたいこととしては、僕ら今ここに座ってますけど、隣の国では多分産業革命で、20世紀のアメリカの台頭に次ぐ、次の大きな波が来てると思うんですね。

  
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