唯一、富士電機が海外に設立したソフト開発会社

鄧阿群氏(以下、鄧):みなさん、こんにちは。先ほど紹介いただいた富士電機杭州ソフトの鄧(トウ)と申します。本日は、貴重な時間をいただいてありがとうございます。

今日はkintoneと連携した、より複雑な業務システムの開発をテーマにして、我々の会社がやっていることをみなさんと共有したいと考えております。よろしくお願いいたします。

その前に、まずうちの会社を簡単に紹介させていただきます。

富士電機はみなさんご存じだと思うんですけれども。日本の富士電機は、日本にある100年近く歴史を持っている電機メーカーです。中国の富士電機杭州ソフトは、国内十数ヶ所に販売、製造、サービス拠点を設けています。

うちは杭州にあるんですけれども、97年から設立して、今年でちょうど20周年になりました。唯一、富士電機が海外に設立したソフト開発会社です。

うちの業務には、この4つがあります。

1つは、組み込みのソリューションをやっています。主に自販機の開発と自動車の開発やっています。

あと品質診断と改造ソリューション。これはなにかというと、日本はレガシーリソースがたくさんあります。そこを品質診断をして、改造、リファクタリングを行います。

あとはHMIですね。これがタッチパネルのソフトの開発です。そして最後、業務系のソリューションです。

kintoneをベースに、人事の管理システムを開発

ワークフローなんですけれども、最近はkintoneを連携してたくさんの業務系のシステムの開発をしてきました。

kintoneメリットと弊社の経験を組み合わせることによって、さらにお客さんに向け価値をあげていけるかと思ってました。

そして、これはその事例です。kintoneをベースにして、人事の管理システムを開発してきました。簡単に説明すると、社内とkintoneクラウドと、あと携帯を使っています。

社内では通常、勤怠管理、給与計算を人事管理システムのサーバに設置しています。あと、多機能のパネル機がうちの製品なんですけれども、それと無人受付の機能を活用しています。

あとは、データベースです。一応、使いやすい機能を実装しています。例えば、個人情報の参照、通知事項の確認、申請など、携帯やkintoneクラウドを使ってさまざまなことをやっております。

6ヶ月のコストを2ヶ月に短縮

では、どんなメリットがあるのか。

これは弊社が開発した実装イメージです。開発画面が従来の開発だと80画面の開発に対して、(kintoneでは)17画面の開発しかなかった。開発周期も、これは6ヶ月の工期に対して2ヶ月でできるということです。

コストも約3分1ぐらいになります。拡張性に関しては、今の開発より拡張しやすいということがわかっています。

kintoneは簡単なことしかできないと思う方がいると思うんですけれど。しかし、こういうことを考えて、kintoneの機能を使って便利に複雑なシステムを構築できます。これが、今日言いたいことです。

簡単ですけれども、今日の発表は以上です。ありがとうございました。

(会場拍手)

開発工程が少ないから、お客さまが喜ぶ

伊佐政隆氏(以下、伊佐):鄧さん、ありがとうございました。

:ありがとうございました。

伊佐:このページを見て純粋に思ったのが、これだと富士電機杭州ソフトさんは儲からないですよね? 今までどおりにやってたほうがたくさんお金がもらえて、kintoneでやっちゃったら、お客さまは早くできてうれしいですね。でも、儲からなくなるのは大丈夫なんですか?

:要は80画面の開発工数が、kintoneが入って17画面になったんです。これがお客さんに価値を提供する。だからもっともっとお客さまの仕事が入ってくる。うちが儲かるということですね。

伊佐:なるほど。お客さまに喜んでもらうことで、仕事を増やせる。そういうところを良さだと感じてもらってるんですね。

:そうですね。

「社外秘にしたい」をうまくつなぐ

伊佐:もう1つ前の画面を見てもいいですか? これ、すごいなと思ったんですけど。今日はkintoneをうまく使っていらっしゃる方の発表を聞いていたので、なんでもかんでもkintoneでできるんじゃないかという印象をお持ちになった方もいらっしゃるかもしれないんですけど。

「最終的にはやっぱり社内に絶対にデータを持っておきたいよね。外には出したくないよね」というデータがあったとしたら、それとkintoneをうまくつないであげるということなんですよね。

:そうですね。ここに人事管理システムサーバに「データの同期」があるんですね。それは内部の必要最小限のデータを外に出します。それはデータ同期サーバを使って同期をとるという働きになります。

伊佐:なるほど。これ、やっぱり諦めがちなんですよね。もう社内から、経営層の方から「このデータは絶対外には出しません。クラウドなんて使わせません」と言われても、現場の方は「外でスマートフォンで見たいんですけど。そうしたらもっと営業効率上がるんですけど」と言われたときに、通常だったら諦めちゃう。

しかし、このデータをうまくクラウドと同期させて、kintoneも使う。社内のシステムはデータの堅牢性を保つ。こういうバランスを取って使えるようなことになってるんじゃないかと。

すばらしいですね。ありがとうございました。

:ありがとうございました。

伊佐:こういうかたちでまだまだ活用の幅を広げたり、ビジネスの幅を広げる助けがシステム開発でできるように、新しい開発手法を使いながら進めてもらえれば、僕も今すごくうれしく心強く思っています。ぜひ、引き続きよろしくお願いします。

:よろしくお願いします。

伊佐:ありがとうございました。

(会場拍手)