2017年度第2四半期決算説明会

見浪直博氏:財務責任者の見浪でございます。それでは2017年度第2四半期決算についてご説明をいたします。

全社実績

はじめに2017年1-6月の全社実績をご説明いたします。スライド6をご覧ください。

全社実績指標である為替調整後営業利益は、海外たばこ事業および医薬事業の堅調なパフォーマンスが、国内たばこ事業、加工食品事業での減益を上回り、対前年で3.6パーセントの成長となりました。

財務報告ベースの、売上収益及び調整後営業利益は、国内たばこ事業における紙巻総需要需要の減少および海外たばこでの不利な為替影響を主因として、対前年でそれぞれ2.9パーセントの減収、1.2パーセントの減益となりました。

営業利益、四半期利益については、これらに加え不動産関連売却益の減少などにより、それぞれ9.2パーセント、8.7パーセント減少いたしました。

海外たばこ事業実績 コスト低減効果により高い利益成長

続いて事業別の実績をご説明いたします。まず、海外たばこ事業です。スライド8をご覧ください。

上期は厳しい事業環境のなか、トップライン・ボトムラインともに概ね想定どおりの実績であったと認識しております。

総販売数量は、イラン、台湾およびseeding marketsでの好調なパフォーマンスがあったものの、さまざまな市場における総需要の減少および競争激化に加え、前年第1四半期における流通在庫充実による搭載減などにより、対前年3.3パーセント減少いたしました。

一方、GFB販売数量については、主要市場におけるシェアの伸長などにより、前年並の実績となりました。

為替一定ベースでは、自社たばこ製品売上収益は対前年でほぼフラット。調整後営業利益については、主に拠点最適化により製造コストの軽減効果が着実に発現したことにより、9.1パーセントの高い利益成長となりました。

財務報告ベースでは、現地通貨安によるネガティブな為替影響を受け、自社たばこ製品売上収益は1.9パーセント減少。調整後営業利益は0.5パーセント増加しております。

円ベースの実績については、円安がポジティブに作用し結果はお示ししているとおりでございます。

クラスター別実績①

続いてクラスター別の4-6月の実績をご説明いたします。スライド9をご覧ください。

まず、South&West Europeクラスターです。総需要減少の影響があったものの、Winston、CAMELの堅調なモメンタムによるシェア増を背景に、総販売数量、GFB販売数量は、それぞれ0.9パーセント・1.3パーセントの増加となりました。

North & Central Europeクラスターについては、UK・オーストリア・ドイツなどにおける総需要減少の影響により、総販売数量、GFB販売数量ともに減少いたしました。

また、自社たばこ製品売上収益は対前年で11.4パーセントの減少となりましたが、これは数量減少に加え、UKにおける価格戦略の影響によるものです。

UKについては、5月20日に施行された規則による影響が本格するのはこの下期であると考えています。引き続き市場動向を注視してまいります。

クラスター別実績②

続きまして、CIS+、Rest-of-the-Worldクラスターの実績です。スライド10をご覧ください。

CIS+クラスターについては、ロシア・ウクライナ・コーカサスにおける増税値上げによる総需要を主因として、総販売数量およびGFB販売数量はそれぞれ10.8パーセント、6.7パーセントの減少となりました。

ロシアでは総需要の減少に加え、ミッドプライスおよびバリューセグメントでの激しい競争が継続していることから、総販売数量は9.9パーセント、GFB販売数量は7.4パーセントの減少となりました。

シェアの状況ですが対前年では減少しているものの、Winstonが引き続き堅調に推移していることに加え、柔軟な価格戦略の効果により、年初からの回復基調が継続しております。

Rest-of-the-Worldクラスターでは、中東・アフリカの一部市場において不安定な事業環境による総需要減少があったものの、イラン・台湾およびseeding marketsでの好調なパフォーマンスにより、総販売数量は2.9パーセント。GFB販売数量は11.9パーセントの成長となりました。

イランではWinston、CAMELのモメンタムが強く、前年同期比で20パーセントを超える数量成長を果たしました。

台湾では、シェアの伸長に加え、6月に増税前の流通在庫充実の影響もあり、トータル、GFBともに大幅に数量を伸ばしております。

また、数量成長に加え、トルコ・カナダなどでのプライシング効果もあり、売上収益は13.3パーセント増加いたしました。

事業投資を着実に実施しつつ、製造コスト最適化により増益

続いて、為替一定ベースの1-6月の財務実績です。スライド11をご覧ください。

自社たばこ製品売上収益については、プライシング効果が販売数量減少の影響をほぼ相殺し前年と同水準の実績となりました。

一方、調整後営業利益は、計画どおりに製造コストの低減効果が発現し新興市場およびエマージングプロダクツへ引き続き投資しながらも対前年で9.1パーセントの増益となりました。

現地通貨安により為替は不利に作⽤

スライド12は財務実績における為替影響をお示ししております。

現地通貨対ドルの為替影響は、ロシアルーブルのポジティブな影響をイギリスポンド・トルコリラ安のネガティブな影響が上回り、結果として不利に作用しております。

ドル円レートの影響については円安に推移したことを受け、若干ながらもポジティブなものとなりました。

国内たばこ事業実績 シェアは堅調に推移するも、紙巻販売数量は想定に対し弱含む

続いて、国内たばこ事業です。スライド13をご覧ください。

すう勢減およびT-Vapor市場拡大の影響を主因に紙巻総需要は11パーセントの減少となり、年度当初の見通しに対して弱含んで推移しております。これにより、JT紙巻販売数量も11パーセント強減少しております。

シェアについてはMEVIUSが定価改定による影響を受けたものの、その他の注力ブランドが堅調なパフォーマンスをみせ、トータルでは前年並みの実績となっております。

Natural American Spiritは紙巻総需要が大幅に減少しているなか、販売数量・シェアともに伸長し堅調なモメンタムが継続しております。

投資水準最適化によるコスト減少はあるも、販売数量の減少により減益

次に国内たばこ事業の財務実績です。スライド14をご覧ください。

自社たばこ製品売上収益はMEVIUS旧3級品の定価改定による単価効果などがあったものの、紙巻販売数量の減少影響により対前年で7.6パーセントの減収となりました。

調整後営業利益については、減収影響を紙巻たばこに対する投資水準最適化を通じたコストの減少などにより、1部相殺したものの7.4パーセント減益となりました。

医薬・加工食品事業実績

スライド15をご覧ください。

医薬事業は導出品の販売拡大にともなうロイヤリティ収入の増加を主因として、対前年で69億円の増収。62億円の増益となりました。

加工食品事業については調味料の売上は伸長したものの、その他商品の販売が減少したことにより対前年で25億円の減収、10億円の減益となりました。

以上が実績の説明となります。

2017年度修正見込 全社業績見込

続きまして、2017年度の修正見込についてご説明いたします。

はじめに全社の修正見込です。スライド18をご覧ください。

為替一定調整後営業利益については、医薬事業での好調なパフォーマンスが見込まれるものの、国内たばこ事業における更なる環境変化の影響を反映し、100億円の下方修正といたします。

国内の環境変化は、今期の損益には一層の逆風となりますが、それでもなお海外たばこ事業におけるhigh single digitの、利益成長および医薬事業の着実な利益貢献などを見込むことにより、対前年での為替一定調整後営業利益の増益は、確保できるものと考えております。

為替を含む財務報告ベースでの業績については、為替レートの前提を主要現地通貨対ドル、ドル円ともにポジティブ方向へ見直したことから売上収益は150億円。調整後営業利益は20億円の上方修正といたします。

営業利益は、調整後営業利益を見直したことなどにより50億円上方修正しますが、当期利益については金融損益の悪化などを見込んでおり、当初見込みから変更いたしません。

海外たばこ事業見込み

それでは各事業の修正見込をご説明いたします。まずは海外たばこ事業です。スライド19をご覧ください。

総販売数量については、中東、アフリカなどの一部市場における事業環境の変化を背景に、年度当初にお示ししていた通期見込から40億本下方修正いたします。

総販売数量は下方修正するものの、GFB販売数量は当初の想定を上回るイランなどでのモメンタムを見込んでおり、当初の予定を据え置きます。

また、数量の下方修正は単価の低い市場が中心で、損益への影響は限定的であることから、為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益および調整後営業利益は、当初見込から変更いたしません。

今期の利益成長のドライバーである製造コストの低減効果は、下期においても、着実な発現が見通せることから、数年での利益成長9パーセントという目標は達成できると考えております。

財務報告ベースでは、為替前提の変更にともない自社たばこ製品売上収益は200ミリオンドル。調整後営業利益は80ミリオンドルを上方修正いたします。

円ベースではドル円レートの見通しも反映し、自社たばこ製品売上収益は340億円。調整後営業利益は120億円を上方修正いたします。

国内たばこ事業見込

続いて、国内たばこ事業の修正見込をご説明いたします。スライド20をご覧ください。

紙巻総需要については、年度当初に想定していた10パーセント前後の減少から、13パーセント前後の減少へと見通しへ変更しております。

これは数制限の悪化に加え、T-Vapor市場のさらなる拡大を見込むことによるものです。

具体的にはT-Vapor市場のシェアは数年で12パーセント程度。年末時点では18パーセント程度となるとみております。当社の紙巻販売数量もこちらの影響を受け、30億本下方修正いたします。

その結果、自社たばこ製品売上収益および調整後営業利益はぞれぞれ180億円、140億円の下方修正といたします。

販売数量の減少を受けて、紙巻たばこへの投資水準を見直ししておりますが、エマージングプロダクツへの投資については当初計画から増加させ、将来の成長への基盤を強化してまいります。

Ploom TECH

次にスライド21をご覧ください。

Ploom TECHの販売エリア拡大の第一歩として6月末より東京都心部での販売を開始し、オンラインショップにおけるスターターキットの販売も再開いたしました。

お客さまから高い関心を得ており、デバイス・カプセルともに順調な売れ行きで手ごたえを感じております。

年内までには東京での販売拡大を完了し、2月に申し上げましたとおり来年上半期には全国展開の予定でございます。

最優先課題としての製造能力の増強についても、引き続き着実に取り組んでまいります。

医薬・加工食品事業見込

続いてスライド22では、医薬事業および加工食品事業の修正見込をお示ししております。

医薬事業は海外ロイヤリティ収入の増加を見込んでおり、売上収益・調整後営業利益ともに40億円の上方修正といたします。

加工食品事業については当初見込を据え置きます。引き続きステープル商品への注力と普段のコスト低減の取り組みなどを通じ、増収増益を目指してまいります。

Closing Remarks

最後にスライド24をご覧ください。2017年度上期は厳しい事業環境においても、為替一定ベースでの増益を達成いたしました。

下期に向けて総需要の減少や競争の一層の激化が見込まれますが、通期の利益成長を達成するための施策を計画どおりに実行しつつ将来の利益成長に向けた事業投資も着実に推進してまいります。

なお、配当金については年間で140円と当初予想から変更はなく、中間配当金は70円をお支払いする予定でございます。

引き続き4Sモデルに基づき、グループ一丸となって事業環境の変化に対応し、中長期にわたるMid to high single-digitの利益成長を目指してまいります。

ご清聴ありがとうございました。