「この業界がいい!」が定まっていない
ナレーション:「就活」それは学生にとって将来を決定づける最大の登竜門、そんな就活において一番の難所となるのが面接である。今年就活を始める学生たちが本番を前に、面接のプロ3人衆を相手に面接シミュレーションを行う。いわば就活「虎の穴」。
面接のプロ3人衆とは。株式会社フィールドマネージメント代表取締役、並木裕太。大手コンサルティング会社マッキンゼーにて最年少役員にのし上がった、日本を代表するトップコンサルタント。株式会社サイバーエージェント取締役人事本部部長、曽山哲人。圧倒的なスピードで急成長を続けるこの会社の中核を担う人材のプロフェッショナル。
リクルートOBで現在は就活相談BARとこなつ家オーナー、鈴木康弘。良き兄貴分として、就活に挑む学生たちに熱いアドバイスを送る。
水谷健彦(以下、水谷):今日「就活ファール!」に挑むのはこちらの学生です。どうぞ。
星野氏(以下、星野):失礼します。
水谷:こんにちは。
星野:こんにちは。W大学3年の星野と申します。よろしくお願い致します。実はここにいきたいとか、ここの業界がいいっていうのがしっかり定まっていない段階で、これから企業研究・業界研究をして、学んでいて……。
「アンテナを広く持つのはいいこと」
ナレーション:「就活ファール!」が初めての女子学生。業界や職種に対する具体的なイメージは現時点ではないという彼女。
星野:サイバーエージェントさんとか、リクルートさんの社員さんと関わることがありまして。その活動を通してウェブ業界に興味があります。また、自分がファッションがすごく好きなのでファッション業界にも……。
ナレーション:就職に対する意識はまだ低いようだが、明るくはきはきと元気に夢を語る姿は彼女の印象を良くしている。
水谷:今のところ、リクルートとかサイバーエージェントさんのようなITというのと、ファッション。ここの2つくらいを考えているってことですかね。
曽山哲人氏(以下、曽山):業種は幅広く見ている……。
ナレーション:まず曽山が先陣をきって疑問を投げかける。
曽山:という姿勢はむしろ好感を持てるというか、アンテナを広く持つというのはいいことだと思います。
将来的になりたいのは「太っ腹なおばあちゃん」
逆にいろいろITとかファッションとか切り口見ていますけど、将来的に星野さんはどういう人になりたいというイメージとかありますか?
星野:将来的にですか? 昔からずっと変わらない夢が1つありまして、おちゃらけたことなんですが、「太っ腹なおばあちゃんになりたい」と思っておりました。しっかり若いうちにたくさんいろんな経験をつんで、素敵な人とであって、たくさん子どもをうんで、健康で長生きして……。
ナレーション:曽山の質問意図から遠く離れた回答を、底抜けの明るさで話しだす彼女。
曽山:太っ腹なおばあちゃんになるために、なぜ就職という選択をしているんですか?
ナレーション:曽山がもう1度本来の回答に戻すべく、再度質問を投げかける。
星野:実は大学時代から今年まで考えていたんですけど、ちょっと大学院っていうとまた閉ざされた世界だなと自分が感じて……。
ナレーション:質問の意図がわからないのか、緊張からなのか、彼女の回答はなかなか期待している方向には向かわず、言葉が次々と出てくるだけに感じられた。
曽山:なるほど、わかりました。太っ腹なおばあちゃんっていうのは将来の将来、ずっと先の話と思うんですけど、社会人として私はこういう存在でありたいというイメージ……。
ナレーション:曽山は粘り強く最初の質問を繰り返す。
星野:……。よりもトップのそばで、こまごましたことをワーッと今までの経験からすると、自分らしさを生かせるものがあるといいなっていうところで。
並木裕太氏(以下、並木):先ほどから自分らしさていうキーワードがたくさん出てきていると思うんですけども、我々がお話しをうかがっていると、今の時点だと、明るくて元気でいいやつ。
ナレーション:次回、不思議な回答を繰り返す彼女に、最強アドバイザーたちが悩まされることになる。