修造式ポジティブが娘の「超難関の宝塚突破」を実現?

茂木健一郎氏(以下、茂木):修造さん、娘さんおめでとうございます。

松岡修造氏(以下、松岡):何を言っているんですか、急に。

(会場笑)

茂木:なんか、宝塚にね。

(会場拍手)

茂木:いや、今日はカメラが来ているから、ちょっとサービスさせていただきました。

松岡:いやいや。

茂木:どうなんですか? 娘さん。

松岡:だから、一番困っているんです。

茂木:なぜなんですか?

松岡:なぜなら、宝塚というところは、1人じゃないのですよ。40人なのです。

茂木:いや、だってさ。そもそも倍率がすごかったんでしょ。

松岡:倍率がすごくても、入ったみんながすごいのですよ。その中で、うちの娘がああやって注目されることは、最悪です。

茂木:なぜなんですか?

松岡:怒りなのですよ。

茂木:なんで?

(会場笑)

ポジティブ会議なのに!?

松岡:あ、そうか。

(会場笑)

茂木:怒り、怒り。え? なんで?

松岡:なぜなら、みんなが注目されなければいけない。それが宝塚です。宝塚はどちらかというと、すごくいい意味で捉えていくと、学芸会などを、ものすごく一生懸命みんなでやっているのですよ。

茂木:そうだよね。

松岡:だから、一人ひとりが、みんな同じ思いでやっているのに、ああやって。

茂木:目立つのは、良くないということ?

松岡:あれは、良くないと思いますね。

茂木:ちなみに、子どものころから英才教育をしていたんですか? 

松岡:僕がですか?

茂木:宝塚という分野について。

松岡:いや、ぜんぜんですよ。それは。まったくありません。

茂木:でも今日のポジティブ会議という流れからいくと、入るのが難しい宝塚に娘さんが入ったということも、修造式ポジティブの結果なのかなと。

松岡:それはどちらかというと、好きにやらせていたということはありますね。

茂木:ここですね! みなさん。好きにやらせていたと。ここですね(笑)。

松岡:そうそう、そこは脳的に言うとどういうことなのですか?

茂木:いやー。だからそこですよ。自由にやらせないと、ポジティブにはならないでしょ。

松岡:競争とか?

茂木:競争ではポジティブにならないでしょ。

松岡:ならない?

茂木:ならない。その人のスタイルと言うか、その人のやり方でやっていかないと。

松岡:へぇー。

想定外のことを受け入れられたら「ポジティブ」

茂木:今、これなんの打ち合わせもないですからね!

松岡:もちろんないのですが、やっぱり一番ね。

茂木:だってさ、某NHKの『SWITCHインタビュー』というコーナーで、俺が入ってきたら、いきなりサーブしてきたんですよ。

(会場笑)

ぜんぜん。もうなんの手加減もなかったですよね。

松岡:そう、だから、「先生、とにかく入ってこられます」。(笑顔で走って)「はーっ」て、来たから。

(会場笑)

僕が。

茂木:いきなり。

松岡:200キロ近いサーブをブカッ! と打ったのですよ。

茂木:でも、俺はそれを打とうとして、足をひねったんですよ。

(会場笑)

松岡:もう番組の始まりから。

茂木:撮影の最初に。あれでも、ポジティブですよね(笑)。

松岡:先生がポジティブだったらということで、そうした新しいことに対して挑戦したいと。

茂木:脳科学の立場から言うとね。正直言うと、人生には何であれ想定外のことがありますよね。その想定外のことをポジティブに受け入れられたら、もうそれでOKなんですよ。

松岡:OK?

茂木:うん。

松岡:じゃあ、その。

茂木:例えば、松岡修造がいきなりサーブしてくるとか。これをもう受け入れられたらOK。

松岡:そういうものに対して、しっかり、うまくできた、できないではなくて。

茂木:はい。

松岡:それを受け入れるということが、ポジティブだと捉える。

茂木:みなさん、どうですか? 人生でいろんなことがあるじゃないですか。想定外のことが。だいたいポジティブになれない人は、人生をすべて計算したり、計画しようとするわけですよ。

松岡:ある。

茂木:そうすると、絶対に人生は裏切りますから。 松岡:裏切られました?

茂木:もう何回も。

(会場笑)

茂木先生のTwitterが炎上した件について

最近はちょっとお笑い……(笑)。

(会場笑)

松岡:別に、これは、僕、先生あれが一番ポジティブだなと思ったのですよ。

茂木:何がでしたか?

松岡:想像ができなかったですよね。

茂木:まったく。いや、ビックリですよ! Twitterというものの恐ろしさを知りましたが。

松岡:気軽にやりすぎたのですよ。

茂木:あれ? 修造さん、裏アカウントあるんですか?

松岡:裏アカウント?

茂木:Twitterのアカウントありませんよね?

松岡:僕は持っていないです。

茂木:裏アカウント、実はあるんでしょ?

松岡:ない。

茂木:なんかウダーッとしたこと、つぶやいてたりとか。

松岡:ぜんぜん。

(会場笑)

茂木:ないか(笑)。

松岡:でも、なんですか。ちょっと繰り返して申しわけありませんが、先生はある意味脳科学者で、しかも「こういうことをしちゃいけませんよ」とわかっている中で、したわけじゃないですか。気付かずに。

茂木:いやー。

松岡:それをテレビであそこまで責められるのがわかっていても、伝えにいったということをポジティブに捉えいて。

茂木:あの後、古舘伊知郎さんに、諭されました。

松岡:なんて?

茂木:ああいう番組の座組? セッティングだと、こうなるとわかっているところに、そもそも行っちゃダメですよと。

松岡:ダメだったんだ。

茂木:これみなさん、テレビで、例えば今日こういう座組というか、こうした設定になっているでしょ。こうした現場でいくらベストを尽くしていても、必ずあるかたちになっていくのですよ。

松岡:へぇー。

茂木:わかります? 僕、『ワイドナショー』という番組や『しくじり先生』という番組で、現場ではベストを尽くしたのですが、あのセッティングで番組を撮るということは。

松岡:はい。

茂木:「こうなるということは、わかっているでしょ!」と古舘さんが言って、「スゲーな、この人」と思いまして。僕そんなのわかっていないから。

だから、今日この人はわかっている人なんですよ。だって、この方さっき僕が来る前に書いていたでしょ? このセッティング全部修造さんがやっています。

この人は、天然に見えて、実は計算してんですよ。

(会場笑)

計算してんですよね。すべてね。

司会者:すいません。ちょっとあの……。

茂木:そろそろ本題に。

司会者:参加者のみなさんが。

茂木:おそらく今ので、局の方が使いたい映像は撮れたと思います。

(会場笑)

娘さんの宝塚のコメント、あそこは使うと思います(笑)。

松岡:ちょっと待って。本当に、メディアの方には、一切宝塚の話1回もしたことないのに、これ触れられたら話す以外ない。

茂木:俺こう見えても、現場の方に対する思いやりがあるんですよ。だって、ここに来て、帰ってデスクに、「何撮ってきたんだ?」「なにも……」「そんなの使えるか!」みたいな。「お、修造が娘の宝塚のこと言ってるじゃん!」。

松岡:だから、1番話しちゃいけなかったんです。

(会場笑)

茂木:いや、この後はなにを喋っても大丈夫ですから。ネタは取れたんでね。

松岡:前向きに、すべてね。

【お悩み①】小さなことで不安を感じる接客業の「陽子さん」

司会者:すみません。先生、せっかくみなさんからアンケートを取っているので。

たった一度きりの人生をマックスに! ポジティブ会議

松岡:ネガティブなことを。

茂木:お願いします! ここからは、みなさんの時間です。

司会者:これを1つずつ答えていっていただきたいなと思うのですが。

松岡:まず、とりあえず、ネガティブな思いというものを聞かせてもらってね。

茂木:ぜひぜひ。

松岡:そういうことを先生と。

茂木:もうどんどん!

松岡:アンサーを答えていく。

茂木:こいよ! こいよ!

松岡:では、ネガティブ。

(会場挙手)

茂木:お! はや!

松岡:ぜんぜんネガティブじゃない。

参加者1:聞いて! 先生聞いて!

茂木:え? これは何? マイクがいくのですか?

司会者:いきます!

茂木:では、お願いします。

松岡:どうぞ。

茂木:どうぞ。

参加者1:やー! うれしい!

松岡:だって、これがネガティブじゃない。

茂木:なにこれ、映っちゃうの? あ、ビックリした。急に。

参加者1:こんにちは!

松岡:すごいね。

茂木:ぜんぜん、ネガティブじゃないでしょ。

松岡:違う。

茂木:こんにちは! どうしました?

松岡:どうしました?

参加者1:入っていますか?

松岡:入ってる。聞こえてる。

参加者1:(笑)。すみません。私は、お仕事で、すっごい不安なんですね。

松岡:不安。お仕事が不安。

茂木:いやいや、あちら(松岡の方を指さして)を見て喋ってください。

参加者1:(笑)。

茂木:なんの仕事ですか? え? 魔法使い?

参加者1:はい。

茂木:本当?

参加者1:ではなくて、接客業なのですが。

茂木:接客業。

参加者1:はい。しゃぶしゃぶ屋さんでやっていまして。

茂木:おー! 今流行っています。しゃぶしゃぶ。

参加者1:ありがとうございます。今度来てください(笑)。

松岡:自分の宣伝。

茂木:何がネガティブなの?

参加者1:うまくお客さまに思いが伝わっているかどうかが不安なんですよ。私が言っていることが。

茂木:(笑)。え? ちょっと待って。お店では、どういった役割なのですか?

参加者1:私は、ホールです。

茂木:本当に接客だ。

参加者1:(膝をついてしゃがんで)「いらっしゃいませ」とやっています。

松岡:何が一番不安なのですか? 僕から見ると、ちょっとやりすぎちゃう。

参加者1:(笑)。

(会場笑)

茂木:修造!

松岡:ちょっと、こう!

茂木:修造! 何言ってんだ!

松岡:違う? そうじゃない?

参加者1:はい。

松岡:なんで?

参加者1:言葉遣いとか、すごく気になっちゃって、小さいことが気になっちゃうのですね。どうしても。

自分だけのジンクスや気になることを捨てていく

茂木:これどうですか? 小さいことが気になる人、確かにいますよ。

松岡:それはみんなでしょ。僕も超気になります。

茂木:うん。それは、ちょうどだから、最近話題になっている発達障害の方なんかも、実は小さいことがすごく気になっちゃって、コミュニケーションがうまくいかないということもあるのでね。どうしたらいいのかな? うーん。捨てることやな。小さなことはな。ちょっと小さなこと握って、パーンと捨ててみようぜ!

参加者1:わかりました。

茂木:いや、わかったのか!(笑)。

(会場笑)

茂木:はやーい!

参加者1:捨てます。捨てますね、じゃあ。

茂木:修造さん、でもさ、あったよね。テニスをやっているとき。小さいことが気になっちゃって。ジンクスとかどうですか? 

松岡:ジンクスとか、僕はものすごかったわけですよ。サーブを打つ前はお尻を必ず触らなきゃいけないとか、右目左目とか。それをやらないと、安心できない。一番良くないのは、完璧主義。なることは大事なのですが、いこうとすればするほど。

茂木:ダメ! 例外があるもんね。

松岡:なんせ、もしもそれが揃っているのにダメだったら。

茂木:どうしたの? 貫いた? それとも捨てた?

松岡:なるべく捨てる作業が多かったですね。

茂木:やっぱり捨てることが大事なんだよー。

参加者1:わかりました。

茂木:でも、ジンクスを作っちゃって、その通りにやるというのも手だよね。毎回接客やるときに。

松岡:そうそう。落ち着きますからね、それで。

参加者1:はい。なんかとか自分で考えます。

360度周りを見ながら明るく生きるべし!

司会者:じゃあ、そろそろ修造さん。

茂木:あーそうか。なんか貼るんだ!

参加者1:名前ですね!

茂木:修造若い!

松岡:下の名前。

参加者1:陽子。

松岡:陽子?

司会者:修造さん! お答えを。茂木先生。

茂木:先生、書くの?

(悩みのポジティブアンサーを書くため、机に移動)

松岡:ごめんなさい、今。

参加者1:陽子です。

松岡:陽子さん。話してて、ごめんね。

参加者1:なに話していたんですか?(笑)。

(参加者1のために松岡と茂木が、悩みのポジティブアンサーを書く)

司会者:次、どうしても修造さんとお話したい方は、手をあげていただけますか?

(会場挙手)

(手をあげている人をさして)では、次の方。

茂木:これどうするの? これ(注:悩みの答えを書いた紙)見せる? カメラに見せるの? 修造さん、今書いたんですが、僕の答え「まわれ」です。「まわれ」。ちょっと回ってみていただいていいですか?

参加者1:(ぐるぐると回る)

茂木:ほら! 360度見えたでしょ?

参加者1:はい。

茂木:ひとつのことだけ見すぎなんだよ。360度見ようぜ!

会場一同:おー!

(会場拍手)

参加者1:はい! ありがとうございます。

松岡:すごい! これが、茂木先生の脳科学的なアンサーなのです。僕なんか、陽子って名前がついているのだから、そもそも太陽なわけです。僕は、接客する上で、陽子の太陽になって来られた方が、よっぽどいいですよ。暗く「はい、どうも~」なんて言われるよりも、明るければ、人に何か言われたって関係ない。

それが陽子さんの良さじゃないですか。自分の良さをなくしてどうする!

参加者1:はい!

(会場笑)

松岡:ぜひとも。

茂木:どこに貼るの? 貼るんだろ?

松岡:まず、陽子さん、2人ね。先生、この丸を前に。

茂木:貼りましょうか。

松岡:貼りましょうか。僕、後ろに貼ります。

茂木:俺も後ろ。じゃあ、肩に。

松岡:肩。

茂木:ペタ!

参加者1:あ~! ありがとうございます~!

(会場拍手)

松岡:こうやって、全体を見ることが大事だということですね!