なぜラップを取り入れたか

馬場:最後にみなさんから質問をいただきたいなと思っておりまして。勇気を出してぜひ挙手してください。

質問者1:岸田さんに質問なんですけど。

岸田:こんにちは。

質問者1:こんにちは。なぜこの曲でラップに挑戦したのかなっていうのが。

岸田:ラップですか。それはラップが好きやからということ以外でいうと、言いたいことが多かったので、普通にメロディ歌ってるとワ〜ワ〜って歌ってしまうので、ラップにするといっぱい言えるから、ラップにしました。

質問者1:そうなんですか。

岸田:そうです。もともとラップは好きです。わりと好きなほうです。が、くるりはラップのバンドじゃないので、ラップをそんなにやらなかったんですけど。

(会場笑)

岸田:ちょっと言いたいことが多かったので、普通の歌を書くと5番ぐらいまでなって、シングルとしてはちょっと長すぎるので。僕のふだんのしゃべりよりも倍速ぐらいでしゃべってる感じで、ラップになりました。

質問者1:それで、ラップの歌詞を見た時に、描く絵の意識したところってありますか?

タムくん:まず、意味わからないとね。音と意味を合わせて絵が見えた。意識したのは、その浮かんできた絵をキープしたほうがいいと意識してた。あんまり違うことを考えるのをがんばらないで、その浮かんできたイメージをそのままにしたほうがいいと思ったんです。

質問者1:ありがとうございます。

タムくん:ラップしてなかったら、俺、やってないかも。もう20分ぐらいになるでしょ。曲が。

(会場笑)

岸田:ああ、そうですね。たぶん。「目を~閉じ~れば~♪」とかなってたかもしれないですね。

タムくん:俺、やめるし(笑)。

岸田:俺もたぶん途中でやめると思う(笑)。

タムくん:「これは 映画でやろうよ」みたいな時間になって。

岸田:かもしれない。

馬場:ほかにいらっしゃいますか。手、挙げにくいですよね。

タムくん:後ろでもいい。

馬場:え?

タムくん:後ろの人でもいいです。

馬場:後ろの人? あ、みんな目を逸しましたね。

岸田:ああ、よかった、よかった。サクラがいいひんいうことや(笑)。

馬場:(笑)。

岸田:なんでもいいですよ。

タムくん:時間はあるからね。

マムアンちゃんが生まれたきっかけ

質問者2:こんにちは。今日は山梨県から来ました。いつもタムくんとくるりの曲に癒やされています。

今日はお聞きしたいんですけれども、いつもタムくんのInstagramとかで見て、マムアンちゃん(タムくんのイラスト)、すごいかわいいなと思って大好きなんですけれど、マムアンちゃんが生まれる、キャラクターが生まれるきっかけというのはなにかあったんですか? モデルの子とか。

タムくん:モデルはいなくて。僕、マムアンちゃんの前の漫画描いてたんだけど、けっこうたくさん考える人だったの。考えすぎて、「こういうことは考えなくていいじゃん」って人生習って、だんだん考えることが少なくなって、絵もシンプルになって。

昔、絵が線が多かった。女性描くときは、もう髪描こうとしたら、何回も書く。でも、考え方がシンプルになって、体も絵も丸くなっちゃって。女の子の髪も線が1本になって。

僕の人生がシンプルになったから、絵がマムアンちゃんになったんです。別にモデルとかじゃなくて、たぶん僕の考えることがそんなかたちになってるだけです。女の子の気持ちになってたかも。

質問者2:そうだったんですね。ありがとうございました(笑)。

(会場笑)

タムくん:ありがとう(笑)。まあ男の気持ちもあるけどね。いろんな漫画描いてるけど。

岸田:いい答えやね。でもね。今の、すごい好きな話です。なんか。いい質問をありがとうございました。

タムくん:ありがとう。

馬場:もう1人ぐらい聞いて、終わりにします?

タムくん:うん、2人ぐらい?

馬場:(笑)。

タムくん:1人、1人。

馬場:じゃあお2人、今、手を挙げてくださったお2人、お願いしたいです。

タムくん:1人って言ったら手を挙げないから、2人って言った(笑)。

馬場: そうなの? さすが。

岸田:策士、策士。

タムくん:最後の。

30代、これからどうしていけば

質問者3:はじめまして。スガワラと申します。実は昨日、誕生日で30歳になったばかりなんですけど。

タムくん:おめでとうございます。

質問者3:ありがとうございます。さっき「おっさんになればいい」と言われたんですけど、まだ30歳で、なんかこれからどうしたらいいかってすごい悩んでるんですけど、30歳にアドバイスをいただけたらと思って(笑)。

すみません、なんかぜんぜん関係ないんですけど(笑)。それくらい自分もどうしたらいいかわからなくて……。

タムくん:むしろ若いじゃん。あ、いや、ごめん。

質問者3:そうなんですよ。すごくうれしいんですけど。だんだんやっぱり自信もなくなってきてしまって、どこかで「自分まだいける」と思ってても「勘違いしてるんじゃないか?」とか。自信がない性格なのかもしれないですけど。

タムくん:なんの自信がない?

質問者3:う~ん、そうですね、それこそ「これから自分はどう生きていくのかな?」とか、いろいろ……。

タムくん:でも、10歳のときもわかんないじゃん。

質問者3:そうですね。だからこの……。

タムくん:じゃあ変わってない。

質問者3:そうですかね。わからないままを楽しんだほうがいいのかなってことですかね。

タムくん:う~ん……。

質問者3:すみません。

岸田:なんか僕も、そういう感じでは僕はなかったんですけど、私が30歳の頃は……サワダでしたっけ? ごめんなさい。

質問者3:あ、沢田研二……あ、違う。スガワラです。すみません。

岸田:あ、スガワラさんですか。

質問者3:あっ、はい。スガワラです。

岸田:伝わらなくなってたけど。ごめんなさい。

(会場笑)

質問者3:すいません(笑)。

岸田:ちゃんと考えてなかったので、めっちゃアホやったんで。俺。今でもアホですけど。

今、ホンマに思うのが、なにかで悩んだりとかするじゃないですか。しょうもないことやったり、重大なことやったりとか。それの連続があるんですけど、なにかの凪みたいのができたときに全部モデルチェンジできるときが来るので、普通に悩んだらいいんじゃないでしょうか、と思います。

質問者3:すいません、ありがとうございます。いっぱい悩みます。

日本は固定概念が多すぎる?

タムくん:わかった。30歳だから思うんじゃない。その30歳は、「30歳になって、こうしたほうがいいよ」という情報がある。

質問者3:うーん、そうですね。

タムくん:その情報は嘘だよ。嘘というか、今の時代に、まあ本当でもいいんだけど、それがただの情報だとわかっていればいい。

例えば原始時代だと、「俺、15歳。まだ虎を殺せてない。どうしよう?」という時代だったじゃん。じゃああと100年の未来、ルール変わるじゃない。DNAがアップグレードしていないとか、まあ適当に言ったけど、そういう変わっていくの。それだけ。

だから、人の情報をそんな、わかるのはOKなんだけど、あんまり思い込まないほうがいい。変わるから。それにコントロールされちゃ、本当のピュアな自分が出てこない。それで元気ない。

30歳になって結婚もできて仕事もうまく。そういう道だけ、そこを行けても元気にはなれないよ。失敗しても成功しても元気のことじゃなくて、元気は今のフレッシュな気持ち。タイ人の貧乏、みんな元気そうだよ。犬とか。野良犬いっぱいめっちゃ尻尾振ってる。

(会場笑)

タムくん:元気だから、考えない(笑)。

馬場:シンプル。

タムくん:わかるのはいいんだけど、そんなコントロールされないほうがいい。

質問者3:ありがとうございました。元気が出ていました。ありがとうございます。

タムくん:よかった。おめでとう。30歳。

馬場:なかなかシンプルになろうと思っても難しいところもあるのはわかります。前、失礼します。次の方。

タムくん:日本、情報が多いよね。

岸田:多いですね。

タムくん:情報やばいよ。

岸田:情報ゆうのはやばいですよ。ホンマに。ケータイがやばいと思う。僕は。あと、ビルはやばいと思ってる。なんとなく。

タムくん:情報ね、信じちゃうね。

上海蟹を最近いつ食べたか

質問者4:こんにちは。はじめまして。スミカと申します。今日は楽しみにしてきました。お2人にうかがいたいんですけれども。この曲の上海蟹を食べたい自分がいて、だけど小籠包じゃ足りないというふうに思ってるっていう歌詞がすごく好きなんですね。

岸田:ありがとうございます。

質問者4:やっぱり小籠包って簡単に5分とか10分とか食べられるカフェみたいな感じだと思っていて。上海蟹を食べるというのは、ものすごく時間もかかって、べっちゃべちゃになって、汚い自分を見せる可能性もあるという。

それにきっちり時間を割いて、ご飯を食べたいと思ってるっていうところがすごく好きです。で、質問なんですけど、最近、上海蟹は食べられましたか?

(会場笑)

岸田:その質問にお答えすると、この曲を出した年、去年の年末ぐらいに中華屋で食べましたね。

質問者4:どなたと行かれたんですか?

岸田:それは佐藤さんとかと行きましたね。

(会場笑)

岸田:ベースの佐藤さんとマネージャーとかと行きました。新宿かどこかで食べました。

質問者4:ありがとうございます。タムくんは上海蟹は最近……。

タムくん:俺、実はよくわかってない。上海蟹ってなんなの?

岸田:めっちゃうまい。

(会場笑)

タムくん:本当?(笑)。

岸田:すっごいおいしい。

タムくん:日本で食べられる?

岸田:日本でも食べられるところはあります。今度、教えます。すっごいおいしいところあるので。

タムくん:おお、じゃあ食べに。

岸田:でも、上海に行って食べるのが、すごいおいしいと思います。

タムくん:上海で食べる?

岸田:食べる上海蟹がおいしいです。すっごいおいしいです。

男性:タイは上海蟹じゃないですか?

タムくん:あ、普通に? ご飯と?

男性: 取るの?  取らないんじゃないの。

タムくん:たぶん上海蟹って言ってないだけか。

岸田:ソフトシェルクラブみたいな。

タムくん:行こうよ、タイ。

(会場笑)

岸田:タイすごい、タイめっちゃ行きたい。

タムくん:タイ、チャイナタウン、おいしいよ。

岸田:なんですか? それ。

タムくん:チャイナタウン。

岸田:チャイナタウンね。行きましょう、行きましょう。タイ料理も食べたい。

タムくん:めっちゃ汚くて、古くて、危ないよ(笑)。

(会場笑)

岸田:俺ね、わりと好きなんですよ。

タムくん:ジャッキー・チェン出てくるかも。

岸田:そういうのはついつい惹かれてしまうんです。なんかイタリアとかに行ったら、ナポリとかに行ってみたいと思うほうなので。すいません。ちょっと放ったらかしにして、すいません。

質問者4:上海行きたいなって、タイ行きたいなって思いました。ぜひ行きたいと思います。ありがとうございました。

岸田:どうも、どうも。

馬場:ありがとうございます。

上海蟹と小籠包の違いを再認識

タムくん:そんなこと考えてた? 蟹は時間かけるとか。

岸田:うん、彼女に質問されて「ああ、ホンマやわ」って思いました。

タムくん:考えてないじゃん(笑)。

岸田:考えてないけど、たぶん今聞かれて、「そう考えてたのかも」って僕思いました。あんまり意識はしてないです。意識してないけど、まあ出てきたんでしょうね。

小籠包はやっぱり食べるときに熱いですから、やけどしないようにというのだけはふだん意識してますけど。

(会場笑)

馬場:そろそろお終いが近づいておりまして。

タムくん:めっちゃ調べたわ。上海蟹とか。

岸田:マジですか? オスとメスで味が違うんですよ。

タムくん:おお。

岸田:そうなんですよ。

タムくん:オスとメス。

岸田:うん?(笑)。

タムくん:はいはい、ごめん、終わる。

馬場:じゃあわかりました。タイに行くことあったら、リンネルで取材させてください。お願いします。

タムくん:はい。

岸田:はい。

馬場:最後に告知などありましたら、お願いしたいなと思うんですけれども。

岸田:告知ですか。

馬場:なにかお知らせとかがあったら。

タムくん:お知らせ、ない。

馬場:ないですか?

岸田:なんかWebとかで。

馬場:そうですね。みなさん、たぶんもうご存じだからいらないですね。大丈夫ですね。

岸田:曲とか作ってます、という感じで。

馬場:いいですね。それ聞きたかったことですね。

岸田:曲とかを、僕はほんまにズボラなんですけど、「曲を作らな」と思って、曲をたまに作ったりしています。最近。

馬場:楽しみにしています。

岸田:俺にしては働いています。

馬場:楽しみにしております(笑)。タムくんも?

タムくん:僕はここを見てくれたら、もうOKです。LR。

馬場:そうですね。しっかりこれ、みなさん、楽しんで帰ってください。

では、これでトークイベント終了となります。みなさま、ありがとうございました。最後、お2人、拍手でお送りください。

(会場拍手)

岸田:ありがとうございます。

タムくん:みなさん、ありがとうございます。

岸田:ありがとう、ありがとう。ありがとうございました。

馬場:真ん中からどうぞ。ありがとうございました。

(会場拍手)