逃げたかったら、逃げていい︎

司会者:今回は芦名さんのプロフィールなど、私が聞きたいことを聞かせていただいていたんですが、みなさんもきっと質問したいことがたんまりできている頃だと思うので、質問を受け付けさせていただきたいと思います。挙手でお願いします。なにか質問がある方?

(会場挙手)

質問者1:お話ありがとうございます。お会いできて嬉しいです。職業柄、うつ病の患者さんなど、いろんな方と向き合うことが多いのですが、不器用であることから、社会的な成功をしているけれども、心の中はすごく苦しい人もいらっしゃいます。ボトムの人もトップの人も、そういった意味では心の中の構造は同じだと感じています。

逃げる人というのは確かにいると思うんですよね。先ほどのお話に僕もすごく同意していて、勇気が持てなくて逃げてしまう方、自分と向き合うことはもちろん周りや世界と向き合うことから逃げてしまう方がいると思うんです。それを解決する方法としては、カウンセラー、友達や家族、または芦名さんのような方が愛する勇気を与えるということも1つだと思います。

芦名さんは、勇気が出なくて逃げたくなるような、本当に苦しくつらい時でも、すごく自分と向き合って来られた方なんじゃないかなと、あらためて聞いていて感じました。そんな時に、どうやって自分で自分に勇気を与えるのか。何かやられていらっしゃることがあるんじゃないかなと思いまして。もし何か実践されていることや、その時のエピソードなどを教えてもらえたら嬉しいなと思いました。

芦名佑介氏(以下、芦名):ありがとうございます。

1つだけですね。諦めることです。逃げちゃいけないと思うと、すごく苦しくなるじゃないですか。「逃げちゃいけない」とか「うわ~これ嫌だなぁ、諦めたいなぁ」と思ったら、僕は、すぐ諦めます。

諦めてから考えればいいんですよ。その時に、「やっぱりやらなきゃダメだな」と思うかもしれないし、「諦めてよかったな」と思うかもしれないし。誰かが決めた幸せよりも、自分で何が幸せかに気がつくことがすごく大事なんです。

あと、カウンセリングは、その人の現状をしっかりと認識させてあげるだけです。例えば「あなたは今、行動していません。でも行動していなくてもいいんじゃないですか? それは問題ではないんじゃないですか?」と。

「逃げちゃダメだ」と思っている人ほど、なぜ逃げちゃダメかをわかっていないんですよ。もしかしたら逃げたほうがいいのかもしれない。何がダメかわからないまま解決をしようとしているので、どんどん解決できなくなる。だから、しっかりと相手を受け止めてあげて、それでもいいんじゃないですかということを言ってあげたら、彼自身が自分で解決方法を見つけるのではないかなと思います。

質問者1:ありがとうございます。

好きなことを仕事にする方法

司会者:では、前の方。

質問者2:こんにちは。最後の話で、芦名表参道を作られた時に、やりたいことをやるということをおっしゃっていましたが、僕は自分の人生でやりたいことを見つけるのが苦手です。まだやりたいことが……まぁ多少はあるのですが、もっともっと欲しいと思っているので、具体的にやりたいことの見つけ方のコツがあったら教えていただきたいです。

芦名:今回のテーマはそれでしたね(笑)。今、毎月、収入はどれくらいありますか? 

質問者2:毎月……いやぁ、そんなにないです。

芦名:そんなにない。でも収入はあります?

質問者2:あります。

芦名:その収入で、貯金はけっこうありますか?

質問者2:貯金は……そんなにないです(笑)。

芦名:ということは、その入ってきた収入は使っているわけですよね。そのお金が何に使われているのかということを、ちゃんと明確に分析してください。それがやりたいことです。

「うわ、すげぇ、飲み会ばっかに使っているな」と思ったら、飲み会がやりたいことです。「風俗に使っているな」となったら、風俗がやりたいこと。「デートに使っているな」と思ったら、デートがやりたいことです。

やりたいことというのは、みんな明確に見つかっているはず。それにお金を費やしているので。お金を使っていることが、自分のやりたいことなんですよ。なのでみんなやりたいことはすでにあるんです。「やりたいこと」ではなく「お金が稼げるやりたいこと」がないというのが多くの人の悩みだと思います。

これは、すごく難しいです。正直な話をすると、「お金が稼げること」と「やりたいこと」は、かなり違います。逆の言い方をすれば、残念ながらお金を稼いでしまえば、それがその人のやりたいことになります。それが「やりがい」というものです。

例えば、さっきの商社マンを例に出すと、32、33歳の年収が1,200万から1,500万くらいあるかもしれない商社マンに「やりがいは何ですか?」と聞くと、おそらくこう答えます。「俺のやりがいは貿易だ。海外から、鉄を買うんだ。お前、海外から鉄買えるか? あの時の感覚シビれるぞ。それを、イタリアに売り飛ばすんだ。お前、イタリアに売り飛ばすんだぞ。超カッコよくねぇか?」と。

でも彼はおそらく、その仕事の年収が100万円ならそうは答えていないはずです。もし仮にみなさんトイレ掃除の仕事をやるとします。嫌な仕事だなと思う方もいるかもしれません。でもその彼にトイレ掃除の年収を1億円与えたとします。おそらく彼は「俺がトイレという気持ちのいい空間を作ってる。この空間があるおかげで世の中の人たちが仕事の生産性を上げることができるんだ。こんなにやりがいのある仕事はない」と言い始めると思います。つまり「やりがい」とは、後付けの解釈なのです。

やりたいことで仕事がしたいという人は、まずは、最低限の生活費となるお金をちゃんと稼ぐべきです。それから、自分がやりたいことというのは、土日でもいいし趣味としてやるのがいい。

その趣味を仕事にするというのは、また次のレベルです。趣味と仕事の違いですね。これは何かというと、集まる人数の量です。僕がここで陶芸をやって、1人で「わ~この陶芸、素晴らしいなぁ!」と言っても、誰も集まって来ないかもしれないですね(笑)。そしたら、これはただの趣味です。僕が陶芸を作って、ここに1万人集まったら、それはビジネスです。

自分がやりたいことが見つかった後の話ですね。やりたいことが見つかってから、それで仕事がしたいとなるのであれば、それで何人を集められるかです。

基本的に、お金というのは、人数×単価ですから。1万人が1万円出したら、いくらですか? 1億ですね。1万人が100円でもいいです。1万人が100円出したら、100万円です。そしたら、月収100万円です。なので、やりたいことで仕事をするのであれば、とにかく人を集めるということです。

世の中に存在するものの価値は需要と供給で決まります。良いものというのは、人が集まるものです。良くないものというのは、人が集まらないものです。なので「俺がいいもの作ったのに、ぜんぜん人が集まらねぇ。みんなわかってない」というのは、それは良くないものだということです。

とにかく、自分のやりたいことで仕事をするのであれば、人を集めることを意識してほしいですし、自分が何をやりたいのかなぁと思ったら、自分が何にお金を使っているのかということを見てほしいなと思います。

質問者2:ありがとうございます。

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