急募したコンテンツリクエストに多くの声が

乙君氏(以下、乙君):今日もゴキゲンに始まりました「山田玲司のヤングサンデー」なんですけれども。前回、急に募集したコンテンツリクエストの。まあ、玲司さん、コンテンツソムリエをもう宣言されまして。

山田玲司氏(以下、山田):そうです。

乙君:「今年中にどんなものを斬っていただきたいか」というのを募集しまして、めちゃめちゃ来ました!

山田:来ました?(笑)。

乙君:んー、大変!(笑)。

山田:まとめてくださって、ありがとうございます。

乙君:まとめましたよ!

山田:ありがとうございます。

乙君:もうこれはちょっとね、すぐ出したいんですけど。やっぱりね、お金を払ってくれてるみなさんがいるので。

久世孝臣氏(以下、久世):オイオイオイ。

乙君:後半のほうでちょっと、がっつり。

山田:セレブの人たちね。

乙君:がっつりね、ワーワー言いながらやりたいなと思ってます。

山田:後半には、セレブ用の放送で(笑)。

(一同笑)

山田:そうそう。ね。それは言えないと。

『GHOST IN THE SHELL』を3人で鑑賞

乙君:ということで前半なんですけれども、今日はまずは……まあ中2ナイトニッポンなんでね、フリートークの回なんですけれども。

山田:そうなんですよ。

乙君:やっぱり、ここからいきませんか?

山田:なんですか? 早いね。

乙君:俺達の。

久世:あれですか?

乙君:素子を。

山田:やって(笑)。

乙君:吾が〜舞えば〜♪ ドゥドゥン。シャンッ。ドゥドゥン。シャンッ。麗し女〜酔いにけり♪ 

(一同笑)

大丈夫か、これ? YouTube(笑)。

久世:お前がやらすんやんか(笑)。

乙君:なんか、その……。

山田:ごめんなさい。今、『イノセンス』のパロディをやっていたんですよ(笑)。

乙君:来るんか来やんか思ったら、最終的に流れるっていう。

山田:ちょっと待って! その前さ君ら、今ちょうど観てきたんだよね?

久世:観てきましたよ。

山田:GHOST IN……SHELL?

久世:『GHOST IN THE SHELL』(笑)。

乙君:「THE」だけなんで?(笑)。

久世:どこへ置いてきたんですか?

山田:THE SHELL。まあ、観てきたわけですね。

久世:はい。

山田:話題の攻殻(『攻殻機動隊』)を。

久世:話題のね、沸騰中の。

山田:しみちゃんは観ていない?

しみちゃん氏(以下、しみちゃん):僕も観てきました。この2人、一緒に観ました(笑)。

山田:あ、一緒に3人で。

実写映画は100点中30点。その理由は?

乙君:しみちゃん、携帯の電源切った? 大丈夫?

しみちゃん:えっ、ちゃんと見せたよね、僕、機内モードにしたの。

山田:まだ怒ってるのか、お前? 『沈黙』の時の一件を(笑)。

乙君:『沈黙』の踏み絵の時にブーブーって鳴るっていうあの。ブーつって。

山田:「おい、やべーよ」って?(笑)。

乙君:もう本当にろくでもないよ。これ。

(一同笑)

久世:本当にね。

山田:年上(笑)。けっこう年上。君よりも5つも年上でしょ。

乙君:どうですか? この中で一番ね、攻殻というか、押井ストの。

山田:ああ、そうね。押井スト来てた。押井スト代表ですね。

乙君:押井スト代表の久世さん?

久世:いやでもね、思ってたよりはよかったですよ。3点かなと思ってたら、30点ぐらいあったという話で。

山田:おお(笑)。100点満点で?

久世:100点満点中のね。

乙君:ほう。

久世:普通に見てみて「攻殻とか知らんで見たら、普通にまとまってる作品やな」っていう感じだったんじゃないですかね。のぞむさん、どうなんですか?

乙君:俺も、「別の映画だな」とはやっぱり最終的には思いますよね、あれは。もう攻殻を知らない人が見たら「普通のSF映画だな」ってなっちゃう。ただ、攻殻を知ってるから……ネタバレになっちゃいますね。これ。これ以上しゃべるとね。まあいいか。

(一同笑)

山田:いや、それは……。冒頭で、しかも公開直後の映画のネタバレをするんですか?

しみちゃん:そうですね(笑)。

乙君:じゃあやめましょう。まあ、あんまり深くは言いませんけれども、原作に存在していないキャラを出すのはちょっとやめてほしい。

久世:いやでもね、いい演技されてましたよ。

乙君:それはいい演技してた!

久世:いい演技されてましたよ。すばらしい演技をされてました。

予想以上にムチムチ

乙君:うん。1人だけなんか。

久世:「素子、SK-II」って言ってましたから。

乙君:うん。

しみちゃん:おい!(笑)。

乙君:「SK-II」って。

山田:あ、SK-Ⅱの方の話してるの?

久世:はい。そうです。

乙君:SK-IIの方ですよ。これ。SK-IIの方は唐突に出てきて。

久世:ものすごいちゃんと仕事してましたよ。ただ、あのシーンがいるかって言われるとねえ。

乙君:いや、あれを出しますと、もう攻殻機動隊でもなんでもなくなっちゃうんですよ。

久世:そうねえ。誰の血がつながっていてどうってなっちゃうと、もう(笑)。

乙君:あともう1個、これみんな言ってるかもしれないですけど、予想以上にムチムチ。ムチムチって言えばいいのかな。あれ。

山田:そんな話ばっかりしてるよね。みんなね。

乙君:しみちゃん、どうなの? あのムチムチイケるの?

しみちゃん:いや、あれちょっとやっぱりね、乳首が出てないのはちょっとね……。

久世:ぜんぜん意味わからへんけど。乳首、絶対出さなあかんかったっけ?

(一同笑)

しみちゃん:すいません(笑)。

山田:(コメントにて「少佐!?」)少佐です。そうそう。

久世:少佐です。

乙君:そうそう、少佐……そうなんだよねえ。

山田:ガチムチの少佐です。

拭いきれない、北野武への違和感

乙君:あと、俺は吹替えがどうしても観たくて、吹替えで観たんですけど、この2人は字幕で観たんですよ。

そうすると、吹替えはいわゆるオリジナルキャストの方々がやっていらっしゃるんですよ。だからすごい入ってくるんですけど、(北野)武だけ「たけし」なんですよ。

山田:ああ、そうだよな。

乙君:だから、声優とたけしの音圧が違いすぎて、なんかめちゃめちゃ違和感あったんだけど(笑)。

山田:俺、なんか『スーパーJOCKEY』観てるみたいだったよ。

乙君:スーパーJOCKEY?

しみちゃん:なつかしい(笑)。

山田:だって、一生懸命にカンペを見てるんだもん。あのカンペはスカヨハが持ってたらしいね。

乙君:えー!

山田:カンペを見てたんだ!?

乙君:そう。

乙君:おじいちゃんやん(笑)。

山田:スカヨハは、たけしをすごくリスペクトしてて。

乙君:たけし軍団ってこと? じゃあ、スカヨハは。

山田:だから、そう、たけし軍団だよ。スカヨハは。なんかもう「殿、こちらでございます」みたいなことをスカヨハがやっていたらしい。

久世:マジかよ。ガダルカナル・ヨハンソン。

山田:そう。だからめっちゃ棒読みで、「攻殻ってなんだろうな〜」みたいな感じだったと思いますよ。

久世:「素子の兄ちゃん、素子の姉ちゃん」つって。

山田:あれたぶん、だからあの……(笑)。

(一同笑)

久世:「バトーの兄ちゃん!」って。

しみちゃん:(笑)。

山田:バトーの兄ちゃん?(笑)

久世:「バトーの兄ちゃんさ、あれ行ってこいよ」。

山田:バトーの兄ちゃんな。

久世:バトーの兄ちゃん。そうやってくれたらおもしろかったのにな。

山田:そうだな。

押井守はスカヨハのファン

乙君:玲司さんはどうなんですか?

山田:ルパート・サンダースという監督がやってて。イギリス人で、CM畑で。その前に撮ったのが、2012年に撮った『スノーホワイト』っていうのが主なキャリア。この人は、いわゆる大抜擢的な感じで出てきた。

脚本家は、なんかよくわからないんですけど、『トランスフォーマー』をやった人とか入ってるのね。

久世:あ、そうなんだ。なるほどなるほど。へえ。

山田:その流れでいうと、与えられたチャンスを職人的にこなさなければならないって、まず押井作品に対するリスペクトをしなければいけない。あとは一般客に対するわかりやすさ。難解なものを振られていたので、「俺たちは翻訳してハリウッドスターでしなきゃいけない」という苦闘の後で、ああいうことになったので。

よくあるじゃん。試写会で何回も何回もいろんなエンディングを見せて、みんなが納得するやつになっていくというやつ。だから、ポピュリズムに冒されたスタイルで製作をしてるんだよ。あれだけのバジェットになると。だって、外すわけにいかないから。

久世:なるほどね。

山田:だから、みんなが納得するっていうとさ、もう押井的なことをやろうとしたら、「もういいっす、いいっす」。

乙君:そうそう。

山田:だから「押井、最高!」って言いながら、「押井はいらない、押井はいらない」って、押井がどんどんこう(笑)。

乙君:そうなんです。作家性がどんどん排除されていて。

山田:なんか押井さんは現場に行ったらしいじゃない。スカヨハファンらしくて、「生で見れた」なんていう感じで、けっこうキャッキャやってんだけど。

「内心どう思ってるかな?」みたいな感じは、「俺が撮ったら、こうはなんねーぞ」みたいなものはあったとは思うんだけど、すげー大人の返しをしてて。まあ、犬を出してくれたから喜んでるのかな。あれな。

乙君:たぶんそうでしょうね。

山田:なあ。あの犬だからな。

乙君:あれ、CGかと思ったもん。

久世:えっ、なんで? 絶対違うやん。

乙君:なんかもうリアルすぎて。

久世:犬が?

乙君:うん。

久世:へえ。

『GHOST IN THE SHELL』は「ブレードランナー」すぎる?

山田:だから「押井もいいよね」っていう、押井に対するサービスがちょっと過剰で笑えるよね。

(一同笑)

だから、さっきのあの曲もな。

あとさ、ちょっとだけ看板で「INNOCENCE」って回ってたりとか。「もうこういうのは入れなくても良くねえ?」みたいなさ、ちょっと観てて恥ずかしくなっちゃうみたいな。「我々ハリウッドもリスペクトはしてるんですよ」みたいな。

久世:「ちゃんとやってますよー」って。

山田:そういう「仲良くしよう」みたいな感じになってるのが、まあ微笑ましいっちゃ微笑ましいけど。でも「『ブレードランナー』すぎるだろう」みたいな。

乙君:それはねえ。

久世:ブレードランナー臭やばかったなあ。

乙君:ブレードランナーだったなあ。

山田:だから、雨とかさ。ね?

乙君:なんかね。

山田:だから、攻殻アニメバージョンを、『ブレードランナー』にして、今っぽくして、みんながわからないところをわかりやすくしました、みたいな。

乙君:でも、『ブレードランナー』のほうが前でしょ?

久世:ぜんぜん前。

乙君:『ブレードランナー』を見て、士郎正宗が攻殻みたいなSFをだから。

山田:そうそう。その流れいうとそうなの。それで『マトリックス』で挟んで、今回のやつみたいな流れがあって。だから、みんなリレーをしてるんだよ。SFバトン。「お前、次、行け」みたいな。

久世:完全にバトンを落としましたけどね。あれ。

(一同笑)

山田:あれ、今回落としました?

久世:いや今回、バトンを落としましたけどね。

乙君:落としてるね。

山田:かねえ。

久世:だって、独特の世界観で、あの映像美でというのを世界へ圧倒的に提示しなければいけなかったわけ。『ブレードランナー』もそうだし、押井の攻殻もそうやってたんですけど。

今回は「そういうことをすればいいよね」という記号で置いてる感じがしたから、そこもったいなかったなって。もっと踏み込んで、あそこの映像の世界だけ、「アジアっぽい」「なんとかっぽい」っていうのだけもう1回作り直して、もう1回成立させたほうがよかったなという感じしました。ちょっと弱かった感じはするなあ。

映画に押井守感がなかった!

山田:でもね、俺、まんざら批判するつもりもないのよ。

久世:はいはい。

乙君:おっ、なんだろう?(笑)。

山田:だから、ある意味クリアしてるの。いろんなことを。

乙君:いや、それはそうなんです。

久世:それはそうなんですよ。

山田:かなりのレベルでクリアしてる。ただ、押井に思い入れがある。君ら押井ストだから、「押井が入ってねえ」みたいな。

乙君:押井の虚無とか、押井の孤独とかを……。

山田:押井の表面だけなぞって、押井がいなくなっていくという(笑)。

乙君:そうそう、中身ないんですよ。

山田:「俺たちの守はどこに行った?」みたいな。

久世:さらに『トランスフォーマー』の脚本家が脚本書いてるって聞いて納得したんですけど、『GHOST IN THE SHELL』だけじゃなくてテレビ版の要素も入ってて。

テレビ版でずっとシリーズで謎解いていくやつあるじゃないですか。テレビ版1、2とかあるんですけど、その要素も拾ってきてるんですよ。

すべての要素を、『INNOCENCE』、攻殻機動隊テレビ版の『STAND ALONE COMPLEX』とかの要素も全部うまく入れてて仕事している。だから、世界観がぐちゃぐちゃなところもあるんですよね。

乙君:うんうん。

久世:トランスフォーマーの脚本家の人そういうのうまいから、「全部ちゃんと組み合わせてつなげたんや」というのは、「あの脚本家、偉いな」とは思いましたけど。

乙君:そう。押井守感ないし、士郎正宗感はもっとなかったというのはマジで。もうそんなものかけらもなかったんです。

押井守感よりなかった、色気

山田:いや、でも、そんなことなくて。

乙君:えっ?

山田:だから、実は光学迷彩で落ちていくあのシーン。散々予告で流されてるあのシーンって、あれもともと士郎正宗だもんね。

乙君:いや、それはまあそうなんですけど。

山田:いや、そうなんだって。彼のイメージなんだよ。やっぱり。あれをものすごくちゃんときれいにアニメ化したので、あれの洗礼を受けて、あれを何度もやりたくなるでしょう?

乙君:まあねえ。

山田:「しつけーよ!」っていうぐらい。「まだやるのかよ!」「着地はどうなってるんだよ?」とか、いろいろ考えちゃうね。

乙君:なにがないかというと、色気がないんですよ。

山田:あら、言っちゃった。

乙君:……。

久世:大丈夫、大丈夫。別になんの地雷も踏んでないと思うで。

乙君:士郎正宗のほうがやっぱりエロいんですよ。

山田:いやねえ、本当そう。

乙君:ああいうエロスと、押井守のミソジニーみたいなエロスがあって。

山田:もうミソジニーすぎるよね。押井はね。

乙君:そう。それに、ハリウッドがやるとなんか妙に肉感的になりすぎていた。