急遽パネラー席の方を用意

MCあまり氏(以下、あまり):それでは、お時間となりましたのでベンチャーセッション4「常識を変える仕事」をスタートさせていただきます。このセッションのモデレーターをお願いするのは株式会社CRAZYの山川咲さんです。お願いします。

山川咲氏(以下、山川):こんにちは。

あまり:ありがとうございます。よろしくお願いします。

山川:みなさん、こんにちは。初めまして。

あまり:咲さん。普段ですと、ここにモデレーターの机が置いてあったんですけれども。

山川:はい。バミって(舞台上での立ち位置を示すためのテープなどでマーキング)ありますね(笑)。

あまり:そうです。今日、ご来場いただいているみなさまのアンケートとると、「山川さんをモデレーターにしたら発言が少なくなってしまう。もっと自由に発言してほしい」という声が多かった。

山川:こ、光栄です(笑)。

あまり:なので、急遽パネラー席の方をご用意したんです。こちらの方に座っていただいて発言していただいても?

山川:いいかな(笑)。

あまり:ありがとうございます。みなさんそうですよね? よろしいですか?

山川:シーンとしてますけど大丈夫ですか(笑)。

あまり:まだ緊張されてるんですよ(笑)。

山川:元気ー? みんなー(笑)。

(会場拍手)

山川氏とMCあまり氏のつながり

あまり:ありがとうございます。なんと山川さんと私MCあまり、つながりがありまして。

山川:なんのつながりですかね(笑)。

あまり:僕もクレイジーウェディングで結婚式を挙げさせていただいたんです。

山川:結婚式を挙げているんですよ、うちで。

あまり:ありがとうございます。

山川:おめでと(笑)。

(会場拍手)

あまり:ありがとうございます。いきなり山川さんからお電話いただいて「うちでやれ」と言われて、「は、はい!」というかたちで。2016年5月8日に挙げさせていただいて。その模様はFacebookとかで見れるそうなので、ぜひ良かったら。

山川:どうだったんですか? その時。

あまり:いやー。今この話すると長くなっちゃうんで(笑)。

山川:(笑)。

あまり:思い入れもありますので(笑)。とにかく興味ある方は「MCあまり」で探してみていただければと思います。よろしくお願いします。

山川:よろしくお願いします。

普通の人間になるのが夢だった

あまり:まずCRAZYという会社と、山川咲とはどういう人間かというのを簡単に自己紹介していただけますか?

山川:はい。みなさん改めまして、こんにちは。山川咲と申します。私の特徴から言うと、もともと父親がフジテレビのアナウンサーでした。しかし、私が3歳の時にアナウンサーを辞めて、1年以上ワゴンカーで日本1周を旅を始めたんです。

ここから、私の人生は始まっているんですね。そういうふうにちょっと人と違う人生を歩みながら、でも私は普通の人間になるのが夢だったっていうところから始まっていまして。

その後、ベンチャーのコンサル会社に入ったこともあって、この社会で認められるために、この会社で認められるためにってがんばってきたんですけれども。27歳のとき、丸5年勤めてきた会社を辞めてオーストラリアへ行きました。

そこで「今まで人の評価に振り回されて生きてきた人生だったけど、これから先は自分の意志で自分が決めて生きる人生を選びたい」「そういうことを世のなかに提供していきたいな」と。たった20日間のオーストラリアの旅で開眼しまして。帰ってきてクレイジーウェディングという、このウェディングのサービスを始めました。

これを1人で始めて丸5年。会社として起業してからは4年半経っています。今では70名の社員がいて、本当に夢だった『情熱大陸』にも、2016年5月に出ることができました。

仕事としては、完全オーダーメイドの結婚式、今までまったくなかった結婚式をこの業界に新しいシステムとともに作っているのが私たちCRAZYという会社のやっているサービス「クレイジーウェディング」という事業になります。わかったかなー?(笑)。

あまり:でも『情熱大陸』を見られた方もたくさんいらっしゃると思いますので。

山川:なんか若い子いなさそうだから、ま、聞かないでおきましょう(笑)。

あまり:たぶん、あの咲さんのオーラに圧倒されている感はありますね。おおーってね(笑)。

山川:よろしくお願いします。

情報発信する人とブランドのファンをつなげる

あまり:ではそんな咲さんと一緒に、パネラーとして盛り上げていただける方々を紹介したいと思います。アジャイルメディア・ネットワーク株式会社代表取締役社長CEOの上田怜史さん。続きまして、株式会社イード代表取締役の宮川洋さん。そして3人目はログミー株式会社代表取締役の川原崎晋裕さんです。

この4名様でお話をしていきたいと思います。まずパネラーのみなさまの簡単な自己紹介を、上田さんからしていただきたいと思います。お願いします。

上田怜史氏(以下、上田):みなさん、こんにちは。アジャイルメディア・ネットワークの上田と申します。僕もみなさんと同じように就職活動をした身として、まさかこんな立場でお話することになるのは感慨深いと思っているんですけど。

たぶんみんなも使っていると思うんですけど、TwitterやFacebook、Instagram、Snapchatといったソーシャルメディアと呼ばれるような情報発信をするツールがありますね。

企業の人たちが情報発信をする人たちとコミュニケーションをとりたい。ブランドのファンの人たちも、TwitterやFacebookを使って好きなブランドについて発信する。うちの会社では、そんな2つをマッチングさせる、ブランドのファンクラブを運営しています。

僕たちはそのファンの人たちのことを「アンバサダー」と呼んでるんですけど。一番有名なのがネスカフェアンバサダーという、テレビCMなんかでもしかしたら聞かれたこともあるかもしれないんですが。

今、50を超えるブランドのファンの人たちと一緒に企業と商品開発をしたり、なかなかCMでは伝わらない価値をファンの人から伝えてもらったりする活動をしています。

今日は短い時間なんですけど、いろいろとみなさんのヒントになるお話ができればと思ってますので、よろしくお願いします。

あまり:よろしくお願いします。

(会場拍手)

次世代の出版社を作りたい

あまり:では続いて宮川さん、お願いします。

宮川洋氏(以下、宮川):はい。宮川です。よろしくお願いします。株式会社イードは私が2000年に創業しました。

私はそれまで12年ほど出版社におりました。勤めた後に「次世代の出版社を作りたい」と思いまして、2000年にこの企業を起ち上げました。

今、20ジャンルで約50のメディアを運営しております。自動車で言うと『レスポンス』、ITだと『RBB TODAY』、教育だと『リセマム』とか。各ジャンルの専門メディアを運営する、専門のエッジがたった編集者を集めて、広い世界を築いていく。そんなことをしたいと思いまして、この会社を起ち上げました。

次世代の出版社ということで、マーケティングリサーチ、マーケティングのソリューション、ITのソリューションとかも事業分野の中に取り組んでやっていきます。

現在、連結で約200名ほどの従業員がおりますけれど、15年やって、2015年3月に東証マザーズの方に上場しました。現在、上場して約1年強というかたちでがんばっております。

今日はみなさんとお会いできて、いろいろなお話ができることを非常に楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

非編集をテーマに作った全文書き起こしメディア

あまり:ありがとうございます。では川原崎さん、よろしくお願いいたします。

川原崎晋裕氏(以下、川原崎):ログミーの川原崎と申します。よろしくお願いします。うちは「ログミー」というWebメディアをやっています。全文書き起こしメディアということで、今日も取材に入っているんですが。

こうやって講演会で話した内容をそのまま全部文字に書き起こして、記事化して配信するという、ちょっと変わったサービスをやっているんですね。

私はもともと、ずっと新規の営業とかをやっていました。その後に株式会社サイゾーというところで、『日刊サイゾー』とか、なんとかサイゾーとかいろいろあるんですけど、そういったマスコミのWebメディアをやっていました。

ログミーを起ち上げたきっかけは、いわゆる普通のメディアに載っている記事って、全部編集されてるんですね。話したことのなかから、おもしろかった要素の1割とか2割とかピックアップして話の時系列を変えたりして。

要は、作る人の主観とか視点を入れて記事を作るのがメディアなんですけれども。それとはまったく逆の「編集をしないメディア」を作ってみたらおもしろいんじゃないかと思ったのがきっかけです。

編集の能力がなにかというと、おもしろさ100のものがあった時に、それをその人の力で120とか150のものに、さらにいいものにすることなんですけど。

実は普通のイベントレポートよりもログミーのただの書き起こしの方がたくさん読まれてたりするんですよ。それはもともと100の価値があったコンテンツを編集が下手な人がやってしまうと、80とか60に下がっちゃうわけですね。

であれば、そのまま載せた方がもともとの価値が下がらない。そういった非編集みたいなところをテーマに作ったのが今のログミーというメディアになります。

あまり:ありがとうございます。本日はこういった事業をされている方々に集まっていただきました。

結婚式業界は何十年も変化していない業界だった

テーマは「常識を変える仕事」です。常識というと広すぎますので、みなさんが今活躍されていらっしゃいます業種の常識をどのように変えていったかを、簡単に教えていただきたいなと思うんですが。

山川さん、結婚式は昔からある形態だと思うんですが、どういう常識があってそれを壊されたんでしょう?

山川:はい、ありがとうございます。(会場を見ながら)……みんな元気ですか?(笑)。

あまり:真剣に聞いてるんですよ(笑)。

山川:みんな表情が硬い(笑)。なんかすごいメモしてるなーと思いながら聞いてました。

結婚式って、本当に太古の昔からあるような儀式なんですけれども。業界としては本当に何十年も変わっていなかった業界なんですね。

簡単に言うと、ホテルとかハウスウエディングという専門の式場さんがあって、その結婚式のための箱があり、そこに付随してプランナーさんやいろんなクリエイターさんがいるのが今までの結婚式だったんです。

結婚式ってすごく高くて……。この言い方、ログミーされちゃうから大変なんですけど。私が一般の消費者として自分が結婚式を挙げた時に、ブラックボックスな世界だなって思ったんですよ。

最初の見積もりから、どんどん上がっていっちゃうし……とか。

あまり:「これに、これだけかけるの!?」とか。

山川:そう! 結婚式行ったことある人? あ、けっこういる。

あまり:結婚式はある。でもまだ式は挙げないですよね。

山川:挙げてないですね(笑)。挙げるんだったら、クレイジーウェディングで(笑)。

みんな「自分の結婚式は良かった」と思いたい

あまり:ちなみにどんなものが料金が高かったりしました?

山川:例えば、本当におもしろいのがカメラ。写真を撮ってもらうのに20万とか30万とかお支払するんだけど、原価いくらかというと、3万円とか5万円の世界なんですよ。

あまり:それ、中抜きがあってとか?

山川:そう。マージンがすごかったりします。でも素人だからわかんない。さらにいうと、1回しか買わない商品だから、みんなそれを鵜呑みにして結婚式を挙げてしまうんです。

終わった後「あれ? これで良かったのかな?」と思うけど、みんな自分の結婚式は良かったと思いたい。「あー、うん。良かったと思う」が結婚式だったんですね。だから、私的にはすごくブラックボックスの世界だったんです。

私は24歳の時に結婚式を挙げてるんですよ。その時に350人を呼んで、6時間のパーティをしたんです。海辺でね(笑)。

いつ終わるのか聞かれて、私もいつ終わるのかちょっと決めてなかったなーみたいな感じの結婚式をしたんですけど。

自分でプロデュースして、1,000万円以上かけてやったんですね。1年間、梅干ごはんみたいな感じで節約して挙げた結婚式が本当に素晴らしくて。「ああ、これってすごい人生変わるな」と。全部自分で決めて、すごく大好きな人たちが来て、その人たちに自分が決めたことを全部見せて、承認を受けて。

次になにかを挑戦しようと思った時にいつでも「あの時の結婚式で、あの人たちが応援してくれるんだったらがんばろう」と思えるような景色を提供できる。

結婚式プロデュースは人生を変える事業

私、前職は研修とかコンサルとかやってたんですけど。研修やコンサルを超えるぐらいの人生を変える事業だなと思ったんです。

結婚式って、箱と広告が高い。その高い借金を返すために、くるくると同じことを回転させていくビジネスモデルなんですね。土日しかない結婚式で、1日3回、結婚式をやって、全部同じ内容にしなきゃいけない、みたいな。

そういう借金をまったくせずに、純粋に、本当に素晴らしいプロデュースをしていくところで、プロデュースの金額をきちんといただいて……。そういったビジネスモデルに変えて結婚式を作っているのが、私たちクレイジーウエディングの事業です。

あまり:ありがとうございます。

山川:わかったかな? だいたいイメージつかめた?(笑)。

あまり:みなさん、ご結婚されてます? まだされてない方もいらっしゃるとは思うんですけど。結婚式は今までの自分の人生のおさらいといいますか、再認識する場に近いものがあるなあと思ってまして。

山川:うんうん。

あまり:なんかそういった感じですよね。はたして、そこにちゃんとした金額にあったものを提供されているのかというところで、若者の「結婚離れ」が起こっているという。

山川:今、入籍した人の50パーセント以上が結婚式を挙げてないんですよ。

あまり:昔じゃ、やっぱり考えられないですよねー。

山川:理由は2つあります。「高いから」と、もう1つが「みんな同じ結婚式だったらやりたくない」です。うちは本当に結婚式を挙げないことも検討されている方からの結婚式プロデュースがすごく多いです。

あまり:ありがとうございます。