大人になっても中身はあまり変わっていない

西野亮廣氏(以下、西野):ポンと飛んで25才の時に、タモリさんに「お前、絵を描け」「お前の性格なら絵を描けるようになるから描け」って言われて、「嫌です」って言ったんです、1回。あまりにも興味がないから。

そこから、2人で飲んでいた時に、タモリさんと2人で絵本の話になった。なんか子供の時に読んだ絵本って、あんまりいいのなかったよねって。いやもちろんいい絵本って世の中にたくさんありますけど。僕たちに渡された絵本って、あんまりいいのなかったよねって話がすごい盛り上がった。

そのなかで僕がすごく覚えているのが、僕もう絵本4冊くらい出しているのに、今でもよく言われるんですけど、例えば『えんとつ町のプペル』でも親御さんによく言われるのが、「これ子供向けですか?」みたいに言われる。「子供向けですか」ってずいぶんな言葉だなって思って。

「子供向けですか」って、私より僕より能力の低い、小っちゃいこいつでも理解できますかって、ずいぶん差別をはらんだ言葉だな、軽蔑した言葉だな、下に見た言葉だなって。子供向けっていう言葉ひどいよねっていう話をタモリさんと2人でずっとしていて、「なんだろあれ」って。

例えば、自分が子供の時を振り返ってみると、幼稚園の時に、うちは4人兄弟なのであんまり裕福なほうじゃない。サラリーマン家庭の4人兄弟だから、もちろんお金に余裕ないですよね。正月とか親戚中まわったらお年玉もらえるんですけど、そのお年玉をもちろん家計の足しにしてほしいから、母ちゃんに渡すのはもう決まってたんだけど、子供が「母ちゃん家計の足しにして」って言っちゃうと、母ちゃんが傷つくから、どうしようかなって、子供が気を遣ってるのって親は傷つくじゃないですか。

どうしようかなって思って「母ちゃんちょっとこれ預かっといて」で預かっといてもらって、返してもらうのを忘れる。こうしたら誰も傷つけずに、親にお金を渡せるなと。これが幼稚園の時。

小学校の時だって、毎年西野家は年に1回外食をする日があって、父ちゃんが「好きな物食べろ」って言うんですけど、もちろん高いもんは食べれないですよね。でもだからと言って「安いのでいいよ」って言っちゃうと父ちゃんが傷つくから、どうしようかなって考えて、結局安い物が大好物だっていうことにした。

つまり、ステーキより野菜炒めのほうが、僕は好きなんだってことにした。だから今でも野菜は好きなんですけど、そういうことにしたらWinWinで、親は傷つかずに安い物が頼める。幼稚園とか小学校で、こういうことやってたよなって話をした。多分みなさんもあると思うんです。

幼稚園の時に、父ちゃんと母ちゃんが最近仲悪いなって思ったら、子供のふりして間入って仲をとりもったり。もっとリアルなこと言うと、幼稚園の時とかにあったと思うけど、あっちのグループに属しちゃうとちょっと立場悪くなるから、こっちにいておこう。つまり、今、大人の僕たちがやっているようなことだって、別に幼稚園の時からやっていた。

僕たちは姿形こそ変わったものの、中身はさして変わっていないっていう話をタモリさんとして、「そうですよね、中身あんまり変わってないですよね」「昔からこんなこと言ってましたよね」「でもなんか子供の時どうでした? 絵本だけほわほわほわほわしてませんでした?」。

変だったんです。プラモデル屋さんに行って、戦艦の絵とか見て、僕「わー」ってなったんです。描き込んであるのを見て「わー! すげーかっけー!」って。空想科学の飛行船みたいな、プロペラがいっぱいついてるのを見て「わー! かっけー!」。幼稚園の時ね。

で、テレビつけたらスタジオジブリが『天空の城ラピュタ』やってて、『風の谷のナウシカ』やってて、「わーすげー宮崎駿!」。

で、絵本になった瞬間に『ノンタンといっしょ』みたいな。どうしたのこれ?

(会場笑)

なぜ絵本だけ急にこんな手数が減っちゃうの? よくわかんなかった。「なにこれ?」みたいな。タモリさんとそこを議論して、あれって子供向けっていうか、大人のエゴで、「子供はこれ見といてほしいよね」っていう、そっちだよ。それを「子供向け」っていう言葉にしてるなって。

自分の勝てるところを探す

でも子供は別に絵だから、絵なんて別に対象年齢なんてないじゃないですか。東京タワー好きな子供だっているじゃないですか。富士山に対象年齢なんてない、富士山が好きな3才児もいるし、富士山が苦手な90才もいるし、絵なんかに対象年齢なんてないのに、なんで絵本に対象年齢つけてんの、みたいな。

で、タモさんと2人で言ったのが、僕たちが本気でおもしろがれる絵本は、今のところないから、もう今大人の僕たちが、ガチでおもしろがれる絵本を1回作っちゃおう。それを1回世の中に届けちゃおう。で、絵本を作ることになった。

それはおもしろそうだなと思って、翌日にもう「今日から絵本作家になる」って決めて、やるからには最低ラインを決めなきゃいけないと思って、目標の一番最低目標は「プロに勝つ」。世界中の全プロの絵本作家にとりあえず勝つということを決めて。じゃないと「芸人がなんで絵本描いてんねん」って声に対して返せないから。

倒すからには倒し方考えなきゃいけない。その時に、「位置についてよーいドン」はやめて、自分が勝ってるとか、自分のアドバンテージをまず探して、勝てるところで勝とう、得意なところで勝とうと。自分のサイズだとか経済力とかいろいろあるじゃないですか。

見たときに、自分の勝てるところを1回探そう、そこを重点的に伸ばそうって決めて、プロに勝ってるところはどこなのか非常に考えた。

考えた時に、画力負けてますよね。絵なんか勉強してないから。画力負けてる、出版のノウハウもない、コネもツテもない。結局プロには負けてるところだらけ、だけど1つだけ時間なら勝ってるなって。

時間っていうのは、1つの作品を作るためににかけることのできる時間のこと。プロの方、それを生業としている方は、その売り上げで生計を立てていて、ご家族の方を養われているので、短いスパンで仕事をパンパンってこなしていかないといけないんだけど、僕はそもそも絵本の売り上げっていうのは、僕の生活費の柱にはなかったので、無限に時間をかけることできるなと。これがまず兼業のメリット。

つまり、専業でこれ1本だと時間の制限ができるけど、仕事を何個か掛け持っちゃうと、どっか1個の仕事は無限に時間かけることができる。「あ、これだ兼業のメリットは」って思って。

極端な話、僕は1つの絵本に10年かけることだってできる。これはプロには無理なんだって思って、これで勝ちが決定した。勝ちが決定したというか、プロがセンスだとか才能だとかそういうことじゃなくて、物理的にプロに作ることができないことは時間だということはね。「これ勝ったな」って。

それで、文房具屋さんに行って0.03ミリっていう1番細いペンを買って、物語も長ーくした。つまり、どうがんばっても時間がかかるようにかかるように、作り方をデザインした。とにかく時間かかる、どうがんばったってこの作り方しちゃうと、3年4年かかっちゃうよねっていう作り方をした。

この時点で、プロに勝つことはもう決定した。決定したというか、負けることはない。同じ土俵にいないので、そこは僕1人しかいない。「これ勝った」と。

どれだけがんばっても3万部しか売れない

それで、1冊目に『Dr.インクの星空キネマ』という絵本を描いた。『Dr.インクの星空キネマ』っていうのは、実は自分のなかでは2冊目だった。1作品目にパソコンに向かいますよね、文房具を買って来て、長めの話描くぞって思って作業台に座って、パソコンをパッて開いて、バーって描き出したら、まあ走る走るパソコンが。すごいんだ、才能が。もう物語が降ってくるんですよ。

(会場笑)

キャラクターが勝手に動き出すって言いますよね、漫画家の人が。その感じ。こっちはただの書記係みたいな、キャラクターが踊り、情景が勝手に浮かんでくる。「もう俺天才じゃん」って思って。そこで考えた話が、都会から田舎に引っ越してきた親子の話です。

お父さんお母さんの仕事が忙しくて、子供2人兄弟が初めて親なしで森を経験するんです。初めて蜘蛛の巣とかくぐって、トンネルとかくぐって、そのトンネルの先にバケモノがいて、そのバケモノと触れ合う物語だったんですけど、「これはトトロじゃん!」と。

(会場笑)

俺はテレビをやめて『トトロ』を描いてる。

(会場笑)

やばい! そうだった。降ってきたわけじゃない、思いついたわけでもないんです。思い出してたんだ、俺は。そりゃ、キャラクターが走ってきますよ。だって俺観たことあるんだから。

(会場笑)

やばいと思いましたよ。で、1作目の『Dr.インクの星空キネマ』を描き直して作って、絵もすごく細かい感じでやって、これは大変なことに、100万部くらい売れるんじゃねえかみたいな感じで、これが世の中出たらひっくり返るぞと思って満を持して、4年かかりましたよ。帯では製作5年って書いてるんですけど、本当は4年です。

(会場笑)

嘘ついてます、ああいうの。売れるように嘘をつくって。4年かけて作って世に出したら、3万部しか売れなかった。絵本って5,000部とか1万部でヒットって言われる。市場が小っちゃいから3万部でも、十分ヒットなんですけれども、自分のなかで1回100万っていう目標をたてちゃってるから、3万の落ち込みようはすごかった。

俺、言うの忘れてましたけど、「ウォルトディズニーを倒す」っていうのは決めちゃっているので、3万じゃ倒せない。これじゃ話にならないと思って、2作目『ジップ&キャンディ』っていう話を描いた。これは恋人たちのロボットたちのクリスマスの物語。

そしてまた発売の時期をちょうどクリスマスにぶつけて、「これは大変なことになるぞ」「恋人同士が絵本を贈りあって、クリスマスプレゼントの定番になるんじゃねーか」みたいなことを思って、世にバーって出したらこれも3万部しか売れなかった。

俺の絵本3万部しか売れない、どんだけがんばっても3万部しか売れない。その時点で絵本作家になるって言ってからもうすでに7年くらいたっちゃってるの。たいした結果もまだ出ていない。

自分は世に出たのがすごく早くて、スピード出世だったので、最初はぜんぜん並びの芸人だとかぶっちぎって出てたんですけど、7年もテレビを離れちゃうと、同期の芸人とかがそろそろテレビに出だすんです。僕の同期ってノンスタイルだとか、ピースだとか、ノブコブとかあのへんですね。ウーマンラッシュアワーとか。7年くらいたってくると、このへんが、南海キャンディーズとかあのへんが出てくる。

みんなそっちでけっこうがんばってるのに、僕はテレビを1回退いて、作業部屋の隅のほうでチマチマ。そして、俺は一番おもしろくなるんだって言って結局遠のいちゃってんぞ。やばい、ここらで1発いっとかないと、もうやばいぞとなって3冊目の『オルゴールワールド』って絵本を描いたんですね。

お客さんの手に届くまでデザインすることを「作る」と呼ぶ

これはタモリさんが原案で、自分が物語と絵を描いたんですけど、この3冊目の『オルゴールワールド』っていう絵本を作った時から、明確にそこから「売ろう」と。つまり、これまでは、いい作品さえ作っていれば売れる、だっていい作品だし、今なんかTwitterもあるしFacebookもあるし、Instagramもあるし、勝手に広まって、いい作品なんか世に出したら売れるんじゃねーか、みたいなことを思ってたんですけど、売れなかった。

自分は絶対いいと思ってるのに、ぜんぜん売れなかった。手にとってくれた人の満足度は高いと。Amazonのレビューとか見たらすごい高得点なの。だけど世の人は知らない。

「まずいな、売ろう」と。これまで作るだけ作って、売ることとか、お金の話とか、流通の話とか人任せにしてた。そっちのほうがカッコいいと思ってた。なんか職人として、クリエーターとして、「俺は作ることしかできません」って言ってるほうが、かっこいいんじゃねーかと思ってたので、売ることは全部、吉本興業と出版元の幻冬舎に任せてたんです。

でも一方で、作るだけ作って届ける作業を人に任すっていうのは、育児放棄みたいな、これは親として絶対やっちゃダメ。だってお前が産んだんだから。みっともないなって思って、売ることを放棄するっていうのは、みっともないって思うようになって、そこからちゃんとお客さんの手に届くまでの動線もきっちりデザインして、お客さんの手に届くまでを作ることを「作る」ということにしよう。

『オルゴールワールド』あたりから、ちゃんと届け方まで、文章を書いたり絵を描くのと同じ熱量で、届け方もちゃんと作ろう、そこまでを「作る」と呼ぼう。そこまで作ってから世に出そうって決めて、その時にやったのが……、みなさんが今後作品を出したりした時に、届ける時にこの方法って、リアルに使えると思うんだけど。

まずその時に考えたのは、売れるものと売れないものをまず1回分けよう。売れるもの売れないものってなんなんだろう、1回分けようと。それで、まず絵本はあんまり売れないなって思った。本ってあんまり売れない、CDもあんまり売れないですよね。言わば、作品ってあんまり売れない。作品は1回売れないもののほうに、バンって(移動させて)やりましたよ。

売れるもの、僕たちが買っちゃうものってなにか。水だとか、牛乳だとか、お茶だとか、高くてもエアコンとかストーブだとか、ホットカーペットだとか、冷蔵庫、洗濯機。そのへんと米は買います。当たり前だけど、生きていくうえで必要なものは買っちゃう。つまり、生活必需品って買う。

当然だけど、「作品は生活必需品ではないから買わないよな」これでした。物が売れる売れないの線引きは、生きていく上で必要か否か、そこでしかないなと思って。「そうか、僕の絵本って、『Dr.インクの星空キネマ』や『ジップ&キャンディー』が別になくても生きていけるよな、それは売れにくいか」。「でも一方で買ってしまっている作品ってあるな」と。

人は作品にはお金を出さないけれど、思い出にはお金を出す

僕たちがついつい買っちゃってる作品って、例えば、僕シンガポールでマーライオンの置物買ったんです。あのマーライオンの置物。修学旅行で広島の宮島に行った時「宮島」って書いてある三角形の布切れ買ってるんですよ。壁にぺたってはるやつ。ペナントっていうんですか。

それで、先月京都に行って、俺36才よ。先月京都行った時に「御用」って書いてある提灯買っちゃってるんです。

(会場笑)

2017年に「御用」が発動する機会ありますか?

(会場笑)

無いと思うんだけど、僕、「御用」って提灯と、十手を買っちゃってるの。

(会場笑)

十手使う? 俺、36年間生きてきて十手を1回も使ってないっていうことは、もう使わないですよ。でも買っちゃってんの。僕はライブとかいろいろするからわかるんだけど、本はあんまり売れないんだけど、演劇のパンフレットってロビーで超売れる。

本ってこんな分厚いやつが1,200円とか1,300円で、演劇のパンフレットなんてぺらっぺらでさ、20ページくらいしかないほぼ写真みたいなのが、2~3,000円すんの。でも、あれは飛ぶように売れるの。なんか僕たちはそういうの買っちゃってるの。つまり人は作品にはお金は出さないけれど、思い出にはお金を出す。思い出を僕たちは買っちゃう。

つまり、お土産買っちゃってるぞと。考えてみりゃそうなの。記憶がある時から、今でもいいですけど、2017年、スマホ出てきましたよね。いろんな職業がなくなってきましたよね。いろんな店がつぶれていきましたよね。で、スマホカメラも出てきたから、町の写真屋さんがどんどん潰れてますよね。

いろんな職業が潰れていってるのに、お土産屋さんっていまだに元気ですよ。なんか知らないけど、お土産って僕らは買っちゃうの、なぜか。お土産は思い出を思い出す装置として必要だから、女の子と行ったシンガポールだったり、友達と行った修学旅行だったり、芸人仲間で行った京都だったり、すごく楽しかった演劇だったり、あれを思い出す装置として、お土産っていうのは必要。

つまり、お土産っていうのは、作品にカテゴライズされるのではなくて、お茶だとか牛乳だとか冷蔵庫だとかエアコンだとか、こっち側つまり、生活必需品のほうにカテゴライズされる。だからお土産って売れる、だからお土産屋さんって今でも潰れていない。なぜなら生活必需品であるから。

「そうか、だったら自分のあの絵本を、お土産化しちゃえばいい」。お土産化するためにはなにが必要かっていったら、その前の体験ですよね。マーライオンの置物でいうところのシンガポールだとか、宮島のペナントでいうところの宮島とか、御用だの提灯でいうところの京都とか、パンフレットでいうところの演劇とか、つまり体験がないとお土産は発生しないから。

だから体験を作っちゃえばいいんだと思って、僕は絵本の原画が家に……、絵本だから絵が余っちゃうのでね。150枚くらいあったので、この絵本のリースを無料にして、全国誰でもどこでも、僕の絵本の原画展を開催できるようにした。

今でもですよ。Twitterでやりたいよって言ったら、勝手に絵本の原画使ってくださいって送っちゃう。長崎ではサラリーマンの方が、横浜ではOLさんが、名古屋では中学生が文化祭の出し物として、北海道ではサラリーマンが町おこしの一環としてみたいな感じで、みんなが僕の絵本の原画展を勝手に開催した。その代わり原画を……。

(会場に向かって)はいちょっと黙って。

(会場笑)

静かにしてください。今日は僕は終わるつもりが一切ございません。楽しくなってきちゃった。先に言っておきます、40分では終わりません。

(会場笑)

なぜならまだ『えんとつ町のプペル』の話に入ってないから。

(会場笑)

設計ミスなんです。最初のポコチンの話とかがいらんかった。

(会場笑)

失敗しましたよ。すいません、ありがとうございます。とりあえず30分たったっていうことですね。

それで、お土産の話ですよね。だから原画を無料でリースするかわりに、「出口で僕の本売らせてね」って言ったら、この絵本が超売れる。

つまり本として売れたのではなくて、原画展のグッズとして、お土産として売れた。これいいじゃん、例えば本って、出版したら売る賞味期限がある。最初の1週間2週間は平積みで、そのうち縦積みになってきて、そのうち棚になっちゃうっていう。まあわかんないけど、1週間だか3週間だか、1ヶ月の間に本は結果を出さなきゃいけないんだけど。

でも、本の性質によって……、全部が短距離走の本ばかりじゃないじゃないですか。2年かかって3年かかって売れる本だって絶対あるだろうし、このシステムに全部乗っかるのはあまりに危険だと思って、本は本屋さんで売れればラッキーぐらいにしておいて、原画展で売りゃいいんだと。で、原画展を半永久的に続けていくと、本っていうのは半永久的に売れる。

僕の絵本はその仕組みに乗っかったから、これで100万部売れることは決定した。プロに勝つことは決定したし、あとは100万部売れる。だって100万部売れないってことはないですよね? 原画展をずっと続けてさえいれば、あとは時間の問題の話。1年後に100万部いくのか、20年後に100万部いくのかわからないけど、売り上げが止まることはもはやなくなったと。

これで売り上げが止まる心配は消えたから、あとは時間の、どれだけの時間でキュッと届けるかって仕事をしようと思って、3冊目で絵本と原画展、お土産とセットにしようということで『オルゴールワールド』はそういうことでやったんですけど。