愚痴の正しい始末の仕方

乙君氏(以下、乙君):では質問が来てますのでこちら。「こんにちは」。こちら無料会員の方ですね。無料会員の方の質問を有料で話す。なんということでしょう。届かないね、この人には。

久世:君に届かない来たよ。

乙君:でも、同じ悩みを持っている人がいると信じて。

山田玲司(以下 山田):あと今日(有料会員に)入ったかもしれないし。

乙君:そうかもしれないですね。「こんにちは。いつもご機嫌な放送ありがとうございます。リクエストです。愚痴の正しい始末の仕方特集、よろしくお願いします。ご機嫌の重要さはヤンサンで学んだのですが、それでも愚痴の1つや2つ生まれるのが人間だと思います。ごみはごみ箱がありますが、愚痴はどこにどうすればいいのでしょうか?」。

「私は人に愚痴が言えません。明るい子はいい子、で育ったためホストのように人を迎えるように接してしまうし。まあできているかは別として。愚痴は弱みだ。弱みを見せたらやられる。みたいな全方位に敵対心があるからだと思います」。

「そうであれば、自分1人で解決をすれば万事解決なんですが、そんな気力や思考力が働かない物事もあります。どうすればいいんでしょうか? よろしくお願いします。」ということなんですけど、よくここまで自己を客観視できてるね、まずねえ。

山田:だね。うん。

乙君:別に大丈夫。大丈夫じゃない?(笑)。

久世:なぜ取り上げたんだ! ノゾムくん(笑)

乙君:いやいや、まあこの、ご機嫌にいこう、ご機嫌に行こうってこの2年ちょいぐらいずっと言ってきましたけど、このなんていうんだ、ご機嫌じゃなくさせるものをどう処理するかっていう。

山田:話は大事だよね。

乙君:大事なんで、まあまあそのへん。

山田:どうしてるんですかオクノさん。

乙君:どうしてるか。

山田:お前ちゃんとしてるよなあ。一応この本番になったらご機嫌になってるもんな。パリで高い料理食ったらこいつ不機嫌になってな。

久世:ほんとに、すごい“お父さん”だった。

山田:お父さんだった(笑)。

久世:日本の象徴だった(笑)。

山田:あー日本のね。

久世:「いかん! 贅沢は敵や!」って。

(一同笑)

山田:前時代的ー!

乙君:帰ろうかな。

(一同笑)

久世:ユーアーナンバーワーン!

愚痴を出すときにおいしそうに出す

山田:待って待って。

久世:いじらせてよ。

山田:お前がいないとダメなんだよ。

乙君:でもあれですよ。簡単ですよ、そんなの。愚痴言う。これ。

山田:誰にだよ(笑)。

乙君:それはもう仲いいやつ。だから愚痴の処理の仕方って、それを不機嫌にいうから愚痴になっちゃうんですよ。

山田:いいこと言うねえ。そうねえ。

乙君:それを、「聞いてよこないださあ」って言って、「電車に乗ってたらさあ、酔っぱらいがさあ、ゲロ吐きやがってマジでー」みたいな。ネタにしてしまうっていうか、またあいつに話せるいいネタもらったって思う。

これ関西人だからかも知れないけど、笑い話にそこまで、なんて言うんだろ、がーんと笑い話に変えなくてもいいから明るく言うっていうか、「マジつらかったー」って。しみちゃんなんか会うたびに言いますからねえ。「あのお客さんはほんとまずいわ」みたいな。

(一同笑)

しみちゃん:おまえ(笑)。

久世:さあさあ、どのお客さんのことをおっしゃっているんでしょうかねえ。

山田:しみちゃんはどうしてるの?

しみちゃん:僕もたぶん同じ感じですね。愚痴をお客さんにおもしろおかしく言っちゃいますね。今みたいな感じで。

山田:あー別のお客の話を。言うわけね。

しみちゃん:そうです。

久世:あ、それひどいなあ。シミズさんのお客さんが減りますように。

(一同笑)

乙君:イチャイチャするなあ君ら。

山田:へー、久世さんどうします?

久世:僕もそうですよ。ネタにするっていうのと……。愚痴かあ。だから本当に「この人は僕の愚痴をちょっと聞いてくれても大丈夫だな」って人を選ぶ。たとえばノゾムだったりとか、仲いい人だけにしか話さないかな。

山田:松本紳助をつい観てしまうのよ、YouTubeで。あの2人ずっと愚痴ってんだよ。愚痴って途中で終わると、「お前もっと金つかえや」って紳助が言う。「いや勘弁してくださいよ兄さん」。「そんでな、聞いてや最悪やで」っていって愚痴の話が始まる。めちゃめちゃおもしろいんだよね。だからさっき乙君の言ってた通りで、料理の仕方だよね。

乙君:それはそうですねえ。

山田:なんだろうね、料理であるよね。料理したらめっちゃうまくなるものって。

久世:ありますね。その組み立て方で話すから俺不快な気分してるけど、それこうやって話したらめっちゃ笑ったのになあとか。

山田:あの最後にショウガを足すとかさ。

久世:そうですね。

山田:ちょっとレモン絞っとくとか、臭みを消してみたいな。だから、愚痴の料理法って話か、これ。愚痴を出すときにおいしそうに出す。

久世:そうそう。

山田:おいしそうにするってことかもしれないね。

愚痴を話すという愛情表現も

乙君:あとヘビーなヤツ。あるじゃないですか。これは人にあんまり言ってもしょうがないな、みたいな時ってあるじゃないですか。それは言わないほうがいいと思うんですよ。ずっと自分のもので。あと時間が解決してくれるなと思うんですけど。

そのヘビーなものが、いきなり来るっていうよりは蓄積されてたりもするから、それに気づいたときに初めてうわーってなる。まあこれはちょっとデリケートな話ですけど。そういう時はどうするかっていうと、俺の場合だったらですけど、これ(蓄積されたもの)が10キロだとしたら、2キロぐらいの別のことを誰かに言う。それによって、自分は愚痴を吐き出したんだって勘違いさせるっていうやり方。

久世:なるほど。自分から自分の脳をだます。

乙君:バカだから。

久世:たくさん噛めば満腹中枢が刺激されて、ダイエットみたいなこと?

乙君:そうそう。対症療法って言ったら変だけど、なんていうのこれ。ほんとはもう100グラム1万円のステーキを食いたいんだけど、なんかポテトチップスステーキ味で我慢する、ごまかすみたいな。満腹であればいいから。吐き出したってことさえあればいいから。

山田:俺は愚痴を言ったんだと。

乙君:俺はもう愚痴言ったと。あいつに言って笑い話にしたんだと。それ。……あれ? ダメ?

(一同笑)

久世:ダメじゃないけど、ほんとに深刻なことはそれでいけるかなと思った。でもある程度のことだったらいけると思う。

乙君:そういうのって人に話すことじゃないから。

山田:いや、いざっていうときに、「この人だったらしゃべれる」みたいな。

乙君:それはそうですよ。でもそういう人がいない場合もあるし。

山田:いや確保したいよね。   乙君:まあ確保はしたいですね。逃げ道はあったほうがいいですね。

久世:ずるいけど、さっきのなんだっけ、戦争・貧困・乱の話じゃないけど、それ本当に愚痴になってるっていうことは、深く傷ついたってことじゃないですか。やっぱり書いちゃったりするよね。創っちゃったりする方向に持っていけるから。

山田:それはすごいあると思う。

久世:書くこととかで発散するじゃん。別に作品じゃなくてもいいし。

乙君:でもそれをSNSではやらないほうがいい。

久世:そうだねえ。

山田:ネットは全部ダメでしょう。

乙君:それで解消した気になると、全然違う人に「あの人こういう人なんだな」って思われちゃうから。いつも愚痴ってる人になっちゃうじゃん。そういうことばっかりつぶやいているとね。そうじゃなくて、バラエティね。たまには愚痴ってもいいけど。塩梅がね。

山田:昔のアシスタントが、何年かに一度、すごいでかい愚痴持ってやってくるのね。

(一同笑)

「すいません、金貸してくれとかいうんじゃないんで、行っていいですか?」。いいよ来いよ。おいでと。いいよね、そういうのはね。

よくない? 頼ってくれるの。だからその愚痴も、俺には言ってくれるんだっていう喜びもあるし。俺、今度、五味太郎さんにまた会うけど、思いっきり愚痴ってこようと思って(笑)。

(一同笑)

「ちょっと五味さん聞いてくださいよ」と。そういう愛情表現もあるだろうっていう話でしょう。

乙君:ジェダイみたいのを1人持っとくみたいなね。

山田:あーそうそう。俺のオビ=ワンかな。

乙君:これは本当にそうですね。こんな感じですかね。

山田:そうだねこんな感じかな。