刀剣乱舞VRに並ぶ女子の列

乙君氏(以下、乙君):とりあえず1発目いきましょう、こちらですね。

みなさんお待ちかね、「『刀剣乱舞』に何かが起きている?」(笑)。「とうらぶ(略称)」ですよ(笑)。

とうらぶ、ちょっとだけ内容なんですけど、とうらぶというのは、歴史的な日本の名刀と呼ばれているものの擬人化で、ガルパンとは逆で、美男子。

山田玲司氏(以下、山田):俺たちこないだの放送でさ、ミソジニー、女性嫌悪ってことで要するに伝えたかったことというのは「仲良くしようよ」っていう話をしたかったんだけどさ。

乙君:「艦これ」な。

山田:もうネットでは触ってはいけないことがあるんだっていうのがすごくわかった(笑)。

乙君:あ、そうなの?

山田:だからもうそういう、今一番ネットで喋っちゃいけないことがなにかわかった、俺。「こうすればモテるんだよ」っていう話、絶対しちゃいけないんだね(笑)。

(一同笑)

山田:「うるせーよそんなことわかってんだよ死ねよ!」って言ってチャンネルクリックされるパターンだと思います。だから、女性嫌悪じゃなくてもう憎悪を振り切ってるの。振り切った先に行ってるの、みんな。で、女たちもそうなの。

今回それをすげぇ感じたのが、原宿のカフェで打ち合わせしてたの。それでなんか隣が騒がしいなと。カフェの隣のブースに女子たちがめちゃめちゃ並んでるの。

「なにこれ?」と思ったら、そこにイケメンの看板があって「刀剣乱舞」って書いてあるわけ。「なにこれ、刀剣乱舞専門店ができたのここは?」みたいな。刀剣乱舞専門店が、俺の打ち合わせの横にできたの。

乙君:打ち合わせの横に?(笑)。

山田:いつも行く打ち合わせ会場の横に、みんな刀剣乱舞してたわけだ。

乙君:狂喜乱舞してたわけだね。

山田:俺はカッキーと一緒に「これはちょっと覗きにいかなきゃいけないな」と思ってたら、めちゃアウェイ感で、「なんでジジイ来てんだよ」っていうくらい、ジジイじゃなくても許されないくらい、もう女子全開なんだよ。だけど、品揃えはめっちゃ少ないんだよ。「え、なに、こんなもので?」と思った。

わかりましたよ。VRの列だったんですよ。刀剣乱舞VRを体験できるコーナーに女子たちが列をなして今すごいことになってんだよ、原宿。びっくり。

イケメンが目の前で猫をなでてくれるだけで悶絶

で、この放送でもさんざん言ってますけど、今年(2016年)VR元年で、そしてあなたもこの番組で言いましたけども、「(VR機器を)付けてかわいい子が部屋にいたら外せるか問題」って言ってたじゃん。

乙君:はいはい。

山田:これ公式でやってたよね。あなたはなんておっしゃいました?

乙君:そりゃあ外せないよ(笑)。

山田:長澤まさみだっけ?

乙君:橋本愛とか。

山田:橋本愛が、これ付けて自分の部屋にいたら、もうこれ外せねぇなって話で、「あ、終わるな俺たち」みたいな話だったじゃん(笑)。この時ノーマークだったのが、女子側の展開だったんだけど。奴らにも同じ状況が起こってましたね(笑)。

乙君:それが刀剣乱舞?

山田:刀剣乱舞。話聞いたらすげぇおもしろくて、刀剣乱舞って要するに擬人化ですわ。だから刀をイケメンにしてるという。物に宿った魂を呼び出すことができるっていう能力を持った者として、プレイヤーが動くんだって。

だから名刀正宗があったら、その正宗の中から魂を呼び起こすと、なぜか全員イケメンだという(笑)。

(一同笑)

山田:これが、艦これやってた会社がやってるんだよ。

乙君:あ! そうなの、同じ会社なんだ!

山田:そう。同じ会社がやってる。

乙君:あーなるほど。

山田:艦これプロジェクトが戦艦から魂呼び出すと全員美少女っていうのをやって大成功して、今度女子側に向けてやって、これが2年ぐらい前から動いてるらしいんだけど、これが大当たりしてるっていう話でさ。

これ、すげぇおもしろいなと思って。で、どんな内容だろうかなと思って。

乙君:そうですよね。VRにしてどうなるんすか?

山田:なんかね、(VR機器を)付けると猫が来るんだって。そしたら、自分の推しメンの超イケメンの刀キャラが猫を追いかけて近づいてくるんだって。「うわぁ! めっちゃ近くきた!」って思って。自分の目の前で猫をなでてくれるだけで、もう悶絶してるらしいですよ、彼女たち。そんなことが起こってるみたいですよ。

乙君:え、こっち側に直接はなにもないんだ。その光景が繰り広げられるってことね。

山田:とりあえず、イケメンが猫なでてるのを見たいんじゃん? 近くで、みたいな……もうなんか涙出てきた、本当に。

(一同笑)

山田:「そんな悲しい思いさせてるのかぁ、女の子たちに」みたいな感じっすよ、本当に。

恋愛飢餓がコンテンツとして可視化される時代に

でね、よくあるじゃない。「これなにかに似てるな」と。日本人の擬人化問題ってすごくて。俺、基本的に擬人化好きなんだよ。擬人化漫画でデビューしてるぐらいだから。

だけどどうも、日本の擬人化ってやっぱりすげぇなと思うのが、美少女かイケメンに擬人化する、という。なんかあるじゃん、ドラえもんがイケメンに擬人化したイラストとか。ああいうの流行ってるじゃん。見た? イギリス本土が美少女になってるやつ。

乙君:え、どういうこと? イギリス本土?

山田:イギリスの地図のね、海岸線をよく見てたら「これ美少女になんじゃねぇか」っつって、美少女に描いたイラストを上げたやつがイギリス人に見つかったらしくて。「ジャパーン!」って言ってるらしいですよ、向こうは(笑)。

(一同笑)

山田:「ジャパーン! お前らってやつは!」みたいなことになってるらしいんですよ、あの人たちは。

奥野;なんでも萌えにする!

山田:それくらいの能力を俺たちは持っているわけなんだけど、この能力ってなにかに似てるよなぁって思うと、やっぱり、お腹減ってる時になんでも食べ物に見えるみたいなのあるじゃん! もうさぁ、なに見てもイケメンと美少女に見えるくらいさぁ。

乙君:つまり恋愛飢餓ってことですか?

山田:もう洒落になんないレベルの恋愛飢餓が、いよいよコンテンツとして可視化される時代にやってまいりましたよ、みたいな感じ。

乙君:なるほど。

山田:だよなぁ、とか思って。だってハンプティ・ダンプティって、卵の擬人化じゃん。気持ち悪いじゃん。

乙君:まあ。

山田:あれを日本人がやったらなんでも美少女だぜ(笑)。

乙君:いや、ハンプティ・ダンプティ男じゃね? 男だよね?

山田:いやいや、どんなものでも……。

乙君:生卵でも美少女になるってことでしょ?

山田:そうだよ! うん、そうそう。だから関係ないんだもん、そういうの。すげぇなと思って。ウルトラ怪獣まで美少女になってたもんね。

乙君:ええ!?

山田:やってた。

乙君:それもう怪獣じゃないじゃん(笑)。

山田:怪獣のなにか的な要素はちょっと入った美少女キャラになってるっていうか。そんなんで、盛り上がるなぁと思って。

乙君:そのフォーマットがあって、女子側にもそういうものがついに。

山田:で、いよいよ! 俺たちの長江は対岸見えなくなったなぁなんて思ってたんだよね(笑)。

乙君:実は同じ岸にいるんじゃない?(笑)。

男たちは母なるなにかを船に求める

山田:おもしろいのが、剣じゃん? 刀剣。

乙君:象徴ですよね。

山田:これかなまら的な感じなの?

乙君:そうそう!

山田:じゃあ、今、原宿でかなまら祭が行われているわけ? まさに。一方で男たちは「船」だったんだってところ、深くない?

乙君:深いなぁ、深い!

山田:もう、深いよこれー!

乙君:海なんですね! なるほど。

山田:日本文化深いよ! 「母船」なんつっちゃってね。「航空母艦はないじゃろか」なんつってね。

しみちゃん:あはは!

乙君:なるほどねぇ。

山田:時に戦ってくれたりね! だから今だに俺たちはヤマトヤマト言ってんだろうね。

乙君:それは松本零士さんの。

山田:いやそれはわかんないですよ。母なるなにかを、船に求める。

乙君:まぁね、『サザエさん』もフネさんっていますからね。

山田:え?(笑)。

乙君:えっそうでしょ(笑)。