乙君のおっぱいTシャツ

久世:次いきましょうよ。

山田:それより、ちょっとごめんね、おまえのTシャツいじらなくて(笑)。

乙君:えっ。

山田:37分もおまえのTシャツいじらなくってごめん。

乙君:だいじょうぶです。ぜんぜんだいじょうぶです。

山田:ファミリーの人があなたのためにプレゼントしてくれたらしいじゃないですか。

乙君:誕プレでもらった。Jast the right sizeってちょうどいいオッパイだねって伝説の。

山田:ちょうどいいおっぱいTシャツ完成しましたね。

乙君:ありがとうございます。

山田:オオヒナト君に言ってくれれば。

乙君:いや、いい言葉だなと改めて思いますよ。

久世:まだそれやんの?

山田:まだやんの?

乙君:なんか僕の知り合いが、コンパニオンのいる飲み会みたいな、会社であったらしいんですよ。ちょっと下ネタの話になったんですって。で、胸だどうのこうのみたいな話になったから、ちょっとあれ言ってみようかなと思ったらしく、言ったんですって。「ちょうどいいですね」って言ったら、そしたらまんざらでもない顔をしたって、だから、胸を商品にしている人に言うとすごく喜ばれるということがわかりました。

久世:それはそうかもしれんけど、別に言わんでも。

乙君:あとこれは逆に男にもいいんじゃないかなと思うのよ。おっきいかちっさいかじゃなくってあたしにはちょうど良い。っていうのはすごいぐっとこない?

久世:それはぐっとくる、けどおまえは何人知ってるんだって思う。

乙君:もしかしたら男用じゃなくて、女性向けの言葉かもしれないこれ。男に向けていってあげるべき言葉かもしれないなこれ。とは思いましたよね。清水さん。

久世:ほかに世界中に言ったほうがいい言葉めっちゃあるから、それは追求しんでええと思う。

乙君:まあそんなこんなで、『君の名は。』パート2講座に移りましょうか。

『君の名は。』は映像で語ってほしかった

山田:そうなんですけど、なんかあの映画を見て怒っている演出家さんがいるみたいなんですよね。

乙君:お?

山田:なんかあの映画をお金を出して見に行ったのに、随分納得いかない演出家の人がいるらいしですよ。

久世:今日きていらっしゃるんですか?

山田:京都の方らしい。

久世:あーそうですか。俺と一緒だな。

山田:(笑)。言っちゃってくださいよ!

久世:まじかよ。

山田:はい。お願いしますよ。

久世:あのね、僕、見ました『君の名は。』。でも、結局思い返してみると、この放送でいうような言葉は出てこないんですけど、のぞむはね……。これ言っていい? 点数の話言っていい?

乙君:いいよ。

久世:のぞむはあの映画を55点としてました。で、でのぞむはもともとそんなに映画を好きじゃないから、55点でけっこう満足してたと。55点もあったからよかったわ、っていう。

自分の蓄積が無いからかわかりませんが、55点だったし別にええ映画だったよって。

乙君:いい映画とは言ってない。いい映画っていうより、みんな讃えてる人がそんなに躍起になってやるようなことではなく、かといってめちゃくちゃあれ見て号泣している人にはのれない。だけどまあ、いろんな矛盾点あるけど、これはだから言ってもしゃあないところだからってそういう意味で、映像の綺麗さとか神話として解釈してとか、最終的に「まあ恋やしな」「しゃあないな」っていう。だからそこで55点かな。

久世:僕も同じ55点だったんです。

乙君:えっ。

久世:点数的には。ただ一晩寝かすまえに玲司さんとかに話しちゃったから怒った表情が目立ちましたけれども、分析してみるとすごい良い映画だったなってことになります。

乙君:おいおい。

山田:なにそれ。

久世:だってさ、言ってもしょうがないんだもん。やっぱり3年前の口噛みの酒みたいなの絶対メタンガス発生してるし絶対飲まへん。あんな透明になってるわけないやん。とか思ったりしたけどいろんなとこつっこんだらあかんなと。

乙君:酒好きとしては許せないよね。でも俺あの酒ちょっと飲んでみたいよ。

久世:ほんと? そっかなあ気持ち悪くなかったかな。あと言葉が多いなって思った。

乙君:言葉は多いね。

久世:言葉ばっかりじゃん、映像で語ってほしかった。映像作家なのになって思ったよ。あとなに話したらいいの? 変なことになっちゃうよ。

(会場笑)

山田:えー。

「人間描けてねーじゃねーか」

久世:でも、すごくいい映画だったなって思ったところ言ってもいいですか? 逆に。

山田:お願いします。

久世:あの映画は玲司先生もおっしゃってたんですけど、すごいよく調整している、チューニングが効いてるってのはそのとおりだと思う。

山田:そうなんだよ。元気チューニングなんだよ。

久世:そう、すごかった。でも俺は『言の葉の庭』とか『秒速5センチメートル』見てるけど、そっちのほうがとにかく気持ち悪いの。気持ち悪いけど作家性が強いからそっちのほうが好きなんですよ。あれはなんていうだろうな、モツ煮で言うとちゃんとモツを臭い状況から3回茹でこぼしてきちんと臭みを抜いてあるんだけど、まだ臭いっていう状況なのね。

山田:モツでいうとね。

久世:モツで言うとね。だから食べやすいんだけど、俺は臭いのが好きだから物足りなかったなとは思ったんだが、感情が繋がってなくてもいいんだ。

例えば、なんて言えばいいのかな、最近だとinstagramイエーイの世界じゃないですか。みんな見て「あ、綺麗な写真だな」ってあげてたりだとか、短いPV見て「うわかっこいいな」って思ってたりとか、別に短編がかっこよければ感情繋がってなくても、人間が描けてなくても成立するし、今の人は感動して喜ぶんだってことを学ばせてくれたから、非常に衝撃的な作品でした。

だから逆を返して言うと「人間描けてねーじゃねーかよ!」って切れまくってたって話ですけど。

山田:うー! ジャンジャンジャカジャカ大戦争!

(会場笑)

大戦争勃発さあ大変!

久世:「勉強になった」俺が言うことじゃない。売れてる作家さんだからすばらしいよ。で、あの映画を見て感動している人は青春のど真ん中にいる人か、青春が最高って思ってる人か、まだ青春を経験してない人なんだなって思いまして私は。

で、僕はどういうことかって言うと青春も好きだけど青春が終わっていまこの33、34、35、ずっと歳をとることのほうがすごく好きだから、「青春ど真ん中最高です!」って言われてもちょっときつかったなと。

で、青春終わった監督が青春描いているなら良かったんだけど、新海さんとかはまだまだ青春ど真ん中でやってらっしゃるから、僕にはちょっとトゥーマッチだったなって思ったかな。どうですか?

乙君:まあ、あれだけど。

久世:あくまでも個人の感想なんでね。

乙君:「俺のとは違うなー」ということで。