デイトレードを成功させる5つのポイント

中原良太氏(以下、中原):では、デイトレードのご紹介も終わったところで、次にデイトレードで成功するための5つのポイントをご紹介していきます。

まず1つ目、手数料が安い証券会社を選ぶ。

2つ目、流動性の高い株を取引する。

3つ目、順張りと逆張りで価格帯を使い分ける。

4つ目、直近の値動きは要チェック。

5つ目、前場と後場の寄り付き・引けをチェックすること。

この5つのポイントが非常に重要です。この5つのポイントの1つでも欠けてしまうと、うまく取引できないと思うので、それぞれのポイントをきちんと理解しておきましょう。

では、この5つのポイントについてそれぞれ解説していきますのでご確認いただければと思います。

その1.手数料の安い証券会社を選ぶ

じゃあ、最初に、1つ目のポイント、「手数料の安い証券会社を選ぶ」。

先ほど、デイトレードはそもそも保有期間が短いという話をしたんですけど、保有期間が短いため、大きく儲けることができません。

大きく儲けることができないということはどうすればいいか、本当に稼ぐためには何をしなきゃいけないかというと、この短い取引を何回も何回も何回も何回も繰り返すんですよ。

買って売って、買って売って、買って売って、買って売って……と、それこそ月に何百回と繰り返し行なっていくものなんですね。なので、売買手数料がものすごいかかります。100回取引すれば、100回分の手数料がかかるということで、手数料がものすごく影響を及ぼします。

なので、売買手数料の安い証券会社を選ぶということが非常に重要になってきます。もし、この証券会社を選ぶのをミスしてしまったら、もう絶対に勝てない。

これはほぼ断言できるんですけど、デイトレードで証券会社選びを間違えたら8割方負けます。もうほとんどの確率で勝てなくなります。ということで、この証券会社選びはとくに念入りにやる必要があると考えられます。

証券会社の選び方

証券会社を選ぶときには、重視すべきポイントが2つあります。

それは何かというと、一般的には、現物取引をするときよりも信用手数料のほうが安めに設定されてるので、この信用手数料が安いところを選ぶのがいいかなと思います。

デイトレードだとリスクが小さいので、レバレッジを利かせて、より多くの資金で投資をするというのがメインになってくるかと思うので、信用手数料の安いところを選ぶのがいいかなと思います。

信用買いをするときには買い方金利、信用売りをするときには貸株料。これはそれぞれ、信用取引特有の手数料というのも別途かかってきますので、それぞれの値をきちんと求めて、「一番安い証券口座ってどこなんだろう?」「いくらいくら投資するには、一番安い証券口座はどこなんだろう?」というのを、事前に調べておくのがいいと思います。

ということで、「まず手数料の安い証券口座を選ぶのが大事だ」というお話でした。

その2.流動性の高い株を取引する

2つ目のポイントは、「流動性の高い株を取引する」です。

デイトレードをするときに、何度もお話ししていますが、朝に買って夕方に売る。始めと終わりの2つの点で取引をします。朝一はたくさんの人が株を売り買いするので、自分が買い注文や売り注文を出しても、そんなにインパクトが出ないんですね。

自分が「買いたい」といって株価が変わったり、下がったりということはないんですよ。ただ、大引けの終わりのタイミングで取引をしようとすると、あまり株を売買する人がいないので、自分の注文のせいで株価が上がったり下がったりしちゃうということがよくあります。

大引けの商いは薄いので、マーケット・インパクトが出やすいんですね。つまり、自分が買いたいのに、自分のせいで株価が上がって不利になったり、自分が売りたいのに、自分のせいで株価が下がって不利になるということが起きやすいので、商いができるだけ活発な株を選ぶ必要があります。

具体的に何をすればいいかというと、出来高制限をかける。例えば、自分が取引したい株の出来高の何パーセント以内しか取引しないとか。あるいは売買代金や出来高が大きな株を選ぶということをする必要があります。

(スライド)箇条書き3つ目の「上級者向け」と書いてあるところですが、システムトレード上級者の場合は、独自で指標を作って流動性の高さを定義していくというのも1つの方法だと思います。

例えば、「出来高÷単元株数」が大きな株。つまり、実際に何回取引が行われたのか、何往復分の取引があったのかを計測して、流動性の高い株を見つけるといいんじゃないかなと思います。

だいたい目安としては、この「出来高÷単元株数」が1万以上ある株ほど、マーケット・インパクトが出づらいので、取引しやすいんじゃないかなと思います。ということで、流動性の高い株を取引するのが非常に大事だというお話でした。

その3.価格帯を使い分ける

3つ目のポイント、「価格帯を使い分ける」。

これは非常に重要なんですけど、デイトレードをするときには、投資法によって価格帯の位置、高値圏にあるのか、安値圏にあるのか、それともその中間にあるのか。この価格帯を使い分ける必要があります。

例えば、順張りのデイトレードをするときには、極端な価格帯を狙うのがベターなんです。逆に、逆張りのデイトレードをするときには、極端でない中間の価格帯を狙うのがもっとも効果的だと考えています。

なので、自分のデイトレードのスタイルに応じて、価格帯を高値圏、安値圏、中間で使い分ける必要があると考えています。

これが非常に重要で、この点を無視すると、けっこうリスクの高い取引になってしまうと思うので、必ず押さえるようにしておきましょう。

その4.直近の値動きは要チェック

4つ目、デイトレードをするときに、もっとも重要なポイントがあります。それは何かというと、「直近の営業日の値動き」がもっとも重要になります。

とくに、直近営業日の4本値には要注目しましょう。チェックすべきポイントは4つです。

まず1つ目、始値と終値の位置関係。始値と終値がどういう位置関係にあるのか。

2つ目、安値と終値の位置関係。だいたい下ヒゲがどれぐらいの長さなのかが非常に重要になってきます。

3つ目、終値と高値がどういう位置関係にあるのか。これは上ヒゲの長さですね。

最後に、前日比の大きさ。終値と前日の終値の比較。どちらが高くてどちらが安いのかというのは、運用損益に非常に大きく影響を及ぼすポイントですので、この4点は必ず加味したほうがいいと思います。

ここを無視すると、利益を出しづらい株に手を出してしまったり、危険な株に手を出してしまったりということがあると思うので、ぜひ注意してみてください。4つ目のポイントは以上です。

その5.前場と後場の寄り付き・引けをチェックする。

最後5つ目、「前場と後場の寄り付き・引けをチェックする」ということです。

どういうことかというと、いつ買っていつ売ればいいのかというのを、4本値だけではなくて、前場と後場できちんと分けて調べていく必要があります。

例えば、指値注文を使ってエントリーするときに、前場に約定した場合と、後場に約定した場合ではどちらの成績がいいのか。こちらを必ず集計しておくようにしましょう。

同じように、前場の引けに決済した場合と、後場の引けに決済した場合、どちらのほうが成績がよかったのか。これも併せて集計しておくのがいいと思います。

もしかすると前場に約定したほうがいいかもしれないし、後場に約定したほうがいいかもしれないと。この1日の前半か後半でどちらが有利なのか見極めがついたら、より有利なときだけ取引ができるようになります。

もし前場がよかったら後場は余るので、その後場に適した投資法を考えていくということを考えれば、より確度の高い、あるいは資金効率の高い運用スタイルを確立できるかと思いますので、このポイントを必ずチェックするようにしましょう。

ということで、今回の5つのポイントは以上で終わりになります。

本日のまとめ

最後に、これまでお話ししたことをまとめていきます。

まず、デイトレとは、朝買って夕方売る、あるいは、朝売って夕方に買い戻す投資法です。このデイトレードの特徴としては、ローリスクでローリターンであるということです。

一般に言われる「ドカンと勝つ投資法だ」というのは、偏見であって間違いです。このポイントを間違えてしまうと、せっかくデイトレードを始めようというのに、間違った株の探し方をしてしまうので要注意です。ローリスク・ローリターンなので、着実に利益を重ねるための投資法です、ということを押さえておきましょう。

デイトレードで成功するためのポイントは5つです。

1つ目、手数用の安い証券会社を選ぶ。

2つ目、流動性の高い株を取引する。

3つ目、順張りと逆張りで価格帯を使い分ける。

4つ目、直近の値動きは要チェック。

5つ目、前場と後場の寄り付き・引けをチェックする。

この5つのポイントを押さえることで、あなたのデイトレードのスキルは格段にアップしていくと考えています。これは聞いてるだけだとすごい簡単なんですが、実践するのはむちゃくちゃ難しいので、ぜひ研究してみてください。

今回は以上の内容で終わりにいたします。