ひきこもりは治せるのか?

:まぁでも気を遣ってるんじゃないですかね?

:いや、あいつら何も考えてないですよ、アメリカ人とか。そういう意味でアミーゴって言葉もそうですけど、アメリカ人とか南米人みたいな自分の話だけして、じゃぁねって言うぐらいの度胸がありますよね。

:自分に自信があるんでしょうね。だから堂々とできてしまう。

:そうすると、じゃぁなんで奴らには自信が生まれ、日本人には自信がないのか。

:そこはだから3番の「自己万能感が傷つく体験」って書いてあるんですけど、これは学歴が高くてプライドの高い人が多いんですよ。やはりこれまで学校もいい成績で卒業できて就職も出来た人たちが、これまで挫折体験がなかったと思うんですけど、社会に出てから初めて否定されるというか、傷つく事があった際に、出社拒否でひきこもってしまうという事があります。

:つまりプライドが高かったせいで、傷ついたときにどうしたらいいかわからないんですね?

:うんうん、そうですね。

:じゃぁなんでプライド高くなっちゃうんですかね?

:それまで周りが上手くサポートして。

:勉強が出来てもスポーツが出来ないとか、ブサイクとかデブとか、色んな劣等感を感じる事が世の中多いじゃないですか。何で劣等感を感じずに万能感のままいけちゃったのかっていう。

:そういう人たちが結果的に何かの拍子にっていうのがあるとは思いますけどね。

:学歴でいうと、小学校でいくら勉強できてもモテないじゃないですか。そこで劣等感を感じとけばいいのにって思うんですけど。あんまり感じないものなんですかね?

:感じてきた人たちはそういう事はないんですけど、感じてこなかった人たちがいるって事ですよね。そういう経験をどれくらい積んできたかっていうのがあると思うんですよね。

:じゃぁ若いうちは苦労した方がいいってのは真実なんですね。

:それはあるとは思いますけどね。人間としての器が大きくなりますよね。

:さっきのひきこもりの治し方って、逆にコミュニケーション能力をいかにやるかって事に集約しちゃいません?

:まぁ今の社会がそうなってきてしまっているので、重要視されているという。

:モテる人はひきこもりが少ない?

:結論からいうと処方箋はないんですけど。

(一同爆笑)

:太宰治もひきこもり心性っていうのを持っていて、ものすごい世間というものを恐れていたと。得体の知れないものだと、ものすごい怖がっていたんですよね。ですけど、ある時気づくんですよね。世間っていうのは自分と個人の関わりじゃないかと。だから世間って言っても、そんなものが存在するわけじゃないと気づくんですよね。世間って言っても個人の集まりであると。

:じゃぁ暗黙の了解の世間ってものが存在するわけではなくって、あくまで一人一人の関係性を世間って言っているわけであって、一人一人から好感を持てていると世間からもモテているような気になるわけであって。

:まぁ好感が持てるっているか、心の支えっていうのがキーワードとしてあるのかなって思って。妻、恋人でもいいんですけども、友人とか。

:まず妻、恋人をどうやって作ればいいんですか?

:だからまず、その前に自分の状態を客観的に知るっていうのが大事。

:って事は誰かに言ってもらうって事ですよね? それってカウンセリングとかプロに言ってもらうって事? 友達に「欠点言ってよ」って言って、言われたらめっちゃヘコむじゃないですか。それってかなりの信頼関係ができてないと無理じゃないですか? その信頼関係ができているなら、その人はもう大丈夫だと思うんですよ。

:でもそういう間柄なら仲のいい間柄だと思うんですね。面と向かって悪口言うとか、そうそうある事じゃないと思うんですね。

:そういう関係を作れない人は、どうしたらいいのかという事だと思うんですけども。和歌山の例はかなり解決策があると思うんですけど、例えば和歌山に引っ越してそこに行くっていうのはアリなんですか?

:まぁそれも一つですよね。「⑤居場所の存在」って書いてあるんですが、最初のきっかけとして何か楽しそうな人と出会える場に出かけていくっていう、これはまた勇気がいるんですが、そのきっかけが必要なんですけどね。

:例えばどんな事なんですか?

:例えば自助グループとか、典型的な飲み会でもいいし、勉強会でもいいし、花見とか。

:ネットでオフ会とかでもいいんですか? じゃぁコミケとかで集まるのでもいい?

:そうですね。昔のオタクと言われた人たちと似ていると言われていて、彼らはささやかだけど社会と繋がっていたんですが、それは居場所みたいなものがあったからだと思うんですけども。相性っていうのがあるんで、そこで合う人を見つけて自分を肯定してもらう場を見つけるっていう。

:肯定してもらうためには、何らかの価値がないと難しくないですか? デブでブサイクで頭が悪いで行っても、デブでブサイクで頭が悪いねぇで終わるじゃないですか。

:そこは相性もありますので、必ず自分と合う人っていうのが出てくると思いますし、理解のある人たちのグループだと思いますし。一番手っ取り早いのは、ひきこもりの人ってパソコンを使える人が多いので、ホームページ作れないかなとか、自分を必要としているきっかけがあると出て行きやすい。それをきっかけに出て行って、自分の価値や存在が生み出せていますので、そこから仲のいい人が出てきて、そこで人と繋がって、そこから先はいかに社会性を身につけていくかですね。

:そうすると、ある程度グループのレベルを下げていくって事ですか?

:だからね、居場所って一口に言っても色んな多種多様な居場所があって、自分に合う居場所っていうのが絶対どこかしらに見つけられるようになると。地域社会の代わりになるような居場所みたいなものが、周りにできてくると出て行きやすいんじゃないかなと。

:いきなり自助グループって微妙じゃないですか?

:そうですね。その人たちだけでやっているっていうのは、基本的に不安定な人が多いので、バランスとれた人が必要だし、専門家が居なければいけない場合もあるので難しいんですけども。

:僕一般に近いと思うんですけど、いきなり何にも知らない自助グループに電話して、誰も知らないグループに入るのって、かなり難易度高いと思うんですよ。「おまえ誰?」とか言われそうじゃないですか。しかも皆仲良くて僕だけ赤の他人っていうか、何しにきたの? って感じに見られると、えーってなるじゃないですか。だからもっと楽に繋がれるようなのってないんですかね?

:本当は趣味とか共通のテーマとか、自分が出て行きやすい何かがあると。

:そうすれば、何かミクシィでガンダム大好きコミュニティに入ってガンダムの話しようぜみたいな。

:それはありますよね。

:ネット上のコミュニティでもいいんですか?

:はい。でもネット上だけではなくて、実際に会って。ネットが唯一の社会ツールになっている人が結構多いので、実際に顔をつきあわせて会うってのが大切かと。

:じゃぁネットで「菜の花の話を朝までしよう」ってなって、会って顔を合わせるっていう。じゃぁネットのコミュニティをオフ会に持ってくると。僕そっちの方が楽だと思うんですよね。ネットのコミュニティって文章全部読んでからメッセージ書けるから、文章読んで場違いだったら逃げれるじゃないですか。だからネットから入った方が気楽な気がするんですよね。

:気楽ですよね。あとはひろゆきさんみたいな人気のある人が呼びかけて会をやると。

:へーめんどくさいっす(笑)。ちょっとユーザーの方から質問を受け付けたいと思います。

なぜメンヘラは美女が多いのか

スタッフ:今来場者が17,000人以上で、メールも50通以上頂いています。その中から1つなんですが、千葉県13歳の方で「僕は中学2年生のひきこもりです。ひろゆきさんに質問です。時々リア充さん達で、一日ぐらい家から出なかった人に「お前ひきこもりじゃん」とかフザけた事を言っている奴がいます。1ヶ月以上家から出ない僕はどうなるんですか?」

(一同笑い)

:さっきの定義でいくと、ひきこもりだと思いますよ。ただひきこもりだから悪いって言う定義が僕よくわかんないんですよね。

:悪くはないですよ。私も思ってませんけど。

:だからひきこもりが悪いっていうんじゃなく、自分たちと違うから異物であると。いじめって異物を排除する行動じゃないですか。皆より危険だからとか、皆より貧乏だからとか、みんなよりブサイクだからとか。っていう異物として見られるとは思うんですけど、殴られでもしない限り放っておけばいいと思うんですよね。まぁ殴られたら警察なり先生なり言えばいいし。

:結構、原因が重要かもしれないですね。どうしてそうなってしまったのかっていう。

:でも「あなたは異物です。価値がありません」でイジメられると思うんですけど、そん時に、でも俺はこれがあるからいいやってのが1個ぐらいあれば、まぁ自分の中では納得しやすいと思うんですよね。ゲームがやたら上手いとか。まぁプログラムとか覚えてもいいんじゃなですか。

スタッフ:次の質問です。「ひきこもりの最大の原因は、外見上のコンプレックスなのではないですか?」

:最大って事はないですね。でもそういう人もいます。

:たぶんメールを書いている人が、外見上のコンプレックスでひきこもっているんだと思うんですけど。割と精神疾患の人で美女多いですよね。なぜか頭のいい人で美人って多いですよね。

:そうですね。

:あれなんでなんですか?

:やっぱ可愛くてチヤホヤされて依存できる環境を40までに保たれると。やっぱり可愛かったらチヤホヤされちゃうじゃないですか。そういう事で確率的に高いと思うんですよ。

:へー、チヤホヤされるとメンタル病んじゃうんですか?

:病んじゃうんじゃなくて、いつまでもその依存関係を自分を担保に形成できると信じちゃうんですよ。

:いつもチヤホヤされるのが当たり前になっちゃうわけ?

:当たり前になっちゃうわけ。そうすると、いわゆるさっきのテロップの3つぐらいは、人格の未熟性に由来するものなんです。だからひきこもりの問題の1割2割は人格の未熟性みたいな。それが成育歴だったり環境でトレーニングされないで、ひきこもりに至ってしまうのが大きいんじゃないですか。あと生物学上の統合失調症だとかっていうのは、恐らくは遺伝子レベルで解明される疾患なので、特に美醜には関係しないと思いますね。だから恐らくイメージとしては、人格障害圏の方の女性に対して美しい方が多いというイメージがあると思うんですけどね。

:あーそっか。しかもチヤホヤされ慣れてて、チヤホヤされたいから、立ち振る舞いを研究するわけじゃないですか。

:だから過剰な自意識が出ますからね。さっき言ったように、自分は完璧なんだと100点満点でいくから。でも60点ぐらいじゃないと、社会生きれないじゃないですか。でもそういう方々っていうのは100%か0かってなっちゃうんで、挫折してしまうわけですよね。

:すごい多いですよね、1か10か。

:物事を1か10かで判断してしまう事が多い?

:折り合いをつけれない人が多い?

:いいか悪いかしかないと。

:それが出来れば社会に適応していけるんですけど、絶対ダメで。

:さっきの暗黙の領域がないなんてそうですよ。

:そうです、まさにそうです。

:確かに世の中は2つに分けられない事多いですからね。会社でも、社長は嫌いだけど上司はいい人だし、人もいいからまぁやろうっていうのと、社長嫌いだからやーめたっていうのと。そんなに100%満足できる状態ってないですからね。では、続いてのメールいってみますか。

スタッフ:愛知県21歳の女性からです。「池上さん、ひろゆきさんこんばんは。私は学生の頃いじめに遭って、ひきこもりになってしまいました。社会人になっても人の悪口を言っている声が聞こえてきて不安になります」。

:これ病気だと思うんですけど、どうですか? 岡田先生。要はひきこもりになったんだけど、幻聴が聞こえるっていう。

:統合失調症の可能性が高いですが、一過性の妄想障害ってのもあるし、さっき言った人格障害でも妄想性の人格障害ってのもあるんですよ。その可能性もあるんで、いずれにしても妄想レベルになれば、お近くの心療内科の門をたたかれるのがいいと思うんですけど。

:確かに病院に行かないと治らない人と、何かしらのカウンセリングで治る人の差っていうのを知らない人が多いですよね。

:自分で判断できないと思うんですよ、客観的には。

:そういうとこで、どういう所に行けばいいのかっていうのが……町の心療内科でいいんですか?

:行政が「こころの相談」っていうのを無料でやってます。だからそれぞれの地域に必ず精神保健相談員っていうのがいますので、そこに打診されれば振り分けをするわけですよ。そこにはいかがわしい施設とかは入ってないと思うんで、そこに相談して行かれると。

:そうですか。行政は確かにいいですよね。

:内閣府の調査でも66%がそもそも相談したいと思わないと言っていまして。そもそも言っても解決できないとか、知られたくない、何を聞かれるか不安に思うっていう人が多いという事で。

:まぁそうですね。治したいってポジティブに思うんだったら、だいたいの事がクリアできますから。そもそも思考がネガティブになっているわけだから1歩を踏み出すのが難しいと思うんですね。

スタッフ:奈良県の男性24歳の方です。「僕は高校卒業後、両親の勉強に対する過度なプレシャーが原因でおかしくなり、7年間ひきこもっていました。大学に通いたいと思うようになり、7年目で政府のひきこもり支援事業として行われていた社会復帰プログラムに参加しました。そのプログラムを受けていた施設で部屋を間違えて入ってしまいました。そこで係員の人に、部屋の違いがわかりにくいと言ったところ暴力をふるわれました。政府や社会は、ひきこもりを支援すると言いますが、そんな余裕が彼らにはないんじゃないでしょうか?」

:それは弁護士事務所とか警察で(笑)。これはひきこもりの問題じゃないと思いますよ。まぁこれも All or Nothing で、役所の中にもダメな奴っているじゃないですか。役所の中のダメな奴1人見ただけで、行政全てがダメだってのはおかしい。これは別の問題なんですよね。ひきこもり対策プログラムの問題じゃなくて、現場の役人がよくなかったって話で。

スタッフ:山口県の男性30歳の方です。「非モテからリア充へは絶対無理と断言します。以上です」。

:その人が無理だと思うんなら無理なんじゃないですか。他の人はリア充になっていくだけで。

スタッフ:数が多いので最後になりますが、「ひきこもりになるのは、リアルがつまらないからじゃないですか?」

:僕、家が大好きなんで、家の中の方が面白いんで。

:それはどういう意味ですか?

:外にでるのが面倒くさい。家でゲームやって、映画観て、本読んで、ネットやってっていうのが全然楽しい。だから外に出て町をフラフラする気はありませんっていう。

:多いですよね。本を読んでる、新聞を読んでいるっていう。だからそれ以上に楽しい事がないっていう。

:面倒くさいですからね、外に出ると。

:だから仕事っていうのは、楽しいというか、働く価値とか意義を知ってもらうっていうのが大事ですね。そういう事を知れる機会があんまりないので。リアルに働いて、働く楽しさを知ってもらうっていう。

:でも今、働きたい人が失業してるんで、なかなか7年間ニートでしたってなると、履歴書出した時点ではねられるじゃないですか。

:新卒で正社員になれる人は15%しかいないっていう。その敗者復活の道はないというですね。そういう構造になっていってしまっている。だから派遣とかアルバイトとかで低賃金で働かされる。それじゃ働く意義も価値もないから、楽しくないですよね。そういうところで、ひきこもっていく人が多いので、そういう仕組みを変えていかないと。よくみんなキャリアがないと言うんですよ。履歴書でキャリアがないから、そこを面接官に「この期間何をやっていたんですか?」ってなるんですね。で、ボランティアをやってたと言うと。

:まぁ10年間ボランティアって、なかなか嘘っぽいですからね。

:やっぱそこの価値観を変えていかないと。

:かなり難易度高くないですか? 神頼みみたいな。

:でも正社員になれる確率が15%っていうのが低いので、新卒に限らず、どんな年代でも採用されていくっていう仕組みをつくっていかないと。

:でも、ひきこもっていても何かしらの才能とか能力があればいいと思うんですね。知り合いの弟で5年ぐらいひきこもっていて、オンラインゲームの会社を受けに行ったんですけど、特殊な才能があって、武器の名前をつけるのが上手いと。例えばはやぶさの剣っていうと、あぁ2回攻撃できるんだとか、稲妻の剣っていうと、水相手に強いんだなっていうゲームやる人の一般常識ってのがあるんですよ。そういうゲーマーの常識があるから、武器の名前を付けるのがかなり上手いと。だから採用されて働いているっていう。だからそういう世界もあるなぁっていう。

:じゃぁ最後に一言ずつという事で、池上さんから。

:さっきも言った通りなんですけど、社会の価値観というか仕組みを変えていかないと。共有しあえるといいますか、居場所をどんどん作っていく事が必要なんじゃないかと思いますね。あとはコミュニケーション至上主義という社会ではなく、実力のある人が採用されていくという仕組みが必要かなと思うんですけど。

:僕は別に外出なくていい派なんですよね。まぁ出たくて出れない人たちと、そもそも病気ですって人は別の問題なんで解決できないんですけど。最初にまずみんな、病気なのかどうかの確認をした方がいいと。で、病気だったらそれを治した方が人生楽しくなると。で、別に病気じゃなかったら、別にそれはそれでいいと思うんですね。家でひきこもってても、できる仕事を探せば。せどりっていう、安く仕入れてネットオークションで売る仕事をしているニートの人もいるし。

あとはオンラインの監視業務とか、ネットゲームの中のお金を売るっていう「リアルマネートレード」っていう仕事もあるんですけど、そういう家の中にいてもお金を稼ぐ事ができる手段ってのが増えてきているんですね。だからそれで楽しんでいるんだったら、別に僕はそれでいいんじゃないかなっていう。出たければオフ会でもやって出ればっていう。だから病気の人と病気じゃない人の区分けだけハッキリやれば。

:それは重要ですね。

スタッフ:あと本について。

:本については、ひきこもりの具体例というか、こういう人たちがひきこもりになるんだっていう。僕は和歌山大学の90%解決した例が面白かったんで、結局解決するんじゃんっていう。15年間ひきこもって家が大変ですっていう例を聞くじゃないですか。でも解決する手段があるんだっていう。あとは単に税金をどれだけかけるかっていう問題があるんなら、さっさとやればって感じで。本人的にこういう所がオススメですっていうのないんですか?

:非常に実例が豊富ですので、今のひきこもりの実態がよくわかると思うんで、ぜひ買ってください。

:(笑)。池上さんいかがですか?

:え! よ、よろしくお願いします。

:という事で、僕と池上さんの「ひきこもり社会日本 ~非モテからリア充へ~」なんですが、非モテからリア充への話をあんまりしていないんですが(笑)。ひきこもりの人は病院に行ってみる事が一番かなと思います。では病院に行った後、皆さんまたお会いしましょう。それでは、さよなら。