第三者委員会のメンバーの選任時期

記者28:読売新聞のアキタと申します。第三者委員会のことでちょっと確認をしたいんですが。

先ほどから第三者委員会に……まあ、正直丸投げのような印象を持ちます。時期がまったくわからないとか、いつ頃までにやってほしいとか、そういうのがまったくわからないというのはちょっと無責任だと思います。

例えば、会社の方針として、もしくは守安さんの方針として、「せめてメンバーの選任は年内にやりたい」とか、「第1回目のざっくりとした結論は年度内にやりたい」とか、それはもちろん相手が決めることですけれども。

会社としては第三者委員会にそういうことを、ほぼ丸投げと言っていいのかわからないですけど、お願いするわけですから。企業として、せめてそういった時期的な目処をお伝えいただけないでしょうか?

守安功氏(以下、守安):まず、メンバーの選定に関してはこちらからのお願い、打診を含めて行っておりますので、受けていただけるか含めて、まだ確定はしていないんですけど、1週間以内とかそのぐらいのタイミングには決めたいと思っております。

第三者委員会のその後の活動の内容にもよるんですけれども、私としては2ヶ月程度で結果が見えればと思っておりますが、こちらはやはり「どこまで見ていくのか」「どうするのか」ということによってまいりますので、委員長含め、第三者委員会が決まってから、話し合いが必要かなと思っております。

医療系記事の取り扱いを今後どうするか

記者28:ありがとうございます。あとは情報のあり方についてちょっと思ったんですけれども、とくに健康の記事というのは我々も書いていて非常に難しいところが多くて、医学的な見地からかなり入念に取材をします。

今回、そもそもはずいぶんしっかりした医療系の記事だったと思うんですけれども、いつまにか最近話題になっている、「肩こりが幽霊のせいだ」とか、ああいうことになってしまっている状況があります。

南場さんと守安さんそれぞれにおうかがいしたいんですけど、医療系の記事もやっぱり無料で広く見られるようにするべきなのか、それともしっかりお金をかけて、裏付けをとって、医療系の記事だからこそ有料で有益な情報流すべきだとか、今の時点ではどうお考えでしょうか? ほかのサイトは別として、少なくとも「WELQ」、医療系についてはどうお考えでしょうか?

南場智子氏(以下、南場):私からまずお答えします。WELQのような状態は許されないということですが、しっかりとコストをかけて良質な記事を発信していくということは、必ずしも有料モデルだけではなくて、広告モデルという、スポンサーとか協賛型といいましょうか。ユーザーが増えるのであれば、そういったものもありえると思っています。

したがって、ビジネスモデルとしては、協賛型なのか、あるいはユーザー課金型なのかというところは、両方ありえると思っています。

ただ、協賛型の場合ですと、それだけの規模のユーザー数が得られるような内容をしっかりと考えていく必要があると。

そのときの1つのヒントは、個人の健康情報などに応じて、もっとピンポイントな情報を提供するということであれば、ユーザー数も増えるのかなと。あるいは、もしかして課金サービスとしても価値を感じていただけれるのかなと。このように考えております。

守安:私としては、ビジネスモデルとして、完全に有料登録しないと記事が見れないという状況においては、これはビジネスとして成立するのがなかなか難しいのではないかと思っておりますので、広告ビジネスを中心にしながら、一部のコンテンツや機能を有料にするという組み合わせであれば成り立つかなとは考えおります。

ただ、監修等ありますので、それがビジネスモデルとして、コスト面含めて成り立つのかというところについては、現時点ではわからないという回答になるかと思います。

記者28:ありがとうございました。

横浜DeNAベイスターズへの影響

記者29:dot.編集部のカワシマと申します。1点だけおうかがいしたんですけれども、今回の件で、野球ファンから球団への影響を懸念する声も上がってるようなんですけれども、球団への影響をどのようにお考えかお聞かせ願います。

南場:大変に申し訳ないんですけれども、野球ファンの方からのご心配について、状況を正しく把握しておりません。小林のほうでなにか聞いていますか?

小林賢治氏(以下、小林):私のほうでも個別に、横浜市であるとか、実際の状況確認と、あと「どういうことであったか」というお話をしてるというところまで聞いてるんですけれども、ファン方々からどういうお話があったかというところまでは把握できておりません。

南場:そういった状況ではありますが、野球がどうとか、自動運転がどうとか、個別で影響があるかないかということよりも、DeNAグループ全体が信用を大きく毀損してしまった、失ってしまったという事実がありますので。

このDeNAグループ全体が努力をして信頼を回復するというのは、事業領域や提供しているサービスにかかわらず、全般的に気を引き締めて、信頼回復に努めてまいりたいと思っております。

記者29:ありがとうございます。

グレーな記事作成マニュアルの認識

記者30:読売新聞のオオシゲです。ちょっとわからないので教えていただきたいんですけれど、先ほど、2014年にMERYとiemoを買収した際に、著作権上グレーな部分があると認識していらっしゃったとお話しされてましたよね。

そのあとに、マニュアルに著作権を守るように記載されていたというお話もあったと思うんですけれど、それにもかかわらず、マニュアルには無断盗用を推奨するような記述があったということで。

ということは、これは現場が勝手に無断盗用を推奨するようなことを指南していたと受け取ってよろしいんでしょうか?

守安:著作権上グレーな部分と申し上げましたのは、例えば、元の記事があって、このように変わった場合に、我々自身では、それが著作権法上アウトなのかどうなのかという判断が難しいというところで、グレーという表現になっております。

そういう意味で、著作権法自体は侵害しないようにしないといけないという方針自体は当然あるわけなんですけれども、著作権法を守る上において、どのように記事を作っていくのかということに関しては、そこの徹底の仕方・管理の仕方が不十分であったのかなと思っております。

記者30:つまり、文言として「著作権の侵害はしないようにしてね」とキュレーション事業部の人たちに言ってはいたけれども、何が侵害に当たって、何が侵害に当たらないという詳細については現場に任せてたということですか?

守安:そうですね。まず判断が難しいというものがございましたので、我々が見て、これはアウト、これはOKという基準自体、明確に線引ができていなかったということはあると思います。

記者31:線引ができていない状態でも、記事を大量に投稿していたわけですけれども。サイトという場所を貸しているだけで、記事の正確性なんかに責任はないし、それが無責任でモラルがないという認識もその時点ではなかったということですか?

守安:そうですね。当然、あのサイトの場所を貸していただけという認識ではなかったわけですけれども、サイト上の記事をチェックする体制であるとか、そこの意識が低かったというところが問題なのではないかと思っております。

記者31:ちなみに、そのマニュアルの内容は現時点ではすべて把握できていないとさっきおっしゃっていて、その内容も早いスピードで改定されていたということですけど、今、どこまで把握されているんですか?

小林:少なくとも最新のバージョンでありますとか、直近のいくつかのバージョンのすべての媒体の物については把握しています。

業績予想の修正について

記者31:わかりました。ありがとうございます。最後に1つだけ。昨日リリースされた、キュレーション事業の収益から向けた目標のところなんですけど。

ちょっとわかりづらいので確認したいのですが、当社が予想していた2017年3月期の第3四半期においての黒字化と、2018年3月期中について4半期単位で10億という目標については取り下げざるを得ないということなんですけど。

つまりそれはクオーター単位だから、40億取り下げと理解していいんですか? ここは数字の確認です。

小林:私からお答えします。キュレーション事業はもともと急激に成長していく事業というふうに見ていたので、均等に4半期ごとに10億円というよりは、成長の形で上がっていく形で見ておりました。その上でもともと予想しておりましたのは、来年度中のどこかのタイミングで、4半期全体として10億円の利益を達成するということを考えていました。

例えば、それが来年の後ろのほうのタイミングであれば、その前の4半期は10億円よりも成長カーブの少ない、まだ10億に達する前の状況なので、10億×4で40億というかたちではないです。

そういう意味では、そこのタイミングがどこになるかというのはまだ必ずしも外部に発信しているものではございませんでした。

守安:もう1点補足させていただきますと、業績予想自体は当社の4半期単位で行っておりますので、その来期の通年業績予想というものを出しているものではございませんので、そもそも今回キュレーション事業による影響は出るには出るんですけども、出なかった場合はいくらであったかという予想自体を公表しているわけではないということを付け加えさせていただきます。

記者31:わかりました。ありがとうございます。

「MERY」のPR表記のないペイドコンテンツへの指摘

記者32 :BuzzFeed Japanのイサシと申します。先ほど小林様が否定されていた、ペイドコンテンツについて改めて聞きかせいただきたいんですけど。

MERYには提供表記のある広告記事が投稿されていたと思うのですが、本日非公開になる最後まで掲載されていた一部の記事について、広告主からお金をもらっていながら、広告表記をしていないペイドコンテンツがあるのではないかと指摘されています。

実際に確認してみると、一部のキュレーターの記事だけが不自然に残されているような印象を受けたのですが、MERYやその他のメディアでそういった不適切な広告が出されていたとか、そのような案件について広告代理店やPR会社と取引があったといったことは把握されていますでしょうか?

小林:こちらについてですが、現時点で記事を残す残さないの判断に、私が先ほど申し上げた意外の意図があったというところはないと確認しております。

それ以外に、今おっしゃられた事項について、個別にどのようなことがあったのかというのは少なくとも現時点で私のほうが把握しているところはございません。

記者32:承知しました。ありがとうございます。あと先ほどほかの方から質問があったと思うのですけど、念のため確認したいのですが、キュレーションメディア事業の担当執行役員の方はマニュアルの存在を把握していなかったということでよろしいでしょうか?

守安:内容を把握していなかったと聞いております。はい。

記者32:かしこまりました。ありがとうございます。

守安氏自身が確認した、マニュアルの中身

記者33:たびたびすみません。日本テレビのアオキと申します。先ほどお話をうかがったなかで、守安社長はマニュアルについて、BuzzFeedさんの記事で初めて把握されたと。その後に、ご自身の目でBuzzFeedさんの記事で見たものと同じようなものを社内の資料で確認されたということはあるんでしょうか?

守安:はい。WELQの、恐らくBuzzFeedさんに取り上げられたのではないかと思われるマニュアルについては拝見しました。

記者33:その運用についてなんですけど、すべてのライターさんの目に触れるところに置いてあったのか、運用の方法については、どういったかたちをとられてたのか教えていただけますでしょうか?

小林:こちらについては、実際にどのようなかたちで各ライターさんに提供されていたかというのは、ちょっと把握し切れておりません。

記者33:わかりました、ありがとうございます。あともう1点。守安さんは、マニュアルについてNGだとおっしゃられたんですけども、その存在がダメなのか、それとも表現がダメなのか、何がダメだと思われたのか、もうちょっと詳しく教えていただければと思います。

守安:マニュアル自体はあって然るべきだと思っていますので、そのマニュアルに書いてある中身が問題であると思っております。

どの記載までがOKでどうなのかということに関しては、まだ正確に、きっちり検証する必要があると思っているのですが、少なくとも今回BuzzFeedさんに取り上げられたようなものに関しては、問題だという認識をしております。

記者33:ありがとうございます。

記者34:「ブルームバーグ」のアマノです。2点うかがいたいんですけど、この問題が発生して、ほかのビジネスに影響が出てるんでしょうか? まったく影響ないんでしょうか?

守安:現時点において、ほかの事業に影響が出ているという認識は持っておりません。

記者34:もう1点なんですけれども、先ほど信用毀損というふうに何度かおっしゃったと思うんですけど、そういう状態で、いつなのかわからないんですが、キュレーションサイトもしくはメディアというかたちではまた再開できるのでしょうか、という点についてのお考えをお聞かせください。

守安:サービスを世の中のみなさまに認めていただけるやり方、チェック体制のもとに再開したいとは思っておりますが、それがいつになるのか、本当に可能なのかといったことに関しては、現時点ではまだわからないという状況にあります。

SEO重視は会社全体の方針

記者35:『週刊エコノミスト』のクロサキです。守安社長に1点おうかがいしたいんですが、冒頭で(今回の問題の)要因として、「成長を求める中で」とおっしゃって、この事業の主な収入は広告だということだったので、広告収入を増やすという成長目的のために、サイトの運営をどんな方針で、どんな指標を重視して行うというふうに、社長がリアルタイムで責任者からの報告等で認識していた範囲では、先ほどSEO対策重視とおっしゃられましたけれども。具体的にはどんな運営の中でやっていくと認識されていたのかを教えてください。

守安:売上に通ずる指標として、やはり利用者数というものがございますので。MAU、月間の利用者数、あるいはデイリーの利用者数といったものが主な数値目標として、そのような利用者数を伸ばしていこうという方針で運営しておりました。

記者35:利用者数を伸ばすために、サイトの運営ではどんなふうに記事を出していくというところはどうでしょうか?

守安:その記事の内容というところに関して、私自身がそれほど知見があるわけではございませんので、10媒体あるなかで、じゃあこういう記事を作ろうというようなことは話してはおりませんでした。

記者35:SEO対策については、経営者会議や方針の中でも重視ということはあがっていたんですか?

守安:はい、そうですね。10個サイトがございますので、SEO対策でとくにうまくいった施策があれば、それがほかでもできるのではないかということは話をしておりました。

記者35:例えばどんなことがありましたか?

守安:これも非常にテクニカルな話題になってきますので、いくつか申し上げますと、例えば、内部のリンクを改善することによって記事が上位に上がりやすいであるとか、あるいは記事の文字数が増えるほど上位に上がりやすいであるとか。

ある一定のそういった成功の要因を見つけて、それをほかのサイトにも適応していくというような話し合いをしておりました。

記者35:ユーザー数を増やすために検索上位に上げることを手段と捉えていたということ。そのために具体的な手段を見つけると、ほかにも拡大していたという理解でよろしいでしょうか?

守安:はい、そのような認識です。

ライオン社からの抗議と他社への影響

記者36:TBSのドイです。守安社長に1点おうかがいしたいんですけれども、こういった転用や改竄というものを、会社として手動していたというご認識はおありですか?

守安:そのような認識は持っておりません。法律に則って運営していこうという方針であったんですが、それが実態としてどうだったか、どのような管理ができていたのかというところが、今問題になっていると認識をしております。

記者37:フリーランスのホンダと申します。1つうかがい忘れてたんですけれども、WELQの記事で、ラクトフェリンが癌や放射能に効くという記載があって、販売サイトへのアフィリエイトリンクがあったということも問題になっていました。

実際にライオンさんからは抗議のニュースリリースが出てたと思うんですけれども、こういった他社のビジネスに対して影響のある記事があったとか、そういったリスクがライオンさん以外にも広がる可能性があるとか、そういった認識・確認というのはされてるんでしょうか? 実際に事例があれば教えていただきたいんですけど。

小林:ライオンさんの件、ラクトフェリンの件については本当にご迷惑をおかけしたということで、ライオンさんにもきちんとご説明にあがりました。今後も同様のことが起こっていないかきちんと見ていかなければいけないんですが、現時点で私が把握していることとしては、ほかにはうかがってはおりません。

記者37:現在調べていらっしゃるということでいいでしょうか?

小林:もちろん、これはきちんと調べていかなければいけないことだと思っています。

記者37:ありがとうございます。

MERYにおける記事作成体制

記者38:朝日新聞のノブハラです。非常に細かい点、1点だけなんですけれども。少し前のお話で、MERYの記事の執筆が、クラウドワーカーが10パーセント弱で、大半が内部のアルバイトやインターンの方であったというご説明があったと思います。

MERYは一般の無料ユーザーからの投稿も多いというイメージがあったんですが、無料会員の投稿とアルバイト・インターン・クラウドワーカーの比率はどういったことになるんでしょうか?

小林:完全に正確に把握できていない部分もあるのですが、確実に言えるのは、クラウドワーカーよりも一般ユーザーのほうが多いのは確かです。

そういう意味では10パーセントよりも多くて、ただ、ほかに多いのは直接雇用しているライターやアルバイトさんであるとか。

あるいは比較的割合が高いのは、パートナーさんといって、ヘアサロンの方々とか、そういった方々からきちんと自前でお出しするみたいなものであるとか。そういったかたちのものであるとか、パートナー系のものが少なくないものでございます。

そういう意味では、バランスとしてはかなりバラけている。その中で一番多いのは、雇用系のライター、アルバイトさんであるとか、そういう部分が一番多いと。全体として一番少ないのがクラウドワーカーとご認識をいただければと思います。

記者38:アルバイト・インターンの方の書かれてる記事の割合というのは全体でどれくらいになるんですか?

小林:いわゆる雇用ライターと区分しているのが、だいたい44パーセントでございます。

記者38:記事数の占める割合という理解でよろしかったでしょうか?

小林:左様です。

記者38:ありがとうございます。

村田マリ氏の責任問題

記者39:通販新聞社のカワニシです。2回目で申し訳ないです。結局のところキュレーション事業を統括しているのは村田さんだと思うんですけど、責任に関して第三者委員会の調査によるというところはわかっているんですが、現段階で守安さんが、村田さんの責任についてどのように考えているかということを教えてください。

守安:はい、キュレーション事業9つの媒体を統括しているのが村田で、MERYを統括しているのが中川という構成になっております。会社としての最終責任はCEOの私にあると思っているので、現段階で誰が一番問題なのかと言われれば、これは私になるかと思っております。

記者39:今までキュレーションの記者会見などで、いつも村田さんが説明をされていたわけで、今の段階でもある程度こういうところに関わっていたということがわかっているんじゃないか思うんですけど、そのへんはいかがですか?

守安:現段階において、誰がどこまで把握して、どのような原因でマニュアルが作られたのかとか、そのあたりまでの調査が進んでいないというのが実態でございます。

記者39:マニュアルについてなんですが、DeNAさんが買収される前にあったいうところも確認できていないんですか?

小林:そちらについては確認できておりません。

記者39:わかりました、ありがとうございます。

記者40:産経新聞のオオツボです。最初のほうでうろ覚えになってしまったんですが、ほかの役員さんの処分も進めるというひと言があったような気がしたんですけど、それは人事的なものでしょうか、報酬的なものでしょうか。

守安:役員だけでなくて従業員においても、不適切なものがあれば、人事制度に則って適正な扱いが必要だと考えております。

記者40:これは報酬と人事両方ということですか?

守安:現時点においては未定になっております。

キュレーション事業立ち上げ時の反省

記者41:フリーランスのイシノと申します。お話を聞いていると、守安さんはキュレーション事業の記事の内容にまったく興味がなかったように聞こえてきて、中身の件が問題になるまでまったく把握されていなかったように思えます。

以前、モバゲーとかソーシャルゲームをやられていたころは、先ほど南場さんがおっしゃっていたように、サービスの中身をものすごく重視するような方だったと記憶しています。守安さんの経営方針で何か変わられたところがあるのかお聞かせいただければと思います。

守安:今回、例えばアプリの使いやすさとか、サイトのUIとか、そういったところの良し悪しについて話したことはあったんですが、媒体の数が増えていくなかにおいて、とくに最初に参入したものが女性向けファッションとインテリアということで、私自身が一般のユーザーとして対象ではないものであったことから、中身のコンテンツに関してどうこう言うのは適切ではないということで、サービスが使いやすいとか、そういった視点においては見ておりましたが、記事の内容自体がどうかということに関しては、あまりタッチできていなかったと。興味を示していなかったと言われれば、そうかもしれないと思っております。

記者42:時事通信のイシダと申します。社長に質問なんですけど、著作権に関して不案内だったという状況があって、ちょっとグレーなものがあるぞと事前にわかっていたと。

不案内であれば、その時点でより強い体制を作ることができたはずなのに、なぜそこに思いいたらなかったのか、誰かが邪魔をしたのか、なぜ思いとどまってスルーしてしまったのかがいまいちよくわからなくて、ちょっと説明をいただけたらと思います。

守安:これは本当に著作権者のみなさまに対する配慮が足りなかったということに尽きるのかなと思っております。

当然、法的な部分での判断もあるかと思うんですけど、やはり一番足りていなかったのが、もとのコンテンツを作られている、お持ちになっている方々への配慮と相談というところが足りていないのが企業として問題だったんじゃないかと考えております。

記者42:もうちょっと詳しく教えていただきたいんですけど、配慮が足りなかったというのは、どういう判断をした、どういうふうに考えたという部分がわからないので、何を考えて、「これでいいだろう」と思ったのかというところをしっかり説明していただけたらと思います。

守安:キュレーションという性質上、いくつかのコンテンツを寄せ集めるわけなんですが、寄せ集め方としてどのようなものが適切であるのかというところは、おそらくもとのサイトの方によってカンファタブルなものもあれば、それは困るというものもあると思いますので。

どのようなものまでが許されるのか、社会的通念として一般のラインが引けるのか、あるいは個々のサイトの方とお話すべきなのかを含めて、どのように考えていくべきかということろをもう少し考えて検討して進めてゆくべきだったと思っております。

そのような確認体制が取れなかったところが非常に申し訳ない、反省しなきゃいけないと思っております。

記者42:何か急ぐ理由があったとか、そういうことでもないんでしょうか? サービスをより早く展開するために固執しすぎた面があったとか、そういうことはあるんでしょうか?

守安:そういう意味で、成長を求める中において、そういった部分の体制のチェックやサービスの作り方、管理体制がやはりおろそかになっていた面があると反省しております。

記者42:あと、社内プロジェクトのやることをもうちょっと教えてほしいんですけれども。これは会社で設定できる期限があると思うのですが、そこらへんの考え方を教えていただきたいのと、同じような内容を調査するのであれば、かぶってしまうと矛盾が出てくると思うんですけども、どのようにするのかもう少し整理していただけると助かります。

守安:今回、社員について検討していきたいと思っていること、これはまだ具体的にメンバーや内容範囲が決まっているわけではないんですが、若手の社員を中心にDeNAという企業文化・カルチャーを、何が問題でどこを変えていくべきなのかを議論していきたいと考えております。

記者42:結論を出すまでの目処はあるんですか?

守安:まだ範囲が決まっておりませんので、正確ではないんですが、これも2ヶ月、3ヶ月ぐらいのスパンで考えていきたいなと思っております。

記者42:ありがとうございます。

守安氏・役員・事業責任者の今後の対応

記者43:日経BPのカネコです。役員報酬の減額を発表されましたけど、今日会見をいろいろうかがって、結局わからないことばっかりなんですよね。

この段階で守安さんの役員報酬減額がなぜ妥当なのか、いまいちわからなくて。なぜあの段階でとっとと発表したのか、もしかしたらパフォーマンスなんじゃないかと。

とりあえずここでガス抜きしとこうかというので出されたんじゃないかなという気がちょっとしておりまして、そうじゃないというのをご説明いただきたいと思います。

守安:そうですね、当然そのようなことではなくて、やはりこれだけ社会のみなさまにご迷惑をおかけしましたので、処分というよりは自主的に申し出まして、このようなことが必要だろうということで私自身が考えて判断しものでございます。

記者43:これで幕引きじゃなくて、また全貌がわかった段階で、改めて処分は役員の方もあるいは事業責任者の方も(責任を)取られるという理解でよろしいですか?

守安:はい、必要であれば当然そのような措置が取られると思っております。

記者43:ありがとうございます。

司会者:最後に守安よりもうひと言述べさせていただきます。

守安:今回、キュレーション事業プラットフォームにおきまして、世間の多くのみなさまにご迷惑をおかけしたことを、大変反省しております。

DeNAとしても今回のことを契機として、みなさまに認めていただける、信頼していただける企業に生まれ変わりたいと強く思っておりますので、応援していただきたいなと思います。最後に改めてすべての関係者のみなさまにお詫びを申し上げたいと思います。誠に申し訳ございませんでした。