「仕事」はおカネを稼ぐためだけのものじゃない

亀山敬司氏(以下、亀山):じゃあ次、ちょっと適当に後ろにマイク回して。受け取って、喋りたかったら喋ればいいし、いやだったら隣の人に渡して(笑)。おっ、何かある?

中学生:儲けたお金は何に使うんですか?

亀山:そうだねえ〜。ほとんど全部、次の事業に使うよ。生活費は抜いてね。みんなはお金持ちになったら、すんごい生活してるとか思ってるんだろうけど、そんなに変わんないよ。

石川に帰ったときは、レンタカーを借りて、8番らーめん食べて、DVD 1枚借りて、観て、寝るって感じ。

じゃあ、なんで儲けるのかっていうと、俺はビジネスをやるのが好きなんだよ。新しいものを作ったり、いろんな人と仕事をしたり、そうやって稼ぐことがすごく楽しいんだよね。おいしいものを食べるとか、いい車に乗るとかよりも、ぜんぜんそっちのほうがおもしろいね。

君たちは「仕事は生活や遊びのためにやってる」と思ってるかもしれないけど、ハマればこれがけっこう楽しいんだよ。遊びより楽しいかも。

ウチのバアちゃんも今は働く必要がないのに、社員食堂でうどん作ってる。楽しそうにやってるよ。君たちのジイちゃんバアちゃんも働いてない? 人に必要とされるのはいくつになってもうれしいもんなんだよ。

ロボットが増えて仕事がなくなっても、だぶん今の日本なら食べてはいけるよ。生活保護ってのがあるし、将来は国民全員に生活費がもらえるようになるかもしれないからね。

でもさ、何もしなくて、おカネだけ貰うのって嫌じゃない? どうせなら仕事で誰かに喜ばれて、おカネを貰いたいよね。働いて貰ったおカネは、自分の仕事が他人の役に立った証明だからね。

だからね。「仕事」はおカネを稼ぐためのものだけじゃなく、誰かに「いいね!」って言ってもらいたいためのものでもあるんだ。

孤独になれる勇気が大事

はい、次行こう。誰マイク持ってるの?

中学生:KC(DMMが運営している地元のビデオレンタル店)に、もっとジャニーズのDVDを置いて欲しいです。

亀山:そうだね、ジャニーズはインターネットの配信をしてないから、DVDで観るしかないよね。KCは品揃え悪いか、やっぱり(笑)。ジャニーズだとDVD買ったりする? お金払う?

中学生:するする、払います!

亀山:そうか。ミュージシャンはCDもDVDも売れなくなってきてるから、買ってあげて欲しいんだよね。でも、お勧めはAmazonだね。たぶんお父さんとかに言って、Amazonで買ってもらったほうがいい。KCより早くて品揃えがいいと思うよ(笑)。

中学生:将来、ビジネスを成功させるにはどうすればいいですか?

亀山:やっぱり人がやらないことをやっといたほうがいいよ。たぶんこの中にもちょっと浮いてる奴っているんじゃない? やることがちょっと変わってるとか、空気読めない奴とかっていない?

でもね、空気読めない奴ってのは、そいつがおかしい奴なのか、実は周りがおかしいのか、わかんないわけよ。でも、みんなは多数決をとって40対1になった時に、40人の側につく方が安心するじゃない。どっちが正しいか迷っても、1人の味方になるのは勇気がいるよね。

事業をやりたかったら、そういう孤独になれる勇気が大事だね。だってみんなと同じ考え方で、同じ方向行っててもさ、その中で新しいことはできないじゃない。

別にあまのじゃくになればいいってわけじゃないけど、今だと英語を勉強するより、人のやらない中国語やスワヒリ語を覚えたほうがビジネスではうまくいきやすいよ。

みんなの中でさ、ちょっとはぐれて寂しい思いをしてる奴もいると思うんだ。そんな奴は「俺、居場所ないんじゃね?」とか「自分はなんかおかしいのかな?」とか、思ってない? でも、大丈夫だよ。オレも中学生のときは友達が少なくて、仲間外れだったんだ。だけど、大人になったらちゃんと仲間ができたよ。

結局さ、君たちのいる世界っていうのは今、自分の家と、この学校の2つぐらいしかないよね。あとは行き帰りの道。そんなすごい狭い世界の中で生きてると思うんだ。

でもね、大人になると、いろんなところに行けるし、いろんな人に会えるよ。必ず同じ思いの仲間に出会えるよ。

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