トクホの大人気商品は……?

ひろゆき:では、次のカテゴリーいってみましょうか。どのカテゴリーがいいですか?

渡辺:トクホですね。

ひろゆき:トクホですか。食パンとかいってみますか?

渡辺:ヘルシア。

ひろゆき:ヘルシア緑茶。結構有名ですよね。

渡辺:有名ですね。これはトクホというもんですね。

ひろゆき:トクホ。特定保健用食品。

渡辺:これは厚生労働省が一応許可した物なんです。ですから考え方としては、医薬品と食品との間のような。

ひろゆき:完全に「食品」だっていうものと、風邪薬として売っているやつは薬です、と。これはその間の、何だかわからない物ですね。

渡辺:間。だから、ちょっと曖昧な効果があるような。

ひろゆき:効果はあるんですか?

渡辺:効果は多少ある。例えば、脂肪を消費しやすくするって表示されてますね。これは厚生労働省が「こういう表示をしていいですよ」って許可してる。だけれども、脂肪を消費しやすくするって言われても、ちょっと意味が曖昧ですよね。

ひろゆき:飲んだら脂肪がガンガン減っていくのか、いっぱい飲んだら痩せるのか、みたいな感じですね。

渡辺:うん。ただ、がんがん減るまでいかないんです、穏やかな作用しかないですから。やっぱり医薬品に比べればずっと作用が弱いので、それほど大きな効果はない。

摂取の仕方によって大きく効果が異なることも

渡辺:それから、この黒烏龍茶って書いてますよね。これもテレビでもうバンバン宣伝やってますよね。これは脂肪の吸収を抑える。今ちょっと肥満気味の人が多いですから、非常に人気があるんだけども。

ひろゆき:脂肪の吸収を抑える。これは、ある程度脂肪の吸収は抑えるんですか。

渡辺:抑えます。これは人間である程度確認されているんで。だから、法律に触れるとかそういうことでは全くないんですが、ただ、抑えるっていっても、食べた後にこれを飲んでも効果はないんです。食べ物と一緒に飲まないと。

ひろゆき:これを飲みながら食べないと意味がないんですか。

渡辺:そう。

ひろゆき:ラーメン食い終わって、「いやー食った食った」って後に、黒烏龍茶買って飲んで、口ん中さっぱりしても別に意味がない。

渡辺:そう。でも普通は食べてから飲むでしょ。食べながら飲むっていう人はそんなにないですよね。だから、ほとんど効果がないんですよ。だから、黒烏龍茶を後で飲むからいっぱい食べていいや、って思ってたくさん食べちゃうと、かえって脂肪吸収されちゃいますから、肥満につながるっていうこと。それから、これ一緒に食べて確かに多少吸収されなくなるんですけど、20パーセントとかその程度なんですね。

ひろゆき:でも、吸収量が20パーセント減る。

渡辺:減る。でも、これ飲むからいいやと思って、3割とか4割普通より多く食べれば、かえって脂肪が増えてしまうということがありますから。そこら辺です。

ひろゆき:じゃあ、ちゃんと意識して、食事と一緒に飲んで食事の量も変えないんだったら、これは結構意味がある。

渡辺:ただ、どうしてもそういうふうにこれに期待しちゃう部分があるでしょう、飲んでると。そうすると、やっぱり人間というのはいい加減なとこがあるから、自分でセーブできなくなって、果たして、それで本当に肥満を解消できるのかとかメタボを防げるのかというと、非常に疑問です。

ひろゆき:じゃあ、メンタルが弱い人はやめたほうがいいけど、別に俺はこれでいけるぜっていう人だったら、太っている人で脂肪をこれ以上摂る必要がないっていう人だったら、これと一緒に食べる分にはオッケー。

渡辺:ある程度はいいかもしれないですね。

ひろゆき:成分としては、これは。

渡辺:これはそんなに問題はないですね。

ひろゆき:ポリフェノールが入っていると。黒烏龍茶。

北村:このトクホを厚生省(現:厚生労働省、以下同)側で決めたのは1991年でしたか、91年かな。そのちょっと前に僕はたまたま新聞社にいて、厚生省の担当で取材してたんです。

トクホつくるっていうから、担当の官僚に、何でそういうことをやるんですかと聞いたら、アメリカがサプリメント、そういう物を日本にたくさん売りたいと。ところが、日本では法整備ができてないから、なかなか売れない。日本で売りやすくするために、しかし、一応厚生省も市民の健康は考えますから。じゃあ、このトクホという制度をつくりましょうみたいな。

だから、サプリメントもそうなんだけど、結局アメリカが日本にそういう物をたくさん売りたいというのが、もともと根底には、前提としてあったんですね。

ひろゆき:でも、アメリカで禁止されてる着色料が日本では普通に使われたりしますよね、本に出てましたけど。

北村:ただ、アメリカがやめるっていうとやめちゃったりするんですよ、一緒に。同じ時期に。それは食品添加物。

体に悪くないけど、割高なもの

ひろゆき:飲み物で、午後ティー(午後の紅茶)はどうなんだっていうのが挙がっていましたけど、どうなんでしょう。

渡辺:午後ティー、午後の紅茶っていうのは今、紅茶飲料の中で一番飲まれて、いろんなシリーズがあるんですけれども、その中でこれはちょっと特殊といえば特殊なんで。普通は午後の紅茶ストレートとかミルクティーですよね。これはその午後の紅茶シリーズの中の、唯一のトクホなんですけども。

ひろゆき:トクホの物もあるんですね、午後ティーに。

渡辺:ええ、これはトクホなんです。これは糖の吸収を穏やかにする。なぜそういう効果があるかっていうと、難消化デキストリンっていう、わかりますか。

ひろゆき:わかりませんね。いきなり言われてもわかりませんね(笑)。

渡辺:難消化ですから、難しい消化。

ひろゆき:難しい消化。

渡辺:デキストリンっていう、要するに消化されないっていうものです。

ひろゆき:デキストリン。字的にはこの難消化デキストリンで合ってますね。

渡辺:それで正解です。

ひろゆき:難消化性ですか。

渡辺:難消化性です。すみません。性が入るんですけど。つまり、消化されにくいデキストリンということ。デキストリンというのはブドウ糖が結合したもので、その難消化性デキストリンというのは、食物繊維の一種なんです。食物繊維っていうのは糖の吸収を穏やかにする。つまり、糖を血管に入りにくくするっていう作用がありますから、それを入れてるのでトクホになったということです。

ひろゆき:でも、それって、消化に時間がかかるだけで、最終的に時間がかかって同じカロリーが吸収されるんじゃないんですか。

渡辺:そう。ただ、多少食物繊維に絡めとられるっていうふうな部分もありますから、それが。

ひろゆき:絡めとられてそのまま排泄物として出る場合もあるので。

渡辺:それから、急激に吸収されるのがやっぱり問題なわけです。

ひろゆき:そうなんですか。

渡辺:血糖値が急に上がると、その影響でインスリンが過剰に分泌されて、それが糖尿病につながるので。

ひろゆき:過剰な糖をとると体内でインシュリンがいっぱい出てしまうので、糖尿病になりやすくなってしまうと。

渡辺:そう。だから、糖の吸収を抑えるっていうのはそれなりに効果はあるとされ……。

ひろゆき:じゃあ、これ悪くないんですね。

渡辺:ただ、これは何が問題かっていうと、まず一つは別にこれを飲まなくてもほかの食物繊維を含む野菜ですとか、きのこですとか、海藻はいっぱいありますから、そういう物を一緒に食べたほうが。

ひろゆき:ほかの物食えと。

渡辺:そういうことです。そっちのほうが食物繊維を……。

ひろゆき:そうすると、別にこれは悪くないっていうことですか(笑)。

渡辺:悪くないというだけで。

合成甘味料が低カロリーであるカラクリ

ひろゆき:買ってはいけないほうじゃなくて、ほかに安い物があるよねっていう話ですか。

渡辺:ただ、これはアセスルファムカリウムっていう合成甘味料を使っているんですよ。

ひろゆき:アセスルファムカリウム。

渡辺:初めて聞いた言葉かもしれないですけど……。

ひろゆき:初めて聞きますね。日常的でそんな会話してるんですか(笑)。

渡辺:うん。今飲料の表示をよく見てる人はこのアセスルファムカリウムっていうのは知っていると思います。今かなりのいろんな商品にこのアセスルファムカリウムっていうのが使われてるんです。なぜかというと、ダイエット甘味料なんです。つまり、カロリーになりにくい。今、カロリーを気にしている人って非常に多いですよね。ダイエットしている人とか。

ひろゆき:人工甘味料系。

渡辺:そう、そういうこと。

ひろゆき:アスパルテームとかそういう系ですね。

渡辺:これは体内に入っても分解されないんです、全く。

ひろゆき:甘いけども、それは体内に吸収されないから。

渡辺:だから、舌を刺激するだけなんでしょうね。

ひろゆき:おお、優秀じゃないですか。

渡辺:いやいや、優秀じゃないですよ。つまり、それが異物となって体をぐるぐるめぐるわけですから。その異物っていうのは、やっぱり基本的に体にとってあんまりよくないと思うんですよ。

ひろゆき:それは回収、排泄はされないんですか。

渡辺:排泄はされますけれども、やっぱり1日、2日ぐらいかかるんですね、排泄されるまで。だから、尿から排泄されるので、一旦完全に腸から吸収されるわけですよ。

ひろゆき:血液の中に入って、その後腎臓を通って出るので、その間に体内でどういう効果を発揮するかはまだわからない。

渡辺:効果を発揮するか害を発揮するかがよくわかってない。

ひろゆき:とりあえず、じゃあ、今の人たちがいっぱい買って飲んで、人体実験した後に大丈夫だったら僕らも飲めばいいし、ダメだったらご苦労さんって。

渡辺:これ認可されてからまだ10年ぐらいしかたってないので、あんまり歴史がないんです。だから、今ちょうどみんなの体で試されてるような状態なので。

それから、犬の実験では、肝臓障害のときに増えるGPTっていうのがあるんですけども、それが増えてしまったり、それから、リンパ球っていう免疫をつかさどってる細胞があるんですけど、それが減ったりするっていう実験データがあるんですよ。だから、体に多分よくないと思うんですね。

ひろゆき:それ、犬で減るっていうことは、人間も減る可能性が高いんじゃないですか。

渡辺:高いと思います。だから、ちょっとやめたほうがいいだろうっていうのが私の……。何でそんな砂糖が甘くおいしく感じるのかっていうのは、それが体にとっていいからでしょ。体にとってプラスになるからでしょ。肉がおいしいのも、あれはアミノ酸ですから、もともとある。アミノ酸は体にとって必要ですから。体に栄養になる物はおいしく感じるわけですよ、でも……。

ひろゆき:そうすると、それが甘いと感じておいしいんだったら、体にいいんじゃないですか。

渡辺:だから、そこが不思議なとこなんだけども、これは変な甘さを感じさせるんです、ちょっと苦味があるような。刺激だけして栄養にならないっていう、そういう物自体が根本的におかしいというふうに思うんですよね。

ひろゆき:じゃあ、あと10年ぐらいして人体実験の結果が出たら、安心して食えるものなのかどうかわかると。

渡辺:その間に、ひょっとして禁止になるかもしれない。それはわからない。

「摂りすぎるとお腹がゆるくなる」は、合成甘味料のせい

ひろゆき:じゃあ、次いってみましょうか。次はどんなジャンルいきますか。

渡辺:このヘルシアの中にも最近出た、この宣伝やっている……。

ひろゆき:ヘルシアってお茶かと思ったら、とうとう水にもなるんですね。

渡辺:いや、このヘルシアウォーター、もう大分前から出ていますね。これはやっぱり同じように茶カテキンが入ってて、脂肪を消費しやすくすると。それから、これは最近宣伝やってますよね、テレビでヘルシアスパークリング……って。

ひろゆき:ヘルシアウォーターってこれ、水じゃないんですか?

渡辺:基本的には水ですけど、いろいろ入っているんですよ、糖分ですとか。

ひろゆき:水にお茶抽出分の茶カテキン、エリスリトール、グレープフルーツ果汁、ぶどう糖、食塩、環状オリゴ糖、酸味料、香料、ビタミンC……。ジュースじゃないですか、「ヘルシアウォーター」って名前ですけど。

渡辺:名前はウォーターですけど、ジュースっていうか清涼飲料水です。これはエリスリトールっていう甘味料が入っているんですけど、これは消化されないので、おなかが敏感な人はおなかを壊す場合があるんです。だから、ここに「体質や体調によって飲みすぎるとおなかがゆるくなる場合があります」っていう注意表示。

ひろゆき:じゃあ別に、ヘルシアで脂肪を消費しやすくなる、っていうところは問題ないと。その甘味料で変なもん使うからまずい、っていう話なんですか。

渡辺:まずそれです。それからもう一つ、スクラロースっていうのが入ってるんですけど、これもさっきのアセスルファムカリウムと同じで合成甘味料なんです。体の中に入ってきて、やっぱり全然分解されなくて、異物となって、やはり同じように何らかのよくない影響を及ぼす可能性があるのでやめたほうがいいだろうと。ヘルシアも同じです。これもエリスリトールとスクラロースが入ってますので。

ひろゆき:ヘルシアスパークリングは、それに炭酸が増えてるだけと。

渡辺:ということですね。

ひろゆき:それ、大丈夫な飲み物ですか。

渡辺:これはウーロン茶ですよね。

スタッフ:普通のお茶。

ひろゆき:(笑)。大丈夫なのか、不安になってくるんですけど。

渡辺:普通のお茶やウーロン茶を飲んでいる分にはそんなに問題はないと思います。

「人工」食物繊維は体にどう影響するか

ひろゆき:わかりました。じゃあ、次のジャンルいってみますか。

北村:インフルエンザ。

渡辺:インフルエンザ、もういきますか。

ひろゆき:ほかに紹介したい飲み物とかあれば。そのでかいペットボトルとかいきますか。でも、こういうスポンサーを気にしない番組が、ニコニコ動画で出来るのがいつまでかって。

渡辺:ファイブミニってありますよね。

ひろゆき:大塚製薬の有名な。

渡辺:さっきファイブミニを飲んだらブツブツできたっていうコメントが出ていたんですけども。私は、あくまでも私の個人的な感想ですけど、1回試しに飲んだことあるんですよ、以前。ちょっと飲んでみようかと思って。

そうしたら、ものすごくおなかが痛くなったんです。個人差がありますから、何ともない人もいっぱいいると思うんですけども、これかなりたくさん、年間6,000万本ぐらい売れている商品なんで、人によってはそういうおなかが痛くなったり、さっきみたいにブツブツができたり、そういう人もいるんです。

ひろゆき:そんな特殊なもんが入ってるんですか? ただの食物繊維じゃないんですか?

渡辺:これは、ポリデキストロースっていうんですけど、これは人工的につくられた食物繊維なんです。それからあとコチニール色素とか、酸味料ですとか、香料ですとか、結構いろんな物が入ってるので。

ひろゆき:例えば下痢になるとかっていうのだと、食物繊維の問題ですね。

渡辺:そうです。よくご存じですね、ポリデキストロースの問題です。やっぱり摂りすぎると消化されないのでお腹がゆるくなったり、お腹が痛くなってしまう。

ひろゆき:何でこれ、天然の食物繊維を使わなかったんですか? それ使えば別に問題なかったわけですよね?

渡辺:供給の問題だと思います。わりと安く大量に生産できる、そういうことだと思います。

ひろゆき:そうなんだ。野菜ジュースとかの搾りかすとかを買ってきて、安くつくるわけにいかないんですかね。

渡辺:そういうふうにしてるメーカーもあると思います。

ひろゆき:そうでしょ。

渡辺:ただ、それはメーカーごとに戦略があって、この大塚製薬ではポリデキストロースを使うと。

ひろゆき:手間がかかるんじゃない、とかコメントで書いてますけど。

渡辺:そうですね。これかなり古い商品でしたから、最初は多分、このポリデキストロースが使いやすい、っていう判断だったと思うんです。手に入りやすいとか、値段が安いとか、そういうことだと思います。

ひろゆき:まだ売っていたんですね、ファイブミニ。

渡辺:これは今でもすごく売れてると思いますよ。

ひろゆき:そうなんですか。20年ぐらい前からありましたね。

渡辺:今でもかなり売れてますよ。

ひろゆき:食物繊維をとるためにお金を払うんだ。

渡辺:そう、そこら辺が不思議だと思うでしょう。

ひろゆき:だって、食物繊維が入ってない食べ物を食べるほうが大変じゃないですか。野菜とか食ったら、ねえ。

渡辺:そうそう。ただ、今は野菜不足って言われてるでしょ。そういうのをこれでカバーしようっていう発想なんだけども、でもポリデキストロースをとれば食物繊維が全部補えるかっていうと、ちょっと違うと思うんですよね。

食物繊維っていうのはいろんな種類があって、水に溶ける水溶性と溶けない不溶性とあるんだけれども、そういういろんな食物繊維をとることによってバランスがとれて、腸の働きもよくなると思うんです。それが本当はいい形だと思うんだけど、それが大変だからってこれ1本でとろうとすると、逆に偏ってしまってよくないんじゃないかなと思います。

ひろゆき:それ飲むぐらいだったら、缶の野菜ジュースとか飲んだほうが、ビタミンAとかCとか入ってるじゃないですか。

渡辺:そう、そこら辺は私もそう思います。

ひろゆき:でも、黄色い科学的な液体が好きな人は世の中に多いと。

渡辺:多いんですよね、売れてますから。ただ、野菜ジュースを飲んで、私おなかが痛くなるっていうことはないんですよ、食物繊維が入ってても。それから、先ほどの人のように野菜ジュースを飲んでブツブツができるっていうことはないと思うんです。でも、こういうのを飲むとそういうふうな人が出るっていうことは、やっぱり何かよくない面が内在してるんだろうと。

ひろゆき:多分、その色と形が体によさそうな感じなんでしょうね。

渡辺:うーん、そこら辺は。

ひろゆき:自然にはないような形と色ですけど。

渡辺:おしゃれに見えるんでしょうね、多分。

ひろゆき:別に瓶がおしゃれだからって、中の物飲んで、その人がおしゃれになるわけないじゃないですか。

渡辺:そこら辺がイメージの問題なんだと思いますけど。

制作協力:VoXT