ジーユーの10年の軌跡と成長戦略

柚木治氏(以下、柚木):ジーユーの柚木でございます。では、私からご説明させていただきます。

“ファッションをもっと自由に。”これはあらゆる人にファッションをもっと自由に楽しんでいただけるようにしますというジーユーのブランドメッセージであり、お客さまとの約束です。

10年の軌跡、簡単に振り返りますと、ちょうど10年前に1号店をオープンいたしまして、2009年に「990円ジーンズ」、そして2011年からファッションへ大きく軸足をシフトしまして。2013年9月には海外初の1号店、上海にオープン。2014年8月期には1,000億円を突破。

そして、いろいろございましたが、ちょうど本日10月13日に、ジーユーブランドが1号店誕生からちょうど10周年を迎えております。

目指すは“売上1兆円企業”

今後の成長目標ですが、売上1兆円企業になるということを目指しております。

この2016年8月期の数字は、先ほど岡﨑からも説明がございましたように、売上1,878億円、営業利益222億円、営業利益率11.8パーセントということで130パーセント超の増収増益を達成することができました。

これからの10年でブランドと企業をすべて作り変えて1兆円企業になるということなんですが、ちょっと補足させていただきますと、今までの10年についてはファーストリテイリングのインフラをベースに、数々の幸運にも恵まれ、非常に順調に成長してきたと思っています。

しかしながら、この10年はもともと存在していたお客さまの需要をうまく捉えた、逆にいうと捉えたにすぎないと思っています。

具体的には、日本発のファストファッションというものがニーズがあったわけですけれども、案外誰もやっていなかったと。それを我々がいろいろ試行錯誤をして変化を続けながら探り当ててきたというのがこの10年だったと思っています。

ただ1,800億円にきて、ある程度で日本でのポジショニングもあって、このかたちを伸ばして維持していくというのが普通の会社だと思うんですけれども、そうすると2,000億〜3,000億円ぐらいでその需要というのは終わるんじゃないかなと正直思っております。

この「1兆円」というのは、そういう普通には企業には我々は決してならないという、社内外への決意というか宣言だと捉えております。

ですので、すべて作り変えると。ブランドのポジショニングから、そのビジネスモデルから、1つひとつの要素。あるいは社員のあり方、仕事の仕方。

答えは簡単には言えないんですけれども、「こんなファッションブランドあったんだ」と。あるいは「こんなファッションの楽しみ方あったんだ」というような、今まで見たことないものを作って需要を創造すると。

そうしないと1兆円にはいかないと思っていますし、そうすることで1兆円は必ず達成できると思って、日々このことを考えて取り組んでいるということでございます。

「ファッションと言えばGU!」の実現へ

次に主要領域をご説明しますと、最旬リアルファッションを幅広く提供し“国民的ファッションブランド”になると。ロンドン・東京のR&Dセンターの連動でトレンドの情報を的確に捉え、最旬でかつお客さまのリアルニーズのファッションをスピーディに商品化して提供。

ウィメンズ、メンズ、キッズのラインナップおよびスポーツ、グッツの商品構成を拡充し、顧客層を拡大。1人あたり購入額の向上を実現。

低価格は生命線ですので、機動的な素材調達と生産調整を確立していく。そして、あらゆる人にとって「ファッションと言えばGU!」になる。

この国民的ファッションブランド。これもありそうでないといいますか、ファッションというのはあらゆる人が着てしまうとファッションでなくなる、オシャレでなくなる、みたいな今までの概念があるんですけれども、我々そういう常識を超えたかたちを実現したいと思っています。

次に、日本市場では大量出店、高い成長と高収益を継続。

まだまだ出店できますので、年間40〜50店舗の出店を継続します。また古くなった店、小さい店、立地がよくない店も存在しますので、スクラップ&ビルドを進め最適な配置。そして1店舗1店舗効率的な配置にしていきます。

大型店を積極出店しまして商品構成を拡充する。そしてブランディングを強化していきます。また店舗オペレーションの効率化も推進し、収益性を高く維持してまいります。

デジタルマーケティングの進化とEコマースの拡大

次にデジタルマーケティングの進化とEコマース事業の拡大です。もうスマホを中心としたデジタルマーケティングの時代になってると思うんですけれども、これを強化していきます。

デジタル会員数をさらに増加。今もかなり顧客をカバーしてると思うんですが、日本中で買っていただける可能性があるお客さま全員とデジタルでつながるぐらいに増やすと。そしてパーソナライズされた情報サービスを提供。

また顧客との双方向のコミュニケーション。お客さまが発信される声も商品・商売につながりますし、その声がまたほかのお客さまにも輪となって広がっていくというようなことです。

ECの利便性を大幅に改善。サイトやアプリのコンテンツおよび機能性を強化します。配送や決済のサービスレベルを向上。お店で買ってもECで買ってもまったくシームレスにストレスがない。さらには商品構成を拡充していきます。

そしてECの売上構成比、現在約5パーセントなんですけれども、これを中期的には30パーセントへ高めてまいります。

そして海外事業の拡大です。2013年、先ほどありましたとおり、海外進出を果たしまして、現在中国と台湾に11店舗。そして両国でEコマースを展開し、海外でのノウハウを蓄積しております。

やはり事業を拡大していくには、日本でもそうであったように、経営者を育成していく、人材を強化していく、これがすべてのベースになると思いますので進めております。

さらにグローバルでのブランディングを高めるマーケティングを推進してまいります。

そして海外での出店エリア。これをまずは中国と台湾に注力しておりますが、さらにはエリアを拡大してまいります。3年後に海外店舗は約50店舗。売上構成比がジーユー全体の10パーセントを目指しております。

GU×ユニクロの相乗効果で世界No.1を目指す

最後になりますが、ジーユーはグループの第2の柱です。

ジーユーはユニクロとは競合せず。これはいつもいろんなさまざまな方から聞かれるんですけれども、競合しない。現にユニクロとジーユーを隣同士で出してるお店たくさんあるんですけれども、そうすると両方よくなる。ですので、今後は増やしていくという方針で現に進めております。相乗効果を発揮し、両ブランドで世界No.1を目指してまいります。

大まかなところをいいますと、ユニクロは「LIfeWear」「ベーシックファッション」「高品質・高機能性」「リーズナブルな価格」。これに対してジーユーは「ファッションを、もっと自由に」「トレンドファッション」「安心品質」「低価格」です。

現在は、先ほど申し上げたように、相乗効果を発揮しておりますので、今後さらにそれぞれのポジショニング極めていくことで、いっそう相乗効果発揮すると思いますし、それを国内・海外に展開して、両ブランドで世界No.1を目指していきたいと考えております。

私からのご説明は以上です。ありがとうございました。