第1バイオリンとなってオーケストラにしていきたい

小池百合子氏(以下、小池):みなさん、おはようございます。出陣のときがやってまいりました。本日、東京都知事選挙の候補者として立候補しております、小池百合子でございます。よろしくお願いを申し上げます。

立候補に伴いまして、これまで参議院、衆議院、24年間働いてまいりました国政を離れることになり、まさしく1人の人間として組織、そしてなんらかのしがらみ、それを超えて、この都知事選に、これから邁進(まいしん)をしていくところでございます。よろしくお願いを申し上げます。

4年間に3人の知事が変わり、さまざまな問題が起こりました。こういった都政で、そのまま続いて、2020年東京オリンピック・パラリンピックを迎えるわけでございますが、ここは今だからこそ、この東京を大改革し、そして未来の東京を都民の手で、都民による都民のための都政へと取り戻していきたい、そういう思いで立候補いたしました。

今日、この出陣式には、ただいまの高野豊島区長、そして衆議院議員の若狭勝さんも駆けつけてくださいました。

私を応援すると一族郎党罰するということでございますけれども、しかしそれを乗り越えて、ここは東京を変えねばならぬ、クリーンでクリアにしなければならない、そんな思いで私を応援しようと駆けつけてくださった、その覚悟と信念には心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

また、東京10区において私をお支えいただいたみなさま方にも、今日、この場に多数お越しいただいております。「やっぱり小池、この都政で立て」。そういう思いで暑いなかご参加いただいてること、改めて感謝を申し上げます。

組織のバックアップがございませんと、さまざまな課題がございます。目の前の現実的な問題、例えば卑近な例で言うとポスターを貼るなどということも、なかなか容易ではございません。東京都内に1万2,000ヵ所以上貼ります。

これまでは区議団のみなさん、都議のみなさんが一斉にワッとやってくださいましたが、今回は私と共に、この東京を変えねばという思いで、豊島区議団の覚悟を決めた仲間が私をサポートしてくれている。

それに加えて、拾う神も出てくるんですね。ありがたいことに東京のあちこちから、区議さん、都議さんが、ここは東京を変えていこう。一緒に頑張りましょうという方々が、毎日どんどん、あふれてくるように出てきていただいているわけでございます。

改革の同志が、今各所でポスター貼りをやっていただいているというような状況。私はそれだけに、この戦い、厳しいです。これまで9回選挙をしましたが、これまでの選挙のなかで一番厳しいです。

1,350万人の、この大東京。そして年間予算は13兆円。一国の予算に匹敵をいたします。都庁の職員は17万人でございます。こういった大きな東京で、たった1人で立ち向かう。

しかし今日は、この場にお集まりただいたみなさん。「いえいえ、今日から始まるこの都知事選で、小池を応援してやろうじゃないか」という、そんなみなさま方があちこちから、声を出していただいているわけでございます。私はたった1人ではございません。

私、かつて幼い頃、バイオリンを習っておりました。下手くそでした。でも私は第1バイオリンとなって、みなさまのお力を得て、オーケストラにしていきたいんです。

そして、東京を大改革してまいります。都政をもっと見える化します。透明性を高めます。ガバナンスを明確にします。たった一握りの人が、いつどこでなにを決めてるかわからないような都政を、これをもうやめてまいります。

みなさんからのお預かりしている税金、これもどのように使われてるのか、明確にしなければなりません。そして、行政改革。これも無駄なところはないのか、チェックをしてまいります。そして、東京オリンピック・パラリンピックの関連予算も、しっかりと見ていこうではありませんか。

いつ、誰が、どこでなにを決めてるかわからないうちに、2兆円だ、3兆円だ、お豆腐屋さんじゃないんですよ。もっと明確にし、都民のみなさん一人ひとりが納得し、「よし、やろう!」と言うからこそ、真の東京オリンピック・パラリンピックの成功があると思うんですが、みなさんいかがでしょうか。

東京の長期ビジョン、さまざまな課題がございます。一言で言うと、この東京、これを特区全体と考えますと、女性の問題、介護の問題、教育、そして私が考えておりますスマートシティ、金融ですね、経済ですね、これらをもっと活性化できる。

東京を特区として考えますと、このアベノミクスの、まだもたついてる部分を、東京でそれを先に実現することによって、日本全体を引っ張っていきたい。私は、そう思っておるんです。

誰にとっても住みやすい東京を実現したい

東京大改革を進めるにあたって、私は3つの新しい東京づくり、これを提唱いたしております。

最初がダイバーシティです。英語だと、ちょっとスペルは違いますけれども、一言で言うと女性も男性も、子供さんも、お年寄りも、障害を持った方も、誰にとっても住みやすい、いきいきと暮らせる、そんな街、東京を実現したい。これがダイバーシティでございます。

子育てなのか、仕事なのか、思い悩んで、どっちかを選ばなければならない、そんなことをやってるのは、この日本だけですよ。

そして、子供さんを預かるところがなかなかなくて、「日本死ね!」なんていう言葉が言われております。

そんな育児に関する課題。私は女性の観点から、ぜひ働く女性も、子育てをしっかりやりたい女性も、そして子育てで頑張りたい保育士さんも、みんなが納得し、安心できるような、そんな東京にしていきたいと思っております。

また、介護の問題もございます。私も母を自宅でみとりました。そのときに活用したのが地域包括ケアシステム。もっともっと、さまざまな観点から磨きをかける必要があると思っております。

そして、予防医療も進める。さらには東京オリンピック・パラリンピックを前に、受動喫煙問題だって出てるではありませんか。

人々の、みなさんの健康を守る。それを後押しする、そんな東京都である。さらには、それをもっと頼れる東京都にしていきたいと思っております。

介護、育児、そのためには場所が必要です。それは都が有している、さまざまな遊休地を活用する。

先日も市ヶ谷の学校、これが韓国人の学校に変わるという話を聞き、現場を見てまいりました。いい場所です。そこにはむしろ育児、子供の子育ての分野と、高齢者向けの施設と、両方ハイブリッドにしていくというように、地域のニーズに応えることを優先させていただきたいと思っております。

ついでに申し上げますと、私は外国人への地方参政権には反対をいたしております。地方だからいいと思ってるのは、これは大間違いです。

与那国島、国境の島、あそこは1,700名ほどの人口です。たった100票ぐらいで当選するんです、町会議員さんが。なんらかの意図を持った人たちがドーッと押しかけてきたら、いったいどうなりますか。地方自治だからといって、外国人参政権をむやみに与えるのは、私は反対でございます。

また、秩序なき移民。これは、私は反対をいたしております。高度な人材には日本に、ぜひ来ていただきたい。しかしながら、ただただ、うやむやのなかでどんどんと外国の労働者が増えていくということは、これは治安の関係からも大いに問題だと、このように思っております。

ダイバーシティ、一人ひとりが持つ、その力を生かせる東京にしてまいりたい。この思いでいっぱいでございます。

首都直下型地震への備えを万全に

2つ目、これはセーフシティ。セーフ、安全ということですね。テロの問題もございます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックのときも、安心安全でなければなりません。

そして、なによりも首都直下型地震。いつ起こってもおかしくない、こんな状況でございます。木密地域を、これをより安全な街に変えていきます。

かねてから申し上げている無電柱化。これは景観の問題だけではありません。無電柱化によって歩ける場所、通行する場所、安全な通行、これを確保していく。そして、いざとなったときにバタンと倒れてしまう電柱。これは救助の手を妨げてしまうわけでございますので、だからこそ私は「無電柱、無電柱」と、ずっと言ってまいった次第でございます。

さらには、災害のときには水が出ない、お湯が出ない、思いもかけないことがいっぱい起こるんです。

子供のため、乳児のための液体ミルクなどについても、日本で製造できるようにしたい。そんな細やかな心遣いが都民のみなさま方の心をつかんで、「ああ、東京でよかった」。そして「東京で、もっと元気で働きたい」「子育てをしたい」という方がもっと増えてくる。私は、このように思うわけでございます。

そしてまた高齢者の方、元気です。障害を持った方々にも、もっと働き場を考えましょう。ソーシャルファームをつくってまいります。

私は、このように一人ひとりに目配りをした大胆かつ細やかな、そんな都政を進めてまいりたいと考えております。

最後に、これからの東京、ますます日本経済の成長のエンジンとして、そして国際的な地位を考えますと、ずっとこのところ低下してきた、それをもう一度引っ張り上げたいと、このように思っています。

そのためにも中小企業、中堅企業に対しての事業承継。そしてそれを支援する、そんな対応もしていきたいと思っております。

山ほどあります。こんな暑いなかで、私が最後まで政策を申し上げると、大切な有権者がバテてしまいます。どうぞ私のホームページなどで、ぜひみなさん、ありがとうございます、おおつか音楽祭、頑張りましょう。

地域のみなさんが頑張ってこそ、東京は盛り上がります。それぞれの地域、いろんなカラーがあります。町会、そして商店街、地域を支える動脈であり、静脈であります。もっと活性化してまいりましょう。

私が先頭に立てば、みなさんが「よし、一緒にやってやるぞ」と、そんな気持ちになるような政策と、そして実行。それをこの選挙戦中に、みなさま方にお示しをし、たった1人で始める第1バイオリンから、みなさま方がいろんな楽器を持ち寄って、ぜひ大きなオーケストラにしてまいりましょう。

みなさま方の、お支えが頼りでございます。どうぞ、よろしく申し上げまして、第一声とさせていただきます。ありがとうございます。

制作協力:VoXT