自分に合うシステムを作り出せるのは自分だけ
ラシダ・ジョーンズ氏:ハーバードでは、私が卒業してからもずいぶんといろいろなことが変わりました。当時はハーバードには女性の学長はいませんでした。それに今日は黒人やユダヤ人の女性が卒業式のスピーカーとして選ばれています。それはなかなかに歴史的なことです。
それに、ファイナルクラブ(注:ハーバード男子学生のなかでもエリートが集まる団体)が女性を受け入れるという圧力に直面していることも知っています。それには、かの有名なポーセリアンクラブ(注:ファイナルクラブの1つ)がありますね。
「彼らは40歳までに大金持ちにならなかった卒業生に対して100万ドルをくれる」という噂を聞いていましたが、それが本当だったらすばらしいですよね。ですから、彼らが女性を受け入れるとなれば……100万の79パーセントというといくらになりますかね? 誰か計算できる方いませんかね?
(会場笑)
それはいいとして、本題に戻りましょう。みなさんが本能的にルールに従うのを辞めれば、現実的に自分自身を知ることができるようになるでしょう。
過去4年の間に、あなたのアイデンティティはこの大学によってがんじがらめになっていました。自分の周りの人をどれだけ誇らしい気持ちにさせることができたか見てください。
しかし、あなた自身はどうでしょう。あなたに期待されていることのほかに、あなたが本当はどんな人生を歩んでいきたいか、その道を見つけるためにどれだけの忍耐をする準備ができているか。それともあなたは誰かにその道がどれであるか教えてもらえるのを期待しているかもしれません。
あなた方の仲間としてお話しますが、自分が信じてきた道が完全ではなく、欠陥が見えたときは本当にがっかりするということをお伝えしておきましょう。仕事も雇用先も指導者も自分の理想通りにはいきません。
私は若い頃、誰かが自分に休息させてくれることを期待し、祈って過ごしました。誰か、自分より成功していて、知識が豊富で、私が失敗しないで済むように助けてくれる、そんな人です。しかし、誰もが自分の欠点やエゴと戦っているのです。
しかし誤解しないでください。私は幸運なことに、非常な才能を持つ、謙遜な、働き者の人たちとともに仕事をすることができました。それでも、彼らは私の代わりに答えを出すことはできなかったのです。これが単純な真実です。
あなた自身こそが、自分の望む人生をかたち作ることができるのです。そのためには多少のルールを破ることも求められるかもしれません。しかし私はあなたが社会から排斥され、自分の財産を使い果たし、カウアイ島でカイトサーフィンでもするように励ましているのではありません。
まあ、やりたかったらやったらいいとも思いますけども。なかなか楽しそうじゃないですか。
(会場笑)
私が言いたいのは、あなた自身に合うシステムを作り出すことができるのは、あなた自身しかいないということです。しかも、それは今すぐにでも始めなければならないのです。
情報にあふれた現代では同情心を培うことが難しい
2番目の、自分の直感を守るという点についてですが、あなたの直感について私は今から85分間にわたってお話ししたいと思います。
……嘘です。ちょっとだけお話いたします。
(会場笑)