大きな夢に近づく最初の1歩

堀義人氏(以下、堀):ありがとうございます。じゃあ、小澤さんいきましょうか。

小澤さんは本当にゼロからベンチャーを作って大成功させて。楽天に入って、球団を作って、それからまたベンチャーを作って、それがまたヤフ―に買われて……。今や、小澤牧場ということで、さまざまな企業を作ってきた。そこの個人的なエンジェル投資も大成功ですね。

そういう意味で、行動を続けてきた小澤さんですが、今日聞いたことをもとにして、みなさんにできるアドバイスはなんでしょうか?

小澤隆生氏(以下、小澤):まずひと言、みなさん褒めます。この変人ども! 変人はいいですね。

とにかく、変人は世の中を変えますから。ここにお集まりのみなさん、自分たちが変人だということをよく自覚してください。常識人ではございません。

かくいう私は大変な常識人でございまして、なかなかみなさまのような活躍ができないわけでございますけれども、そんななかでも1歩目でございます。今日でも明日でも、どう1歩目を踏み出すかと。

今日の宣言というのは、「甲子園に出ます」とか、「ハーバードに入ります」と、そういう大きな夢でございます。

1歩目というのは、これをぐーっとブレイクダウンして、素振りを100回やると。甲子園ならですよ。料理の素晴らしい3つ星のレストランのオーナーシェフになるというんだったら、卵を割ると。この1歩目が、それぞれの夢に対して違うものでございますが。必ず1歩目がございます。

ビジネスや事業における基礎体力

私はこの1歩目を考える作業が大好きでございます。最初の素振りは苦しいですよ。ただ、素振りをやらないと甲子園には出れません。球も投げられないのに、甲子園には出れないというわけです。

じゃあ、この1本目の素振りというのがなんだと。ひょっとしたら、まだ夢が見つかっていない方もいるかもしれないと。ああ、すごいなと思ってるだけかもしれない。

そういう人には、「基礎体力をつけてください」と必ず申し上げております。どんな運動、どんな甲子園、どんな水泳、どんなオリンピックに行くのでも基礎体力が重要でございます。

この基礎体力は、ビジネスや事業にとってはなんだと。NPOをやるんでも、なんだと。それは人脈でございます。コミュニケーション能力でございます。プレゼンテーション能力でございます。ひょっとしたら、中国語、英語、プログラミング言語でございます。どんなことをやるにも必要な1歩目がございます。これを必ず身につけてください。

やることがわからないんだったら、まずその1歩目はなんだと。夢がある人は1歩目を探せと。夢が見つからない方は、基礎体力をつけろと。

そして、私は今は孫正義、昔は三木谷浩史という素晴らしい先輩の指示にもとづいて働いておりました。(そして)、堀義人の指示にもとづいて働いております。

自分がやりたいことがわからないんだったら、壮大な夢を持っているところで働きなさいと。今日11人の発言を聞いてて、「これいいな」と思ったら、その人のもとで「俺一緒にやるよ」と言ってください。そこから必ず次の1歩が開けます。どんなかたちでも行動を起こすこと。

左右前後に人が座ってる。「小澤です」「山田です」「佐藤です」「よろしく」。これをやったかやらないかで、20年後が変わる。本当にそうなんです。私はやってきました。嘘かな?(笑)。やってきたらよかったなと思ったことがありました。

1歩目のアクションを必ず起こしてください。それは人に話しかける、それでもけっこうだと。そういうことでございます。頑張ってください!

(会場拍手)

変われる人と変われない人の3つの違い

:漆さん、お願いします。

漆紫穂子氏(以下、漆):私は、みなさんぐらいの歳のときに、学校改革を始めました。一時は応募者5人という学校です。そこが、たった1人の先生も辞めずに改革をすることができました。

それを、いろんな全国の先生たちが見学に来てくださったりするときに、全部オープンにシェアをしました。でも、100校来ても、実際に行動して成功するところというのはたぶん1校なんですね。

変わるところと変わらないところと、どう違うかというと、3つ違いがあることに気づきました。

1つ目は、まさにみんなが言ってたことですね。初めの1人がいるかどうかなんです。その人が校長であろうが、一般の先生であろうが関係ないです。誰か声を出してリーダーになる人がいるかどうかということが1つ目です。

もう1つは、これなんですね。「漆さんの学校はオーナーでしたよね? それに当時、かわいかったでしょう」とか言われるんですね。これ笑うところなんですけどね(笑)。

というように、同じ条件の人は1人もいないのに、相手にあって自分にないものを探すんですね。言い訳を探します。

そして3つ目は、「今の自分じゃ無理じゃないかな」って準備しちゃうんですね。真面目な人ほど。これは考える前にまず行動です。やるって決めて、みんなに言いふらしていくと、誰かしら手伝ってくれます。力がなければないほど、みんな手伝ってくれますし、運も回ってきます。

なのでこの3つが、なにかやるときのうまくいく、いかないかの違いかなと思います。

そして迷ってる人、ぜひこういう変な人たちのパワーが教育現場に足りませんので、ぜひ先生になってください。子供から教わることがたくさんあります。

例えば、「Teach for Japan」というところもありますし、免許がなくても大丈夫です。今、特別免許というのがありますので。ということで、みなさんに本当に期待しています。

(会場拍手)

「本物同士」は理解し合える

:ありがとうございます。高濱さん、教育的観点から見て、なにか行動を起こしている人と、起こしてない人の違い、言っただけで終わってしまう人と違う人の違い、なにか簡単にひと言お願いします。

高濱:やっぱり藤原(和博)さんと会って、数秒で感じ合うんですよね。やった歴史がパッとわかるというか。それこそ仕事で隣り合って、コマーシャルの間に「この人本物だな」ってビビッとくる感じ。たぶんこの中にもいるんですよ。いるけど、見つけられるのか見つけられないのかなんですよね。

それはやっぱり感性を信じて、「この人」と思ったらめちゃくちゃ仲良くなって、たちまちプロジェクトが立ち上がって、あっという間にニュースになるようなことができるんですよね。

現実と格闘していくというのが、私とか藤原さんの泥臭いところをずっとやってきたという共通項です。

きれいごとを言うのは簡単なんですよ。1歩の現実ってやっぱり重いし。だけど、誰かやらなきゃならないというときに、プレーヤーとして、やり続けたことで向こうもパッとわかる。「こいつ本物だな」って言ってもらえるみたいなことがあるので。やっぱり今日のテーマですけど、「行動」だと思います。やっぱり1歩目ができるかということだと思います。

(会場拍手)

堀義人氏からのメッセージ

:ありがとうございます。残り2分なので、僕がなにをやってきたか、参考になればと思って3つか4つヒントを。

1つ目が「できることからやる」。できないことは考えてもしょうがない、できることからやる。

2つ目が「小さく始める」。大きく始めようと思うと、ものすごいリスクを伴うし、ものすごい準備がかかるし、多くの仲間が必要になってくるので、小さく始める。自分1人でも構わないから小さく初めていく。

3つ目が「小さく始めたものを、できることからやって、多くの人を少しずつ巻き込んでいく」。巻き込んでいくのは2人でもいいし、3人でもいい。

そのときに重要なことは、誰1人として不満を持たないようにすること。要は、不満を持ったら、その不満が伝搬していくので、それが悪い評判になっていくと。

G1も小さく初めて、一生懸命やって、僕はずっと誰1人として、G1のプロセスにおいて、不満を持たせないようにしようということを一生懸命頑張ってきました。そうすると、僕が声をかけると来てくれるということになってくるので。

そういう意味で、多くの人を満足させていくということを行って、そのうえで自分自身の能力を高めていく努力をしなくちゃならないと思うんですね。

自分がやろうと思っても能力が足りなかった場合、できないとか、コミュニケーションしてもわかってくれないとか。多くの人が引っ張っても来てくれないとか。

自分の能力を高めるということをせいいっぱい行ったうえで、最後は自分の言葉と、それから行動を合わせることだと思うんだよね。自分の言ったことは必ずやる。その中でできないことはできないと言う。そして、言ったことができなかった場合、謝るとかね。

そういった基本の部分がしっかりできると、おそらくそれを3年、5年、10年、20年続けていくと、多くの仲間ができる。そうすると、仲間がなにかあったら来てくれるということが進んでくると思います。

友達関係というのは、一番困ってるときに行くのが一番いいんだよね。うまくいってるとき、例えば、平さんが副大臣のときはあんまり行かないんですが(笑)。なにか困ってるとき、例えば、選挙の場合は必ず応援に行くんですよね。

政治家が一番困るのは選挙のときなので、そのときに実際に選挙区に入って、マイクを持って応援演説をするんですよ。

そういった、友達が困ってるときに、そのときこそ行くことによって、人間関係というのは維持できる。その仲間が、なにかやるときに来てくれるということだと思うので。

そういう意味で、みなさんが来年に向けて行動を起こしていくということになりますが。また来年この場に戻ってこれるかというのは、この3人に見ていただきながら、その中でまた今日ここに来れなかった人たちが、ぜひとも来たいという人たちいっぱいいると思うんですよね。これは動画で配信されますので。

その人たちが「来年こそはG1会議に参加してるんだ」と思ってる方もけっこういると思いますので、そういう意味で、これからの1年間の行動を楽しみにして、またみなさんと会いたいと思います。みなさん行動、「What will you do tomorrow?」、頑張りましょう!

(会場拍手)