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2025年、世界はこう変わっている–AI研究の第一人者アーロン・ハーヴェイが目指す未来

2025年、世界はこう変わっている–AI研究の第一人者アーロン・ハーヴェイが目指す未来

2016年5月13日、14日に幕張メッセで開催された「SLUSH ASIA」。人工知能研究の権威であり、昨年リクルートの人工知能研究所「Recruit Institute of Technology」のトップに就任したアーロン・ハーヴェイ氏が登壇しました。IoTやAIは私たちの未来をどのように変えていくのでしょうか。

シリーズ
SLUSH ASIA > SLUSH ASIA 2016 > アーロン・ハーヴェイスピーチ
2016年5月13日のログ
スピーカー
Recruit Institute of Technology 所長 アーロン・ハーヴェイ 氏

もはやアプリを探す必要すらない

今はエキサイティングな時代です。自分でアイデアを発明することによって、そんな時代の一員になるべきです。テクノロジーの観点から、そんな時代について少しお話しします。 そして読むべき本もご紹介します。世界経済フォーラム創設者による、『The fourth industrial evolution』という本です。かなりオススメです。 それから、世界を変えるテクノロジーについてお話しします。Recruit Institute of Technologyが今の時代にどう関わっているかもお話しします。 みなさんご存知の通り、今や誰にでもコンピューティングが可能な時代です。私が子供の頃は、コンピューティングのために特別に整理された部屋に行く必要がありました。しかも、普通は子供には触らせてもらえませんでした。 私が大学に入学する頃には、人々がパーソナルコンピュータを持ち始めました。しかしまだ、みんなが持っていたわけではありませんでした。 約10年前、iPhoneが世に出て世界を変えるということが起こり、今ではみんながアプリに親しんでいます。タクシー、レストラン、美容院などの予約も可能です。こういったサービスなしの世界はもう考えられなくなっています。 では次になにが起こるか。今は、携帯に話しかけ、インターネットから有効な答えを得ることができます。しかし新たなインターフェイスは、より洗練されたものになるでしょう。 Facebookはサービスとの相互コミュニケーションにChainBotsを使い始めています。 今週、サンノゼのVivという新しい会社のデモを今週見ました。Vivのアイデアは、「アプリを知らなくてもいい」ということです。Vivに「タクシーを呼んで」と言うと、利用可能なアプリを探してくれます。「母に花を送って」といえば、母の居場所を特定し、好きな花を選び送ります。 VivやChainBotsのポイントは、アプリを探す必要がないということです。AIがアプリを探し、AIへの指示は声だけです。これは根本的にコンピューティングとの関わりを変える出来事です。 ここに来る前におもちゃを買ったのですが、テクノロジーのすばらしさに、うれしくて泣きそうになりました。Amazon Echo、「Alexa」という名前で、キッチンに座り、買い物リストにミルクを追加してくれます。東京の天気も教えてくれます。 Alexaの優れた点は、携帯がいらないところです。私と息子とAlexaで会話したりもします。こういったことは、コンピューティングとの関わりを変えることであり、今日のトレンドです。やりとりで生じる摩擦を取り払うことでもあります。Alexaは今日のIotに関する話の入り口です。Alexaを使ってテスラの車をガレージに出すようにしたりといった話になります。

IoTは未来をどう変えるか?

今はIoTと呼ばれる自然なインターフェイスがあります。 IoTやスマートシティについて話します。 ちなみに私は駐車場を探すのが嫌いですが、どこかにドライブした時に、街が駐車場の場所を教えてくれるぐらいスマートになるべきです。駐車場に着いてもクレジットカードで決済しなければいけないことはありません。駐車場を探してうろうろする車もありません。これがスマートシティです。 現在、完全に自立する村を1から作るということをやっているのです。コンピューティングは空間という領域まで進出しているのです。 3Dプリントの車というアイデアもあります。車をプリントできるんですよ。現在それに取り組んでいる会社があります。10年ほどでそれが可能になるといわれています。服や人間の肝臓までプリントできる世界です。人間の臓器をプリントするということになれば、根本的な変化がおこります。 ここでポイントとなるのが、こういったイノベーションはすべて同時に起こっているということです。情報も3DプリントもIoTもです。その結果、今までにないさまざまなアイデアの爆発が起こるのです。 社会の適応にも直面しています。世界の誰かにデザイン注文できたり、Uberでタクシーを呼べたり。 そんななか、人々の働き方も変わりました。働きたい時に働け、バランスの取れた生活を築くことができます。これは非常に重要なことで、なぜなら、みんなが9~17時まで働けるわけではないからですし、みんなが東京のような都会に住んでいないからです。ケンタッキーの田舎でやりたいことをやる人もいるでしょう。働く場所は昔ほど重要ではなくなっています。 ワークとジョブの差も生まれています。ジョブは職場で働くこと。ワークは自分でデザインするもの。Uberなどがそうですね。コンセプトの違いが、人々の人生の求め方に関わってきています。

2025年の私たちの生活

最初に紹介した本の内容ですが、「2025年はどうなるか」と世界経済フォーラム創始者がさまざまな分野の800人の幹部に質問したところ、91パーセント以上が「10パーセントの人がインターネットに接続された服を着る」と回答しています。健康をモニターするということに関する根本的な改革です。 また、3Dの車についても語られています。脳にインプラントされた携帯も誕生し、サイズも関係なくなります。忘れる心配もなくなりますね(笑)。 半分近い人は「9年以内に企業委員会にAIが参加する」と回答しています。現時点ではまだAIが人間同様に働けるとは考えられてないとも言えますね。 ここでポイントがあるのですが、イノベーションの発生に伴い、疑問も増えます。 「人が自由に働きだしたら社会福祉はどうなるのか」「複数の会社に勤めると福利厚生はどうなるのか」「AIが仕事を奪うのではないか」などです。 今までの歴史でもそうですが、新しいテクノロジーが既存の仕事を奪ったとしても、また新たな仕事が生まれます。テクノロジーによって結局便利にはなります。 では経済格差はどうでしょうか。テクノロジーが発達した場合、それを生み出した人は裕福になり、それ以外はそうでもない、ということになります。遺伝子を作る場合は、倫理的な問題があります。 ここで言いたいのは、イノベーションは社会の文脈上で起こる必要があるということです。シリコンバレーの何社かが全世界の判断を担うということにはならないのです。 社会の利益というのは、イノベーションの目的がある場所で生まれます。自分で自分の国やコミュニティーを改革する必要があるのです。そして適正なものを見いだすのです。自分の未来は自分に責任があるのです。 テクノロジーについて言えば、コンピューターはどんどん小さくなっています。私は脳内に埋め込める日が来るのを待っているわけですが。また、データというのもあります。ビッグデータに関して、データイズムという言葉もあります。 情報処理について考えることは、ビジネスについての考えの根本を変えることでもあります。データが答えを教えてくれるという発想です。今では、ウォルマートや医療関係などでもデータ主導の決断というのがなされています。 また、AIは過去数年で大きく進歩しました。それはコンピューティングの力とビッグデータのおかげです。1950年代の研究者たちもディープラーニングが必要だと言っていました。今ではAIが搭載された携帯電話に話しかけたり、AIが車を運転できたりします。 なにより重要なのは、より多くの人がイノベーションを可能にできるようなデータが存在することです。今や世界のどこでもスタートアップができます。そうしてイノベーションの発生率が増え、そのスピードはより加速していきます。

テクノロジーは人を幸せにするか

リクルートについてお話ししましょう。リクルートは、200の異なるサービスの集合体です。美容院や家をさがすというサービスもあります。なんともエキサイティングな時代の渦中にリクルートは存在するわけです。日々の疑問だけでなく、キャリアについてもサポートしています。そんな状況でリーダーでいられるというのは重要なことです。 数年前に東京で開設されたリクルートのテクノロジー部門は、テクノロジーのハブであり、数多くのサービスに適応しています。テクノロジー、テクニック、データを発展させ、今までわからなかった事態を予測します。リサーチラボでは、世界最高峰の人材を揃え、研究による発見を世のなかに発表していくことで社会に貢献しています。 2つのプロジェクトについて説明します。1つは、データについて。AIが機能するためにはデータが不可欠です。データが正しくないと、AIは機能しません。しかし、データに携わる人はAIほど注目されません。 AIには「その企業にどんなデータがあるか?」という質問が不可欠です。200ものサービスがある場合、それが正しいかどうかをどう判断するのか。 私がGoogleで働いていた頃には、文字通り何十億通りのデータがありました。そんな大量のデータを上手く利用する必要があります。ばらばらのデータを見て、グロ―バル視点で現状を把握し、またデータを利用することが必要です。 Open source data integration formというプロジェクトでは、AIを作るべく、データを選びやすくしたり変換しやすくするということをやっています。 2つ目のプロジェクトは、人を幸せにすることです。テクノロジーには中毒性があり、人々はそれを好みます。バスなどで人と話す代わりに、携帯でテキストを送りあったりします。 ただし、中毒性があるものの、必ずしもそれによって幸せが増えるということではないのです。Facebookで他人と自分を比較してしまったりします。それは科学的にもよくないことだとされています。 過去15年で、「Science of happiness(幸せの科学)」という言葉が生まれました。長期的に持続的に、なにが人を幸せにするかということはわかってます。 半分は遺伝ですが、それは変えられないので無視してください。10パーセントの幸せは仕事、車、ドレスがほしいとかいう考えです。40パーセントは、振る舞いです。社会的に人と繋がったり、感謝したり許したり。こういったことが持続可能な幸せです。 そこで、リクルートでの我々の問いは、「人を幸せにする振る舞いに導くテクノロジーを作れるか?」。 我々は可能だと考えています。 最後に。未来は自分で創るものです。あなた自身の考えが、あなたの人生にとってもっとも適切です。たくさんのアイデアを試し、失敗を恐れるべきではありません。ユーザーにとっての究極の幸せとはなにかを考えるべきです。そして自分のデザインと一致することをするのです。 ありがとうございます。

  
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