ムヒカ前大統領夫人 トポランスキー氏の挨拶

佐々木恭子氏(以下、司会):皆様たいへん長らくお待たせいたしました。本日は足元がお悪いなか、ご来場いただき誠にありがとうございます。これより、「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれる、ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領の講演会をはじめさせていただきたいと思います。

本日、司会進行を務めさせていただきます、フジテレビの佐々木(恭子)ともうします。どうぞよろしくお願いいたします。

最初に関係者の皆様をご紹介させていただきます。皆様、どうぞこちらにお越しください。

(会場拍手)

司会:ご紹介させていただきます。まずは、ホセ・ムヒカ、ウグルアイ前大統領でございます。よろしくお願いいたします。

奥様でウルグアイの上院議員でもいらっしゃいます、トポランスキー議員でございます。

そして、主催者である、株式会社汐文社社長の政門一芳様でございます。よろしくおねがいいたします。

東京外国語大学の学長、立石博高様でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

皆様どうぞ、ご着席くださいませ。

それでは、ムヒカ前大統領の公演前に、関係者の皆様からご挨拶を頂戴してまいります。最初に、ムヒカ前大統領夫人、トポランスキー様、よろしくお願いいたします。

ルシア・トポランスキー氏:皆様こんにちは。私たちは遠くの国から参りました。日本の対極にある国から参りました。

そして、私たちが持ってる現実も、文化も、日本とはかなり異なっています。私たちは日本に来てたいへん驚くことがありました。いろんな面で、違うことに気付き、驚きましたが、いろんな意味で日本から、東洋から学んでおります。

私たち、ウルグアイ人は「東方人(オリエンターレス)」と呼びます。なぜならば、アルゼンチンの東側にあるからです。ある意味で、東という名前がつくことで、日本とは共通性があると思います。

私たちにとって、外国語を専門とするこの大学に来られたこと、そして国際関係を勉強なさってる方々の前でお話できることを非常にうれしく思います。

そして、私たちはいろんな意味で、違う国ではありますけれど、歴史でも共通点がありますし、現代においても、どんどんどんどん世界は小さくなっております。

コミュニケーションで、いろんな面で近づいておりますし、世界は小さくなっております。そういった意味で、私たちはこういったかたちで日本を知れたことを非常にうれしく思います。

非常に違う文化、取り組みは違いますけど、ここに来れたことをうれしく思います。そういった違う面はあっても、人間としては、どの人間も同じだと思います。私たちは、非常に短い時間ではありますけれど、この時間を共有できることを嬉しく思います。

また、明日からは日本の歴史を学ぶ機会もあります。広島にも行く機会があります。私たちは敬意をはらって、日本に起こったことを学びたいと思います。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

司会:ムヒカ前大統領夫人、トポランスキー議員よりごあいさつを頂戴いたしました。

汐文社社長 政門一芳氏の挨拶

司会:続きましては講演会の主催者でいらっしゃいます、株式会社汐文社社長の政門一芳様よりご挨拶をいただきます。よろしくおねがいいたします。

政門一芳氏:みなさん、こんにちは。只今紹介をいただきました、汐文社の政門でございます。みなさん汐文社というよりは、 『はだしのゲン』の出版社と言ったほうがおわかりかと思います。

我社は、公共の図書館、学校の図書館に向けて、児童書を発行しています、出版社でございます。

我社が2012年に、国連が主催しました会議(リオ会議/地球サミット)におきまして、まだ当時は現職でございました、ムヒカ大統領が行いました、歴史的な名スピーチを『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』と、絵本として出版したことが、今回のムヒカ前大統領御一行の来日を実現する1つのきっかけになったことは、たいへん光栄なことと思っています。心から感謝いたします。

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

この絵本は今、多くの方のご支持をいただいて読まれているところですが、ただいまウルグアイでは、今回ムヒカご夫妻とともに来日されました、こちらにいらっしゃいます、お二人のジャーナリストの方が、19年にわたった取材をもとに、ムヒカ大統領の生涯を描いた本がたいへん好評を得ております。

その本が今回、日本語に訳されまして、『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』ということで、KADOKAWAから文庫として出版されました。合わせてお読みいただければというふうに思います。

ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)

さて、本日はムヒカ前大統領が日本の若い皆さんに、「日本人は本当に幸せですか?」というテーマの講演と、その後の池上彰様との特別対談を行っていただきます。

このことは今日の、日本に生きる若い皆さんにとってとても有意義なことであると確信をいたしているところです。

この機会を設けることができたことを、心からうれしく思っております。本当にありがとうございました。

最後になりましたが、たいへん忙しいこの時期に、会場を提供してくださり、また、準備のためにご苦労いただきました、立石学長をはじめ、大学関係者の皆様に御礼を申し上げまして、主催者を代表しましてのあいさつとさせていただきます。

最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。

司会:政門様ありがとうございました。

東京外国語大学学長 立石博高氏の挨拶

司会:最後に、本日の講演会の会場でもあります、こちら、東京外国語大学の学長、立石博高様よりご挨拶を頂戴いたします。よろしくお願いいたします。

立石博高氏:東京外国語大学、大学長の立石博高です。今日は前ウルグアイ大統領、ムヒカ氏を本学にお迎えすることができ、大変光栄に存じます。

私は実は、2012年のリオの地球サミットの演説に非常に感激いたしまして、いつかお会いしたいと思っておりました。3月中旬に実は、ウルグアイ共和国大学と協定を結ぶためにモンテビデオを訪れたんですけども、あいにく都合がつかないということでしたけど、今日、こうしたかたちでお会いすることができ、おおいに感激しております。

ムヒカさんは「世界でもっとも一番貧しい大統領」と言われますけれど、実はこんなことをおっしゃっています。(スペイン語で)「私は決して貧しくはない。質素な生活をしているだけだ。私は自由がほしいのだ。私は人生を楽しむための時間がほしいのだ」。

今日の講演を通じて、若い学生の皆さん、「質素な生活」とは何か。また、自由とは何か。そうしたことを真剣に考える。そういう機会になっていただければと、願っております。

ムヒカさん、どうかよろしくおねがいします。

(会場拍手)