雑食なのに、炭水化物を多く摂るのはなぜ?

人間は生きていくために脂肪と炭水化物を摂取します。でも本来、私たちは雑食ですので、いろんなものからカロリーを摂取できるわけです。

ではなぜ、人間は脂肪や炭水化物を食べるようになったのでしょうか? そこには進化の歴史が関係しているのです。

人類の祖母であるアウストラロピテクスはヒト属の元祖ですが、現在の私たちとはかなり違いがあります。

アウストラロピテクスは、主に果物、野菜、イモ類を食べていたので、現在の人間と比べると脳は35パーセントほどしかなく、胃や歯は大きく、歯の形状は平たくて鋭くありませんでした。

農業というものがなかった時代の果物や野菜はカロリーが低く、消化にも時間がかかる食物でした。また、そのカロリーを摂取するために1日中身体の器官が働いていたのが原因で、アウストラロピテクスの脳は発達せず、小さかったと考えられています。

「火」が人類にもたらした変化

やがてアウストラロピテクスが絶滅し、次はホモ・ハビリスが誕生しました。彼らの胃や歯は小さく、脳はアウストラロピテクスよりも大きく発達していました。

そのような進化を遂げた理由、それは彼らが火を使えるようになったことが関係しています。つまり、ホモハビリスは火を使って料理ができるようになったのです。

調理を覚えたことで、野菜を美味しく食べられるようになり、食物から高エネルギーを摂取できるようになった結果、脳はどんどん大きくなったのです。

人間の脳は高度にできていて、維持するだけでも非常に高いエネルギーを摂取しなければいけません。そのため高エネルギーの脂肪や炭水化物を摂取するようになりました。

また、ある研究によると、高脂肪の食事は脳の快楽部分や感触を司る部分を刺激することがわかっています。高カロリーな食事をすることは、お母さんのハグと一緒で人間に安らぎを与えるのです。

ただし、脂肪や炭水化物を多く摂りすぎると、体は疲れ、悲鳴をあげます。ですので、脂肪や炭水化物だけでなく、ニンジンなどの野菜もバランスよく食べないといけません。