2万分の315枚

古賀学氏(以下、古賀):奥付の写真には、本編に出てきていない水着を使ってるんですよ。カバーの最後の袖も、REALISEの黒い長袖の競泳水着を着たざーにゃちゃんで終わってるんですけど、本編に載ってないんです(笑)。

菊地成孔氏(以下、菊地):贅沢ですね。

古賀:撮れ高が多すぎちゃって。

菊地:インフレーションですね。

古賀:僕はシャッター速度の速いカメラで、ガシャガシャ連写して撮ってるんですよ。ストロボをなるべく使わないで、ライトとかで明るさをつくって。

映像作品から始めたので、1発1発で時間を止めていくストロボの撮り方じゃなくて、ライトやレフで明るい状態にして、息が続く限りずっと撮って、そこから綺麗な絵を抜き出して作っているので、1日撮影すると、すごい量の写真になるんです。今回の写真集「水中ニーソキューブ」はセレクトする前の段階で、分母が2万ということになっちゃって(笑)。

菊地:2万はヤバいですよね。

古賀:2万枚から選んで本文のページに入ってるのは315枚なんで、すごい精鋭写真なんです。2万から上位315枚を選んだというよりは、撮ってはいるけど(テーマがズレるので)シチュエーションごとこれに掲載されていない作品もたくさんある。

菊地:単純にアウトテイクスが何十冊とできるわけですよね。数だけでいうと。2万分の300というのは、音楽一般や映画一般から見ても相当ですよね。音楽を2万録音して300発表するということはないですね。映画もたぶんないんじゃないかなぁ。写真集一般がどうかはわからないけど。

なんかすごい力が、今過集中してるんですよね。さっきのコピーの方もそうだし、モデルさんのスキルも上がって、希少価値だと思ってたのが探してみるといっぱいたような感じですよね。

いい声で歌が歌える人は、20年前だとすごく少ないけど今はいっぱいいて、YouTubeを探すと腐るほどいるわけですよ。腐るっていうと失礼ですけど(笑)。

いっぱいいる中で、モデルさんも、どんどんスキルと才能のある人が出てきて、ギアも完備されて、あらゆる機能価値が過度に集中して、2万枚になっちゃった感じですよね。

水中ニーソキューブ

「要するに、古賀さんは興奮したんだよね」

古賀:例えばちゃんと計画を立てて、企画書があって、台割や絵コンテがあって、合わせてこういうのが必要だっていう感じで撮っていく撮り方をすると、2万枚っていうことは絶対無いんですけど。

今回作るのにプールを7回か8回借りて撮っていて。写真集を見る限り、衣装はそんなに多くないから、一度に撮ったように見せてるんですけど、同じ衣装を着て別の日に撮ったりとかもしていて。

ある日撮った写真をプリントして、濡れても大丈夫なようにラミネート加工してプールサイドにガーッて並べて。「ここをもうちょっとこうしたほうがいいからもう1回撮ろう」みたいな、映画の再撮影みたいなことを、写真集のくせにやってて。

菊地:ウォルト・ディズニーみたい。ハハハ(笑)。

古賀:写真集の作り方とはだいぶ違うんです。とにかく(水中モデルとして)超高性能なしまりすちゃんとかに対しては全然文句はないですけど、たとえば後から来たざーにゃちゃんとかは、先週より今週のほうが性能がだいぶいいんです。

菊地:伸びているわけね。

古賀:伸びしろがいっぱいで。そうしたら、「せっかくここまでできるようになったら、あのシーン取り直したいな」みたいなことがバンバン起こって。結果として2万枚になってる。

菊地:要するに、古賀さんは興奮したんだよね。邪な意味じゃなくて、大変興奮されたわけですね。それでいっぱい撮っちゃったっていう。それは感じますよね。

水中ニーソはハイスペックなリュクス

菊地:水中ニーソって、別にページを開かなくても、ブツがポンッて自分の部屋に置いてあるわけじゃないですか。僕の場合は脇に音楽の本とかがあって。

そのとき、やっぱりものすごいリュクス(Luxe)というか、贅沢感がすごいですね。普通フェティッシュ写真集なんて、貧乏くさいんですよ。どこかチープさがあって、そのチープさを愛でていくっていう、それこそフェティッシュなんだけど。

ガジェットとしての尺度というか、汚れを愛でていくのだとやってきた歴史がすごく長かった。「20世紀いっぱい」と大雑把に言っちゃいますけど。水中ニーソは21世紀型というか、全く貧乏臭さがないですよね。必要以上にリュクスというか。

「こんなにリュクスじゃ引くよ」というぐらいリュクスになっているので(笑)。素晴らしいハイスペック・リュクス。だから時間もかかってるし、いろんな才能と、いろんなプロダクツが関わってできた総合体ですよね。

「スクールガール・コンプレックス」だと、全然disりじゃないですけど、今見たら相当精液臭いし、汚れものがあるもんね。でも、それがよかったんだよね。

本橋康治氏(以下、本橋):童貞感みたいなのが。

菊地:童貞感があったけれども。

古賀:僕でいえば『blue.』のシリーズがそうですよね。

菊地:そう。あれはしょうがなかった。オールド・スクーラーだから(笑)。でもオールド・スクーラーなりの良さがありますよ、僕、家でよく『blue.』見ますよ。切ない日とかね(笑)。

(会場笑)

菊地:今日俺なんか切ないなぁ、52になってもいろいろ切ないわ、人生……って思うとき、ちょっと『blue.』見てみようかなって(笑)。そうすると、悔悛するんですよね。メイクとかすごく雑で、鼻の毛穴が見えちゃったりしてて。今は全然そんなことがないもんね。完璧だね。CGと言われたらCGに見えるし。

古賀:メイクもすごいことになってますよね。

菊地:本当にそう。人間が想像したものは全部現実になるっていいますけど。年寄めいたこと言いますけど、漫画で『コブラ』ってあったでしょ。あれが要するに、想像でき得るエロ・ウェアリングを、漫画の形でまず書いた。それを後追いで、アメリカがポルノで現実化していくっていう。

寺沢武一さんだっけ。あの流れが極限まで来ちゃって、女性もつくり出すし、こっちが想像するギリ上のところになってきている時代になっちゃって。

ユートピアなんだか、ディストピアなんだかわかんないギリギリのところですけど。水中ニーソって、あと1歩で「お腹いっぱいで、もう見たくない」というところまできてますよね。すごすぎて。

古賀:僕は『ヘルタースケルター』っていう肉料理で胃もたれして、デザートに入ろうと思ったら、デザートのほうが胃がもたれて(笑)。

菊地:いや、『ヘルタースケルター』はすごくプアーですよ。

(会場笑)

古賀:そっか!

菊地:六本木のシネコンに観に行きましたけど、こんな貧乏くさい映画はないと思いましたね。映画はめちゃめちゃプアーですよね。蜷川さんって、プアーじゃない人の代表だったんですけど、なぜかプアーになっちゃいましたね。

まあ、さっきの写真の話とは無関係ですけど。だからこれはもうめちゃくちゃリッチで、リュクスですよね。貧乏臭さのかけらもない。だから穢れも全くないし。

要するに、良い頃のスピルバーグ映画みたいに、全米の人が見れるような感じにいってますよね。

水中ニーソにおけるフェムの極限値とは

菊地:今回、百合ってことがどう作用するか全く予想がつかないけれど。

古賀:百合ですけど、エロとも違うというか、そもそも区別して撮ってはいるんで。

菊地:男の人が絡まないという意味では、水中ニーソは全部百合ですよね。今回初めてツインで何かさせることでツーショットになったなっていう。

古賀:カメラマン役で、わざわざ女の子が出てくるんで。僕の存在すら消したい。

菊地:すごいなぁ。

古賀:ひとみちゃんは『STAYIN’ ALIVE』の頃からずっと現役でやってるのはすごいですよね。

菊地:オールド・スクーラーですよね。後は1年前のトークでも話しましたけど、(水中ニーソ)ライブですよね。リュクスに展開していくこともあるとしたら。

古賀:前作の『水中ニーソプラス』と違うのは、これをリリースするのかどうかわからないけど……でも「Oculus Rift」が発売されたらリリースするのかな? この写真集のメイキングが全天球映像で撮られているんです。

菊地:さっき僕が拝見したやつですよね。

古賀:メイキングで密着というよりは、この撮っている現場に行った体験ができる見せ方を展覧会場でやろうと思ってて。全天球で見ると、僕の存在も写ってるし、ワーゲンさんが棒で全天球カメラを持っているところも写っています(笑)。

菊地:そこは穢れのところですね(笑)。

古賀:「なんだオッサンが撮ってのか」みたいな。

菊地:オッサンが撮ってるんだからしょうがないですよね。フェムの極限値は、AVもグラビアも全部女が撮る、スタッフも全員綺麗でっていう状態になったら、それは完全な無菌ですからね。

本橋:それが見たいのかと言われると、また微妙な感じですけど。

菊地:見たいような気もしますけどね。それはただ極限値が見たいという意味に還元されますけど。

古賀:それを全天球で見たりしてね(笑)。カメラを持っているのも綺麗な女性で。

菊地:もうちょっとだと思いますけどね。5、6年やってたらそうなってくる。

古賀:出てきそうですね。すごいきれいな女の人が描いているエロ漫画とか、ありそうじゃないですか。

菊地:全然普通にあるでしょうね。エロ小説も女の人が書いてるものがありますからね。

古賀:映像とか写真も、すごい綺麗な女の人が撮ってるフェミなものが出てきそうですね。もう出てきているか。

本橋:1部のコスプレ写真の界隈ではそういうこともあるでしょうね。

水中ものの最大属性の「恐怖」と「苦悶」が全くない

菊地:あと当たり前ですけど、水中ニーソは日本の消費メディアの中でいちばん強いコンテンツである「アイドルカルチャー」の因子が全くないので。ありそうでないですよね。だんだんこうやってキャストが増えてくると、アイドル化してくるのかもしれないですけど。

古賀:グループアイドル?(笑)

菊地:そうそう。

古賀:しまりすちゃん、歌ってますしね。

菊地:あれは全然アイドルソングじゃないですよね。エレクトロだから。

古賀:コスプレしているかわい子ちゃんが「歌を始めました」って言って、いきなりEDMだから(笑)。

菊地:そうだね。アイドルカルチャーは今まさに天下を取っているっていうか、少なくとも音産ではトップにあるんですよね。アンダーグラウンドからオーバーグラウンドまで幅もちゃんとあって、天下とってるんですよ。

我々みたいなジャズなんかやっていると、もう隙間産業になっちゃってるけど。ある種芸能の古典的な形として、私は全然肯定してますけど。

ただ、やっぱりあれは芸事だから穢れが入ってて。もともとは神事だから、その穢れを払うっていうところがあるんだけど。水中ニーソってアイドル感が全くないですよね。

古賀:穢れもないですね。

菊地:さっき言ったように、水の中であるにもかかわらず、水中ものの最大属性の「恐怖」と「苦悶」が全くないからすごいですよね。

古賀:それをスポイルしたときに、穢れみたいなものも全部いっぺんにスポイルしちゃってる気もする。

菊地:プールの底が錆びているところが目立つっていうのも、そういうことですよね。そこだけ穢れだから、どんどん潔癖になっていく。

古賀:そうなんですよ。今回錆びが極端に減ってるじゃないですか。

菊地:減ってる。だから錆びもなくなって、施設上の穢も消えたから、すげーなと思った。

古賀:1月にプールが改修工事されちゃって。

菊地:アハハハ(笑)。錆が消えちゃった。これ、モダンアート用のホワイトキューブみたいですよ。あれが最後の穢れだったと思いますね。

潜水練習用のプールから開放された水中ニーソはどうなる?

古賀:さっきのしまりすちゃん同士で合成した百合特撮のときが改修前の最後ですね。去年の12月ぐらいにテレビの取材を受けて、テレビ屋さんが来ているところで。本当は「正月にオンエアするから正月っぽいものを撮ってください」と言われて、しまりすちゃんに白い競泳水着で頭にみかんを乗せて撮ったりしてたんですよ。

そしたら、それも撮れ高が多すぎて、一緒に特集されたのが青山裕企さんで、青山さんのだけ正月に放送されて、僕らのは3月ぐらいに。

菊地:ハハハハハ(笑)。「3月の鏡餅」じゃないですか。

古賀:そのときテレビでオンエアされたのが錆びたやつなんですけど。実際全天球の撮影を始めてみて、全天球のときにプールがピカピカになってて、びびりまくって。

菊地:これ、もう一儲けして施設もデザインできるようにしたら、大変なことになりますよね。壁に村上さんの絵とかさ……「村上さんの絵とかさ」って話があんまりにも雑すぎますね(笑)。

(会場笑)

菊地:そこのカフェがそうだったからってわけじゃないですけど、絵なんかが描いてあって、光っちゃったりして。何でもできますよね。今のところはスポーティーな潜水練習用の場所というところに1つの限定性があるんだけど。

これがニコファーレみたいな……行きもしないでただ言ってますけど(笑)、バァーッと後ろで文字が動いたりするようになったら、また違う、もっとスペクタクルのような感じになって、MGMミュージカルみたいになるんでしょうね。『百万弗の人魚』返りするというか。

古賀:グルっと返ってくる。

無重力の女性はグッとくる

菊地:今日見てて思ったのはスズキさんだっけかな? 髪の長い宇宙飛行士の女性がいましたよね。名前ちょっと忘れちゃったんですけど、比較的綺麗な。「比較的綺麗な」って、ごめんなさい、今とても失礼な言い方しちゃいましたけど、「綺麗な」。(編注:山崎直子さんのことと思われます)

宇宙飛行士平均から見ると、もうアイドルと言っていい髪の長い女性が訓練するところ、あれ無重力だから、水中に見えるんだよね。その中で動きながら食べ物を取って食ったりしてて、まるっきり水中ニーソですね。

古賀:今年の正月かな。「スポーツ・イラストレイテイッド(アメリカのスポーツ雑誌)」ってあるじゃないですか。あれの映像企画で、無重力訓練飛行機にグラビアモデルを入れて無重力グラビアを撮ってたのは、ご覧になりましたか?(参考:Kate Upton 2014 Swimsuit: Zero G

菊地:いや見てないです。

古賀:金色のビキニで、いわゆるアメリカのグラビアモデルさんを撮ってるんですけど。やっぱり、無重力の中でグラマラスな女の子がふわふわしてるのって良いですよ。

菊地:泡がないだけで、水の中と全く同じですもんね。

古賀:同じですね。

菊地:まあ、ムラつきましたよね(笑)。宇宙船にムラついていいのかっていうのはありますけど。ただ、それは穢れがいっぱいあるんですよ。宇宙船って意外とガジェットとか機械がいっぱいあるから。ここのプールみたいにバキッとなっていない。

古賀:その無重力グラビアも、上昇して急降下している間しか無重力じゃないんです。だから30秒だけ水中みたいなんですけど、そこからすごいGがみんなにドンッとかかるっていう(笑)。そういう繰り返しの映像でした。

菊地:モデルさんも大変だっていうやつですよね。

古賀:『バーバレラ』のオープニングってあるじゃないですか。

菊地:有名な。アリアナ・グランデが今トレースしてますけど。

古賀:「バーバレラ・オープニング・シークエンス・コンプレックス」みたいなところはちょっとありますね。

菊地:そうですね。大きな空間の中で、人が浮いているのが良いっていうだけの人がいますからね。さっき言ったように、フェチはネットワークだから。少しずつ取ってくるわけですよね。

古賀:中層に漂ってるのがとにかく良いっていうね。

菊地:しかも『バーバレラ』は寝てるからね。寝てる間に裸になっちゃう。

古賀:あれは撮り方を知っちゃうと残念じゃないですか。

菊地:そうだね。

古賀:水中ニーソは撮り方を知ってると残念も何も、見た通りと撮ってますけども。

アジアの人は水中が好き

菊地:すごいですよね。動画は出さないんですか? 全天球はともかくとして。

古賀:動画も「撮ろう、撮ろう」と思ってるんですけど、自分で「こう撮りたい」という香盤表(スケジュール)を書くじゃないですか。そのメニューを消化していたら全然動画まで撮る時間がないっていう。

菊地:動画って難しいですよね。それこそ去年の古賀さんの大変なお仕事である「水中100年史」を見ると、動画と写真集は全く別ものですね。同じ水中フェティッシュと言っても。

古賀:動画でアートチックなものは……なくはないか。

菊地:短い動画ならありますよね。PVレベルで。

古賀:そうですね。アメリカ人とかから「動画のダウンロードは無いのか?」っていうのは言われます。

菊地:アメリカは水中フェティッシュのサイトで有名な「Aqua Entertainment」も含めて動画が多いですからね。

古賀:僕がもともと動画を撮ってたのは、アメリカの人もみんな知ってるじゃないですか。

菊地:だから当然動画と思うんですよ。『blue.』もあるし『cuteblue』もあるし。

古賀:アメリカ人は『ヘルタースケルター』は知らないと思いますけど、ただ、「ずっと動画を撮ってたのに、なんでここのところずっとスチールなの?」っていう感じはあると思います。

菊地:あとはアジアですよね。アジアの人は水中フェチがすごい好きね。ちゃんと全方面的に調査したわけでもなんでもなく、ただ自分がネットサーフィンしているだけの話で、私程度のネットサーフィンだからクソ素人のレベルですけど、ざっと東南アジアから北東アジアまで含めてバーッと見たとき、水中がすごく多いですよ。

古賀:中国とか韓国はいっぱい出てきますよね。

菊地:いっぱい出てくる。韓国って学校の授業で水泳がないんですよ。韓国で水着グラビアが出てきたのは最近で、少女時代が水着でビキニ解禁って言って大騒ぎになった。こっちでは完全に鎮火してるんですけど(笑)、今トップニュースでドカンと韓国ラインで送られてくるんで、見てみると、「はー、なるほど」って感じだけど。

韓国のフェティッシュ事情

古賀:ミリタリーですよね。

菊地:米軍の文化ですね。東京の真ん中に米軍基地はないけど、ソウルの真ん中に米軍基地があるので。米軍基地がある街とない街の文化が全然違う中で、韓国はプールや水着は少ない代わりに、ストリップとか、米兵が好きなウェアリングとかが発達しちゃって、K-POPがむやみにエロくなっちゃったけど。

本橋:韓国にカー・ウォッシュはあるんですか?

菊地:ありますね。さすがに。でも傍流ですよ。やっぱりポールダンス、脱がないストリップ、今の用語で言うとゴーゴーダンス。昔のゴーゴーとは違うんだけど、脱がないストリップ系も多くて。アイドルがみんなそれを食っちゃったんですよね。振り付けで。

今、やっと濡れる感じが出てきたところ。韓国にはビーチリゾート地も済州島ぐらいしかないし。だけどすごい好きだし、中国もすごい多いですよね。

古賀:明後日から上海行きますけど。

菊地:たぶん反応がいいのではと思いますけどね。

本橋:台湾もありますもんね。

古賀:台湾も展示してます。台湾はお客さんが若かったですね。東京だと若い女の子とおじさん。さっき言ったフェミとフェットで。

菊地:フェミ村の若い人が来ると(笑)。逆転したらおもしろいですよね。若い男の子とおばさんで。

(会場笑)

菊地:なんでも逆さにしてみようっていう。それおもしろいね。そんなフェティッシュもあるのかって感じですけど。

古賀:ないのかな。

菊地:ないでしょうね(笑)。若い男の子とおばさんが喜ぶフェティッシュはないでしょう。

本橋:それは難しそうですよね。

古賀:「クリエイター」みたいなところに夢を持ってくれる若い男の子のファンもいるので、展示をやると、おばさん以外はみんな来るんですよ。水中ニーソはおばさんに不人気(笑)。

菊地:男の子にやらせれば、おばさんが来るんじゃないですかね。

古賀:58歳児じゃなくてね。綺麗な男の子で。

菊地:普通にクィアなビデオみたいな感じでやれば、おばさんもガンガン来ますよ。

古賀:なるほど。綺麗な男の子ね。

菊地:韓国の話ばっかりであれですけど、韓国で今、男の子の競泳の映画と、男の子の競泳のテレビがすごく人気。あの人たちは兵役があるから身体がすごいのよね。それをおばさんが熱狂的に見ているのは普通にありますよね。大変なお金が動いていると思いますけど(笑)。

古賀:ちょっと前に京都アニメーションが作った『Free!』っていう男子水泳部のアニメがやっぱりすごい人気があって。それも水着の男の子たちが出てくるアニメで。

コスプレの女の子たちは、おっぱいがでちゃうから競泳水着だけにはなれないんですけど、ジャージを着てプールの水中で撮影するのが一時期流行ったんですよ。

本橋:コスプレの醍醐味には欠けそうですよね。

古賀:まあ、男子水泳部にはなれないですからね(笑)。

水中ニーソキューブ