軽減税率での有害図書指定 見送りが決定

遊佐めぐみ氏(以下、遊佐):にゃんぱすー!

坂井崇俊氏(以下、坂井):にゃんぱすー!

山田太郎氏(以下、山田):始まりました。今日は非常に祭り状態で。昨日一昨日(1月18日~19日)と参議院議員の予算委員会が行われまして、有害図書指定との戦いで完全勝利! 

(一同拍手)

坂井:いえーい! 

遊佐:おめでとうございまーす。

山田:ちょっとその裏側と何があったかということを、皆様と一緒にやりたいなと思っております。この番組でもさんざん言ってきましたが、有害図書指定、軽減税率と有害図書の問題は、菅官房長官との戦いになるので、相当タフで大変だろうと思って、実は私も緊張感を持って1月18日の午前中に臨みました。まず最初、どうしましょう? どういう進め方を? 

坂井:時系列的に。

山田:まず何があったかというところを少しずつ説明して、その裏側等をいろいろと。

坂井:早速スライド0からですかね。これです。

山田:まず、菅官房長官が記者会見をやります。軽減税率、消費税を8パーセントから10パーセントに上げるにあたって、雑誌とか出版物についてどうするかと。

その時に、「例えば、ポルノ雑誌とかそういうものが全部入ってきてしまうのです。ですから、そういうものの線引きを、これはぜひ、業界の皆さんの中で決めていただく」。ということで、要は有害図書指定を自主規制でもって各業界の中で決めてもらおうと、こんな話をしていたわけです。

一方で、「全国で条例があるところとないところがありますから、そういうものを出版界の皆さんに自主規制していただいて、例えば議員立法とかそういう形で、きちっとするべき」と。こういうことを菅官房長官が言い始めたんですね。

ここから大パニックとか大変なことになりまして。まさに図書館戦争の様相があったと。これにこうして大変なことになっていた、あるいいは今も必ずしも火は消えていないんですが。

有害図書指定の選定はけっこういい加減

山田:出版4団体で軽減税率に向けて対応策を再検討していくことになりました。日本書籍出版協会が、実際にこの軽減税率を適用したいということで、自主規制を始めると。

日本書籍出版協会の小学館出身の理事長が「出版倫理協議会でやっている仕事を拡充し、国会答弁で使える資料を作りたい」ということで、「書籍・雑誌の法律の定義が必要で準備している」と。こういうことを述べました。実は、これは漫画家の赤松(健)先生もはたはた困ったということになりました。

自分たち出版業界が自主規制してしまうと非常に戦いにくいということになる。こういう状態下で、自主規制をはじめとしてかなり有害図書指定が進むんではないかと。こういうことが懸念されていたわけですね。

有害図書指定って言っても、皆さんよくわからないかもしれませんが。実際、不健全図書あるいは有害図書ということで、すでに各都道府県では条例があります。これは長野県以外あるのかな。

18歳未満の青少年が見てはいけないということで、区分陳列をするというような、有害図書指定又は不健全図書指定というものが実際に存在しています。

ただ、これはあくまでも区分陳列ということでありまして、成人の人は見ちゃいけないということではないんですよね。あとは、有害図書をどういうふうに指定するのかということも、各都道府県でまちまちであります。

これも番組でやりましたけど、けっこういい加減というか。毎月の都道府県の審議会で、これは有害図書だよね、あれは有害図書だよねってことを指定して決めていくというようなことがどんどん積み重なって、こんなのまで有害図書なの!? という状態なわけです。これを国が決めるとなると大変なことになるなと。

坂井:総務省の人がおもしろいことを言っていて。北海道なんかは特徴的で、1年で100冊指定される年もあれば、1冊も指定されない年もある。それは完全に担当者でしょうって思って(笑)。

山田:コメントにもありますけど、個人の好き嫌いの問題でありまして。よく番組でも取り上げますが、筒井(哲也)さんの例の『マンホール』。確かに、いろいろ、多少グロい表現はあるんですが、しょせんグロいぐらいでありまして、エロいわけでも、かなり偏った暴力シーンがあるわけでもないです。

どう考えても他の都道府県ではとてもじゃないけど、有害図書指定されるような状態ではないと思うんですけど。実際に長崎県では有害図書指定されました。とくに東京都と長崎県は厳しいと言われていまして。長崎県は春画まで禁止されるということだったわけですね。

これがなんと、とうとう成人も含み、国家がこのまま有害図書指定をするのかと。表現の自由というか。あるいは、こんなものが自主規制になったならば、ちょっとしたことでも出せなくなってしまう。すると、これはかなり大変な戦いになるなと。

この番組でもずっと言ってきたように、どこかで決戦に備えなければならないとなりました。実際、一昨日の1月18日の参議院議員の予算委員会で私が、安倍総理以下、菅官房長官も含めて質疑をするというタイミングを掴みましたので、そこでやろうということになってやったわけです。

トータルでは、片道12分ですね。片道方式とか往復方式とかは後でやろうと思ったんですけど。参議院議員の予算委員会って特徴的で、片道方式というのは、自分がしゃべっている時間だけカウントされる。

坂井:自分がしゃべっている分だけ時計が動くので、12分間しゃべってられる。

山田:それで大臣とかが長々しゃべってもそれは時間にカウントされないと。だから、だいたい2.5倍くらいになると言われていて。12分もらうと、だいたい30分くらい。私の場合は、30数分やっていまして。

坂井:多分、40分くらいやってました(笑)。

山田:上手く使って40分くらいやってですね。けっこう閣僚や安倍総理、菅官房長官も長くしゃべるということになりましたので、かなり効率的に時間は使ったんじゃないかなと思っています。

坂井:逆に昨日は往復方式の16分なので、これは自分がいっぱいしゃべったほうが得なんですよね? 

山田:ということで、往復方式とか片道方式とかあるんだけども。いろいろその中でもやりとりが行われて、いろんな珍回答なんかもあったということなんですけども。

最初は、菅官房長官に対して、「BS朝日の番組『激論!クロスファイヤ』での発言と記者会見は何なんだ?」と聞いたわけです。そうしたら、この同じような回答をするばかりだったんですけども。そこで、内閣法制局長官の横畠さんを呼びまして。安保法制では有名になりました。

坂井:毎回出てました(笑)。

法制局がお手上げな法律はそもそも作れない

山田:法制局って何かというと、内閣の法の番人と言われまして、法解釈における内閣の要なんですね。彼に、租税法律主義というものについて問い合わせたわけです。

これは何かというと。憲法84条で。税金をかける場合には必ず法律の根拠がなくてはならないと。そうしないと勝手に国税庁なり財務省が突然税金かけちゃうとか税率変えちゃうとか、税金かける対象を変えちゃったりとか、こういうことになってはいけない。

考えてみれば、有害図書指定をして、軽減税率として適用するかしないかというのは、この租税法律主義に従って話をすれば、文言に書いてなければいけないでしょ。

坂井:どういうものが誰にとって有害で。

山田:そう。有害で、いくらを料率として、どうやって決めているとかっていう運用まで書かないといけないわけですね。そうなると、実際にそんなものが書けるのかと思っていましたので、最終的にこの租税法律主義を持ち出せば、いくら官房長官であれ、有害図書指定というのは法律的に難しいだろうと考えていたわけですね。

これをやる前に、財務省とか参議院の法制局、内閣法制局を呼んでおりました。何で呼んだかと言うと。もう確定したとか有害図書指定はほぼ大丈夫ってことになったので、裏の話をします。

逆に私が有害図書指定をしたならば、どんな法律を作れるのかっていうことで問い合わせたんです。わかります? 

遊佐:はい。

山田:もし自分が有害図書指定を軽減税率も含めてできるんだとすれば、実際には法制局と話をして議員立法として出せるわけじゃない? だったら、自分たちで先に作ってみちゃおうと思ったんだけど、現実的には参議院の法制局では無理だと。

実は、内閣法制局も難しいというような結論だったんですよ。そうしたら、その親分である法制局長官だって作れるわけない(笑)。

ということで、これは法律にならないなと。議員立法にするとしても、法制局の力を借りなければ法律は仕立てられませんから。参議院であれ内閣であれ法制局がお手上げというような法律はそもそも作れないねと。

民間の自主規制がダメな理由

山田:あと怖かったのは、自主規制なんだけど。民間の自主規制はダメなんだよと。それはなぜかって言うと、民間で勝手にこれは有害図書、これは有害じゃないってことを毎回決めていたら、これは課税これは非課税とか、いろいろそういうことが決まってしまうというのは、まさにこれも租税法律主義に反するだろうと。徹底的にこの辺を言及して有害図書指定の戦いにまさに臨んだと。

坂井:あとは、事前に政府が指定できちゃう可能性があったので。

山田:そういうことを事前にやって、まさにリアル図書館戦争です。あの場で勃発と。関ヶ原とまでは言いませんけども、桶狭間の戦いみたいなことを。いわゆる奇襲作戦みたいな。なんたって、相手が強いよね。菅官房長官ですよ。

僕は今回相当ハードな戦いになるだろうと。政府の中でもナンバー2。実質ナンバー2の人を相手に、いろんな記者会見等でやると発言したものをある種撤回ならびに、進めないようにしなければいけないというのは、相当タフだし、潰されてしまうのではないかということも覚悟で、予算委員会に臨んだと。

もしこれに私が負ければ、例の図書館戦争ですよね。有川浩さんの、メディア良化法ですね。私は最後まで、メディア良化法ができたら、図書館の軍隊となって戦おうかと真剣に思っていたところです。

(一同笑)

山田:しもせかね。『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』の。あれの、公序良俗健全育成法。ここ私の空間は、しもせかの中のSOXですね、雪原の青(注:『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』に登場する下ネタテロリストの首魁)。

(一同笑)

山田:何言ってるかわかりませんけども。爆破されてしまうかもしれない、新宿花園のプールで、向こうにマジックミラーはありませんけど。いずれにしても、そういうしもせかの世界で、公序良俗健全育成法ですね。

あるいは、筒井哲也さん、先程言った『マンホール』の。この人は悔しかったんだね。

坂井:そうですよ。あの本作ったの。

山田『有害都市』という本を最近出されまして、これはまさに今回の話とまったく同じ。健全図書法というのが国会で通るという前提でどうなっていくのかというような。

遊佐:リアル過ぎて、現実とごっちゃになっちゃいました。

山田:読んだ? 

遊佐:読みました。実際に有害図書指定がされている日本という設定の漫画なんですけど、「あれ? 今って有害図書指定あるんだっけ?」と思ってしまうような漫画でした。

山田:まさにそういうものが通らんとしていた。私、正直言って、この戦いに負ければ、有害な図書はそんなもの税金は安くしたらおかしいよねっていうのは、パンピーにはわかりやす過ぎるので、どんどん(規制が進んで)いっちゃうかなと。それと、もう民間が白旗上げてましたから。

坂井:やるつもりでしたから。今日別の人と話しましたけど、民間はまだやるつもりです。

麻生財務大臣が『チャタレイ夫人の恋人』回し読みを国会で告白

山田:これは負けたらやばいなということで、かなり覚悟して行ったんですが。実際には結局どういう答弁になったかと言うと。まず、管さん、ちょっと私が最初に言ったことでは、先程と同じような話をされたんですが。

租税法律主義に関しては、横畠法制局長長官が「憲法84条は新たに租税を課し、又は現法の租税を変更するには法律又は法律の定めによることを有する」ということを言っています。

これを定義するのは非常に難しいですよねっていう話になって、ここがおもしろかったんだよね。担当大臣をお願いしますと。つまり、この問題に関して、政府で立法していくとすれば誰なんですかっていうことで、担当大臣って言ったんですが、誰も手を挙げないと。

(一同笑)

山田:いないんです。なぜか麻生さんが。財務大臣だったからなのか、漫画については俺に任せろということだったのかよくわからないんですけども。

「山田先生ご存じかと思いますけど」と言われて、知らねーよと思ったんですけど。「ちょっと昔話で恐縮ですが、当選される前くらいに」って、俺当選される前どころか生まれる前だろって。いや違った、最近だ。

「ポルノコミックを規制するポルノコミック議連を作ることになって、自分がその議連でやることになった」と。要は、自分は規制派だということを堂々とテレビの前で言ってたわけでありますけど。

「結果として成人コーナーというのを作って黄色いダイヤのマークに黒字で成人と書いたものを作る、それまでが限界だったんですよ」と。要は表現の自由とはギリギリの話になると。

もう1つ。これは非常に重要な財務大臣の発言ではあるんですが。「雑誌のほうはどこを雑誌とするかの規定がない。それから雑誌を所管している役所がない」と。基本的に行政府のほうで、立法ができない状態だよねっていうことをはっきり言ってるんですよね。

民間で税金を決めることは難しいよねっていうことについては、租税法律主義に基づいて、確かに難しいと。ところで、ここからが記事にもなったんですけど、何て言う記事になったかというと、「麻生財務大臣、『チャタレイ夫人の恋人』を読みましたと告白。軽減税率線引きをめぐり奇妙な答え」。これ産経新聞でニュースにもなりましたけど。こういうふうに。

「『チャタレイ夫人の恋人』 という本を読まれて、これがなんで発禁になったか、多分あなたには理解できませんよ」あなたって私を指して言ったんですけど。「しかし、俺たちの時代、全部あれは発禁だったんだから。あれ、みんなで回し読みしたもんですよ。今でも記憶にありますね」。

(一同笑)

山田:おいおい、回し読みをしたのかよと(笑)。その後、もう1つ「時代によって違ってくる」ということを発言したのも非常に大きくて。時代によって定義が変わってしまうことは、いけないことなんですね。まさに租税法律主義に基づいても法的安定性ですよ。実際にはこれは、財務大臣が事実上「できません」ということを答弁したのと同じ効果があります。

『チャタレイ夫人の恋人』とはどんな作品だったのか?

山田:せっかくのこういう番組ですから、『チャタレイ夫人の恋人』って何よっていう人もいると思うので、その当たりを皆さんに解説していきたいと思います。

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

『チャタレイ夫人の恋人』の完訳版を入手しておりますので、事務所に明日に届く。今日までに届けば読んでおいたんですが、明日に届くので、遊佐さんと共に来週までに読んでおいて、皆さんにどんなものかと。

簡単に言うと、『チャタレイ夫人の恋人』とは、イギリスのD・H・ローレンスの小説でありまして。性描写がきつくて検閲にあったと。日本でも翻訳がされたんですが、結局裁判になりまして、最高裁まで争われるということになりました。

これ自身は判決として昭和32年、わいせつだということで、発禁になります。ですが、おもしろいことに、今新潮文庫からは、同じ本プラス発禁になって切られた部分を復活させた完訳版なら売っている。

それはなんでかって言うと、この判決は最高裁の判決なので有効なんですが、翻訳家がもう1人加わることによって違うものだって認識になっている。プラスα、発禁になっている部分が復活したので原本と違うと。

何か不思議な状態だよねって。平気で今でも読めるようです。それを買ってみましたので、80ページくらいが削除されたところが復活しているらしいのですが、どこが削除されたのかっていうのを見ながら読んでみたいと思います。

あらすじは簡単で、イギリスのある準男爵の奥さんがいたんだけど、その準男爵が陸軍将校として第一次世界大戦に出征して、体が半身不随になっちゃった。それで、性喚起ができなくなっちゃったので、世継ぎを作らせるために、同じ社会階級の人とのお付き合いをさせようとしたんだけども、労働階級の人と付き合うことになっちゃって大騒ぎっていう。

描写が非常に……わかりません。当時のあれですから。古いので。

遊佐:今の説明でちょっとはてながありました。

(笑)

山田:何? その程度って? 

遊佐:労働階級と何でしたっけ? 

山田:貴族の人がいたんだけど、貴族の奥さんが、旦那が戦争にいって半身不随になっちゃって子供が作れないから、「同じ貴族階級の違う人と付き合いなさい」って言ったんだけど、奥さんは労働階級の人を好きになっちゃった。

遊佐:下の階級の人と。

山田:そういう話。で、性描写が激しいということなんだけど。これが激しいくらいだったら、BL小説とか。

坂井:ダメですね。

山田:多分。と思うんで、ちょっと比べてみたいと思ってはいるんですね。伊藤整という人が翻訳をしたんですけども、それ以外の『チャタレイ夫人』が全部禁止になったわけではなくてですね。次男の伊藤礼が共著という扱いになります。建前は別の翻訳本ということで。しかも、削減された部分を復元しただけ。それだったらOKみたいな。ということで、読めるそうであります。

あともう1つ。この判決には多数意見も少数意見もいろいろあったんですけど、少数意見で、真野判事がおもしろいことを言っています。

「そもそも最高裁の大法廷がわいせつを議論すること自身が間違いだ」と。「こういったことは、その時代の人間、その時代の感覚で決めることで、文学が何百年も残るように、判決も恐らく何百年もしたら拘束力がなくなり、この判決を出した我々を世間は笑い者にしているだろう」と。

笑い者かどうかは読んでみて判断したいと思いますが。いずれにしても、その完訳本が出たものを読んでも今はまったく捕まらないという事実は何なんだっていう話しなんですよ。そんなものなんですね。社会秩序系の法律なんてものは。

いずれにしても、その『チャタレイ夫人の恋人』を(麻生さんは)回し読みしたの。

(一同笑)

遊佐:何歳くらいの時ですかね? 

山田:さあ。今度オフで聞いておきましょう。

(一同笑)

総理が「検閲にあたる」という解釈を行った

山田:あともう1つ。これも重要な発言がありましたが、安倍総理ですね。最後に、有害図書指定に関して、これは事前の検閲になるのではないかと。これはどういうことかと言うと、ちょっと解説しなきゃいけないんですが。

今の不健全図書であれ有害図書であれ、各都道府県は発売されてからピックアップしたりとか一括方式ということで、例えば、「こういう感じで書いてあったらだめよ」という基準を決めているんだけど。

そうなると、出た後、売られた後に決めることになる可能性が高いんだよね。そうすると、最初は8パーセントなのに、後で物言いが出て10パーセントになっちゃうとか大混乱でしょうと。だから無理だよねと。

坂井:途中から変わっちゃう。

山田:であると、租税法律主義に基づけば、全部網をかけなきゃいけないっていうことは、理屈上、全部の出版物を事前に見とくってことになる。「それは検閲にあたるでしょう」って言ったら、「そもそも検閲はできないからまったく考えていない」ということになったわけでして。実際、検閲にあたるからできないって言ってるのに等しい。

坂井:実はこれトラップでして。検閲って禁止を目的としないと検閲じゃないんです。売っちゃいけないよっていうのを目的にすると検閲です。見て税率を決めるくらいだったら微妙なんだよ。だから、本当はあそこで、安倍さんは、「禁止を目的としていないから検閲じゃない」って言っていれば、まだ道は残ってたんだ。

山田:検閲にあたるという解釈を総理がしたということで、撤回ができないと。

坂井:これは実はけっこう大きいです。トラップだったんです。検閲にあたる可能性があるから。質問文には可能性って書いたんです。

遊佐:坂井さんが用意したトラップっていうことですか? 

坂井:はい。

遊佐:おおー!

山田:ということで、大丈夫ってことだった。