「株価下落で年金積立金にも運用損」安倍総理に追求

山井和則氏(以下、山井):ペラペラペラペラと聞いていないことを話し続けて、同じ話を何回もして、時間稼ぎをして、総理大臣としてもうちょっと落ち着いてください。

アベノミクスで現役世代や子育て世代の生活が良くなっているのか。実際、世論調査では7割以上の方々が景気回復を実感していないという答えが出ているんです。

いくら安倍総理がペラペラと「景気良くなってる」って言ったって、実態はみんな苦しんでいるわけですよ。そんな中でただ今、株価も下落しております。この4日連続、株価が下がったのは21年ぶりです。

そして今も乱高下しておりますが、もし今日も株価が下がったら、1949年の東京証券取引所開設以来、史上初のことになってしまいます。

今日も株価が下がったら、これは深刻な状況です。中国経済の問題、北朝鮮の核実験の問題、中東情勢、さらに原油安等々、本当に先の見えない状況ですが。昨年7月から9月で、7.9兆円、年金積立金、運用損が出ました。

これ、過去最大なんですね。今までこんな損が出たことはありません。そこで質問通告もしておりますので、安倍総理にお伺いしたいんですが。この4日間で約7パーセント株が下がりました。

7月から9月のときに14パーセント下がって、約8兆円年金の運用損が出ております。その約半分がこの4日間で下がったわけですから。これ、質問通告もしておりますが、ということは約4兆円くらいの年金がこの4日間で運用損になっているという可能性があるということですか。

安倍晋三氏(以下、安倍):(株価は)短期的な結果でありまして、株式市場はその国の経済の実態を表している場合もありますし、ただいまの下落については中国市場の先行き、あるいは中東の状況、サウジとイランの状況等もあります。

北朝鮮の核実験の要素等々の反映を受けているものであります。短期的なものを見て、日本経済の実態に当てはめるのは間違いだろうということがまず、踏まえておいていただきたいと。

こう思う次第であります。短期的な結果ではありますが、2015年のどの第2.4四半期の運用状況については、収益率はマイナス約5.6パーセント、収益額は約マイナス7.9兆円となりました。

その要因は、中国の景気減速懸念などによる、短期的な内外株式市場の悪化や、円高によるものと聞いております。しかしながらですね、こういうことを申し上げたくはないんですが、民主党政権下であった平成21年、9月ですね……。

山井:結構です! それは!

安倍:平成21年9月までの累積収益額は、事実だから申し上げておきたいと思います。累積収益額は4.1兆円だったはずでありますが、それ以降の累積収益は、今回のマイナスを含めても33兆円プラスになっているということであります。

ここを押さえておくことが大切であろうと、こう思います。また、自主運用開始以降の平成13年度から平成27年度、2.4四半期までの収益額の累積は約45.5兆円となっているわけであります。

なお、お尋ねの2015年の2.4四半期の収益額は過去のいずれの収益額の中でもマイナスが大きいことは事実ではありますが、年金積立金の運用は、長期的な観点から、安定、安全かつ効率的な運用を行っていくことが、重要だと考えているわけであります。

さきほども申し上げましたように、平成13年から平成27年度の第2.4四半期の収益額の累積は45.5兆円。年率の2.79パーセントでありますから、相当の効率の良い運用ではないかと。こう思う次第であります。

山井:委員長! なんで安倍総理は質問したことに答えられないんですか? 私の質問はこの4日間で7パーセント下落したら、約4兆円の運用損の可能性がありますねということを、質問通告しているわけです。長々と答弁して、そのことにお答えください。

安倍:短期的なことについて、いちいちこういう話をしても、これは意味のないことでありますから。正確に、年金というものはどのように運用していくかということについて、ご説明させていただいたところでございます。

山井:それは結構です! 委員長!

安倍:そして年金積立金は国内外の株式の組み合わせで運用しているものであります。日経平均株価等の国内株式の仕様がそのまま運用収益に反映されるものではないということは申し上げたいと思います。

したがって、ご指摘のような質問にお答えすることは困難でございます。このことを申し上げておきたいと(笑)。こう思う次第でございます。で、ありますから先ほど申し上げましたように、年金の積立というのは長期的なものを見ながらしっかりと、どれぐらい収益が上がって、ということでありまして、安倍政権下においては、このマイナスをもってしても33兆円プラスになっていた。との事実を申し上げておきたいと、思った次第でございます。

年金運用、ギリシャ国債でもしているのか?

山井:この4日間で約4兆円の運用損があったかもしれないことを、ちっちゃいこととおっしゃいますが、1日あたり1兆円の運用損が出ている可能性があるわけですよね? これはなぜかというと、結局年金積立金の株式運用比率を増やして、アベノミクスと称して、それを年金積立金を10兆円も株に投資していったら、そりゃ株は上がりますよ!

でも安倍総理、こういうのを完成相場というんですよ。結局こういう無理をして、公的年金マネー、国民の年金マネーを生計維持のために支持率拡大のために、株価を上げるために流用する。そういう無理なことをすると、いずれ暴落してしまうリスクを負うんです。

本来、国民の年金積立金をこのようなリスクに晒すのは、私は問題だと思っております。これについて今回の政権は驚くべきことをやっている。これも安倍総理に質問通告しておりますが、お答えください。

昨年の10月から低格付債、ジャンク債、ハイリスクハイリターンの、低格付債のリスクの高いものに、私たちの大切な年金積立金を投資することになったんですね。

私の知り合いの方からも昨日電話があって「株が下がって大変だ」と、「年金大丈夫か」と、結局安倍さんが政権維持のために支持率拡大のために年金マネーをどんどんつぎ込んでいってると。

でも株の投資を年金から増やしただけじゃなくて、昨年10月からは低格付債、これ、ギリシャ国債とかも含まれるんですよね? 安倍総理。国民が知らないあいだにギリシャ国債とか、そういうハイリスクハイリターンなものに、年金を。アルゼンチンとか中国国債とか、そういうものも含まれます。投資するのは問題だと思います。これ、通告しています。安倍総理!

安倍:そんな細かいことばっかり。

山井:安倍総理! ここ(書類)に通告って書いてあるじゃないですか! 昨年10月からギリシャ国債などの低格付債で運用が可能になりましたと。安倍総理おねがいします。

塩崎恭久氏(以下、塩崎):まず第一にですね、申し上げなければいけないのは、低格付債を含めた外国債券を運用対象とする運用受託機関の選定を公募して決めたわけでございますが、この公募を始めたのは去年の暴落後ではなくて、一昨年の平成26年4月に、公募をすでに開始して、そして三次にわたる審査にて、平成27年の10月にその選定結果を公表させていただいたと。こういうことでございます。

こういうことをやっているんではないか? とおっしゃっているのかもわかりませんが、実はこれは、1つのGPIFが考える運用委員会にかけた上で、決めた投資の方針であって、要は分散投資を行うということで、もちろんその中でどういうときにどういうことをするということについては、運用委員会できっちりと議論したうえで、ルールにのっとって決めているはずでございます。

いずれにしても、長い目で運用するということを、今、総理からも申し上げましたけども、実はこれは平成24年の2月22日、つまり野田内閣のときの衆議院の予算委員会。ここで明確に、小宮山大臣も、責任ということでございますが、積立金の運用というのは、長期的な観点から行われるということが重要だと考えております。

こうおっしゃっていますし、野田総理もですね、給付に当てるお金でございますから、やはり長期的に安定して、効率的に運用するということが基本であります。こうおっしゃってまして、さっきまさに安倍総理から申し上げましたとおりであって、これは厚生年金法の法律にのっとって、安全かつ効率的に運用をしていくことを旨としているわけでございますので。

ギリシャ国債の問題につきましては、平成27年11月30日時点でGPIFは定格付債の運用として、ギリシャ国債での運用をしていない旨を、明らかにしたところでございます。

塩崎:いずれにしても、具体的な運用にいたしましては、運用に特化した専門のGPIFに委託をしているわけでありまして、GPIFで外部の専門的な運用機関も活用しながら、適切なリスク管理のもとで運用をしているというふうに、理解をしております。

山井:まぁ、塩崎さんもいい加減な答弁をされますが、11月30日にギリシャ国債を買ってないと答弁したのは問題だったということで。実は具体的な銘柄を何買ってるか言ったらダメなことになっているんですよ。

ですから、現時点においては、どこを買っているか、ギリシャ国債を買っているかどうかも答弁できないということになってるわけですよ。それをまたこういう場所でおっしゃるというのは、非常に違法行為を黙認される形で問題だと私は思います。

そして、安倍総理にお伺いしたいと思いますが、このようなギリシャ国債を買ってるか、買ってないかも永遠にわからない、そういうことをやること自体は国民の年金生活者に対してたいへん私は失礼だと思います。

国民の年金を私物化するのはやめていただきたいと思います。こういう株式投資を増やしたり、ギリシャ国債に投資できるようにしたり、本当に問題が多いと思います。