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2025年の「働く」を考える 10年後に向けて日本が解決すべき3つの課題

2025年の「働く」を考える 10年後に向けて日本が解決すべき3つの課題

勤労感謝の日前後の7日間に開催される“働き方の祭典”「TOKYO WORK DESIGN WEEK 2015」の中で株式会社リクルートホールディングスの小安美和氏が「2025年の働き方」についてプレゼンしました。小安氏は「子育てをしながら働きやすい世の中を、共に創る。」iction!プロジェクト事務局長を務めています。今後10年で多様性のある働き方ができる日本を作らなければ、就業人口が大幅に減少する悲観シナリオを選ぶことになると警鐘を鳴らします。そのために今、解決すべき3つの課題についても解説しました。

(提供:株式会社リクルートホールディングス)

シリーズ
2025年の「働く」を考える
2015年11月19日のログ
スピーカー
株式会社リクルートホールディングス iction!推進事務局 事務局長 小安 美和 氏

10年後、2025年の自分を想像できますか?

皆さん、こんにちは。リクルートホールディングスの小安美和と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 IMG_6051 今日は2025年、10年後を皆さんと一緒に考えるという場です。今2015年なので、10年後は2025年になりますが、「私は10年後の自分の姿がくっきりはっきり見えている」という方、手を挙げてみてください。5年後だったらどうですか? 2020年、オリンピックイヤーに自分が何をしているか。 では、3年後、2018年だったら見えている方はいますか? 近付いてくるとだんだん何となくわかるかなという感じだと思うのですが、2025年と言われるとすごく難しいんじゃないかなと思います。 10年後についてお話ししたいのですが、まず、私の自己紹介を簡単にさせてください。私は社会人になってからちょうど20年目になります。 自身を振り返ってみたんですけれども、大学を卒業するときに10年後の自分がどうなっているかとか、20年後、どんなところでどんな話をしているかなんて、まったく想像もしていませんでした。

結婚退職後、シンガポールで専業主婦に

私のキャリアは少し珍しく、国内外で転職し、今、7社目。もともと、それを望んだわけではなくて。 20年前、大学を卒業したときには、私は3年か5年ぐらい働いたら、結婚して出産して、もしかしたら仕事は家でできるようなことをやっているのかな、なんて、実は想像していました。 配偶者の海外転勤で、28歳のときに結婚退社し、シンガポールに行きました。 最初、半年間専業主婦をやっていまして、まったく世の中とつながっていない、そして海外なので非常に孤独で、引きこもりになりそうな時期もありました。 そこからフリーランスでライターを始めてみたり、日本語教師やったりしながら、少しずつ社会復帰をして、現地の日系メーカーに勤めたり、編集者をやったりした5年間でした。 その後帰国したのですが、「駐在員の妻」として5年も海外に行っていた女性を採用する企業は当時あまりなかったんですね。 ですので、業務委託で前職のお手伝いをしたり、ベンチャー立ち上げを手伝ったりしながら、33歳で現在の会社に入社しました。 この10年間、上海への単身赴任、事業会社の役員など、さまざまな仕事を経験し、今年10月からはiction! 推進事務局で、働き方を変えていく、特に育児をしながら働きたいというお母さんたちの仕事の創出をしていくというプロジェクトのリーダーをしております。これが私の20年の歴史です。

2025年の日本、確実なのは人口が減るということ

では、日本の2025年はどんな状況なのか、リクルートワークス研究所が発表した2025年予測の内容を、私から簡単にご紹介したいと思います。 スクリーンショット 2016-01-04 15.09.13 まず、未来を予測するのは本当に難しいです。ただ、確実に予測できる未来がありまして、それは人口なんですね。人口という数字が、実はかなりの精度で予測できると言われていまして、2025年確実に来る世界として、ベースのこの知識だけ持っていただいたほうがいいんじゃないかなと思います。 スクリーンショット 2016-01-04 15.10.35 2025年、総人口が減ってまいります。少子高齢化ということで、高齢者の人口は増えていきますが、若年層の人口は年々減っていくトレンドとなっていきます。 スクリーンショット 2016-01-04 15.10.54 44歳未満の人口構成は、この10年でこれだけ減ってしまうという変化が起きることを、ぜひご認識いただければいいなと思います。今見えている景色とは違う景色が、働く職場でも、コミュニティにおいても起きてくるということを、ぜひ頭の中に叩き込んでいただければなと思います。 2015年の今、日本の就業者数は6,274万人と言われております。 スクリーンショット 2016-01-04 15.11.11 そして男性・女性の構成、それから正規で働いている方、非正規で働いている方、自営業の方、そして年齢別こなっている図になりますけれども、これが2025年になると、こうなります。 スクリーンショット 2016-01-04 15.11.25 2025年になると、40歳以上の構成が増えていくことが如実にわかるかなと思います。そして、就業者数は2025年になると6,091万人に減ると予測されております。

10年後に訪れるかもしれない悲観シナリオと楽観シナリオ

ここで実は、悲観シナリオと楽観シナリオに分岐していくんですけれども、今以上に、例えば女性の働き方をサポートする動きがなくなったりします。そうすると、悲観シナリオでいうと5,717万人まで、実は就業人口が下がってしまうシナリオになっています。 そして今よりも多様な人が就業できる世の中になったときには、楽観シナリオでいうと6,389万人、働ける人が増えるという試算になりますので、今のままでも6,091万人、下がっていくんですけれども、悲観、楽観、どっちにいくかによって、すごく大きな、働く人の数の差が生まれます。 スクリーンショット 2016-01-04 15.11.46 すごくシンプルに言うと、この後の日本経済は、大きく衰退シナリオと繁栄シナリオにわかれます。このまま、もし景気が停滞してしまえば、失業者が増え、消費が低迷し、経済が停滞するというサイクルに入っていきます。 一方、繁栄シナリオをご覧ください。経済活性化されたとしても、労働人口が減りますので雇用が生まれなければ、実は衰退シナリオと同じサイクルに入っていく可能性が十分あります。 でも、多様な人材の就労が可能になるかどうかが分かれ道と思っていまして、多様な人材の就労が実現すれば、働く人の数が増え、経済成長につながっていくサイクルが生み出せると考えております。

制約にとらわれない働き方を開発することが繁栄の必須条件

2025年の世界を予測すると、人口は確実に減少します。 その中でも、この国が活力を持った2025年を迎えられるためには、多様な個人が時間や場所の制約にとらわれず活躍できるような働き方を開発できることが必須条件になると考えています。 スクリーンショット 2016-01-04 15.12.02 こちらは企業の人事の方を対象に調査を行ったもので、上のグラフが現在、下が2025年です。 「企業にとって取り組むべき課題は何ですか」とお伺いしたときに、今、「仕事のやりがい」とか、「高い給料」、「成長の実感」が挙げられていますが、2025年になっていくと、約半数の企業が「従業員にとっての多様な働き方の選択ができること」が重要になると捉えています。 スクリーンショット 2016-01-04 15.12.17 今は3.2パーセントの企業しか、これが大事だと考えていないですが、2025年には企業にとって重要課題であると捉えているということがわかっています。なので、兆しと捉えていいかなと思います。

今後は「モザイク型の人材活用」が必要になってくる

これまではフルタイムを前提とした同質的な、同質性の高い個人の集団が企業を支えてきました。 スクリーンショット 2016-01-04 15.12.33 けれども今後は多様な方々、時間制約、場所の制約を抱えた人も含めて、モザイク型の人材活用をしていくことが必要になっていくのです。 まとめになりますけれども、2025年、人口減少、少子高齢化の中でも、いきいきとした時代を迎えるためには、働くことを望むあらゆる人が長く働き続けられる、それからさまざまな制約があっても働くことができる、仮に辞めたとしてももう一度仕事に就ける、こんな仕働く環境というものを社会と企業で創っていく、創り出せるのかどうかが、今後の日本のシナリオを分ける勝負になってくるんじゃないかなと考えております。 スクリーンショット 2016-01-04 15.12.51 最後に、このような10年後を見据えた中で、私たちが取り組んでいる取り組みについて、ご紹介させていただければと思います。世の中を変えることは非常に難しいんですけれども、少しずつ多様な人が働ける社会を創っていきたい、そこに貢献したいと思って、我々も今プロジェクトをやらせていただいています。

働きたいけど働けていない育児中のお母さんは170万人

iction! というプロジェクトなんですが、多様な人が就労できる環境を創っていくための第一歩となればと思っています。多様な人とは、フルタイムで働けない方々、たとえば、育児をしているお母さんたち、それから介護をしているミドルシニアの方々、それからさまざまな制約を持つ若年層もいらっしゃいます。 スクリーンショット 2016-01-04 15.13.16 中でも、働きたいけれども働けていない育児中のお母さんが、日本に170万人いると言われています。 私たちは、この育児中の働きたいお母さんたちが働ける環境を創るための取り組み、これができなければ、私たちは今後、シニアの方々、あるいは介護をしているミドルの方々も一緒に働ける世界を創り出せないと思っています。 育児とアクションを掛け合わせて「iction!」とネーミングしまして、子育てしながら働きやすい世の中を共に創るために、我々だけではなく、本当に働きたいという考えの個人もそうですし、先ほどのような企業の皆さん、「これから多様な人材の活用は重要だ」と仰っている企業の皆さんと一緒に、この世界を創っていきたいと思っています。

多様な人材活用のために解決すべき3つの課題

そのためには3つの課題解決をしなければいけません。今、日本においては、第一子出産で辞める方が6割もいます。辞めるか辞めないかは価値観ですし、辞める理由はさまざまあるんですけれども、後悔はしてほしくない。この解決をしていきたいのが1つ目。 スクリーンショット 2016-01-04 15.13.30 それから、子育てをしながら働いて両立されているお母さん方、でも「両立は負担です」と答えている方が8割もいらっしゃるんですね。このことを私たちは解決しながら、より働きやすい社会を創っていきたいと思っています。 スクリーンショット 2016-01-04 15.13.47 そして最後、働きたいのに働けない子育て中のお母さん、170万人いるんですけれども、この方たちが働いていない理由は、「子育てに専念したい」という思いが一番大きいですが、2番目にくるのは「働きたい条件に合う仕事がない」。これが3割もいらっしゃいます。 スクリーンショット 2016-01-04 15.14.05 そして同じく3割ですね、これは特に首都圏、都心部の課題なんですけれども、「子供の保育の手立てがない、預ける場所がない」という問題。もしかしたらここにいらっしゃる方でも経験された方がいらっしゃるかもしれませんが、預ける場所がないので働き始めることができない。 こんな「不」を持っていらっしゃるので、「どうなったら働けますか」というと、「週3日だったら働けます」とか、「4時まで、お迎えの時間まででいい仕事だったら働けます」という方がいて、実は「働きたいですか」と問いかけると8割のお母さんが「働きたい」と言われる。 なので、働きたいんだけれども働けていないボトルネックは何なのかということを一つひとつ言語化をし、このことに共感いただける皆さんと一緒に、課題解決をしていきたいと思っています。 では、こちらで私の話を終わらせていただきます。皆さん、ご清聴ありがとうございました。

  
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