本日のゲスト! 九州レインボープライド実行委員・のぶゑ氏

伊藤ようすけ氏(以下、伊藤):ナビゲーターの伊藤ようすけです。本来は私とふくだ議員とでこの番組を進めているわけでございますが。ふくださんは先週に引き続き、今週も公務のためお休みということで……。

スタッフからは「また!?」って声も聞こえるわけでございますが。でも、国会議員の方は国会やってなくてもお仕事あるわけですよ。

この番組のタイトルは『イケてる女子と地方を売り込め!』ということで、活躍されている女性の方、地方でいろいろと事業をなさってたり、頑張ってらっしゃる方をご紹介する番組なんです。さっそくではございますが……。ちょっと僕、間違えちゃだめなんでね。

のぶゑ氏(以下、のぶゑ):はい、ですね。

伊藤:ご紹介しようと思います。「九州レインボープライド」実行委員会代表でいらしゃいます、のぶゑさんでございます。

のぶゑ:はじめまして。

伊藤:はじめまして。のぶゑさんでございますが、まずはのぶゑさんが何をなさってる方かというのをご紹介いただければ。何レインボーなんだろう?

のぶゑ:はい。「九州レインボープライド」と申しまして、LGBTの……。LGBTってご存知ですか?

LGBTとは? セクシャルマイノリティーに理解を求めて

伊藤:そう。今日はLGBTの話です。この番組をご覧になってらっしゃる方。たぶん言葉は聞いたことあると思うんですよ。みなさん誤解されてる方、もちろん正しく理解されてる方もいらっしゃると思いますけど。今日はその話をずっとします。

のぶゑ:そうです(笑)。

伊藤:(コメントで)「聞いたことない」ってありますけど。お願いします。

のぶゑ:はい。私は福岡のほうでパレード、イベントをやっておりまして。そうです! グラデーションの連合化。その通りでございます。LGBTの説明をちょっとしますね。

伊藤:そうですね。まずLGBTの説明をしましょう。

のぶゑ:はい。LGBTのLっていうのはレズビアンのLです。

伊藤:レズビアンのL、はい。

のぶゑ:GはゲイのG。

伊藤:ゲイのG。

のぶゑ:BはバイセクシャルのBですね。TはトランスジェンダーのT。セクシャルマイノリティって言われている世界のことになります。

伊藤:みなさん、レズビアンのL。レズビアンっていうのはなんとなくおわかりかと思います。それからゲイも、おわかりかと思います。次のバイセクシャルというのはどういうことになるんですかね。

のぶゑ:バイセクシャルは両性愛者と言いまして、男性も女性も恋愛の対象、性の対象になる可能性があるという方たちですね。

伊藤:Tが……。

のぶゑ:Tはトランスジェンダーって言いまして。わかりやすく言いますと、テレビでよく出てらっしゃる、はるな愛ちゃんとか、佐藤かよちゃんとか。性が変わる子たちのことをトランスジェンダーという言い方をします。

伊藤:これが、LGBTということなんですよね? そのLGBTのどういう活動をされてる? っていう説明がいいんですかね?

のぶゑ:そうですね。私は啓蒙のために、パレードとかイベントをする団体の代表をさせてもらってます。

伊藤:それは福岡県で?

のぶゑ:そうです。

伊藤:さっきも打ち合わせの時にお伺いしたんですけど、普段は別にお仕事をちゃんと持ってらっしゃってて。

のぶゑ:そうです。

伊藤:そのLGBTを「もっと世間の人たちに、世の中に知ってもらおう、認知してもらおう」という活動のためにパレードをやってらっしゃると。

のぶゑ:そうですね。最初にちょっと話題になりました「のぶゑ」という名前になっておりますので、お察しいただけるかと思いますが私もゲイ。当事者でございます。

「おネエ」って言葉もちょこっとありましたけど、そういう感じの……。私は普段アロマテラピストのお仕事をしてまして、自分自身のことも含めて、世間にちゃんと知ってほしいなという思いを込めて活動をしています。

ふくだ議員のドタキャンで、自民党の歴史的な1日がスタート

伊藤:本来でしたら、ふくださんも一緒にいらっしゃるこの番組なんでございますが……。まずはゲイの方が、この自民党の1階のスタジオに足を運んでいただいて、自民党公認の番組にゲストで出ていただいているってことは、個人的にすごくいいことだなと思ってるんですけど。

のぶゑ:いや、私もびっくりしてます。

伊藤:僕の番組って基本的に自民党の議員の方しか出てないんですけど、議員でもない俺とのぶゑさんの2人でやってていいのかな?(笑)

のぶゑ:この状況がですね(笑)。

伊藤:「いいのかな?」と思うんですけど、スタッフがいいって言うから。まあまあ、いいじゃないですか。

のぶゑ:(笑)。

伊藤:だってふくださん、今日ドタキャンなんだもん。

のぶゑ:そうなんですか?

伊藤:ふくださん本人じゃないですけど、秘書の方から「公務のため、どうしてもこの番組出れないんで、伊藤さん1人で進めて下さい」って。

のぶゑ:(笑)。

伊藤:きたわけですから、別にやってもいいじゃないかなって。

のぶゑ:そうですね。

伊藤:はい。

のぶゑ:もう、しょうがないですね。

伊藤:でも今日はちょっと歴史的な1日じゃないかと。すごい楽しくて……。

のぶゑ:わー、うれしい(笑)。

キュートなおネエキャラ・のぶゑ氏のプロフィール

伊藤:じゃあちょっと、のぶゑさんの話をいろいろとお伺いしたいんですけど。今おいくつでいらっしゃいます?

のぶゑ:私は今、38才になりました。

伊藤:「油断するなよ、自民党」って出てる。これ、油断してないっていうね (笑)。逆に前に進めようとしてるんだって。

のぶゑ:前進でございます(笑)。

伊藤:38才でいらっしゃって、いわゆるカミングアウトっていつ頃されてるんですか?

のぶゑ:そうですね。隠さずに生きるようになったのは30才のときです。

伊藤:30才?

のぶゑ:はい。それまでは隠してお勤めをしておりました。

伊藤:普通に?

のぶゑ:はい。

伊藤:ちなみに、どういう会社にお勤めだったんですか?

のぶゑ:私はアパレル関係だったんですが、紳士服のほうにおりましたので、男社会の中で隠して生きておりました。結構大変だったんです。

伊藤:そうですよね、言葉遣いもどちらかというと女性っぽいじゃないですか?

のぶゑ:そうですね。ちょっとおネエっぽい感じ。

伊藤:そうですよね。その30才まではそういう言葉遣いでもなくて……。

のぶゑ:できるだけ男性っぽくしゃべるよう心掛けておりました。

伊藤:それはどうだった?

のぶゑ:小さい時から女の子っぽいしゃべり方をしていて、動きもちょっとなよなよしてるんですね。なので「オカマになるなよ!」とか親から言われたりしてたんですよ。兄からも言われたりしてたんですけど。

そういう教育だったので、やっぱりさすがに、自分がやっちゃいけないことをしてるって感覚も思い始めていて、できるだけ隠さなきゃいけないって思うんですけど、これ地から出て来るしゃべり方なので、隠せるのも限界があってですね(笑)。やっぱり社会人になった時に相当ストレスがかかってましたね。

周囲との違いに気づき始めた思春期当時を語る

伊藤:でも、ご自身では気づきながらも「ちょっと違う」「自分はそうじゃない」って思ったりすることもないんですか? ゲイじゃないんじゃないかって。

のぶゑ:やっぱりその当時、まだ10代の時って、今みたいにネットも発達してませんので情報が入ってこないわけですよ。検索する術もないですし。

伊藤:そうか。社会に出た時20歳前後として、17〜18年前?

のぶゑ:そうです。自分がちょっと違うなって感じ始めたのが、だいたい思春期ぐらいですから、12〜13才ぐらいから中学校、高校ぐらいですよね。

そのぐらいの時に、自分が他の男の子とは違う感覚を持ってることにだんだん気づき始めて。

伊藤:具体的にどういうところで気づき始めるんですか?

のぶゑ:やっぱり男同士でいると、エロの話になるじゃないですか(笑)。それでまあ、こう……。これ、具体的に言っていいのかな(笑)。

伊藤:いや、具体的には言わないでください(笑)。

のぶゑ:(笑)。

伊藤:さすがに自民党なんでだめです、具体的には! もうちょっとこう……。

のぶゑ:(笑)。

伊藤・のぶゑ:オブラードに包んで。

のぶゑ:思春期に特徴のある、女性の会話になったりする時に、映像もいろいろ見たりするじゃないですか? それを見た時に、私の見てる所と彼らが見てる所が違うわけですよ。

伊藤:そういうことか。

のぶゑ:そうなんですよ。それで、自分自身が「あれ? 何で記憶がないんだろう?」とか思うことが多々あって。だんだん男性に対して意識がいくようになってことを自覚するわけですよね。

伊藤:「あれ?」と。

のぶゑ:そうです。普通に、男友達といる時でも、意識はこっちにいく感じがする。でも当時はまだ、それが友情のような感覚があったんですよ。

伊藤:そうなんですよ。そこの境目ですよね。僕らでも高校の前半くらいまでは男同士でわいわいやってるほうが……。

のぶゑ:楽しかったですよね?

伊藤:楽しかったし、居心地よかったわけですよ。何か女性の前になると、ちょっと意識しちゃうというか。

のぶゑ:その意識の部分が、私の場合は男性に向くわけですよ。当時はまだその感覚がわからないので、好きという感覚よりは、友情ってこんなものかな? ぐらいな感覚だったんです。

それを今振り返ると、「あの時はもしかしたら、あの子のこと好きだったのかな?」とかわかるんですけど、当時はそれがわからず、そのまま過ごしていたような感じですよね。

伊藤:今と違って、ネットで調べることもできないし。

のぶゑ:まだポケベルですからね。

自分を責め、女性と付き合いつつも違和感を感じて

伊藤:地元はずっと福岡のほうなんですか?

のぶゑ:私は宮崎です。

伊藤:宮崎。九州っていうと、なんとなく男尊女卑な感じもあるし。男はこう、ドーンと構えて……ですよね?

のぶゑ:そうそう。

伊藤:それ、相当苦しいですよね?

のぶゑ:いや、相当苦しかったですね。先ほども言いましたけど、兄からも母からも「オカマとかになるなよ」っていっつも言われていたので。これはしちゃいけないことなんだって感じでずっと自分を責めてるような状態だったんですよね。なので、女の子と付き合おうとしたら……。「付き合ったら治るかな」って思って。

伊藤:付き合ったことある?

のぶゑ:あります。

伊藤:みんなあるんだよね。

のぶゑ:そう、あるんですよ。だけども、すーっごい違和感がある(笑)。ものすごい違和感があるので。何だろう? あの感覚。

伊藤:違和感というか、感覚からしたら、逆に楽なんですよね? そういうことじゃないんですか?

のぶゑ:結局、相手は性的なものを求めてくるじゃないですか。いわゆる距離感として、友達の距離感というよりはもっと近しい距離感で接してくるでしょ? 

いろんなもの、性的なもの以外でも、一緒の感覚というか、心のモチベーション的にもそうだし。そういうのに、ものすごく違和感があるわけですよ。

変な話、「一緒にソファに座ってテレビを見てます」って肩を並べてただ座って見てるだけなんだけど、すごい違和感があるんですよ(笑)。

伊藤:そういうことか。

制作協力:VoXT