「自分で決めて、自分でやって、自分で引き受けろ」

インターン生(以下、イン生):組織を作ってこられた中で、お子さんなどに伝えている「帝王学」などがあれば、聞きたいです。

DMM会長 亀山敬司(以下、亀山):そもそも帝王なんて目指してないからね(笑)。なんか権力者っぽく見えてるんだろうけど、好きにやっていったら、成り行き上こうなったって感じでね。人が増えてそれっぽく見えてるだけよ。

だから子供たちにも「お前は王になるために、これをやるんじゃぁ〜!」とかいう教育もしてないよ。「自分で考えて生きるんだぞ」ってことくらいしか言ってない。そのおかげで、うちの息子も自分で考えて、俺に内緒でDMMの新卒採用受けて、勝手に落ちて、他社でサラリーマンやっているよ(笑)。

(会場笑)

亀山:たまに、自分のことを教祖みたいに勘違いしている経営者もいるけど、そもそも経営者なんてのは、会社での権限と責任を持っているだけの人。王でもなければ偉い人でもないわけ。

我が家で大切にしているのは「自分で決めて、自分でやって、自分で引き受けろ」ってこと。それで結果的に、子供たちが社長になろうが、サラリーマンになろうが、職人になろうが、何でもいいのよ。

イン生:どうしてハッシャダイをグループにしよう思ったのですか?

亀山:「全国の中卒や高卒が、真っ当に仕事できるようになる道を作る」ってのが面白いと思った。

お前らみたいな若者を勧誘する会社はいっぱいあるんだけど、胡散臭いのも多いわけよ。適当に利用して使い捨てるやつとか。でも、少なくともハッシャダイは目先じゃなく、長い目でお前らの未来を見てると感じた。

あと、今どきのIT系スタートアップとかは、利益も出てないのに「凄いことやってます!」っていうのが多いわけ。確かに未来への可能性は大きいんだろうけど、出資が止まると死んじゃうような会社ばっかり。それに比べてハッシャダイは小さいながらも、ちゃんと自立しているなぁと思った。

まあ、誰も金出してくれないから、自立しかなかったのかもしれんけどな(笑)。

(会場笑)

亀山:すぐに儲からなくても、地に足をつけてやってるところが頼もしい。だから、一緒に大きくしてみたいと思った。

「やっとうちもエリート系ITっぽくなってきたのに、またヤンキー系やっちゃうの?」って声はあったかな(笑)。でも、知識のあるエリートと元気のあるヤンキーが組んだら面白いんじゃないかと。それで一緒にやろうって感じかな。だからまあ、俺を後悔させないでくれよ(笑)。

ハッシャダイCOO橋本茂人(以下、司会者):がんばります!

会社選びのポイントは「業種・成長率・離職率」

イン生:就職する企業は、どうやって決めればいいんですか? インターンの中でさまざまな会社を見る機会があるんですが、就職を決める時のポイントを教えてもらえればと思います。

亀山:営業系の会社が多いのかな? ここに来るとしたら。

司会者:はい、そうですね。様々な業界・職種で企業の方から採用にいらっしゃいますが、営業系が比較的多いです。

亀山:みんなどうやって決めてるの?

イン生:僕はお金が高いっていうところと、それと比例してやりがいのあるところが、今の自分のビジョンです。

亀山:「金」と「やりがい」は反比例のほうが多い気がするなぁ。どっちが優先かは決めといたほうがいいかな。やりがいのある仕事は競争も激しいよ。例えば、結婚式場より葬儀場、ディズニーランドよりパチンコ屋のほうが稼ぎやすいってことだな。

イン生:僕は人で選びます。この人についていったら自分成長させてくれるなっていう。

亀山:他力本願なやっちゃなあ(笑)。面接で会った人が上司とは限らないからな。それに、会社は学校と違って手取り足取り教えてくれないから。自分で勉強して勝手に成長しな。

イン生:僕はその会社のサービスで世界を良くしたい、人のためになりたいってところで選びたいと思います。

亀山:どんなサービスでも人のためになってると思うよ。誰かのためになってるから金が貰えてるんだし。だから、人のためになりたいなら、何を売ってるかより誠実に売ってるかを見たほうがいいかもな。

まあ、俺が会社を選ぶなら「業種」と「成長率」と「離職率」かな。

同じ営業でも「業種」によって稼ぎやすさは違う。俺が若い頃やってた飲食業より、金融業やIT業のほうがぜんぜん稼ぎやすい。同じ力なら稼ぎやすい業種だな。

会社の「成長率」はすごく大事よ。どんな大きな会社でも、成長してないと上がつかえてて出世できないからね。

ちょっと遅れてやってくるのが、会社からの評価

亀山:あと、「離職率」が高い会社や、規模の割に求人数がやたらと多い会社はヤバいな。たくさん雇ってたくさん辞めてる会社は、ブラックの怖れありだな。

イン生:ブラック企業を避けるなら、やっはりなるべく大きな企業がいいんでしょうか?

亀山:確かに、大企業や公務員の方がいろいろ保護されるから離職率は少ないだろうな。でも待遇がいいぶん、仕事にやりがいが持てなくても、ズルズルと会社にしがみついてる人も多いと思う。

旦那が嫌いになっても、自立に自信がなくて離婚できない専業主婦みたいなもんよ。待遇はホワイトでも気持ちはブラックかもしれないな。

イン生:どっちもホワイトがいいです(笑)。

亀山:ただ、どこに行ったとしても、新人にはいきなり大事な仕事が回って来ないからな。だから、たぶん多くのやつは入社したあとに、「こんなはずじゃなかった」と嘆くんじゃないかと思うよ。「同じことばかりやらされる」「なにも任されない」「評価されない」「辞めたいー!」ってなるかもしれない。

どんなの会社の社員でも不満はあるもんよ。うちの社員もみんな満足してるかっていうとそうじゃない。上司がイケ好かないとか、思ったほど給料が上がらないとかね。

お前らもハッシャダイに来たら、思ってたのと違ったとかあるんじゃない? 「もっと優しいと思ったのに厳しすぎる」とか(笑)。……おい橋本、なんかえらい頷いとるぞ、みんな。

司会者:はははは。

亀山:けど、会社を辞めたいと思っても一度は踏み留まってみるのはありかな。学校と違って会社での評価は、ちょっと遅れてやってくるもの。昇給や昇進ってのは一度上げたら下げにくいじゃない。どうしても慎重になるものよ。

まあ、やってもやらなくても時間は過ぎるんだから、2〜3年くらいは騙されたと思って全力でやってみな。本当に騙されることもあるけどな(笑)。

(会場笑)

亀山:騙されたら転職すればいいんだけど、それでも実力は必要よ。その会社が2部リーグだとして、そこで上位にいるから1部に行けるんであって、下位にいたら3部への転職になるからな。

もし、上司に「辞めます」と言って「いいよ〜」と笑顔で言われたら、「冗談ですよ」って、笑ってごまかしたほうがいいかも(笑)。

(会場笑)

自分の弱さに合わせて無理なく続けよう

イン生:亀山会長は「商売が好きだ」と言われてますが、僕は音楽が好きです。やっぱり好きなことを仕事にした方がいいんでしょうか? それとも、得意なことを仕事にした方がいいですか?

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