人生はプレゼンによって変えられる

中田敦彦氏(以下、中田):みなさん、よろしくお願いします。中田敦彦です。

(会場拍手)

ありがとうございます。素敵な会場でやらせていただけてうれしいなぁ。なにせ僕は、中学3年生から高校3年生までの学生時代という、一番多感な時期に吉祥寺に住んでいたんですよ。だから、僕という人間をほぼ作り上げた街といってもおかしくない。吉祥寺のせいでこうなったわけですよ(笑)。

(会場笑)

そこに自分の名前を連呼する歌とともに戻ってくるとは思わなかったなぁ。

(会場笑)

自分の名前を連呼する歌を作っているのは、あとはアントニオ猪木さんですね。『INOKI BOM-BA-YE(猪木ボンバイエ)』。ああいうジャンルですよね。あとは、『ジンギスカン』も人の名前だということを知っていましたか? 「ジン、ジン、ジンギスカン」というやつね。あれは「すごい男だジンギスカン」という意味で、ほぼ『PERFECT HUMAN』みたいな歌なので(笑)、ぜひ聞きなおしていただきたいですね。

(会場笑)

今日は「僕たちはどう伝えるか」講演会ということで、上手くおしゃべりをしたり、伝えるためにはどうすればいいんですか、という基本的なこと。そして、上手くおしゃべりをすることで、どのように自分たちの生活を変えていくか。そういったいろんなHowとその後の方法について。これを両方ともしゃべっていきたいと思っております。

60分ぐらいしゃべった後で、質疑応答などもございます。講演会もいろいろありますが、なにしろ私ですから、気さくに笑いながら、楽しみながら、そしてときには心の中で突っ込みながら「こいつ、しょうがねえやつだな」と思いながら聴いていただければありがたいので、よろしくお願いいたします。

まずは『僕たちはどう伝えるか〜人生を成功させるプレゼンの力』についてなんですが、この本は「どう伝えるか」というプレゼンテーションの技術だけを言うのではなく、「なんのためにプレゼンをするのか」ということを書いてあるところが、自分の中ではいいところだと思っています。

僕たちはどう伝えるか (単行本)

人間が他の生物より優れているのは、伝達能力と連携する力

なぜかと言うと、How to本というのは「こうしたほうがいい、こうしゃべれ」「言葉遣いはこうだ」など、かなりいろいろなことが書いてあるのですが、「ではどうしてしゃべらなければいけなかったんだっけ?」という部分が意外と書かれていないことが多いと思いまして。僕は、「まず人類とは」から考えたんですね。僕がこの中で人類とまで言い出すと、本当にヤバいやつだと思われそうなのですが。

(会場笑)

人類とは、まず非常に弱い生き物だと思ったんですよね。言ってみれば、相手がゴリラでも猿でもほぼ勝てない。サメなども、水中で遭ったら一発でアウトですよね。

それぐらい弱い生き物なのに、われわれは生態系で自分より上の強い動物を意識せずに暮らせていると思ったんです。それはどうしてなのかというと、地球上に天敵というものは、少なくとも日本においてはもうほとんどいない。

つまり人間は、この地球を制圧した生物なのだと。もうゲームクリアの世界にわれわれは生まれてきてしまい、あとはもう人間同士で争っているフェーズですよね。そういうことになっている。

ところが、「人間の優れたところはどこなんだろう」と思ったときに、腕力でもなければ体の大きさでもなく、スピードでもない。よく頭がいいなんて言われますが、頭の良さなんて本当に限定的なものです。檻の中でゴリラと二人っきりにされたらもう、頭の良さもなにもなく、普通に殴り殺されるだけですよね。頭がいいといっても、限度がある。

では、人間の何が優れているのかを突き詰めて考えると、「伝達能力と連携する力」だと僕は思ったんです。つまり、われわれは、たった1人ではマンモスを倒すことはできないわけですよね。ところが連携して「俺がおびき寄せる」、「俺は石で尖った槍を作る」、「俺は網を草を結って作る」、「落とし穴を掘って隠す」と。

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