教育にイノベーションを起こす3つの取り組み

猪熊真理子氏(以下、猪熊):みなさん、こんにちは。すごい密集度ですね。今回、この分科会は教育、とくに「教育×テクノロジー」ということで、EdTechを中心に、日本における……日本だと2020年に大きな教育改革もありますので、EdTechが地域にどれだけインパクトをもたらすのかについて、1時間くらい、お話をさせていただければと思っています。緊張しますけど(笑)。

(会場笑)

最初に、簡単に自己紹介をお願いできればと思います。では、まず佐藤さんからお願いしてもよろしいですか。

佐藤昌宏氏(以下、佐藤):みなさん、こんにちは。デジタルハリウッド大学大学院で教員をしています、佐藤と申します。今教えているのがまさにEdTechなんです。EdTechの定義は、このあとにたぶんお話するところがあるので、ちょっと割愛しますけれども、僕自身が実務家教員というカテゴリです。

デジタルハリウッド大学は、株式会社立学校(株式会社が設置した学校)で、2004年に作った一条校(学校教育法第一条にある、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学・大学院・高等専門学校)の大学・大学院なんです。

僕もデジタルハリウッドの経営企画の役員をやっていて、30代のときに学校を作ったりしました。それ以外にも大企業にいたり、自分でeラーニングの会社を起業したりといった実務経験がありまして。eラーニング系の経験をもって、実務家教員として教えております。今やっていることのメインは、教育イノベーションをテーマとしています。

3つのアプローチがありまして、1つはトップダウンというやり方です。教育は制度や仕組みがあるので、国の側……制度を提言する側に回らないといけないということで、今は教育再生実行会議メンバーや、経産省の「『未来の教室』とEdTech研究会」もさせていただいております。

あと、ボトムアップをやっています。自分自身で授業もやっていますし、先生もやってますし、教育の現場から変えるということで取り組んでいます。もう1つは、イノベーター支援ですね。まさに、隣にいらっしゃるみなさんに、創業当時くらいからお付き合いをしていただきながら、イノベーターのパワーを使いながら、教育のイノベーションを起こしていこうという取り組みをしています。今日はよろしくお願いします。

(会場拍手)

75万人が利用するオンライン教育サービス「スタディサプリ」

猪熊:EdTechを勉強するために、まず佐藤さんの著書『EdTechが変える教育の未来』という本を読みました。海外の事例もそうですし、たくさんのイノベーターの事例もご存知の方で、あとでゆっくりおうかがいしたいと思います。では、山口さん、お願いします。

EdTechが変える教育の未来

山口文洋氏(以下、山口):みなさん、こんにちは。リクルートマーケティングパートナーズの山口です。私は、スタディサプリという名前でのオンライン教育サービスを2011年ごろに起ち上げました。2017年度では、日本が中心なんですけどだいたい75万人くらい利用者がいます。月額980円、もしくはそれ以外の金額を払って勉強しているお子さんたちがいらっしゃるんです。

利用者の約半分は、放課後の民間教育というか、放課後の学習に使っていただいています。残りの半分が、実は学校で使われていたりもします。ただ、学校の方で使われているのは、ほとんどが高校です。

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