創業当時のさくらインターネット

大谷イビサ氏(以下、大谷):では次、田中さんからお願いします。

田中邦裕氏(以下、田中):はい、みなさんこんにちは、田中です。いつもはクラウドの話をしてるんですけれども、今回はせっかくなので「さくらインターネットの働き方」ということでお話しさせていただきます。

実は当社は意外と古い会社でして、もう今年で22年になります。そもそも22年前には、Slackどころかクラウドがなかったです。

なので22年前からメールオンリーで、メールに慣れ親しんだ当時25歳の社員も今や47歳という、その中で変わるためにすごく苦労しながらも、変わろうと考えてる会社です。

なぜこのグラフを出したかというと、日本経済によく似てるんですね。最初はすごい勢いで80年代に伸びた会社が、急に外部環境が変わって伸びなくなって、投資をしない、そして人も採らない。

どちらかというと効率化して利益を上げる、その先にやっぱり成長しないといけないというところで、足踏みしてる。

これが日本の経済だと思うんですけれども、日本の経済のまさしく2012年あたりの我々の姿でした。この頃はいわゆる利益は多かったんですけども、売上はほとんど伸びないという状況でした。

なので、売上の成長だとか、社員の採用よりも、いかに社員が辞めることによって利益が上がるかとか、コストをカットして利益を増やすかみたいなことになってたのが事実です。

実際に2010年あたりから、社員が減ってきてるんですね。リストラしてないんですけれども、働きにくい会社というのは、勝手に社員が辞めていって、でもコストが下がると利益が増えるんですね。

現場は疲弊するわけですけど、利益が増える。当時2割くらいの営業利益率でしたので、こういったことをしているうちに、ほとんど伸びなくなると。大石さんが2007年にクラウドに触れたとお話しされてましたけれども、当社は2009年、2010年あたりからとてつもなく成長しなくなったんです。

ただその反対にくるのは、やはりクラウドビジネスをそのくらいにやってたと。私は第1回のJAWS-UGとAWSのコミュニティにおいて、乾杯の挨拶をしてるんです。こんなにAWSになると思ってなかったんですけども、個人的にはすごくAWSが好きだったんです。

そんな中で変わらない会社、しかしAWSが好きだという個人のメンタリティがある中で、乾杯の挨拶をしつつ、細々とクラウド事業を始めたのが2011年頃です。

さくらインターネットの離職率は1~2パーセント

田中:ただこのあたりからやっぱり会社がおかしいなと。私はアントレプレナーですから、会社を大きくする、成長してお客様に認めてもらうことに対するモチベーションはすごく強いし、承認欲求がめちゃめちゃ強いんで、ぜひあとで拍手をすごくしてほしいんですけども(笑)。

(会場笑)

そういった中で、なんだかんだいいつつ、やっぱり利益じゃないんじゃなかろうかと。利益はもちろん重要です。ただ、やはり社員がたくさん増えて、社員の離職率が下がりながら、お客様にも認めてもらう。こういったことをやってきたのがここ3~4年の話。

結果としてはクラウドが一番、当社の中で大きな売上になり、社員の伸びが増え、そして2010年、2011年あたりから離職率が2〜3パーセントになったんですけども、最近は本当に1~2パーセントくらいで、すごく低どまりしてるという現状があります。

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