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株価40倍に急成長! カリスマ投資家はドンキ成功の未来をどう読んだのか

株価40倍に急成長! カリスマ投資家はドンキ成功の未来をどう読んだのか

ファンドマネージャーの藤野英人氏が、 新著『投資バカの思考法』の発売を記念して、天狼院STYLE表参道にて「投資とお金」をテーマに特別講義を行いました。過去、藤野氏はドン・キホーテの将来性にかけて投資を行い、大成功。どうして藤野氏は、ドンキ成長の未来を読むことができたのか? 時勢を読み、ときにはその裏を突く藤野流の投資術には一般の人にも真似できる要素がたくさんありました。

(提供:SBクリエイティブ株式会社)

シリーズ
カリスマ・ファンドマネジャーによる<投資とお金> 特別講義
2015年10月8日のログ
スピーカー
レオス・キャピタルワークス CIO 藤野英人 氏

相手の偏見が収益の元になる

藤野英人氏 ドン・キホーテに話を戻します。まず今もそういう傾向はあるんだけど、いろいろ業種があるときに、例えばアパレルとか消費、食品、化粧品の業種は女性のアナリストが担当することが多いんです。これ性差別です。 アメリカとかイギリス、フランス、ドイツとかだと化学とか自動車とかのセクターに女性のアナリストがわんさかいるんですよ。 例えば、アメリカで最近まで現役だった自動車のナンバーワンのアナリストというのはおばあさんでしたね。その彼女は30年間くらいトップだったという話なので、彼女の話を聞きたいという人がたくさんいました。 でも私が前々職の日系の会社にいたとき言われたのは、「女は製造業わかんない」とか。「めっちゃ性差別じゃん」と思って。でもそれは怒ることでもあるんですけど、冷静に考えれば出し抜けることなんですね。 要するに投資とかビジネスでは、相手の偏見が収益の元なんです。みんなが偏見を持ってるということは、チャンスがあるということなんです。 その中でドン・キホーテというのは、ほとんど女性のアナリストたちが商業セクターにいました。その商業セクターの、女性たちもある種の偏りがあるんですね。いいとこのお嬢さんばっかりで、一流大学を出ている勝ち組女性の人たちが多いんです。 だから彼女はドン・キホーテなんか絶対に行かないです。キモイじゃないですか。何かよくわかんないところで新宿歌舞伎町とかで夜2時とか3時とかにどこの国の人だかわかんない人たちがいる、ちょっと怪しい場所でしょ? で、バッタ商品みたいなのも売っていそうだし。だからすごく低く評価されてたんです。私がドン・キホーテを見た瞬間に思ったことは何か。「これ安くなるな」と思ったんです。 何でかっていうと、女性のアナリストたちは高級ブティックとか高級なものを買うような方が多いので、だからこういうもの、ドン・キホーテのような会社を多分評価できない。 一方で、同じように男性のファンドマネジャーたちも多分ドン・キホーテを評価できないと。私はドン・キホーテ見てどう思ったかっていうのは、まず偏見だと。ドン・キホーテ偏見だと思って。 ドンペンって変なものがあると。何だあのペンギンはと(笑)。でも偏見なく見ると、あのペンギンはかわいいかもしれない。 それを見て中入ってって、新宿夜2時とか行って、いろんな人が、何してるかわからない人がわーって買い物してました。それからお昼も見て、いろいろ見てわかったんですよ。何度も見てわかった。 ドン・キホーテは、これはただのディスカウントじゃないなと思ったんですね。これはエンターテインメントだと。娯楽だと。これは安売りのものじゃなくて、夜ふらふら遊びに行く場所だなと。消費の一つに関わる変化だというふうに思ったんですね。

実はドンキは全然安くない?

かつもう1つ本質的に思ったことがなにかというと、ドン・キホーテは実は全然安売り店でも何でもないんです。だって利益率高いじゃないですか。8パーとか9パーとか。メーカー並の利益率があるんですよ。 一般的にディスカウントっていうと、安く仕入れて安く売るから利益率2パーセントか3パーセントぐらいです。でもこの会社、8パーとか9パーとかだからメーカー並みにあります。 それは、なぜかと考えると、彼らは商品は安く売ってるけど、もっと安く仕入れてるからなんですね。何でもっと安く仕入れられるのかというと、日本が供給過剰だからです。 だからものを作り過ぎているので常に負け組が出て余っているものがあるから、それを大量に仕入れても、在庫でいっぱいになっちゃってて倉庫代もかかってるから燃やすしかないというものがいっぱいあるんですね。それをタダ同然で仕入れるわけです。 例えば、こういうものがありました。等身大の聖徳太子の仏像みたいのがあるんですね。これ誰が買う? 誰が作ったんだって話ですね。作ったやつも駄目だろうって(笑)。 聖徳太子のこうやってやってる仏像、なぜ作っちゃったのかな。謎ですよね。だから多分たいへん余ったと思うんです。 多分、彼らはほとんど数円で買ったんだと思います。でもそんなもの要らないじゃないですか。ここに10体並べて、じゃ1万円でどうぞとか言っても誰も買わないと思います。 でも500円だったらどうですか? これ、しゃれで買う人いるよね。「家の隅に置いとこう」とか。商売のときとか、ちょっと脇に置いとこうかというのはあるので、500円だと買う人がいるんです。だから多分1円とか10円で仕入れて500円で売ってるから、利益率は高いわけですよ、すごく。 「なまずくん」という器械も売ってました。震度5になると「地震やで!」と言って起こしてくれるというやつです。いや、震度5だと普通に起きるから。 (会場笑) 何でそんなことに気がつかないんだろう? 作ったやつの顔が見たい(笑)。なまずくんという商品を売ってました。でも150円でした。これならクリスマス会とか何かで買いません? ジョークで。 一笑いとれればいいじゃないですか。150円で一笑いはとれるから買っていいよね。これがドン・キホーテなんですよ。 だからドン・キホーテは、供給過剰な社会の中で本来は価値がないものをしゃれであったりおもしろさっていうところで安く仕入れて、それを多店舗展開する中で、その商品の奇抜さである種のエンターテインメントの文化を作っている場所なんです。 というふうに理解すると、新たな消費のカテゴリーを作ったということなので、これは価値がある。 その当時、東京にしかなかった。12店舗ぐらいで上場してきたんだけど、多分こういうようなものは、名古屋だって大阪だって、多分出店の余地はいくらでもあるというふうに考えたのが私がドン・キホーテに投資した大きな理由なんです。 当時時価総額で80億円ぐらいで、今3,000億ぐらいあるので、30倍、40倍になってるんですね。 だから相手の偏見とか多くの人の考えの矛盾というのをいかに突くかというのが、すごく重要です。

話題の大塚家具、20年前の裏話

さらにもっとさかのぼると、今話題になってる大塚家具ですね。大塚久美子さん、今の社長、20年来の友人なんです。20年前、大塚久美子さん29歳。 若い青年たちの中で、29歳のときに大塚家具に行きました。そのとき、大塚家具がどういう状態だったかというと、有明に今の本社ビルを移したときだったんです。 そのときはどういうときだったかというと、「都市博」というのが昔ありまして、青島(幸男)知事という人がいて都市博というのを打ち上げたんだけれども、それが都民の不評を買って選挙に落ちてしまった。 それで、都市博が中止になった。都市博というのは今のお台場のところにある予定だったんです。 その都市博を見込んでゆりかもめができたんですね。ところがゆりかもめ作っちゃったんだけど、都市博は中止になっちゃったんです。だから20年ぐらい前、ゆりかもめできたんだけど誰もお客さん乗ってなかったんですね、当時。 だから当時、空気を運ぶって揶揄されていたんです。で、大塚家具はそこの今の大塚家具のスペースのところに巨大な店をつくり、勝負に賭けたんです。 多くのアナリストは絶対に失敗すると言いました。なぜならば都市博が失敗して、有明はゴーストタウンになるということだったんです。ゴーストタウンに出す。成功する気が全くしないですね。 ところが私はある人から、実は娘さんというのは優秀で、その娘さんが会社に入ったらしいということを聞いたんです。それで会社が変わるかもしれないという話があったんですね。 「そうなんだ」と思って、それで会社変わるかもしれない。そしたら、大塚久美子さん28歳が出てきました。今でもすごい美人じゃないですか。28ですよ、本当に心がときめきました。すごいって。何だこれはと。 (会場笑) でも心がつかまされたらもう駄目だ、「ここは平常心」「負けないぞ」と話聞いて。

気付かれていなかったお台場のポテンシャル

すらすらすらすらって話をしましたね。要するに彼女が言ったのは、「都市博が中止になったことはすごくいい」。 なぜならば、あそこはポテンシャルのある地域なので都市博が中止になった瞬間に土地の値段がガーンとデータで下がってる。坪1万円ぐらい。でも、あそこが坪1万円っていうのは本当に実は最高の場所になる。行けばわかる。 アクセスが良くて、大きな駐車場を作ることができて、かつおそらく夜景もきれいでフジテレビ本社もできるし、そういう面でも未来のある場所であると。だから2年から3年ぐらいしたらあそこの土地の価値も上がり、坪1万円で入ることができた私たちはそこで大きな売り場を確保できていて、家具の業界を一変することができる、と言ったんです。 「なるほど」と。でも信用できるかなと思いながら、何度もガラガラのゆりかもめに乗ったわけですよ、どうかな、と。そして夜、たまたま6時半ぐらいに行ったんです。ゆりかもめで行くと、ほとんど誰も乗ってない。僕1人で先頭車両。真っ暗な中ですごくきれいなんですね、夜景が。びっくりして。 これはすごいなと。この夜景はみんな知らないぞと。皆さんもゆりかもめ、夜景知ってるでしょう? 見たことがあるよね。 これ絶対1年、2年したらわかるよな、ここの価値が。やっぱりお店とかができたらここに人が集まるから、これは絶対勝つよね、と。東急レックスとかそのあとできるんです。 見てわかる。別に僕が優秀だからじゃない。そのときにタイムスリップして皆さんが見ても、これはすごいと思う。これは目がついてればわかる。 ただ大事なのことが1個あります。偏見なく、ゆりかもめはもう駄目だと全員が思っているときに、本当に駄目なのかと疑うことです。 行って見ました。すごくいい景色でした。で、大塚家具のお店に行ったら家具がガーンと並んでて。すごい、これは絶対いけると。それで思ったんです。買おう。投資しよう。

3割増で買った株が4倍の値に

当時イオンが大株主で、イオンが10パーセントぐらい持ってたので、イオンに「売ってください、買いますから」と話をしたら、担当者がちょっと欲深な人で、「今、売れないな。30パーセントぐらい高いところだったら考えてもいいかな」と言うわけです。多分30パーセントぐらい高いところだったらと言ったら、引っ込むと思ったんでしょうね。 それで、「あ、それでいいんですか」と。30パーセント上がったのに「買います。ぜひ買わせてください」って言いました。 「いいの? 30パーセント高いところだよ」言うから、「30パーセントつり上げて全部買います」という話をして。 それでそのとき400円ぐらいだったかな、すごいお安かったときにそれで30パーセントぐらい株価上げて、彼ら株出してくれた、バーンと。 で、店がオープンしました。すごい人なんですよ。ものすごい多くて株価が4倍になりました。3か月ぐらいで。だってそこ行ったらすごいからもう評判が評判を呼んで。大塚家具の快進撃はそこにあるんですね。4倍ぐらいになりました。それから10か月後ぐらいに1700円。

常識を裏から見ると投資“バカ”になれる

これで伝えたいことは何かというと、そういう偏見はいっぱいあるんです。偏見があると頭に来るんです。頭に来るんだけど、でも考え方を変えて、この偏見を利用できないか、この偏見を消費できないかと裏返して考えることによって、いろんなことが変化したりするんです。 余ってるものとか価値がないものを発見したときにチャンスかもしれないと思うことが大事で。なぜならば余ってるものは安く買えるんです。余ってるものを不足してるところに渡すことが消費です。 だからどこに余ってるものがあってどこに不足してるものがあるかを常に考えていくと、これは別に投資に限らないで商売が大きく成功するもとになるんじゃないかと思います。 私が『投資バカの思考法』という本で言いたかったのは、この“バカ”の“バカ”っていうのは今言ったようなバカなんですね。本当にバカっていうところもあるんでしょうけど、バカっていうのはものをひっくり返して考えられるということだと思います。 皆さんチャップリンの『独裁者』っていう映画観たことあります? 観たことない人がいたら今huluとかネットフリックスとかですぐ観られるので、ぜひ観たほうがいい映画です。すばらしい映画ですね。世界の宝だと思います。 『独裁者』という映画はチャップリンの映画です。このチャップリンが1人2役を演じてるんですけど、独裁者であるヒトラーと床屋のよく似たうり二つの人たちを演じて。 主人公は床屋さん。主人公の床屋さんは第一次世界大戦のときに頭を打って病院に行ったんだけど記憶が飛び落ちて、また元の床屋に戻ってきました。 そしたらヒトラーの時代になっていて、世の中がとんでもなく大きく変化してしまった、差別のある世界の中で、彼は差別のなかった時代に生きていた人なのでそのときのまま行動すると、もうナチスの憲兵に追われて、ドタバタ劇を演じるというのがこの『独裁者』。 これすごくいいトリックを使っていて。要するにこの独裁というものの恐ろしさに、従ってない、わかってないところをコミカルに演じることによって、独裁制というものの恐ろしさを見せてくれているんですね。 ひっくり返すんです。それが『独裁者』のおもしろさなんで。本来あるべき常識をひっくり返すことによってコメディを作ってるっていうのが『独裁者』のおもしろさなんですね。 同じように、僕らがある今の社会を裏返したりひっくり返したり、外から見たり、斜めにすることによって価値を発見したり、逆に価値がないものなのに価値があるように見えてるものも見えたりするっていうことが、実は『投資バカ』の一番重要なポイントなんですね。 だから『投資バカ』っていってるけれど、裏返してバカでいるということは従来の常識にとらわれないで見るっていうことをやって、世の中をフラットに見たり、見方を変えることによって価値を発見したりすることができるんじゃないかっていうのが、『投資バカ』で伝えたいことなんです。 だからこれでお金儲けが、実はできると思うんです。このことの神髄を見れば実はお金儲けのチャンスはどこにでも転がっている。それも別に悪どいことをしないでできることがたくさんあるんじゃないかなと思います。 またそういう観点でいると、ドン・キホーテみたいな会社もいくらでも発見することができる。だって3,500社も上場してる会社があるんです。この中で良い会社を発見することができるんじゃないかなと思います。

  

(制作協力:VoTX

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