日本マイクロソフトのワークスタイル

吉田馨一(以下、吉田):はい、それではお時間になりましたので、進めさせていただきたいと思います。

Skype for Businessで実現するワークスタイル変革、私は日本マイクロソフト株式会社クラウド&ソリューションビジネス統括本部の吉田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

まず簡単に自己紹介、本当に簡単にいきたいと思いますけれども。一応マイクロソフトのほうにおりまして、Skype for Businessの製品の営業の担当をしております。

とはいってもあまりマイクロソフトは実は長くなくて、昨年の12月に入社した、いわば新入社員みたいな、こんななりですけれども新入社員というところでございます。

以前は某六本木のほうの同じような製品を扱ってる会社におりまして、そちらからわけございまして、自分の意思で動いたというところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日なんですけれども、まずはSkype for Businessは日本マイクロソフトのワークスタイルに密接に関係しているものですから、そこの部分をどのような形で活用しているかをご紹介させていただきながらデモンストレーションします。

あとはこれからSkype for Businessがどういう形で進化を遂げていくのか、そのあたりについてご紹介させていただきたいと思います。

なので、テクニカルデイですけれども、あまりテクニカルな内容は含まれませんので、どうぞ気を楽にして聞いていただけたらありがたいです。よろしくお願いいたします。

まず、日本マイクロソフトのワークスタイルについて、少し簡単にご紹介させていただきたいと思います。

この中で私どものオフィスツアーというのを、結構頻繁にやらせていただいているんですけれども、そちらにお越しいただいたことがある方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。

ありがとうございます。ちょうど2割くらいですかね。ありがとうございます。はい、かなり頻繁にやらせていただいております。

本当に1日に何件のお客様もお越しいただいております。はい、一応コンセプト、いろんなさまざまな表情を持ったオフィスではあるんですけれども。

2011年に品川に以前あった5拠点を集約いたしまして作りました。こちらに代表されるような形でフレキシブル、フリーアドレスで働いておりまして、だいたい6割ぐらいの席がフリーアドレスという形です。

あとはプライバシー、個人で作業をしたいという向きもございますので、そこについては個人作業ができるようなスペースがあったり。

あとはもっと集まって働くような場所も、カジュアルなスペースもありながらフォーマル。これは役員会議の写真を持ってきたんですけれども、こんな形のお部屋もあったりします。

あとは気楽にHUBスペース、奥のほうに見えづらいかもしれないですけれどもビリヤード台、あとXboxがあったり。これはファミレスチックな絵ですけれども、こんな形でチームで簡単に集まれるような場所ですね。非常に働きやすい環境でフレキシブルに働いております。

過去に3回、働き方の改革を失敗してきた

とは言うもの、結構ここに至るまでに3回ほど、このフレキシブルな働き方というトライに対して失敗をしているんですね。

みなさんいかがでしょうか。マイクロソフトが失敗するというとワクワクしませんかね。しませんね。すいません、失礼しました。

1回は13年前くらいに大阪のオフィスのほうで取り組みをしたんですね。営業の拠点でフリーアドレス化とフレキシブルな働き方をやっていったんですけれども、失敗しました。

どういった理由があったかというと、固定のIP電話を使ってたんですね。当時、弊社のものではなくて、その固定のIP電話に、いちいちログインをしなければいけなかった。

ログインをするってPIN番号とか入れないといけないんですけど、これって忘れてしまうんですね。忘れてしまうとそのどんどんその電話とか使わなくなって、結局1つの場所にとどまってしまうと。

そういうことがあって「これはあんまり意味がないね」ということがありました。あとはマネジメント、部長のような方が、あまり部下がどういう仕事をしているのかが、一目でわからなかったのも不評でした。

ということで、13年前にトライしたんですが立ち消えになってしまったんですね。

2回目と3回目については、マイクロソフトのコンサルティングサービスをやっている部隊がありまして、そちらのほうでやったところ、コストを削減するために取り組みをやったんですけれども。

「何でうちの部署だけ、そんな不平等な扱いを受けるんだ」っていうことで圧力があって、そのタイミングでトライしたんだけども、うまくいかなかった。

今回そのあたりを、全ていろいろ学習した内容を盛り込ませていただいて、この品川の非常にフレキシブルなワークスタイル、ワークスペースというものを作り上げたというお話でございます。

年に1回、テレワークウィークを実施

それと今のは社内のお話だったんですけれども、社外の働き方についての取り組みも少しだけご紹介させていただきたいと思います。

ちょうど先週、8月24日の週にテレワークウィークという取り組みをさせていただきました。まず我々は2011年の震災のちょうど前くらいのタイミングに品川に移ってきたわけなんです。

その直後に震災があってテレワークをせざるを得ない状況がありました。このタイミングではいろんなツールがこう充実をしていて、かなりこう上手くいったんですけれども。

こういう経験って、毎年毎年ちゃんと忘れないようにしていかなければいけないので、2012年以降はテレワークウィークに関してはテレワークをしようじゃないかと。積極的にやっていこうということになりました。

賛同企業のみなさんも募らせていただきまして、今年は651社の皆様と一緒にこのテレワークという取り組みをさせていただいております。

昨年はちょうど30社ぐらいだったんですけれども、そこから飛躍的に増えて、このテレワークの和を広げていく活動をさせていただいてます。

何が言いたいかというと、外で働くというところについても、非常に取り組みをさせていただいているというお話でございますね。

あらゆるデバイスからSkype for Businessを使用

どういう形でコミュニケーションをしているかなんですけれども、簡単な絵で書くと、私はSurface Hubを持っています。

あとはポケットにいろいろデバイスがあるんですけれども。iPhone、すいません私マイクロソフトですけれども、iPhone大好きなんですね。Apple Watchとかも使っています。

あとはこのWindows Phone。こちらのほうも扱ってたりして全てのデバイスで、今日お話ししているSkype for Businessのアプリケーションが入っておりますので、どこからでも自分の好きなデバイスでコミュニケーションを取ることができる。

こういう環境が作られているというところでございます。もちろん「全部Skype for Businessのミーティングで会議するの?」っていうとそんなことはなくて、品川の素敵なオフィスもありますので。

face to faceで会って話すところも非常に重視はしております。これを上手くバランスをとって働いているのが実情でございます。

このSkype for Businessは非常に簡単作りになっておりまして、相手の状況、状態を確認してワンクリックで繋げてあげるというシンプルなやり方ですね。

例えば場合によっては、テキストのチャットがあると思いますし、あとは電話があると思いますし、ビデオ会議、ビデオ映像もあると思いますし、資料共有もあると思います。そういった好きなものを選んで、相手の状況に合わせて使っているところでございます。

Skype for BusinessとMicrosoft Lyncの違いは何か

横道にそれますけれども、実はSkype for Business以前にMicrosoft Lyncという形で展開させていただいておりまして、企業の皆様にはLync、Lyncと非常に可愛がっていただいていました。

今回は「Skype for Businessになって何が変わったの?」っていうのをWebで検索いただいている方がいらっしゃるので、少しだけご紹介させていただきたいです。

結論からいうとあまり変わってないです。Microsoft Lyncのエンタープライズで持っていた企業様向けの機能は、そのままSkype for Businessに投資をさせていただきまして、企業の皆様にも安心して使っていただけます。

「じゃあ、なんで変えたの?」っていう話なんですけれども、Skypeっていうブランドは結構パワフルでして、例えば私の母親に「あんた仕事何やってんのよ?」というようなことを聞くことあるんです。

「あのね、Lyncのこういうものが……」っていうと、「何なのLyncってよくわかんないわ」みたいな話なんですけれども、「企業向けのSkypeっていうのを提案して販売しているんだよ」って言うと、「あぁ! Skypeね、あのSkypeね」ってことをピンとくるわけなんですね。

とういうことで、その力を上手くマイクロソフトでは活用していきたいんですね。「そうはいっても何も変わんないの?」っていうところもあると思うんですけれども。

わかりやすい違いがあると思いますので、ここをご紹介させいただきたいと思いますね。何かというと音ですね。Lyncの時代の音がこんな形だと思います。

(英語音声)

大丈夫です。TOEICの試験じゃありませんので、こういう形の音だったんですね。

これがじゃあ、Skype for Businessでどう変わったか。

(英語音声)

いかがでしたでしょうか。違いがわかっていただけたと思うんですけれども、こういう形で音質の部分が非常に良くなってきています。

今まで「Lyncだと音が悪くてね」というお声もあったかと思うんですけれども、こちらについてはSkype for Businessではかなり良くなってきています。

今社内で使っておりましても、本当に音に関して問題になることはあまりない。むしろ気を付けないといけないのが、どういうデバイスで聞くかですね。その部分については少し考慮が必要です。システムとしては全く問題がなく使っているということでございます。

こういった形でSkype for Businessを上手く使って、私どももフレキシブルなワークスタイルをやらせていただいています。

5年間の取り組みでワークライフバランスが改善された

2010年のタイミングから比べていきますと、成果が上がってきているのが、こちらの右のFY15のところですね。1つはこのワークライフバランスの満足度。働いててバランスがとれているかっていうところですね。これはもう格段に良くなっていって、それによって離職率も低下しています。

あとは旅費、交通費ですね。こちらも下がってきているんですけれども、よく私どもSkype for Businessの提案をさせていただいて、「これ費用対効果ってどうなの?」って話があると思うんですね。

「こんなツールなんか入れたって、どうせそんな旅費なんて下がるわけないんでしょ?」その通りですね。その通りだと思います。

じゃぁどうすれば下がるかっていう話なんですけれども。私が先週、ちょうど福岡に出張しなければいけないと思って上司に出張申請を出したんですね。

そしたら上司が「吉田君、これ本当に行く必要があるの?」と、1回突き返されまして、初めてのお客さんなので行きたかったということもありました。

出張楽しいですよね。今回行きたかったので申請したんですけれども、「お金あんまないからさ」ということで止めたんですね。止めて私はSkype for Businessで参加をさせていただいて、1人は現地に行きました。

お客さんとのミーティングも滞りなくSkype for Businessを使ってやったんですけれども、全く問題なかったですね。全く問題なく会議の目的は遂行できて、ちゃんと次の提案まで繋げる活動ができました。

ここで初めて気づいていただけると思うんですけれども。私が行ってたらたぶん、福岡ですから6万円、7万円かかっていたと思うんです。これが6万円削減できたわけなんですね。

つまり、こういったツールを入れるから下がるっていうわけではなくて、こういったツールを入れるために上申をされる際に、例えば部長が部下から出張申請みたいなのがあった時に、「Skype for Businessじゃだめなの?」っていう一言を言っていただくと劇的に下がると思うんですね。

これ毎回の出張がゼロになるとはもちろん申し上げないんですけれども。例えば月に3回行くとして、3回のうちの1回、6万円が削減できたっていうところが、仮にこれ5000人の企業でやらせていただくとすると3000万円ですかね。すいません、今すぐ計算ができないんですけれども。

月に例えば3000万円削減できましたと。これが12ヶ月経っていくと3億6000万になるわけですね。計算合ってますよね。大丈夫ですよね。3億6000万ですね。そういうことだと思うんです。

結局、上の方からそういう認識をもって、これを使い倒してやろうという気持ちがないと、ツールだけ入れてもだめなんです。そういうことが非常に重要ですね。

ITツールのサポートによって女性の離職率が低下

あとは女性の離職率の低下なんですけれども、こちらは今私どもの会社の非常に優秀な女性の方が働いていらっしゃいまして、ただお子さんもいらっしゃって、時短勤務という形で働いています。

そういったところも、このツールを含めてサポートがありますので、女性の離職率が非常に低下していると言えますね。

あとはペーパーレスですね。こういったSurface Hubみたいな機械も出てきておりますので、ますます我々はここの部分は追求していきたいです。

もう会社ですと、普通の会議で紙を出すなんていうことはありえないと。お客様先に行ってどうしてもお客様が「紙が欲しい」となったら初めて印刷していきます。

プリンターの台数はどんどん減っていって、この夏にも減らしてちょうど半分ぐらい、今フロアに2台ぐらいしかないのかな。ペーパーレスの徹底してきているというお話でございます。

そうは言ってもマイクロソフト以外にも、例えばさっきの六本木の会社さんじゃないですけれども、「いろいろツールはあるよね」という話かと思います。

意外と皆様の環境ってこういう感じになっちゃってるんじゃないかと思います。例えば自席に電話があって、これは自分の席にしかないので、そこに行かないと使えないとか。

あとテレビ会議。これは会議室に専用のマシーンがあってそこに行かないと使えないし、空いてないと使えない。

一応、スマートデバイスとかパソコンは使ってるんだけれども、例えばWeb会議とかファイル共有とかメールとか、IDとパスワードがバラバラになっちゃってたりするともうわけがわかんなくなってしまってるんじゃないかと思います。

他社では退職後もファイル共有が有効になっていた例も

1個だけ怖い話をさせていただきますと、私の知人の話なんですけれど、突然会社を辞めるということになって、(退職から)1ヶ月くらい経った後に、あまり悪気はないんですけれども、ファイル共有のサイトにアクセスしたところ、アクセスができたっていうんですね。

これどういうことかというと、場合によってはもちろん機密情報なんかもクラウドのサービスに入っていますので、情報漏えいに繋がる可能性があると思うんです。

私、個人的には絶対こういう事故がこれから起こるんじゃなかなと思っております。非常に重要なポイントだと考えております。

マイクロソフトの場合はどういう形でこの基板で作っているかというと、そもそものところとしてシングルIDですね。

場合によってはクラウドのAzureのIDを使いながら、オンプレミスのActive Directoryとここをシームレスに繋ぐということで、これを基盤にしていろんなものを繋げてあげる。

電話もしかりですね。テレビ会議でWeb会議とかですね。私どもの会社ですと実はテレビ会議のいわゆる専用機ってもうほぼないですね。

もう全部このSkype for Businessのミーティングだけしかない、という形で運用させていただいています。

それってユーザーさんがあまり迷わない。それしか使うものないわけですから。もちろん、メールですとかファイル共有の仕組みも、このシングルIDのほうで対応していく。

こうしておけばユーザー様が迷うことなく、このシステムを使っていただけるんじゃないかと考えております。

では時間もございますので、デモンストレーションのほうに移らせていただきたいと思います。

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制作協力:VoXT