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PR会社が進むべき道は特化と連携 日米比較で語る

PR会社が進むべき道は特化と連携 日米比較で語る

テック系企業が集まるシリコンバレーでのPRトレンドは、どのようになっているのでしょうか。PRパーソンのためのメディア・PR Table主催のイベントに、先日シリコンバレーに渡り、現地のPRエージェンシーやテック系メディアを訪問してきた、シェイプウィン代表の神村優介氏が登壇し、生で感じてきた現地の空気をリポートします。このパートでは、アメリカで実際に使われているツールやイベントの模様を紹介するとともに、日米のPR会社の違いを考察。今後進むべき道は専門性に特化し、他社との連携を柔軟にしていくかたちではないかと語られました。

シリーズ
シリコンバレーの最新PRトレンドとは!?
2015年8月25日19時30分のログ
スピーカー
シェイプウィン株式会社 代表取締役 神村優介 氏
PR Table代表取締役 大堀航 氏

パブリック・スピーキングとアナリスト・リレーションズ

神村優介氏(以下、神村) こちらなんですけど日本では提供しないだろうと言われるサービスを簡単に上げてみました。もちろん提供されてる方もいらっしゃるんでアレなんですけど。向こうって社長がいかにプレゼンテーションするか、ピッチをして聴衆をちゃんと向けるかっていう意味で言うとパブリックスピーキングなんかはすごく重要視してて、それをサービスとして提供している会社も多かったです。 それからARというアナリストリレーションズっといって、向こうって投資してもらうにあたって、「この会社ちゃんとしてるの?」とか、そういうジャーナリストだったりとか、専門家とか、金融アナリストみたいなそういう人たちに評価してもらわないといけないので、こういう専門家とのリレーションもサービスにありました。これなんかは日本には無いサービスじゃないかなと思います。 それからこれは詳しくお話するんですけど、PRツールをすごく使ってます。すごくIT化されたPR活動をしています。そこはちょっと後でお話ししたいと思います。 最後にピッチ作成はすごい重要視してて、日本だとプレスリリース書いてって言われたら、それをどういう表現にしたらいいかとか、メディア別に考えるとか、じゃあPR会社が勝手にやっといてみたいな感じがあるんですけど、それをちゃんと提出しますという形で、ピッチを1個1個作っていくというところを重要視されています。 それは喋るときもそうなんですけど、メールを送るときにどういうピッチにするかとか、メディアに出会ったときにどういう受け答えをするピッチにするとか、コンテンツはすごく頑張って作るんだなというのがよくわかりました。

シリコンバレーのPRパーソンが活用しているツールとは?

神村 実際にPRツールってどんなのがあるのかというと、一番左下のPRワイヤーなんか日本でもあるのでビジネスワイヤー(Business Wire)って聞いたことがある方がいらっしゃると思います。 これはあまり現地のPR会社の人たちには、「意味が無いから、基本的にはサブでは使うかもしれないけど、お金もったいないから基本的には使わない」と言ってました。 ものとしては効果測定のツールですとか、インフルエンサー、TwitterとかFacebookとかこれの他にもあると思うんですけどインフルエンサー等をピックアップするものですとか、実際にこういうテーマの記事を書いている人ってやったらネット上のWebサイトをクロールしてきてその書いている記者を一覧で出してくるんですね。 さらにその記者がどういう記事を書いてて、その記者の連絡先はここだよ教えてくれるツールですとか。 大堀航氏(以下、大堀) 便利ですね。 神村 めちゃめちゃ便利です。これBoloっていうツールが、ネットで調べてもらったらフリーサインアップで14日間無料で使えるので、ちょっとやってみられたらいいと思うんですけど。Bolohq.comです。。 例えば名刺管理というのでやったら名刺管理について検索したらそれについて書いている記者をリストアップしてきて右側のほうに出てくるらしいんです。ちょっとやってみたらそんな感じだったんです。Facebookのアカウントはこれだよとか、LinkedInのアカウントこれだよとか、メールアドレスこれだよとか、そういうのを調べてくるツールがありました。 メールアドレスは媒体によっては、メールアドレスが出てる媒体があるのでそれで拾ってくるんだと思います。それでリリースをここでポチッと押したらそれで配信できたりとか、その配信の後の結果とか、そういったものも分析ができるツールです。

良いメディアを選ぶのもPRの会社の仕事

神村 こちらはBuzzStreamといって、SNSを活用したPRということで、ウォールに投稿した内容がどういう反響を得たかっていうのを計測できるツール。 これはフリーサインアップになってなかったんで使えてないんですけど、現地のPR会社としては「すごくこれはオススメのツールだよ」と言われたんで、営業の人にコンタクトを取ってるんですけど、なかなか時差が合わず打ち合わせできてない状況です。これがまた追って報告できたらなと思います。 大堀 ブログにぜひ書いてください! 神村 わかりました書きます。 先ほど言った電話でプロモートやらない理由がここにあるんです。これはVentureBeatのオフィスの写真を撮っていいよと言われたんで撮ったんですけど、オフィスに本当に電話がなかったです。 代表電話すらないという。これは確かに電話のプロモートをやっている意味が無いなとは思いました。 ターゲットメディアがWebだっていうところも、これも合理的な理由で「紙媒体を出しても計測できないだろ」と言われたんです。シェアとかそういう意味でいうと、そこで計測できないんだったら意味がないって言って。 PRをやることの目的が、日本だとユーザー獲得とか、商品自体の認知を広めることが、マーケティング的な要素が大きいと思うんですけど、向こうは投資をいかにしてもらうかで、いい投資家と出会えるかっていうことが重要なので、投資家と出会えるメディアを選ぶとか。 それと成長させていくことにおいて、どういうメディアを選ぶかというのも、PR会社が一緒に入ってやっていくっていう、ちょっとハイレベルな話をしているなぁとは思いました。 スライドに挙げている媒体が、こういうところに出れればいいねというところです。

年収1800万くらいで「普通」

神村 先程の仕事の進め方なんですけど、「San Francisco PR Farm」と英語で検索していただくといっぱい出てくるんで見ていただけるとわかるんですけど。こんな感じでよくチームで写真に写ってるホームページがいっぱい出てきます。 「私たちはこういうチームですよ」というので、リサーチャーとかメディアリレーション専門の人とかのスペシャリスト、それとアカウントプランナーだったりとか、ビズデブ(ビジネス・デベロップメント)とか。 PR会社にエンジニアがいたりするんですね、それで皆さんがやっている作業で効率的では無いことをエンジニアがPRのITツールを作ったりするところが。日本だとなかなかPR会社にエンジニアがいるっていうのは無いですけど。 大堀 そうですね。 神村 この辺から結構違うなぁと思いました。向こうの年収も全然違いますよね。15万ドルが年収で、ボーナスと月給を合わせた年収なんで、だいたい1,800万ぐらいですかね。 大堀 中央値がこれ。いちばん右のほうにいくと2,000万円とか。 神村 そうですね、2,000万円とかありますね。日本の会社もこれぐらい頑張れるように目指したいなぁとは思いますね。そこを狙っていかないとおもしろくないよねっていうところも、これを見て感じました。

競合同士で集まって、合同のイベントを開催することも

神村 PR会社が実際に営業する方法なんですけれども、PR会社って1社でセミナーやるって結構あると思うんですけど、向こうってあえていわゆる競合、コンペティターが合わさって一緒になってイベントをやってました。 それは1社だと営業目的ってわかるんで、集まらないので、いろんな多方面からデジタルマーケティングとか、PRの専門の人とか、ハイテク系に強い人とか、そういったかたちで役割分担をして、こういう感じでセミナーをするというので集まっていました。 大堀 業界でも有名な方々が集まっているんですか? 神村 真ん中のツルッとしたおばちゃんがいますよね、あのおばちゃんはわりかし大きなPR会社ですね。ただそんなに大きくない会社もあったりとか、一番右の白いパンツのおっちゃんは、最近会社始めたみたいなデジタルマーケティングとPRを絡めたっていうような。 大堀 これはどういうテーマで話すんですか? 神村 これはPR業界の内部の人が今後のPRについて語るみたいなかたちで、PRってこうやってやるんだよというセミナーではあるんで、一応クライアントを呼ぶことを目的にはしています。 先ほどスペシャリストと言われたと思うんですけど、専門に特化するからこそパートナーシップは非常に大事にしてて、実はPRツールを作る専門の会社もあります。 それなんかも先ほどのBoloなんかはそうなんですけど、PR会社とコラボしていいものをどんどん作っていったりとか、業界に特化したPRということでハイテク専門とか、そういった事しかやりませんていう、やっぱりシリコンバレーだなぁと思ったんですけど。 PRイベント専門のPR会社とか、不思議なものがあるなぁと思ったんですけど、でもそれだけPRの需要があるので、こんなに特化して細分化したもがあるんじゃないかなと思います。

専門家やサービスが山ほどある

神村 最後に日本のPR会社が進むべき未来ということで、偉そうに喋るのも恐縮なんですけどお話させていただきます。 まずシリコンバレーでなぜこれだけ新しいサービス、しかもめちゃくちゃかっこいいサービスが生まれるのかなんですけど、最初にお話ししたようにお金がじゃぶじゃぶあるから、お金が使えるからできるよねって思うんですけど最終的には自社の中で全部自分たちでやるのはたぶん無理だと思うんですね。 そこにシリコンバレーのすごいところって、Uberだとか、Twitterとか、SlackとかSquareとかもそうなんですけど、勝手にこれをトップサービスと呼んでますけど、いちばんユーザーが使うところに近いサービス。実はシリコンバレーにはこんなトップを目指そうと思っている奴が、山のようにいるんですね。 言ってみればみんな甲子園に出たいけど、ピッチャーで出られる人って、本当に一握りじゃないですか。それと一緒のように有名校になってきたら、ピッチャー目指さなくてもいいからファーストでいいかなとか、最悪ベンチでもいいわっていうぐらい、トップがすごいから違うところを目指そうという人も出てくるんですね。 日本でいえば自動車産業がそこに近いかなと思うんですね。部品に特化したりとか。それと同じようにサービスを作る上でUI、UXの専門の会社だとか、マーケティングの専門の会社、あとこれは日本で知られていないことかもしれないですけど。 例えばわたしたちがサービスを作ろうと思ったら、認証のところとか、セキュリティとか、いろんなデータベースの操作とか、いろんなことが出てくると思うんですけど、そこを1つ1つ専門家や専門サービスがあるんです。例えば2段階認証ってよくメールを使って認証するアプリとかあると思うんですけど、2段階認証専門のサービスを作っている会社とかがあるぐらい。 そういう会社やサービスが山のようにあるので、ものすごくでかい島忠のような感じで、パーツをポンポンと組み合わせちゃうと3ヶ月ぐらいでサービスができるっていうそれぐらいすごいスピードでサービスができあがるんです。なのでデザイナーもマーケッターも、それから法律家だったりとか、そういう優秀な人たちが育つ環境があります。

日本が進むべき道は特化と連携

神村 ここですごく感じたのは、日本が進むべき道は特化と連携だと思います。特化とは何かというといわゆるスペシャライズというところで、各分野のスペシャルで尖ってなきゃいけないなと思いました。 尖ることによって、この人とこの人とこの人が組み合わさったら、すごくおもしろいことが起きるよねっていう連携が生まれると思うんです。みんながフラットに何でもできますと言ってたら、完全にただの競合なんです。 そこをあえて私たちはここが一番得意です。確かにみんなできるんだけど、ここが得意ですというところをしっかり見せることで連携もしやすいのかなと。まさにPR Tableが目指しているところなんじゃないでしょうか。 さらに広げていきたいなぁと思っています。本当にテック系専門とか、教育専門とかっていう横軸というか、業界に特化したところもあれば、逆に機能に特化したPR戦略、リレーション、デザインとかリサーチとか。 すごく不思議だったのが例えばプレスリリースを書く専門家とかいるんですね。リリースを書くだけじゃなくて、それを見てもらわないといけないで、デザインをちゃんとするっていう。プレスリリースを真面目にイラレかなんかで作る人なんていないと思うんですけど、それぐらいの勢いでプレスリリースのデザインを求めたりとか、それぐらい特化しているとコラボレーションがおもしろいとこに来るなぁと思いました。 先程の写真を見てもらったんですけど、こんな感じになっています。一番左側の方はオネエっぽい人だったんですけど、それ以外は専門家で、ここ笑うとこですよ(笑)。 その右側の方はEdelmanの方で総合PRなんです。次のツルッとしたおばちゃんがテック系の専門PRで、次の人はクラウドファウンディングのPR担当っていう。 クラウドファウンディングもPRの超専門家みたいなのを入れて、サイバーエージェントさんなんかは結構そうやってますけど、そういったことも当たり前のようにやってたりですとか、その右側の人はテック系のメディアリレーションだけをやる会社。 「PR会社じゃないんですか?」って言ったら、「PR会社の一部だ」って言ってました。不思議なものです。その次の人はデジタルマーケティングっていうかたちで、非常に特化している。だからこそいい意味で喧嘩が起きないのかなと思います。

無理やり記事を書いてもらうのはナンセンス

神村 こういうイベントをどんどんやることによって、PRに興味を持ってもらう人を増やして1社1社インバウンドで仕事をやりつつ、向こうの方々は営業をやっています。 アメリカの方々がよく言うのは、アウトバウンドの営業ってやらないって言うんですね。インバウンドでどう魅力を見せつけるか、というところで専門に特化したりとか、チームで連携してこんなことができるんだよっていうコンテンツ力を上げるってことをやってます。 だから先ほど電話でプロモートしないのも、インバウンドでこそPRの意味があると思ってることもあるみたいで。 なのでコンテンツにめちゃくちゃ力を入れて、正しいタイミングで配信すれば、自動的にそれは取り上げてもらえるんだ、だから無駄に電話をして、押しつけて、無理やり記事を書いてもらうのはナンセンスなんだって考え方があるので、そこはすごく日本で学んでいきたいなと思いました。 これからというところでまずは、業界に特化する横軸の考え方、それから機能に特化する考え方、この特化っていうのをやっていけば日本のPR業界でもっとおもしろくなりますし、逆に横の連携によってお客さんに提供できるものが大きくなると思うんで、自動的に単価も上がって、給料も上がると。そういう仕組みができたらいいなと。 大堀 特化した方が頼む側としては安心しますよね。 神村 そうですね。わからないですよね、どこに頼んでいいのか。 大堀 何かいきなり来て新卒1年目の子がいるとかって不安じゃないですか。僕もPR会社で新卒1年目のときはそれをやってたからアレなんですけど。

分野を特化させたほうが正解なのでは?

大堀 本当のプロが「その分野だけは負けない」って来てくれると、それなりに高いよねとか、単価を上げれるし、お客さんも安心するし、そっちのほうが正解なんじゃないかなと思うんですけど、この方法はあまり好きじゃないというか……。 神村 そうですね。いい意味でそういう教育なんだろうなと思いました。日本て島国なのでみんなそれぞれ自分の言葉でそれなりに迷惑をかけないようにできることが当たり前なんでしょうけど、それだとグローバルで戦っていけてない。 「じゃあ、あなたたちは何が得意なんですか?」って言われた時に何でもできますって言ったら、世界70億人の中でどうやって戦うんだよみたいなことになるんで。 1億人の世界だと何でもできるで通用するところが、グローバルに戦っていこうと思ったら、70億人の中から見つけてもらうのは相当大変なんで特化っていうのが進む道として重要なのかなと思っています。 最後になるんですけど、うちの方向としてはこれからもシリコンバレーは追いかけて行きたいと思っています。どんどん変わっていく街なんですね、あそこって。 入れ替わりがすごく激しいですね。活躍するキラキラした人もいれば、逆に退散しないといけない人も山のようにいるところなので、新しい人がどんどん入ってきてどう変わっていくのかなというところで、来年も8月にカンファレンスがあるので、そこに参加して新しいトレンドを入れていきたいなと思います。 一緒に働くスタッフにもシリコンバレーインストールって、1人いくとだいたい平均2週間で50万が飛ぶんですけど。ホテル代も20何万かかるんで結構高いですけど、そういったかたちでグローバルで戦うためのやることをやっていきたいなと思います。 後はIT企業に特化することと、ツールを使っているところでそこを真似していって、どんどんどんどんPRの効率化できるところはツールにさせて、そうじゃないアナログなところで大事なところは人間がしっかり考えるようなメリハリのあるPRをやっていきたいと思います。 PR Tableもしっかり活用させていただいて、スペシャリストの方々とコラボして、いろんな案件を取ってきたりです。そこの中で何かツールを作れたらいいなと持っております。プレゼンとしては以上になります。ありがとうございました。 大堀 ありがとうございます。 (会場拍手)

  
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