売上目標は立てない

山田岳人氏(以下、山田):売上目標とかっていうのはどうしてますか?

小笠原航氏(以下、小笠原):立ててないです。俺と経理の中では、何となくこれぐらいって、それも対銀行ぐらいの話で立ててない。やることは決めるけど、売上目標はないですね。

山田:っていうことは、メンバーに売上は今月目標いくらとかっていうのをやらないってことですね。

小笠原:やらない。全くやらない。何をやるっていうのは決めるけど。でも、何かずっとやってると、これぐらいのことをやったらこれぐらいいくなっていうのはあるじゃないですか。本能的に。俺ら毎日数字見てるでしょ? だからたぶん、もうそれは染み付いてると思うんだよね。

高木孝氏(以下、高木):感覚として。

小笠原:そう、感覚として。だからわざわざそんな決めなくても。

高木:俺も一切決めないです。

小笠原:何で決めないの?

高木:だって、わからないじゃないですか。特に洋服なので、トレンドがあるし、上振れがあるし。でも達成で言ったら、きっと人は下のほうを達成するじゃないですか。つまり達成することが仕事になっちゃうと、下の目標設定にした方が良くなっちゃうのが怖いなっていう。

もちろん「高くいこうぜ」っていうことを、やられてない会社にも、僕にも問題があるんだけども、達成だけでいっちゃうと、さっきの何するかわからないってのと一緒で、もしかしたら無理をするかもしれないかなって。

東京人は目標を決めなきゃダメ!?

小笠原:でも小森さんのところとか、超大手じゃないですか。それないと戦えないっていうのはないですか?

小森紀昭氏(以下、小森):数字の目標というか、年間で計画経営はするので、やっぱり、何でもいいから数字を置かないと。

高木:置かないと。

小森:その数字に対して何をやっていったらいいかとか、そういうのも含めて、やっぱりなかなか検証もできないじゃないですか。ですので、それはいろんなやり方があるとは思うんですけれども、やっぱり僕らとしては、だいたいこのぐらいの数字はやりたいなという。

高木:なるほどね。

小森:その流れで、こういうことやっていこうっていう。

高木:小森さんが決めるんですか?

小森:いろんな協議をやります。

高木:そうですよね。僕らは社員が決めます。

小森:そうなんですか?

高木:はい、幹部が決めます。自分たちで。

小森:それは先ほどおっしゃってた、15店舗だったら。

高木:1店舗ずつで最後取って、最後うちの常務がいるので、それが決をとって、今期はこう。僕は僕で会計のほうから、今期はこれぐらいっていうのがあるんですけど、そんな差はないですね、いつも。

山田:思ってたより低く出てきたりしないの?

高木:どっちがですか? 計画が?

山田:そうそう。もっといけるやろみたいな。

高木:でも風があるから、いいときはやっぱり強く行ったほうがいいし。特にファッションってそうだから、やっぱり追い風が弱いときに無理くり上方修正する必要もないし。リアルショップもやろうと思ったら、常に同フロアの競合店舗との競争も考えていかなければいけないけど、ネットだからそういうのはあまりないなと思うから。

そのときなりに、やっぱり潰しちゃいけないって思うから、あまり無理はしない。でも無理はしないと、やっぱり学ばないこともあるから、そのバランスですよね。

小森さんのところも、その基本をしっかりっていうところなんですけど、基本ってすごい大変ですよね? かなり大変ですよね? 何かKPIみたいに常に社内では教育してるんですか?

小森:そうですね。いろんな数字。さっきから何か、あまり目標設定せんほうがええんちゃうかっていう。

高木:いや(笑)。そういうことじゃないんですけど。

小森:だからあまり僕は数字の目標を持つと。

小笠原:東京の人は目標決めなきゃダメです。北海道は。

高木:何で?

山田:前から2番目の人が苦笑いしてますよ(笑)。

高木:苦笑いしてます?

山田:爽快ドラッグ3名って書いてあるけど、そこに。

小森:えげつない感じ。

会場:そういうことじゃない(笑)。

数字を追うなかで組織に力がつく

小森:でもやっぱり数字みたいな定量だけのモデルは、もういろんなところが示してくれてるので、置いて行かなかった理由、置いて行った理由っていうのは、必ず何か理由があって。

1つはそのために何やったかっていうのはすごい重要やと思ってまして。そのために大きい目標のために、じゃ、今やってることじゃダメなんで、プラスアルファこういうことやってみようだとか、そうやって考えることで、だんだんと組織に力がついてくると思いますので。それ自体はわかりやすい目標なので、扱ってるかなと。

高木:その数字によって、その収益計画とか販売計画は立てていくんですよね?

小森:そうですね。売上高から言っても、あまりそれは当然のものだと思ってまして、ですので結局どこでどのぐらいコスト使って、どういうコントロールをしていくんだっていうところまである程度決めて、その中で置いて行ってあげるというか。

たぶん経営幹部の考えている数字だとか、こういうの目標にしてますよっていうのをしっかり言っておくと、やってくれてる人たちっていうのも、向いてくれるというか。

高木:そうかもしれないですね。

小森:はい。ですので、何かそこでおかしいっていうのは、経営幹部の立ててる目標がおかしかったり、そういう向かせる方向が合ってなかったりすると、おかしくなると思う。

高木:背骨は必要ですよね、やっぱりね。

小森:そうですね。

「理念なき経済は犯罪であり、経済なき理念は寝言である」

高木:ジャック(山田)さんのところは、逆にどうですか? コアバリューさえ守っていれば何してもいいっていう。

ジャックさんのところはコアバリューが繋がってるので、それはそこでなってるんでしょうけど、それってそこに行きついた理由って何ですか?

山田:コアバリューの中に「Enjoy」っていうのが1つあるんですけど、楽しくやりたいなっていうのがあって。コアバリューは、全部言うと「Challenge」、「Enjoy」、「Trust and Respect」、「Learning」と、最後は「Cool」っていうコアバリューがあるんですけど、格好良く言おうっていうのが根本的にあって(笑)。

その中で、今のお話でいくと、夢ばかり語ってても、結局は赤字だって、僕はずっと赤字の経験してて、会社潰れかけましたから。そこではやっぱり、しっかり利益も出さないといけない。でも利益ばかり追いかけてても、何仕入れて、売って、儲かって、何がおもろいねんって話になるじゃないですか。

そこは、二宮尊徳の言葉じゃないですけど、「理念なき経済は犯罪であり、経済なき理念は寝言である」っていう、ええこと言ってばかり言ってても仕方がないし、とは言いながらも、ちゃんと夢持って仕事しないと、儲かって利益出てそれだけで楽しいかっていうことに行きついたわけですよね。

なのでそういう意味では、ミッション、ビジョン、コアバリューっていうのが中心になっていって、その中でそのバランスですよね。そこが小笠原さんのところみたいに、とにかく儲かって毎晩ススキノっていう感じだったらいいんですけど。

高木:そういうイメージになっちゃったの(笑)。

山田:そうもならないですから、僕たちの場合は、ナショナルブランドを、どこでも扱ってる、誰でも売れる商品を販売してるわけですから。だからそこで言うと、小森さんは、さっきおっしゃったみたいに、そういう商材になっていくっていうのは、そこにはやっぱり一定の合理性を持っていかないと、収益って出ませんので。

高木:なるほどね。まず、大きく商材によって違うっていうのも。

山田:そうそう。商材と、そのスタンスによって、戦略は本当に全く変わりますよね。

高木:山ほどありますよね。どれが正しいわけじゃないんですね、結局ね。

数字目標を立てるとおもしろみがなくなる

高木:濱本さんのところは? 逆に言うと、おもろいことだったら何でもいいやみたいな。そんなイメージはもちろんあるんだけど。

濱本廣一氏(以下、濱本):そうそう。それは大前提。「やってておもろいの?」みたいな、「このページ、自分で見たら本当におもろいんか?」っていうのは言いますけど。さっき聞いてて、やっぱり売上目標、僕も立てるんですよね。銀行に対してとか、計画出さなあかんとかあるので。でも、もう来年からやめようと思って。来期から。

高木:逆に?

濱本:目標立てるの。数字を追い求めるようになると、やっぱり売ろうとするから、そのために何をせなあかんじゃなくて、売ろうっていう意識のほうが高くなるから、どうしても焦ってしまったりとか。お店でもそうですよね。その辺がすごい、本来のおもろさを伝えなあかんのに、手薄になって売ろうとしてしまうっていうのがあって。

売上単位でどうしようっていうと、またそこに輪をかけて売ろうという政策をみんな考えるわけで。その修正案を出してきたやつを見てても、僕自身おもろくないですよね。だから「もうやめよう」ってこの間言ったら、「どうするんですか? 売上なくなったら」って、店舗の岡本(店舗の責任者)に怒られるわけなんですよね。

彼は目標志向があって、こういう金額でこうやって、目指してっていうそういう志向。

高木:性格によってもね。

濱本:そういう志向の人は、立ててもらってもいいし、僕自身はそこにおもしろみをあまり感じないっていうか。それやったら「世界一インパクトのあるおもろい壁紙屋」って、言ってもらうためにはどうしたらいい? みたいな話をしたいなっていう。

高木:なるほど。

発想を変えるためにあえて目標設定を高くする

高木:井手さんのところも僕のイメージだと、やっぱりおもしろいことをやってるイメージなんですよね。でもこの時期、ビールすごいじゃないですか。

井手直行氏(以下、井手):はい。

高木:販売計画はやっぱり立てたり、逆に結構細かかったりするんですか?

井手:売上目標? 売上目標は、びっくりしますよ。僕らの売上目標は、7年前にすべて決まってて、会社が潰れそうになってから、ちょっと良くなったときに、2008年ぐらいに、2020年までの売上を全部決めたんですよ。

今、ここ数年はだいたい年率、会社全体、プラス40パーセントぐらい数字維持してるんですよ。それもたいした売上じゃない、2008年のときに決めて、毎年これぐらい行こうっていう、こんなカーブですよ。

みんな、それこそ小笠原さんのさっきの「ウケる」どころか、みんなスタッフもポーッと。うちのスタッフさっき何人か見たら、来てるんですけどポカーンとしてるんですよ。「いや、でも行くんだ!」って言って。

そうするとこれも楽天から学んだ、引き算経営になるんですね。プラス3パーセントぐらいの売上増っていうと、だいたい力技でいくんですよ。ところがプラス40パーセント、50パーセントって計画すると、もう発想を変えないといかないんですよね。

高木:違いますもんね。

井手:そう。そういう計画を立てて、自ら先頭に立ってやっていったら、何とほとんど2008年に立てた計画、ほとんど毎年その通り行ってるんですよ。

日本ビール市場の席巻を目指す

井手:ただ、最近会社も大きくなってきて、新しいスタッフも来ると、やっぱりその感覚が、どうしても力技でやろうとするから、今年何かちょっと楽天とかの、うち久々にあまり良くないんですけど、楽天のメンバーとかも来てるんですけど、「もう売らなくていいよ」と。

楽天のスーパーセールを越えようと思うと、年率40パーセントとかいうと人数をバコンと増やさないといけないわけですよ。

そんなやり方じゃなくって、楽しみながら、あっと驚くことをみんな知恵絞って考えようって言って、結果プラス40パーセントになるまで、あの手この手やるんですよ。

もうリスクもありますよ。ずっとやってきててあまりみんな大変にやってるから、もっと楽しんで楽に売上を上げたほうがいいよねって言って、僕も含めて知恵を絞っていって、だんだん何かそのサイクルに、またちょっとなってきてっていう感じなので、だからあまり「売上、売上」って僕言わないです。

売上決めてたら、もうあとはこの差額を生むおもしろい画期的なことをやって、みんながびっくりするようなことを毎年毎年やって、何とか達成してるって感じ。ちゃんとやってますよ。

高木:それは2020年どうなっちゃってるんですか?

井手:2020年は、すごい計画で、誰も信じなかったんですけど、日本ビール市場の何パーセントかを取るみたいな、そういう計画なんですけど。最初誰も信じてなかったんですけど、今うちのスタッフみんな信じてるんですよね。

高木:何となくやれるかもしれないっていう、スイッチが入ってるんですよね。

井手:そう。もう入っちゃってるんです。うちの会社だったらやるよねって。少なくともリーダー連中は「いって当たり前でしょ」っていう、そんな感じです。

高木:「やる」と「やれる」は違いますからね。

井手:はい。

小売業は商品とサービスの掛け合わせ

高木:そういうことか。小笠原さんのところも結局、僕がよく北海道行くと、お店が千歳の空港内、一等地にあるじゃないですか。ものすごい売れてるわけですよね。でも、「白い恋人」って別に、小笠原さんのところじゃなくても売ってるじゃないですか。

もちろん立地とかあるんですけど、海外に何で小笠原さんのところだけ売れるんですか? 「白い恋人」が。

小笠原:楽天の中?

高木:とかね。その差はどこにあると思います?

小笠原:それ、俺も聞きたいんだけど(笑)。

高木:(笑)。スタッフに聞いたほうが早い?

小笠原:と思うんだけど(笑)。基本的にやっぱり小売業って、商品とサービスの掛け合わせだと思うのね。楽天のページでも、リアルの空港の店でも一緒で、俺はさっきの数字の話じゃないけど、すごく感覚で生きてる人なので。

高木:そうですね。感覚ですもんね。完全に。

小笠原:だから例えば居酒屋に入って、パッと感じる気とか。

高木:気? 雰囲気。「重いなー」とかでしょ?

小笠原:この店いいなって、そういうのってたぶん俺0.2秒ぐらいでその気がいいとか悪いとか。

高木:動物だ。

小笠原:本当にそうなんですよ。

売れる雰囲気をつくる

小笠原:だから、同じ空港に店があっても、お客さんって同じようなものがあるんだけど、たぶん本能的に何か感じてるの。その気を出すのが俺の仕事だと思ってて。

高木:おもしろい。

小笠原:だから俺が一番大事にしてるのは、特に店でいくと、やっぱり店の子が笑顔であること。これはやっぱり社内の雰囲気が良くないと、笑顔でいられないじゃない?

だからそういうものの積み重ねとかあと品揃えとかもあるんだけど、だから俺は朝、その気を感じに行くのね。今日はどんな感じかな。そうすると、真面目な話していい?

高木:もちろん。真面目な話ですよ、これ全部(笑)。

小笠原:例えば芝生が生えてると、その日によって「何でここだけ伸びてるの」とかってあるんだよね。同じ店なのに。毎日。

高木:なるほど。

小笠原:それは例えばその早番の子が、昨日彼氏と喧嘩したんじゃないかとか、たぶんそんなことで本当に気が変わっちゃうわけです。何かちょっと寂しそうな子がいたら「大丈夫か?」って。そんなことの積み重ねだと思ってるんですよね。

高木:夜も気を感じるんですか? やっぱり。

小笠原:それ、やめよう(笑)。でも正直、夜のほうが感じる。

高木:そうでしょ(笑)。

将来の成長が明確に見えていた

高木:小森さんも、どこでも買えるって言ったら失礼ですけど、同じもの売ってるところって、たくさんあるじゃないですか。さっきのそのサービスレベルって話ももちろんあると思うんですけど。

でもやっぱり爽快ドラッグがずっと売れ続けてるのって、何なんですか? もちろん商品数とかあると思うんですけど。どこなんですかね? そのコア・コンピタンスは。

小森:僕なんか正直、何なのかなって聞いてみたいのはあるんですけど。結構僕、井手さんの話聞いててたぶん2008年ですか? 計画作ったときに本人の中だけで、もう恐らくその世界って結構見えてて。

いけるんじゃないかっていうのがすごく、さっき信じ込んでるみたいな話があったと思うんですけれども、このぐらいは当然いけるんじゃないかってたぶん信じて、それがどんどんリアルな画像で自分の中にも入ってきて、そういうのが何かその通りにいってるっていうのがあると思うんですけども。

僕も結構同じような感覚があって、今売れて伸びてるというよりも、将来的にはたぶんこのぐらいまでは最低いくだろうなっていう画があって、それもかなり明確にわかってて、イメージもあって。そこに持っていってくれてるというか、何かそういう感覚なのかなと。

高木:それは伝えてるんですよね? やっぱり。

小森:そうですね。

高木:自分の感覚を、わかりやすく言葉にしてることはありますよね?

小森:どのぐらい伝わってるかっていうのは、これまた非常にあれなんですけれども、やっぱり自分が想像してる範囲より上のことって、なかなかやっぱりいけないじゃないですか。

高木:見えないですしね。知らないしね。

小森:ですよね。だからそういう面で言うと、やっぱり自分が思って感じて、ここまでやったらいけるだろうなっていう、何か根拠のない自信もあって。そういうのがあって、そこに乗っていってくれてるっていう感覚かなと思いますね。

だから先ほどの話じゃないですけど、無理に当然作りに行くときもありますけれども、そういう考え方を言うよりも、やっぱりこのぐらいまではいけるだろうっていうのに、ちょっとずつ近づけていってるというか。そういう感覚のほうが、やっぱり多いかな。

社員のリミッターを解除するのもリーダーの仕事

高木:スタッフがそういうリミッターとか、リミッターって感じるじゃないですか、みんな。

小森:はい。

高木:リミッターを取る、リミッターを解除するって結構大事で、もちろんトークをするとか話すとかいろいろあると思うんですけど、社員のリミッターが上がれば上がるほど、結局売上って伸びていくものだったりするならば、やっぱりどう伝えてるのかって、結構大事ってことですよね。

小森:はい。あまりそれが綺麗に伝わってるかどうかは、ちょっとわからないですけれども。

あとはさっき誰の話だかちょっと忘れたんだけど、1つあると思ってるのは、自分も含めて1日の結構な時間を仕事に費やしてるじゃないですか。そうするとやっぱり何か成長したいとか、成し遂げたいとかっていう部分っていうのが出てくるんじゃないかなと思ってて。

そういうのに上手く乗っていってくれたら「ここまで自分もやれたんで、次もやれるかも」みたいな感じで思ってくれるといいんじゃないかなって思ってますし。

高木:なるほど。

小森:はい。それが伝わってるかどうか、ちょっとわからないですけれども。

ツリー型の組織よりサークル型の組織を目指す理由

高木:ジャックさんのところは前ちょっと聞いたときに、役職がないと。つまりピラミッドがあれば、トップが思ってることって伝えやすかったりすることもあるじゃないですか。

山田:ええ。

高木:みんながどんどん同じことを言い出すっていう、そうすると三角形が上手く回り出すと。でも三角形じゃ、もはやないじゃないですか。

山田:はい。

高木:どうやって伝えたり、どんなことが大事だってことは、どうやって伝えるんですか?

山田:(会場で聞いてた)澤井珈琲の澤井さんが、今起きましたので。

高木:起きましたね。俺もさっきからすごい見てた。寝てるなと思って。

山田:ずっと寝てるなって見てたんですけど。

高木:いびきはかいてなかったですね(笑)。

山田:次寝たら、立っといてもらいますからね(笑)。うちの会社は、僕が当然代表取締役っていう役職ですが、あと取締役は2名ほどいますけど。あとはスタッフが60人ほどいますけど、部長とか課長っていうのは1人もいないですね。

いわゆるツリー型の組織にしてなくて、サークル型の組織を作ってます。これホラクラシーっていうんですけど。

高木:そうですね。ザッポスですね。

山田:ザッポスが今、躍起になって導入しようとしている、いわゆる役職を作らない、自己責任で仕事をするっていうスタイルに、ずっと前から僕たちはそういうふうにしていて、そこは上手く機能してるかな。

野球型の経営じゃなくて、サッカー型の経営って、僕は社内ですごく言うんですけど、要はキーパーがシュート打ったっていいじゃないと。キャッチャーがセンターフライ取りに行くことはありませんけど。

あとはやっぱり野球って監督の指示でプレイしますけど、それはフィールドに出たらプレーヤーが自分で考えて自分のタイミングでシュートを打てっていうやつですよね。いちいち「今シュート打ちましょうか」とは聞きませんからね。っていうことを会社の中でやろうっていうのを、ずっと言い続けてきて、いろんな問題もあるんですけどね。「これ、誰が責任とるんですか」みたいなこととか、そういう話も出たりするんですけど、そういうことをやりながら、やってます。

会社の成長はスタッフの成長の和

山田:売上の目標っていうのは、僕たちは当然決めてはいますけど、本当に井手さんと一緒だなと思ったのが、すごい高い目標を設定するんですよ。そこを逆算すると、絶対にいかないですよね。

高木:そうですね。

山田:普通にやったら、絶対にいかない。なので、そうすると考えるんですよね。今まで突拍子もないこと考えるか、何かとんでもないこと考えなかったら、絶対目標いかないので、こういうことやらなきゃいけないって逆算が始まりますから、それが成長だと思ってて。

会社の成長って、スタッフの成長の和でしかないじゃないですか。会社が成長したけどスタッフ成長してないってあり得ませんから、そんなの。スタッフが成長することが、会社の成長に繋がるわけですから。

やっぱりそこを、成長を実感させてあげる場を提供するっていう場なんですね。会社って。そう思ってるんですね。

だったらやっぱり適当にやって帰るっていう場を提供するんじゃなくて、「何かもうめちゃくちゃしんどいけど、やったった」っていう感じを、成長したって実感できる場を提供してあげないといけないっていうふうに思ってて、それを実際負荷をかけてやっていってるっていう感じですね。

高木:達成感とかやりがいがすごく大事で、それが成長の種だとは、もちろん思うんですね。

山田:はっきり言ってます。去年1年と自分振り返って、成長してないって実感したんやったら、ここにいちゃいけないって。

目標未達成の場合のマインド管理はどうするか

高木:これ、もろ刃の剣で、高い設定を超えられたら、もちろんやりがいと達成感ってあると思うんですけど、だから逆で言うと、高いからこそ達成しない場合もあるじゃないですか。そうすると、もうできなくていいんだみたいなマインドが蔓延しちゃうこともあるんですかね? やっぱり。

山田:売上の目標って例えば「今月1億!」とかって言って、喜んでるの経営者だけですよ。スタッフは「知ったこっちゃない」って言ってますよ。

高木:辛いだけですよね(笑)。

山田:ただ、その中で井手さんも言ったみたいに、何をするかなんですよね。どう考えるかと、あとそこに向かって僕たち、経営計画にならないですよね売上は。

高木:なるほど。

山田:そこの中で、150パーセントやるために何やるんだって、みんなで決めたことを、やり切ったかっていうことですね。結果、売上いったかいかないかっていうだけのことで。やったんだったら、売上いかなくてもいいじゃないと。「でも、決めたことやったの?」っていう。

高木:そうですよね。でも手段として、得るものが違うってことですよね。

山田:そうです。

誰もやってないことに挑戦する意味

高木:これ、みなさん本当にそうだなと思って聞いてるんだけど、濱本さんとかって、そもそもマーケットがなかったじゃないですか。

濱本:そうそう。

高木:壁紙貼るなんて、アホかって言われてた世界ですよね。

濱本:そうなんですよ。

高木:それが今や、もはやジャックさんもそうだしみなさんもそうですけど、もはやテレビまで取り上げられると。つまり。どういう変化なんですかね。

濱本:なかったからラッキーだったですよね。

高木:逆に?

濱本:ちょっと変わったことやったら、すぐ取り上げられるし、取り上げられるようなことじゃないとやらないっていう。

高木:逆にか。

濱本:そうなんです。何かプロジェクションマッピングで柄が選べるシステムとか、ARっていって、仮想現実で、部屋の壁紙が着せ替えれるアプリを作ったりとかっていうのはあるんですけど、結局やるのは一緒なんですけど、そういうのを世界でやってる奴がおらんとか。世界一なのか、日本一なのか、誰もやってないことなら、結構食付いてくれるので。

高木:取り上げられますよね。結構ね。

濱本:それが誰かがやってたら、新商品でもそうなんですけど、どこがやってもいいや。でも思いついたときに、調べたときに誰もやってないって言ったら、思いっきりスピード上げていこうって。

山田:これ、難しいなと思うんですけど、誰もやってないっていうのは、何でやってないかっていうと、だいたい儲からないからだと思うんです。

高木:そういうことなんですね。合理的じゃないっていうね。

山田:誰かがやるっていうね。

高木:経済効率がないですもんね。

山田:そこってどうなんですかね。

濱本:でも自分で一番おもろいって思うことなんですよね。それ、自分を信じるしかないですよ。誰もやってない、儲からない、シェアがないからやらないっていうのは、すごい僕は嫌なんですよ。「なかったら作りゃええやん」って。

自分がおもろいと思ってるのにやらなくて、また誰かがやって、それで儲けたら、嫌じゃないですか。「あのとき、やっときゃよかった」みたいな(笑)。

高木:やっときゃよかった。

濱本:そういう後悔だけはしたくないんですよ。思いついたらやる。

リアルな店舗があることの強み

高木:やっぱりでも、今までそうやってきたからこそ、もう壁紙を、要はジャックもそうですけど、DIYって今もはや格好いいみたいな。壁紙を変えるとか部屋を自分で変えるとか、自分で作るとか結構トレンドで、もはやテレビでバンバンでしょ、今。

そういうのって、やっぱりやってきてないことをやったからだと思うんですけど、そうすると今度、後発産業が来るかもしれないじゃないですか。

濱本:もうガンガン来てますよ。

高木:そうでしょ? そうなったときって、どういう今度は手段なんですか?

濱本:同じものでも、やっぱり価格競争になってきてる。

高木:そうですよね。

濱本:のり付き壁紙とか普通の壁紙もめっちゃ安いところもいっぱい出てきてますよ。でも何でうちで買いたいのっていうところを、やっぱり付加価値、そこしかないんですよね。

高くても、教え方がおもろいとか、ここで買ったら実際お店があるっていうのは、すごい僕はアドバンテージで、実際ネットショップって質感とか色とか、ちゃんと確認できないじゃないですか。

サンプルを送ったりとか、試飲とか試食とか送るのもありなんですけど、実際それをお店に来て見て、納得して買ってもらうっていう。ジャックさんのところもね、お店出されてると思うんですけど、現実に見れるっていうのが、僕らのアドバンテージっていうか。

オンラインで挑戦をつづける爽快ドラッグ

高木:たぶん井手さんのところもリアルなことをやったりとか、小笠原さんはお店があったりとか、ジャックさんもお店あるし、濱本さんもあると。小森さんのところって、やっぱり触ってもらったりできなかったときに、それはやっぱり何かそれをターンする、違う戦略っていうのはあるんですか?

小森:売ってるもの自体が、一般的に売ってるものなので。

高木:そうですよね。どこでも手に取れるっちゃ取れるってことですか?

小森:はい。

高木:そうすると、逆にそこを突き進んでいくっていうのも手っていうことですよね?

小森:そうですね。一方で、グループでやってるネットベビーなんかは、店舗出して、そういう中にいろいろまた新しいグループ展開もやってるので、爽快としては、できればほぼ完全にオンラインだけで、どこまでやれるかなっていうのも、1つのチャレンジだと思ってますし、そういうところを突き抜けていきたいなと思ってますね。

高木:わかりました。ありがとうございました。