日本の大学教育は意味がない

大谷晃司氏(以下、大谷):人を育てるって意味では、米国の場合、初めから専門家志向で入ってくるっていうことだとすれば、人を育てないっていう意味ですか?

ジェイソン・ダニエルソン氏(以下、ジェイソン):育てますけど、スタート時点がはるかに違いますね、日本とは。もう何も知らない馬鹿だと思われないで、結構そこそこできる人という前提で、それよりさらに生かしていく教育ですね。

だから成長するスピードが全然違うと思います。新卒として入って2年後にやってることを比べたら、アメリカの新卒の2年経った人たちのが、全然進んでいることをやってると思いますよ。

大谷:日本は、会社に入るって意識が非常に強いのかなと思ってまして。例えばどこの大企業に入るとか。

例えば弁護士さんは弁護士って職があると思うんですけども、普通に一般の会社員って、私もそうかもしれませんけども、何かどこの会社に入りたいっていうのが初めにあって、もう仕事のスタイルが全く違うのかなって気もするんですけれども。

ワークスタイルって意味では、それが専門家志向で初めから入った方と全く違うのかなと思って、そこら辺はアメリカってやっぱり違うんですか?

ジェイソン:違いますよ。それだったら何で大学に行かないといけないんですか。その4年間知識を辿って行って、そのあと全部捨てて、もう1回教育を受け直すんですよね? もう意味がない。4年間、ただ暇していたのと同じです。

大谷:大学は、ある意味職業訓練みたいなものだったりするんですか?

ジェイソン:はい。大学で本当に働いてるのと全く同じようなことをやらされて、それも進んでいるから、もうできてるという称号は、その学士号を取ったことですから、そのあとは真面目に普通に仕事をやらされますね。

弁護士などの士業もクラウドソーシング化する

大谷:専門家を雇いたいといった場合、ランサーズさんみたいな仕組みを使ったら、専門家って集まってくるものなんですか?

秋好陽介氏(以下、秋好):そうですね。今の日本のクラウドソーシングでいうと、エンジニアとかデザイナーとかライターっていうのがメインなんですけど、アメリカのクラウドソーシングだとそこをさらに超えて、まさに弁護士さんとか、行政書士さんとか、そういったプロフェッショナルの仕事が流通してるんですよね。だから日本もそうなっていくとは思いますね。

大谷:ワークスタイルの話をしたいんですけども、仕事の仕方という意味で、スペシャリストの方と、いわゆるワーカーと違うような気もしていて、その辺ではゲーム業界って顕著にそういうのがあると思うんですけども。

椎野真光氏(以下、椎野):そうですね。やはり今ゲームの作り方自体は、一部のスペシャリストの考え方をいかに映像であったりとかゲーム性に反映させること、ワーカーと呼ばれている人の質とセットでクオリティが上がってくるものだと思ってます。

全体で言うと、ゲーム自体が、本当に規模感が大きくなってくる。小さい規模感のコンテンツだと、本当にワーカーと、ワーカーっていう言い方が正しいかどうかわからないですけども、言われたことを丁寧にこなすような方たちと、あと本当にそのイマジネーションを最大化する人たちの、垣根がないんです。

大きくなればなるほど、むしろそこを、きっちり整備をしないといけないなっていうのが、今ゲーム業界で言うところの流れになってきていると思っています。

スペシャリストじゃない人は近いうちに仕事がなくなる

大谷:ワーカーっていうのは別にして、ある意味ロールがはっきりしてきている気はするんですけど、ジェイソンさん、その辺聞いてもいいですか?

ジェイソン:そうでしょう。仕事の定義に入ってないことはだいたいやらないです。ワーカーという考え方も本当に間違っていると思いますけどね。それが言われたことを考えずにやるとなると、その人がやる意味がないですね。代わりはいくらでもいますし、できるだけ安くできる人を採用しようとなります。

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