東アジアと南アジアの交差点にして、最も人口が多い国に面している「ミャンマー」

バラク・オバマ氏:ありがとうございます。私はこの大学に来れたことを、そして米国大統領として初めて皆さんの国に訪問できたことをとても誇りに思います。

私がここに来た理由は、この国が重要なポジションにあるからです。皆さんは東と南のアジアの交差点に住んでいます。そして、地球で最も人口の多い国に面しています。この国には数千年の歴史があり、地球で最も早く成長している地域の行く末を握っています。

私がここに来た理由は、この国の美しさと多様性からです。つい先ほど、金色のシュエダゴン・パゴダ(首都ヤンゴンにある寺院)を拝見し「慈悲の瞑想」について心を動かされています。この地球での私たちの時間というものは、寛容性によって、愛によって定義されているという信念に、です。

そして私は、この土地が、古い混雑した都市から60,000の村々まで至ることを、ヒマラヤ山脈の頂から、カレン州の森から、エーヤワディー川まで至ることを知っています。

私がここに来た理由は、私のこの大学への畏敬の念からです。この大学で、植民地支配への反対運動が起きました。この大学で、アウン=サンが独立運動を扇動するための冊子の編集を行いました。この大学で、ウ=タントが国連参画前に世界の在り方を学びました。

この場所で、前世紀に学問が繁栄し、生徒たちが基本的人権を主張しました。いま、議会がこの大学を復興させる為の決議を通しました。大学の威信を取り戻さなければいけません。なぜなら、この国の未来は、若者が受けた教育にかかっているからです。

私がここに来た理由は、私たち2国間の歴史からです。一世紀前、アメリカのトレーダー・宣教師・商人は信頼と商業と友情を築くためにここに来ました。そして第二次大戦時には多くのアメリカ人パイロットがこの国境から中国へ飛び、命を燃やしました。

私たちは両国とも大英帝国から脱しましたし、アメリカはビルマ連邦の独立に当初から賛成していた国のひとつです。私たちはラングーンにアメリカンセンターを設立でき、ヤンゴン大学のような学校と交流を深められたことを誇りに思っています。数十年に渡る違いを乗り越え、アメリカ人はこの国とこの国の人々に対する愛情で団結することができました。

つまり、私がここに来た理由は、アメリカの人間の尊厳に対する信念からです。数十年間の間、私たち2国は他人同士になってしまいました。しかし今日、アメリカ人がミャンマーの人々、皆さんに希望を抱き続けていたことをお伝えします。皆さんは私たちに希望を与え、私たちは皆さんの勇気の証人となることができました。

自由は投票箱ではなく、私たちの日常にあるもの

私たちは白で固めた活動家が、日曜日に投獄中の政治犯を訪問したのを、サフロンを着たモンクが路上で平和的な講義を行っているのを見ました。私たちは一般の人々が台風に対する救済チームを組織していることを学び、自由を願う生徒たちの声やHIPHOPアーティストのビートを聞きました。

私たちは先祖から続く家や家族との接触を断つことがなかった亡命者や難民を知るために来ました。そして私たちはインスパイアを受けました。アウン=サン=スーチーが証明した、心で希望が燃えている限り、人々は決して服従しないことを。激烈な尊厳を。

私が大統領に就任した際、恐怖で統治している政府に対してメッセージを送りました。「固く握った拳を開く気があるなら、私たちは手を差し伸べます」と。そして1年半以上前、50年に及ぶ独裁政治が手を緩め、劇的な変化が始まりました。

テイン=セイン大統領の元、変化に対する渇望は改革案によって応えられました。今では市民が政府を導いており、議会が発言権を得ています。かつては非合法だった国民民主連盟があり、アウン=サン=スーチーは議会の一員です。何百人もの政治犯は解放され、強制労働は禁止されました。予備停戦は民間軍に到達し、新しい法律はより開かれた経済を受け入れました。

そして今日、私は約束を果たすべく、友好を深めるために来ました。ラングーンには今やアメリカ大使がおります。制裁処置は緩和され、経済再建を手伝い、世界の成長エンジンとしてそれを活用します。

しかしこの素晴らしい旅は始まったばかりであり、もっとより遠くを目指さなければなりません。社会のトップから始められる改革は、財団を形成する市民の熱望によらなければなりません。発展の火のゆらめきは消されてはなりません。それはより強く、輝く国民の北極星にならなければなりません。

皆さんの努力による成功は、アメリカにとって重要なことです。もちろん私個人にとっても、です。私たちは異なった場所から来たにも関わらず、同じ夢を共有しています。「リーダーを選挙すること」「共に平和を享受すること」「教育を受けて良い生活をすること」「家族を愛し、コミュニティを愛すること」。つまり自由は抽象的なものではありません。自由とは実際に人類の発展を可能にすることであり、投票箱にあるものではありません。私たちの日常生活にあるものです。

私たちが追い求めている、4つの自由

アメリカの偉大な大統領のひとり、フランクリン・D・ルーズベルトはこの真実を理解していました。アメリカの成功要因は投票箱以上のものであると。彼は民主主義はただの投票権だけではないと理解していました。

そして世界に4つの基本的自由権を含有するように呼びかけます。「言論の自由」「信仰の自由」「貧困からの自由」「恐怖からの自由」です。これらはお互いに支え合っており、全てを理解することなしに、ひとつだけを完全に理解することはできません。そして、これが私たち、そして全ての人々が追い求めていることであり、今日皆さんにお伝えしたいことです。

第一に、私たちは表現の自由を支持します。それによって、一般の人々の声を聞くことができ、願いを政治に反映させることができます。人々の願いです。合衆国では2世紀以上の間、この約束を全ての市民のために守り続けました。

奴隷にされた人々が自由を勝ち取るために、選挙権を女性やアフリカ系アメリカ人まで広げるために、労働組合を作る権利を守るために。私たちは皆さんの国が全く同じ方法で民主主義を達成できるわけではないことを認識しています。

しかし、もしそれが皆さんの強さを牽引できれば、皆さんの国がより強固になることは疑いようがありません。そしてそれが、国家を成功へと導くのです。そしてそこから、改革が始まるのです。

抑圧に代わり、結束する権利は保証されなければなりません。抑制に代わり、検問のヴェールは外されなければなりません。そしてこのステップを踏むことで、皆さんは発展を牽引することができます。

今まで無視されてきた、ミッソン・ダム建設に反対した市民の声は届きました。今まで非合法であった政党が、政治に参画できるようになりました。皆さんは進展を目の当たりにしています。

ある有権者が議会選挙中に言っていました。「私たちの両親や、祖父母はずっと待ちわびていました。しかしついぞ立ち会うことができなかった」と。いま、皆さんは体感しています。自由を味わうことができるのです。

そして有権者の権利を保障するため、政権与党は制約を受けなければなりません。それがアメリカの政治の姿です。今日、アメリカは世界最強の軍隊を保有しているかもしれませんが、それはシヴィリアンコントロールを受けなければなりません。

私たちが目指しているのは、子どもが兵士にされず、女性が搾取されない国

私、アメリカ合衆国大統領が意思決定を行い、はじめて軍隊が実行に移せます。他に方法はありません。大統領として、最高司令官として、私には国民に対する説明責任を保有しています。

一方で、私は自分の意思を米国議会に押し付けることはできません。たとえどうしても実現したいと望んでも、です。立法府にはそれ自体に力があり、特権があります。だから彼らは私の力をチェックでき、バランスを保てます。

私は裁判官を何名か任命しますが、自分の望み通りに彼らを動かすことはできません。貧困の中の子どもから、大統領まで、アメリカの全ての人々は法律の下に平等だからです。そして裁判官は私が法律を遵守しているか、犯しているかを決定できます。私にはそれに対しての説明責任を保有します。

アメリカのシステムについて説明をしました。なぜならこれが将来、皆さんが到達したいと渇望していることだからです。皆さんは将来、法律がどの指導者よりも強固である国にしなければなりません。説明責任を全うしなければなりません。

皆さんは将来、子どもたちが無理やり兵士にされない、女性が搾取されない国にしなければなりません。たとえ彼らが不遇にあっても、たとえ彼らが弱くとも、法律は彼らを守らなければなりません。皆さんは将来、国家の安全が市民の監視の下に軍隊によって強化され、憲法が選挙で選ばれた人間によって施行されなければなりません。

この旅ではアメリカは皆さんを、市民社会に力を与えることによって、軍隊の専門化と基本的人権を推し進めることによって、協力しながら経済発展により民主主義が促進されることによって、全てのステップでサポートしていきます。

そしてその旅を続けることにより皆さんを第二の自由へと導きます。貧困からの自由です。人民の人民による人民の為の政府は、繁栄の中でより強固になることを、歴史が証明しています。そしてそれがアメリカが皆さんとのパートナーシップを求める理由です。

国が「一生懸命働けば成功を手にできる」ことを保障しなければいけない

あなたの才能の束縛が解かれた時、機会は全ての人々に創造されます。アメリカはこの国での企業活動における規制緩和を進めており、皆さんの政府も投資に対する規制を解除して、経済をオープンにしています。

そして今日、より多くの資金がこの国にもたらされ、人々をより豊かにすることを期待しており、予期しています。それは上層部の人間だけではいけません。国民全員に行き渡らなければいけません。

国民が「一生懸命働けば成功を手にできる」という機会が保障されている中では、高速の経済成長と発展を促します。しかし腐敗は取り除かなければなりません。投資を得るためには、改革は透明化された予算と民間企業によって進められなければなりません。

アメリカ政府はアメリカ企業へ、もしここでビジネスを始めるなら、高いレベルでの開放性と透明度を要求します。そして世界銀行のような組織と共に、従業員へしっかり還元している中小企業や経済を促進させる企業家をサポートしていきます。

そして私は皆さんの政府が「Open Government Partnership」に加盟したことをとても嬉しく思っています。市民は責任を果たすべく訪れ、資金がいかに使われているか、どのようなシステムで政府が運営されているかを学ぶでしょう。

これらを実現した上で、皆さんの声が政府に届いた時、基本的な要望は叶えられます。そしてその改革が、空腹の人や、病気の人や、電気や水のない人の日常の生活にまで至らなければならない理由です。

私たち、アメリカは皆さんをお手伝いします。開発政府機関であるUSAIDミッションが復旧できたことを誇りに思っています。アメリカは以前「rice ball」(ベトナム戦争で使われた蔑称)であったこの国のパートナーとなり、国民に食事を与え、弱っている部分を治し、子ども達に教育を施し、民主主義の施設を建設する手伝いをします。

この国は天然資源で有名であり、それらは搾取から守られなければなりません。そしてグローバル経済において、国家の最重要の資源は人材であることを肝に銘じるのです。

つまり皆さん、特に若い皆さんに投資することでこの国をよりオープンにし、より繁栄させることになるのです。アメリカの未来のカギは教育にかかっているように、皆さんの国でも教育が重要となります。

だからこそ皆さんと共に働きたいと願い、交換留学を奨励しています。私たちは皆さんにアメリカに来てもらい、多くを学んでもらいたいと願うと同時に、アメリカの学生がこの国に訪れ、多くを学んでもらいたいと願っています。そしてこの真実は第3の自由へ私たちを導きます。「信仰の自由」「宗教選択の自由」「基本的人権の尊重」です。

多様なもの同士が団結しなければいけない

この国は、私の国と同じように、多様性に恵まれています。誰しもが、同じ見た目をしていることはありません。誰しもが、同じ地域出身であることはありません。誰しもが、同じ形式で崇拝することがありません。

皆さんの町ではパゴダと寺院が、モスクと教会が連なって存在しています。100以上の人種が皆さんの歴史の登場人物です。この土地では今も反乱が世界で最も長い期間続いており、数え切れない人々が犠牲になっています。そして家族やコミュニティをズタズタに引き裂き、発展を阻害していました。

国家の団結なくして達成できる改革の道は存在しません。

(会場拍手)

今、皆さんは和解への千載一遇の時にあります。いまだに紛争が続くカチン州にも平和をもたらしましょう。これらの努力はより正しく人道的で、継続的な平和を導かなければなりません。

近年、ラカイン州では多くの悲劇を生んだ暴動があり、現在も緊張状態が続いています。ラカイン族を含めたこの州の人々はあまりにも長い間、あまりにも酷い貧困と迫害の下に置かれ続けていました。

しかしいかなる理由であれ、罪なき人々に対する暴力はあってはなりません。そしてロヒンギャ(ミャンマーのラカイン州で仏教徒から迫害されている人々)には尊厳があります。皆さんや私と同じようにです。

国民の団結には時間がかかります。しかし私たちのごく平凡な人間性のために、そしてこの国の将来のために、(ロヒンギャ迫害の)扇動を止め、暴力を止めねばなりません。そして私は不正、責任、人道的な行動や市民権に関する問題に政府が関与することを歓迎します。それが皆さんの前進し、世界がサポートする展望です。

内戦と人種隔離の苦しみを越え、人種や部族の垣根が取り払われた

全ての国が市民権については苦労をしています。アメリカはこの問題について、今もなお議論を繰り返しています。なぜならアメリカは人々が世界中からやって来ている移民の国だからです。

しかし私たちがアメリカで学んだことは、そこには確固たる原則があるということです。それは誰であれ、どんな見た目であれ、どんな出身地であれ、どんな宗教であれ適応されます。それは誰であれ、家族が脅されるようなことがなく、家が燃やされるようなことがない、平凡に生きる権利です。

この国の人々だけが、この国の組織を作ることができ、この国の市民権を確たるものとすることができます。私には確信があります。皆さんの多様性が、弱みではなく強みとして、この国を牽引することを。

皆さんの国は多種多様な文化によってより強くなるでしょう。しかしその機会を確実につかまなければなりません。皆さんはその強さを認めなければなりません。私は自分の国の自分の人生において、この多様性の力を目の当たりにしています。

アメリカ合衆国はキリスト教徒とユダヤ教徒とイスラム教徒と仏教徒、そして無信仰者による国家です。私たちの物語はあらゆる言語によって形作られており、あらゆる文化によって育まれています。

私たちは内戦と人種的隔離の苦渋を味わいました。しかし私たちの歴史は人の心にある怨恨は薄れていることを証明してくれています。人種や部族の垣根は取り払われていきます。そ

して最後に残る真実「e pluribus unum」(「多数でできたひとつ」アメリカ合衆国を表現したラテン語の標語)、それがアメリカという国です。多くから成りつつ、私たちはひとつの国家であり、ひとつの人種です。

そしてその真実は、繰り返しになりますが、私たちの組織を、国家を強くしているのです。このことがアメリカを偉大な国家たらしめている要素の一端を担っています。

恐怖は文明人の自然状態ではない

私たちは民主主義の原理を広げるため、憲法を改正しました。そして私は皆さんの前に世界最強国家の大統領として立っています。しかしかつては、私の皮膚の色が原因で投票権を認められないこともありました。

しかしだからこそ、私たちが違いを乗り越えられたことは、皆さんにもできるんだ、という意識を与えてくれると思います。この国境の内側に暮らしている全ての人々はこの国の物語の一部であり、皆さんはそれを受け入れなければなりません。

もしあなたが意識できたらなら、それは弱さの要因ではなく、強さの要因となります。そしてそれは本日お伝えしたいことであり、最終的な自由へと導き、全ての人々に恐怖からの自由を得る権利です。

様々な点で、恐怖とは人間と理想の間にある力です。対立の恐怖と戦争の武器、過去と異なる未来への恐怖、社会と経済の再変革への恐怖、見た目の違いもしくは移民や異教徒への恐怖。

アウン=サン=スーチーの収監されていた、最も辛かった時期、彼女は恐怖からの自由についてのエッセイを書きました。彼女は汚職に手を染めた人間の恐怖について話しています。

「力を失うことの恐怖は人を汚職に走らせ、罰を受ける人も汚職に走らせます」

それは皆さんが追いやれるものです。私たちはその機会をリーダーの中に見出します。人々の恐れではなく人々の希望に訴えかけることで力を手に入れられると理解し始めているリーダーです。

アウン=サン=スーチーが書きました。「恐怖は文明人の自然状態ではありません」と。私はそれを信じます。そして今日、皆さんはその事実をこの国で証明しているところです。だからこそ、私はここに来ました。だからこそ、私はここラングーンにやって来ました。そして、だからこそ、この場所で起きていることはとても重要なのです。

この国の宗教だけではなく、世界に通じることです。なぜなら皆さんは多くの人々をインスパイアさせる可能性を秘めた旅路の途中にいるからです。これは国家がより良い場所に移行できるかどうかのテストです。

21世紀の国家のあるべき姿とは?

アメリカ合衆国は太平洋にある国です。そして私たちの将来は太平洋の国々や人々とアメリカ西海岸が結びついているでしょう。私たちの経済が回復したように、ここがとてつもない成長を見つけることができると信じている場所です。10年に渡り外交政策を支配していた戦争が終結させました。この地域は私たちの繁栄的な平和を構築するための努力にフォーカスするでしょう。

ここ東南アジアで、人々と国々が一体となることを私たちは期待しています。そして大統領として、ASEANを受け入れた理由は、私自身がインドネシアで幼少期の一時期を過ごしていたという事実です。

なぜならASEANでは、私たちは国々が前進しているのを、成長しているのを、そして民主主義が勃興するのが見えるからです。共同する政府たち、海や島やジャングルや都市にわたる多様性を基にした進展、全ての人種と全ての宗教の人々からです。

これが21世紀のあるべき姿であり、それは私たちが勇気を持ち、相互の理解と相互の尊敬と共に、違いを乗り越え前進することで実現します。そしてここラングーンで、私はアジアに向けてメッセージを送りたいです。

我々は過去の罪によって定義される必要はありません。将来を楽しみにする必要があります。北朝鮮のリーダーに対して、私は選択を迫りました。核兵器を手放し、平和の道を歩み進展してください。もし実行できたなら、アメリカ合衆国は手を差し伸べますと。

2012年、私たちは東西南北の境界線にしがみつく必要はありません。私たちは皆さんの北の隣人である中国から平和の機運が上がるのを歓迎します。そして西の隣人であるインドからもです。

国連では私たちは大小関係なく、どんな国とも活動していきます。それはより平和で、より繁栄して、より正当で、より自由な世界へと続いていきます。そしてアメリカは市民の権利を尊重し、国際秩序を重んじる国とならどの国とでも友人となります。

アメリカ合衆国は民主主義を目指す国のパートナー

それが皆さんがこの歴史的な都市から作る国家であり、世界です。孤立していた国家は、世界に新しい始まりの力を、民主主義を示すことができます。この民主化への旅は発展と手を取り合って進んでいきます。

私はお伝えします。この国にはまだ数え切れないほどの人々が、ここに座っている皆さんと同じように、今ある機会を受け入れられずにいることを認識してください。数千万の電気を使えずに暮らしている人々がいます。解放されることを待っている政治犯がいます。難民や、強制退去をさせられた人々が、いまだに希望が地平線の彼方にあるようなキャンプにいます。

今日、私は皆さんにお伝えします。私の声を聞くことができる全ての人々にお伝えします。アメリカ合衆国は皆さんとともに在ります。忘れられ続けている人々も、追放された人々も、貧しい人々も含めてです。

私たちは皆さんの物語を頭に、皆さんの希望を心に入れて進んでいきます。なぜなら21世紀は技術が広がり、垣根は取り払われ、個々人と国家の間に自由の最前線がある時代だからです。

ある元囚人が友人に言いました、「政治は君の仕事だ。政治家だけのものではない」と。そしてアメリカ合衆国は表明します。民主主義の最も重要な職務は、大統領ではなく、演説者ではなく、市民にあると。

(会場拍手)

この旅は並外れていて、難しく、チャレンジングで時にはイライラさせることに思えるかもしれません。しかし最終的には、皆さん、この国の市民が自由の意味を確立せねばなりません。皆さんが自由を握りしめなければなりません。

なぜなら真実の革命の精神は私たちそれぞれの心から始まるからです。それには多くの皆さんのリーダーが示したような勇気を必要とします。これから進む道には大きな困難が待ち受けており、変化の力に抵抗する人々も現れるでしょう。

しかし私はこの国で後には退かない、何かが起きていることを確信してここに立っています。人々の意思はこの国家を躍進させ、世界の偉大な手本になります。そしてアメリカ合衆国は皆さんの長い旅のパートナーであり続けます。ありがとうございました。