山本一太(以下、山本):ニコ生ユーザーの皆さんこんばんは。直滑降ストリームの時間がやってまいりました。私は内閣府特命担当大臣の山本一太です。第二次安倍内閣入閣をして以来実は今日は2回目のこの直滑降ストリームということになりました。

今回から新しい企画を始めたいと思います。その名もIT政策担当大臣特別企画 大臣VS大臣ということで、閣僚の1人である私が第二次安倍内閣の閣僚をここにお呼びして大臣同士で議論するという空前絶後というか危険な無謀な企画が今日から始まるということで。実はそのリスクを承知でこのスタジオに来ていただいた方をご紹介をしたいと思います。田村憲久厚生労働大臣です。

田村憲久(以下、田村):はい。厚生労働大臣の田村です。よろしくお願いいたします。

山本:田村大臣、今日はありがとうございます。

田村:どうもすいません。

山本:この企画を始めるにあたって必ず田村大臣に最初に来てもらおうと思ってたんですが。ニコ生ユーザーの皆さん、私田村大臣昔から大好きなんですね。仕事はもちろんものすごく真面目にやってるんですが、とってもネアカでなんとなく田村大臣がいるとですね、なんていうんでしょう、その場が明るくなる。第二次小泉政権のムードメーカー。

田村:小泉政権じゃないです。

山本:失礼しました。もうほんとに申し訳ありません。緊張してると思うんですけど、第二次安倍政権のムードメーカーといってもいいと思います。

田村:ありがとうございます。

山本:ちょっとこれ褒め過ぎかもしれないんですが。

田村:褒め過ぎですね。間違いなく。

山本:田村大臣は自民党の厚労部会長すごく長くやっていて、自民党きっての厚労政策のスペシャリストということで。今特に厚労政策は幅も広いし。

田村:そうですね。

山本:野党からもなかなか厳しい追及受けるポストなんですけど。ほんとに田村厚労大臣でよかったと。田村大臣ならいかなる厳しい野党の追及にも堂々と。

田村:いやそんな。あんまり挑発しないでください。

山本:ということでつい仲良しなんでなんとなく軽くなってしまうところを押さえながら、今日はハードボイルドタッチで議論させていただきたいと思います。まずですね、田村大臣、お互いに入閣してから2カ月弱?

田村:そうですね。

山本:経ったわけですがいかがでしょうか? 私は特命担当大臣ということでいろいろ分野は広いんですけど、どっちかっていうとオンゴーイングのイシューではなくて、その時代にタイムリーなものをまとめて特命担当大臣に任せたみたいな構図なんですけど。田村大臣の場合は厚生労働省を担当してると。きわめて幅広い分野を受け持ってるわけですけども。2カ月弱、閣僚として今勤めてるわけですが率直なご感想をうかがいたいと思います。

田村:ほんとに幅広いんですよ。よく「ゆりかごから墓場まで」なんて言いますけども。厚生労働省ってのは、ゆりかごの前からお墓に入られたあとまで。つまり子供が生まれる前の対策からですね、お墓に入られたあとの、例えば遺族年金なんていうのも我が省の担当ですので。しかもほんとに国民の皆さんの生活に密着したそういう部門が多いです。厚生だけじゃなくて働く労働もございますし、そういう意味では、ほんとに毎日てんやわんやであっという間に1日が過ぎちゃう。そんな状況の2カ月でございました。

山本:それをいうとほとんど私も同じ状況で。田村大臣は特に厚労政策のスペシャリストなんで少し余裕を感じるんですよ。私は。

田村:そんなことないですよ。

山本:私の場合、実は8つの分野がそれぞれ深いものですから。北方対策、沖縄振興、科学技術もものすごく深いんですけど、宇宙とか海洋とか領土とか知的財産権とか。

田村:すごいですね。

山本:もうほとんど毎日ギリギリ生きてるみたいな感じで。

田村:そんなことはない。けっこう余裕を持ってご答弁されてますから。

山本:そういう意味でいうとやっぱりこういう危機の時代に特務大臣として安倍総理を支えられるってことはお互い政治家冥利に尽きるところがあると。

田村:本当に嬉しいですね、そういう意味では。

山本:私も田村大臣も精一杯やってるってところは同じだと思いますが。どっちかっていうと田村大臣は特に安倍総理と個人的に近かったわけでもないことだと。

田村:そうでもないんです。実は。第一次安倍内閣のときには私はそれこそ総務副大臣というお役を。

山本:副大臣でしたね。

田村:いただいておりましたし、実は今のアベノミクスの原型は一緒に勉強会やって。たぶんこのあいだこれ安倍総理に直接確認しましたけど、一番初めにアベノミクスという言葉を安倍総理というか総裁に伝えたのは私です。というくらい一緒に勉強会をやってきてます。そういう意味では非常に深いところは。

山本:今非常に大事なポイントおっしゃったんですけど。アベノミクス、それはおそらく歴史に残る、ある意味でいうと壮大な実験だと思うんですね。私は成功するって信じてるんですが。ニコ生ユーザーの皆さんにもお伝えしたいんですけど、アべノミクスという言葉を作ったのは実は田村厚労大臣でございます。これがユーキャン流行語大賞もし取る場合にはですね、私の方から申し上げておきますが、アベノミクスという言葉を作ったのは田村憲久厚労大臣だと。今日はどうしてもこのニコ生で言っときたかった。

田村:ただ私は総理に言っただけの話で他の人が別の発想で使ってたかもわかりません。そこは。

山本:今のはちょっと取り消させていただきまして。

田村:一番始めだったのは私だと思いますよ。私解散してすぐに言いましたから。

山本:それもちょっと不明瞭な点もありますけどとにかく安倍総理に最初にアベノミクスということを伝えたのは田村大臣。

田村:それは間違いありません。

山本:今お聞きして、安倍総理と勉強会等々では親しかったという話をうかがって嬉しい思いをしてるんですが。なんでこれを聞いたかっていうと、安倍総理の田村厚労大臣を見る目がとてもあったかいんですよね。

田村:そうですか?

山本:これお世辞じゃなくて。だって私ずっと安倍総理を応援してきたから。

田村:そうですよね。

山本:雨の日も風の日も。だから分かるんですけど。やっぱり田村大臣を見る目が優しくて、いやほんとほんとすごく、こういう軽い言い方しちゃいけないですね。ほんとほんととか。ほんとなんです。特に答弁も多いし、だからなんとなく田村大臣に対してちょっとウイットのある冗談を言ったりする。そういう意味でいうと安倍総理ね、1回ああいうほんとに挫折を経験して2度目のチャンス。石破幹事長ふうに言うと天命だと思うんですが。なかなかいい感じだと思いませんか。我々が中の内閣にいるんだから、当然こういう評価になっちゃうんですが。これだけいっても、今の安倍総理いい感じだと思いませんか?

田村:ほんとになんていいんでしょう。1回目の総理やられたころから比べると、肩の力が上手い具合に抜けて、非常に一番力が出る、それこそ力が抜けてて一番力の出る、そういうような状況になってるんじゃないかなと思いますね。それとみんな閣僚が仲いいですよね。

山本:そうなんですよね。これいいことなのか、いいことですよね。

田村:いいことだと思いますよ。

山本:これニコ生ユーザーの皆さん、他の内閣は分からないんですけど、田村さんも初めて、あ、田村さんじゃない田村大臣は、初めて入閣したんで分からないんですけど、非常にチームワークがよくて、雰囲気がいいと。まあみんなそれぞれおそらく各分野では必死に本当に一生懸命やってるんですけど。和気藹々とは違うんだけど、なんとなくみんな明るくて。

田村:そうですね。

山本:こんな雰囲気がいいものなのかなと、内閣とは。

田村:なにか1つの問題が起こったときに関連する大臣がパパっと閣議の前のその席で、部屋でですね、この問題こうだからこうしたらいいんじゃない? 一緒にやらない? みたいな話で。すぐにそこでユニットを組むわけじゃありませんけど、問題解決に向かっていろんな段取りを始めるっていう。非常に雰囲気のいい内閣だと思いますね。

山本:そうですね。例えば官房長官に用があると、須賀官房長官は永田町ではアニキと呼ばれてるんです。まあ私が付けたあだ名なんですけど、アニキのところにすぐいって。「なんだい」ってすぐ言って、真似する必要はないんですけど、そんな雰囲気ですよね。

例えば甘利大臣と話したかったらすぐ近づけば会話もかわせるし。それはそういう意味でいうと非常にモラルも高いし、我々が言うとすごい手前味噌ですけど。本当になんていうんでしょうか。士気が高いっていうか。ムードが良いってことはやっぱり共通の認識っていうか。

田村:私もそう思ってます。

山本:そこでニコ生ユーザーの皆さん田村大臣をあまり知らないという方もおられたんで。まあ田村大臣、だいたい内閣が1つできるとですね、そこからスターが生まれて行くと。あんまり褒め過ぎちゃいけないんですけど。やっぱり田村大臣はおそらく第二次安倍内閣の厚労大臣という、なんていうんでしょうか、経験からたぶん大きくジャンプをして、これから世の中に向けて発信されていく方だと思うんですけど。あんまり知らないって方もおられるんでですね。ニコ生の特徴を最大限に生かしてニコニコ動画の特徴を最大限に生かして簡単なアンケートをしたいと思います。

田村:はい。

山本:今、アリーナに入っていただいた方は即、答えていただけるということで。田村厚労大臣、みなさんもう1回よく見てください。と思ったらパソコンがスリープになってしまって。これをこうしないと……、やっと出るようになりました。「イケメン」って書いてありますけど。「イケメン」とか「かっこいい」「国会で目立っている」「山本より有名」あ、それに「イケメン」「知らなかったけどもう覚えた」とかいろいろあるんですけど。

皆さんニコ生ユーザーの皆さんにちょっとアンケート取りたいと思います。田村大臣のイメージ、あなたにとって一番近いイメージは何か。1、政策スペシャリスト。2、武闘派。これは少ないかな。でも激しいですからね。2、武闘派。3、バランス感覚のある常識人。4、母性本能をくすぐるタイプ。こんなとこでしょうか

田村:それはないと思うけど。

山本:1、政策スペシャリスト。2、武闘派。3、バランス感覚のある常識人。4、母性本能をくすぐるタイプ。「髪の毛は地毛じゃろうか」とかいろいろ。

田村:ハハハ。地毛です。

山本:「1しかない」って人もいるし、いろいろですね。「一択」とかいう人が多いんですけど、これまたすぐ結果がでると思うので。はい。ご自分だと1番から4番のうちどのタイプだと思われますか。

田村:3番ですよね。

山本:バランス感覚のある常識人。なるほどね。ちょっとコメントを見てみたいと思うんですけど、いろいろ来てますが。

田村:おおー。そういう。

山本:髪のことが多いですね。

田村:ええ、まあ。ちょっと。

山本:「割れたね」って。あ、あった。じゃあ結果が出ました。ごめんなさい。1、政策スペシャリスト36.7%。

田村:こういうイメージですか。

山本:武闘派13.2%。3、バランス感覚のある常識人26.5%。

田村:なるほど。

山本:4、母性本能をくすぐるタイプ23.6%。割れましたね。

田村:いや、割れてるんですか、それ。

山本:まあ武闘派を除くと大体こういう。ということはなんとなく出題も良かったのかも分からないですけど。

田村:野党のときは武闘派でしたね。はい。

山本:それはやっぱりけっこう舌鋒鋭くやってましたもんね。イメージとして一番多かったのはやっぱり政策スペシャリストということで。

田村:そうですか。ありがとうございます。

山本:非常にいいなと思うんですけど。それでね、一応私、総合科学技術大臣を担当してまして。総合科学技術会議は一言でいうと科学技術政策について司令塔機能をはたす。関係省庁に横串をさして、国家戦略としてまとめていけってことで。厚生労働省ともしっかり協力関係を作って。田村大臣と個人的な信頼関係があるんで、いいもの一緒にやっていきたいんですけど。

そしたらなんとやっぱり内閣府と厚労省で対談をするっていうときに、ちゃんと優秀な役人の人たちがパっとペーパーを作ってくれたりして。あんまり読む必要はないんですけど。筑波大学の山海嘉之教授。これ実はロボットスーツ「HAL」っていうのを開発してると。これがですね、ぜひこの直滑降ストリームでも1度お招きしたいと思ってるんですけど、すごい技術。脳から神経を通じて手を動かす足を動かすと。神経を伝わる体の微弱な電波をこれをキャッチしてロボットを動かすっていうんですよ。それで体の不自由な方とかリハビリ中の患者さんとか、こういう方々が歩けるようになる。こういうプログラム。

これ実は、総合科学技術会議が発案した最先端研究開発プログラムFIRSTって。この中で実はロボットスーツの開発を支援してるんですけども。資料によると今年の2月から医師主導治験が開始されるということなんで、厚労省からみるとロボットスーツHALの開発についてはどんなふうな関わりっていうか、シェアされてるんでしょうか。

田村:医療機器になるんですよね。だから今から申請受けて承認に向かってっていう作業に入る前に、今医師主導型治験というのをやられているんだというふうに思います。例えばALSっていう病気ありますよね。ああいうように体が動かなくなっていく、そういう病気にとってみればこういうようなものがありますと。無理して動かなくていいものですから、悪化を押さえられる。症状を。そういう意味ではほんとに画期的な医療技術だと思いますね。僕、ほんとに待っておられる方たくさんおられると思います。

山本:20年くらい歩けなかった方が歩けるようになったりしてるんですよね。

田村:介護のほうでもこれありまして。介護のほうは今もう世の中に出て使われてるんですけど、だんだん体の機能が衰えて動けなくなってきたおじい様おばあ様方がHALを使って動くようになったりだとか。この技術っていうのは、他にもいろんな応用がききますから。医療、もしかしたら医療だけじゃなくて、いろんな世界にも広がってくるんじゃないかなと。いずれにしても日本の素晴らしい医療技術ですね。

こういうような技術を早く申請をいただいて承認をしていかないといけないということですので。実はこれ今国会で法律も出す準備をしてるんですけど。薬事法等々改正しましてね。PMDAという医薬医療機器総合機構というところで審査をしているんですが。ここでなかなか医療器のほうは審査に時間がかかったんです。

そこでもうちょっと改良して、なるべくいい技術が早く審査を通って承認をできるような、そんな内容の法案を今回是非とも出させていただいて、こういう研究を後押ししたいなと思ってますね。

山本:私も一応科学技術を預かる大臣として、ぜひ田村大臣の動きを応援したいと思います。

田村:ありがとうございます。

山本:皆さんどうでしょうか。この論理的で分かりやすい切り口。見てみたいと思いますけど、ほらほら「なかなかいい仕事してる」と。「パチパチパチ」と。「いいね」と。いいですね。「酒飲みながらでいいよ」ってのは。「素晴らしい」「まあ頑張れ」と。かなり好評なんですけど。

ロボットスーツHALは、例えば介護現場でも力がいりますよね。特に患者さんっていうかお年寄りをかかえたりするときに腰に負担がかかるっていうことで、HALを付けた大学生がものを持ち上げる。その腰に対する負担を減らすので、ものすごい重い、なんていうんですかお米の……。

田村:持ち上げられる。

山本:袋っていうか、あのすごく大きな袋をですね、こうやって持ち上げるって実験も見たんですけど、すごいんですよね。

田村:だから、おじいちゃまやおばあちゃまがベッドから(起きる)ときに応用できる。

山本:そうですよね。

田村:今もリフトあるんですけど、なかなか使うの難しくって、なかなか利用されていないところがあるんで。今後HALなんかが実用的にどんどん広がっていくと、どんどん役立ってくる話です。

山本:持ち上げた袋みたいなの、私もデモンストレーションのところにいって持ち上げようとしたら、完全にぎっくり腰になるってことが分かったので、力は入れませんでしたけど。何回もこんなことやって持ち上げても疲れない。

田村:いやすごいです。今介護現場で一番大きい病気といいますか、腰痛です。

山本:やっぱりそうですよね。

田村:ですからそういう意味では若い方々でも腰痛苦しまれるんで。ほんとに介護現場なんかではこれは希望の星ですよ。

山本:それとニコ生ユーザーの皆さん、今すごく注目されている再生医療。

田村:ああ。

山本:山中伸弥教授。実は山中伸弥教授がこのあいだ東京に来たときに田村厚労大臣のところ。私、一応科学技術担当、総合科学技術会議担当なので私のところ尋ねてくださって。素晴らしい方ですよね。

田村:ほんと紳士的な方ですし。ノーベル賞とられた方ですからすごい方なんですけど、気さくな方でしたね。

山本:やっぱりね私、山中伸弥教授のなにがいいかというと、メイドインジャパンの技術で困ってる人たちを救いたいと。この発想がいいですよね。山中先生はおそらくもうグローバルにひっぱりだこだと思うんですよね。山中先生は日本人としてのアイデンティティを強く持ってて、メイドインジャパンの技術で多くの人を救いたいと。山海先生もあれだけのHALみたいな新しい技術を開発してる。この方もどの国からもひっぱりだこだと思うんです。でも日本発の技術で多くの人を助けられる産業をしたいと。ここらへんはいいと思いませんか。

田村:素晴らしいですよね。日本を元気にするそういう源を持ってる方々ですから。

山本:それでなにしろ山中先生は田村厚労大臣と山本科学技術担当大臣に同じお土産をくれました。ノーベル賞のメダルの形をしたチョコレートです。ゴールドの。

田村:そうでした。

山本:あれ食べた?

田村:いや食べられないですね。もったいなくて。

山本:ずっともったいないと思っておいといたんですが、このあいだあまりにも大臣レクが続き、ミルクティーを飲んでてお砂糖がなかったもんですから。つい、ずっととってたんですけど、あのゴールドメダルみたいなすごいやつ。

田村:それを。

山本:それでどうせどうせ剥がれないだろうなと思って。こうやって、なかなか剥がれないなと思って。やっぱりこれは食べられないと思ってちょっとやったら折れて、ポコっと。ついに食べてしまいました。

田村:ああー。

山本:でも実はもう1ついただいているで。そっちは冷蔵庫にとってあるんですけど。

田村:とっといてください。

山本:あれはすごくかなりのプレミア。お土産としてはいいですよね。

田村:ほんとうれしかったです。

山本:とってあるんですか?

田村:もちろんとってあります。

山本:誘惑に負けて。折ったら簡単に。

田村:また消えちゃいました。

山本:すいませんまた消えましたね。そんなことでチョコの話で。しょうがないんですけども。まあこうして私も科学技術担当大臣というか総合科学技術会議担当として田村大臣といろいろ協力しながら、いいプロジェクトは一緒に進めて行くと。

例えば厚労省。うちはアクションプランっていうのがあって、こういうかたちで少し科学技術予算を使ってくださいみたいなのを各省にお願いしてると。そういう中で大臣と共通認識を持ってこれはいいってものがあったら、我々もやっぱり予算獲得をしっかり応援するとかそういう関係を作りたいんですよ。

田村:それとやっぱりいろんな問題がありまして、先ほどそのPMDAっていう審査するところのお話をしましたけど。このあいだ再生医療の関係で私東京女子医科大学の先端生命医科学研究所、TWInsっていいまして、早稲田大学の理工学術院と一緒に……。実は工学系と医学系が一緒になることによってすごい医療機器が生まれるんですよ。そういうことを実際やってるところを拝見したんですけど。

再生医療って今やってるのはこういうシートなんですね。薄いシートを悪いところに貼ってそれで治していくってやつなんですが、これを何枚も積み重ねていくと、ほんとの細胞になるんですよね。私見たら、心臓の細胞ですっていうのを何枚か重ねると動く。

山本:心臓みたいに。

田村:心臓で。そこに毛細血管を入れてくと、これがどんどん立体造形に近づいてくるんですよね。そういうシートを大量に作らなきゃいけないじゃないですか。今はみんなラボで人間の手で作ってるのですごい時間かかるんです。それを機械でやっちゃえっていうんで、試作品を見たんですが、それはもうちっちゃな人が作るラボみたいなものが何百も、この機械で。

ところがそれを審査するにもですよ。審査するノウハウがないんですよ。そもそも想定してませんから。はじめからそういうものに対して、どういうところに審査の視点を置いていくかってところから始めてやってかないとですね。それこそ先ほどの話、日本でダメならば海外でってなっちゃいますよね。もし出来上がって承認されれば世界中で活躍する医療機器ですね。

山本:でも是非それは私も見に行きたいと思うんですけどね。そこに今大臣のおっしゃったポイント。そこに総合科学技術会議の意味があって、例えば1つの基礎研究っていうか研究からそれを商業化する、実用化する、産業に結びつける、人の命を助けると。そういうプロセスの中にいろんな省庁が絡んでくるから、横串をやらなきゃといけないと。それを総合科学技術会議でやらないといけないと思ってて。ちょっと今の機器は私も見に行きたい。

田村:ぜひともご覧ください。

山本:それでね大臣、科学技術っていうと基礎研究がすごく役に立つなと思ったのは。つくばのある研究施設に行ったら基礎研究やってるんですけど、磁石を開発してると。磁石ってレアアースがないと強い磁力がないんですよ。だから自動車のモーターとかハイブリッド車のモーターとかみんなレアアースを使った磁石。

ところがそのジスプロシウムとネオジムっていうのがあるんだけど、ジスプロシウムはその使わなくても、強力な磁力を発生させる磁石を作ってるんで。これがうまくいけば国の名前いいませんけど、某国からものすごく輸入してるものをカントリーリスクを減らせる。こういうふうに実は日本経済に対する負担を減らすとか。技術っていうものはそういうところと結びついてきますよね。

田村:同時に海洋大臣、日本の447平方キロメートル、これは国土もあわせてですけど。海洋だけだと447か。海洋が。で両方足して485かな。その海洋にもうレアアースやレアメタルの資源がいっぱい眠ってるじゃないですか。こちらも開発して、ぜひとも日本のこの経済成長っていいますかね。産業を支える元にしていく。

山本:このあいだ実は、予算委員会で海洋基本法の生みの親の一人である武見敬三参議院議員。

田村:やられてましたね。

山本:私の大好きな、田村さんも好きだと思いますが。

田村:大好きです。

山本:厚労族、族じゃないや厚労スペシャリストとしても非常に功績を遺したって人だし。実は武見さんは海洋政策のスペシャリストでもあって。このあいだ質問を受けてEEZ、排他的経済水域に関する包括法を作りたいと。これ外交関係、気をつけないといけないんですけど、これだけ海洋資源の競争ってのが激しくなって各国がしのぎを削っていると、やっぱり今までのように海洋資源について個別法でやってちゃダメだろと。鉱業法は改正して、海底資源探査規制みたいなのを導入した、もっと包括法を作れっていう答弁、質問があったんで私けっこう踏み込んで。

田村:やりましたね。

山本:言ってしまいまして。席に戻ったら田村大臣が歯切れがいいって。

田村:そうでした。

山本:その日に転びそうになったって事件もありましたけど。躓いてなぜか。

田村:水が入ってるコップひっくりかえしちゃったんですよね。

山本:ひっくり返した、でも落ちないように押さえて。あんまり恥ずかしいからすぐ席に戻ろうと思ったら、またひっかかって転びそうになったって事件があってですね。それは特に今回のことは関係ないんですけど。まさに科学技術研究開発、再生医療もそうですけど、ここからやはりもちろん多くの人の命を救うってことももちろんなんですけど。そこからやっぱり日本経済再生に結び付けていくような発想が必要ですよね。

田村:日本の国民の皆さんが健康だとか世界の方々の健康いやそれだけじゃなくて、世界の方々が暮らしやすくなる。そういう製品を日本の技術でどんどん開発していく。そして世界の方々が幸せになりながら日本の国の経済も伸びていく。これがまさに我々が目指す世界じゃないですかね。

山本:ニコ生ユーザーの皆さん、いつもだともっとどんどんテンポが上がってって、ハイテンションになってしまうところを私たちかなり抑えて、ハードボイルドに今日は進めてまいりましたが。いつもこんな感じで実は田村大臣とは話をしながら、いろんなプロジェクトについて相談したり、お互い初入閣なんで、田村大臣のほうがちょっと政策能力が上だと思うんですけど。

田村:そんなことはありません。

山本:励まし合いながらやってる、ということを申し上げておきたいと思います。あっというまに30分、あと数分しかないんですけど、ユーザーの方からも「早い」っていう。「一太も頑張れ」って書いてあって、ありがとうございます。「はええ」って言ってるから「田村大臣いいですね」「夢を語る大臣いいですね」と。「国会答弁わかりやすい」。

田村:ああ、そうですか。

山本:嬉しいんですけど。もうちょっと最後になっちゃったんですが、厚生労働大臣これやっぱりまさにはまり役っていうか、田村大臣が政治家としてずっとやってきたライフワークだと思うんですね、厚生労働分野というのは。大臣としてなにを、これだけはやりたいってものありますか。もちろん厚労政策全て大事なんですけど。

田村:子育てですよね。今少子化の中でなんとしても子供を産み育てやすい、そういう社会です。日本はほんとに遅れてるんですよ。ですからこれを普通にご夫婦で子供を育てる。2人3人育てて普通に生活できるようなそんな社会にしたいというのが、今、私が厚労大臣として一番……他にもやりたいことあるんですけど、大きなやりたい柱の1つですね。今変わらなきゃいけません。

山本:少子化が続くと、大きな制約がかかりますよね。あらゆることにね。

田村:それとやっぱり仕事も楽しいし、いろんな楽しいことありますよ。人間の一番幸せってそのうちの1つっていうのは、やっぱり子育てだと思うんです。可愛い子供を育てて、早く子供が大きくなると次孫でまた楽しめるんですよね。今長生きしますから孫、ひ孫と何回も一番子供のかわいいときに巡り合える。これが私、人間の一番の幸せじゃないのかなって最近思うようになってきましたね。それができるような社会にしていきたいなって思いますね。

山本:ニコ生ユーザーの皆さん今の言葉に田村大臣の人柄、ほんとに象徴されてるというふうに思うんですけど。ほんとに可愛いお嬢さんの待ち受け画面。かわいいかわいい。でそのまたチャーミングな奥様がいて、この奥様が山本一太の直滑降ブログを毎日読んでるということで。この優しい奥様にもぜひよろしくお伝えください

田村:ありがとうございます。

山本:なんとか私の一番の仲良しの田村大臣との大臣VS大臣の企画、最初からとばしすぎたらこれで企画が終わるところでしたけど、なんとか今日はいい議論ができたんじゃないかと。次回も田村大臣に続いて某大臣に声をかけたいというふうに思いますのでほんとにぎりぎりまでとっていただいて。ニコ生ユーザーの方の質問、2問受けるんですけどこれ私やりますから。ということでみなさん、田村厚労大臣、この画面を見てパソコンを見て、ぜひ拍手を送っていただきたいと思います。大臣本当にありがとうございました。

田村:いや、どうもありがとうございます。またよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

山本:ということで今日の直滑降ストリーム大臣VS大臣。もうすごい「パチパチ」ばっちり。ありがとうございます。これだけ拍手を貰ったら、田村厚労大臣にも多忙な日程をやりくりしていただいて来ていただいた甲斐がありました。

質問コーナー

山本:ということでここからはちょっとグリコのおまけタイムじゃないですけど、とっても大事なユーザーの皆さんからの質問、2問だけ七尾さんに代表して聞いていただいて。これは私の方で対応したいと思います。なにかあればどうぞ、七尾さん。

七尾功(以下、七尾):七尾です。よろしくお願いします。

山本:またフリーズしちゃった。

七尾:オッケーです。HALやiPS細胞の話はとっても明るい話で、ユーザーの方も非常に喜んでましたね。HALを装着した大臣を見たいっていう声もありました。

山本:こけた大臣とかそんなに痩せたいんですか。

七尾:質問なんですが、先ほどの科学技術を含め、8つの顔をもつんですかね、大臣は。

山本:7つか8つの顔を。

七尾:え、7つ!?

山本:いや、いろいろ言うともっとなんですけど、そんなもんです。

七尾:それでですね、就任からまもなく大臣のほうに安倍総理からIT政策の立て直しの指示があったと思うんですね。5月をメドに新たにIT戦略の策定を目指すとのことですが、これはどのようなものになるんでしょうか。

山本:これはIT戦略本部。これは本部長は安倍総理なんですけど、私がIT政策担当大臣として受けもってるんですが。このIT戦略本部、安倍内閣でまだやってない。これをできるだけ早く開きたいというふうに思ってます。IT政策については、これまでe-Japan、e-JapanIIから始まって、いろんな方針が作られ、閣議決定されてきてるんですけど、なかなか残念ながらうまくつながっていない部分もあるんです。それぞれ素晴らしい報告書なんですけど。なんとなくホッチキスで止めみたいなところがあるので、安倍総理のもとで、ほんとに10年20年後を考えたIT戦略のビジョンを作りたいと思っています。

有識者会議のメンバーもだいたい決まって、この人たちがいわば基礎委員みたいになってくわけですが。これから中身を議論しますが、例えばひとつは政府CIOっていってね、情報をきちっと統括する役職を作らなきゃいけない。各省がいま全然違うシステムが動いてるんで、これもきちっとまとめなきゃいけない。

あるいはオープンガバメントっていうんですけど。政府の情報公開、情報をしっかり公開してこれを民間のビジネスに結び付けていくとかいろんな切り口があるんですけど。まあ安倍総理の言葉を踏まえて世界最先端のIT立国を作ると。

ということで、ここにIT立国宣言。いつものとおり手作りです。昔は参院自民党、肉食系とか書いてあったんですけど、これはいっきに秘書の得意の工作でICT立国宣言になったんですけども。そう呼べるようなものにしていきたいなと。そう思います。

七尾:すいません、今思いましたけど、やっぱり大臣の仕事って先ほどの科学技術もそうですが各省庁縦割りの中で横串をさしてトータル的にコントロールしていく。

山本:横割り担当大臣みたいな。

七尾:ですよね。この番組も大臣対大臣っていうのは意味があって、横串をさしていくための1つのベースというか、そういう意味もある。

山本:ただそこは戦略的でウィンウィンでなければいけないんで。ですから今日も、田村大臣と信頼関係を作るっていうのは省庁の壁を越えた、やはり司令塔機能を果たすためにはものすごい大事だと思ってるんですね。だから各省それぞれメリットがあるかたちでうまく司令塔機能を作り上げたいなと。その一助にもしたいという思惑ももちろんあります。

七尾:そうするとそういったことがユーザーとしてはオープンで見れる。

山本:そうです。これからある意味でいうと科学技術も含めて。私の担当分野って実は安倍総理の至上命題である強い経済を作るっていうとこに結びついてるんですよ。科学技術もITも宇宙もそうですから。宇宙もどこかで特集したいと思いますけど。そういう意味でいうと大臣VS大臣の企画はさっきはちょっとおどけて言いましたけど、とても実は大事だし、意味があると思ってます。

やっぱりニコ動ユーザーの皆さんの前で、ニコ生ユーザーの皆さんの前で科学技術政策でもそうなんですけど、海洋政策もそうなんですけど、なんとなく横串ができてるプロセスを見せるっていうことでいうと、手前味噌ですがけっこう画期的かなと。こういうこというとすぐ怒られるんですけど。

七尾:でも閣僚同士の雰囲気の話、実は我々知ることができないじゃないですか。だからすごくよかったです。

山本:空前絶後だと思います。大臣がキャスター務めてる番組に大臣を呼ぶっていうのは。極めてリスキーっていうか無謀っていうか。

七尾:あともう1問すみません。ユーザーの方からもう1問で。ちょっとまたガラっと変わりまして、二井宏さん。二井宏騒動っていうのはその後どうなったんでしょうか。

山本:二井宏騒動、あんまりもう二井宏さんにかまけてる暇なはないんですが、実はまあ某月刊誌に私の中傷記事を書いた二井宏さんっていう方にですね、是非ニコ生に出ていただいて議論しようって呼びかけてるんですが全く出てこないんで。しょうがないんで内容証明送りました。

七尾:ええ。

山本:1の矢を放って二井宏さんどこにいるんですかと。どういう実績の方なんですかといったら、実在の人物なんですか? とお聞きをしたら、実在する人物だと。しかしあとは答える必要なしみたいなのが返ってきたんで。実は2の矢を放ってまして、2月14日に。実在する人物だとこのプロフィール、20年永田町を取材してネットでも投稿している。しかしどこにも作品が見あたらない。この人が実在する人物だという証拠はあるのかと。二井宏さんの実績を教えてくれと。どこにいるんだということを、2の矢を放ってますので、それが返って来たら3の矢を放つということで。

七尾:それイチタノミクス。

山本:イチタノミクスっていうか、ほんとに毎日忙しくてこの7分野か8分野の仕事に全力注いでいるんで、ときどき気分転換しないと非常に大変なものですから。99.9%大臣、残りの0.1か2で料理と二井宏と、こういう私の中の配分になってます。戦略的な。

七尾:本日はありがとうございました。

山本:とういことでみなさん今回も直滑降ストリームアクセスしていただいてありがとうございました。来週も大臣VS大臣が続きます。ぜひアクセスしていただきたいと思います。ありがとうございました。