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「マジメすぎ」は損をする? 仕事と人生を楽しむユーモアのセンス

「マジメすぎ」は損をする? 仕事と人生を楽しむユーモアのセンス

会社や学校で「マジメすぎる」性格のために損をしたり、ストレスを感じたことはありませんか?社会組織Humour Australia (or HA!)のディレクター・ザラ・スゥインデルズ-グロース氏は、ユーモアのセンスを忘れずに柔軟な心を持つことで、よりよい人生を送ることができると語りました。

スピーカー
ディレクター ザラ・スゥインデルズ-グロース(Zara Swindells-Grose)氏
参照動画
The epidemic of over-seriousness: Zara Swindells-Grose at TEDxMelbourne

ジョークを飛ばして心を軽く

seriousmain ザラ・スゥインデルズ・グロース氏 子どもの時期は魔法のような時期です。なぜなら子どもの頃は大きなことを考えるのを怖がらないからです。子どもに「大きくなったら何になりたい?」と聞くと「プリンセスになる!」という答えが返ってきたりします。 serious1 大人に同じ質問をすると「今週1週間誰も殺さずに済めばいいなと思うよ」なんて答えが返ってきます。 (会場笑) 人生は変化しますね。 でも生きるための「秘密のスーパーパワー」を持っていることをあなたはまだ知らないのよ、と言われたらどうでしょうか? このパワーは秘密のパワーすぎて今まで皆さんは自分の中にそのパワーがあることに気が付かなかっただけですよ、と言われたらどうでしょうか? 皆さんがそれを5歳の時に言われていたとしたらどう反応していたでしょうか?  あなたには実はスーパーパワーがあるのよ、と言われたらそれを信じたのではないでしょうか? 5歳の私はビーチとスケートボードが大好きでお転婆娘でした。当時の私のヒーローはおばあちゃんでした。 Serious3 彼女は戦争や恐慌を体験したにも関わらず、すばらしい人生哲学を持っていました。彼女は幸せで成功する人生を歩むためには遊びと仕事の時間を半分ずつ分けることだと言っていました。「年を取ってきたからという理由で遊ばなくなるのではなく、遊ばなくなるから老けるのよ」とよく言っていました。 serious4 これは彼女の95番目、いえ、彼女の95回目の誕生日という意味ではなく、95杯目のスコッチです。 (会場笑) 冗談です。彼女は飲み過ぎたりしません(笑)。彼女は数年前に亡くなりました。亡くなったのではなく、どこか遠くへ飛んでいってしまっただけですけど。 (会場笑) 冗談です。彼女は死にました。 (会場笑) でも真面目に。彼女は死を覚悟していました。彼女が入院中にお見舞いに行き、尋ねました「おばあちゃん、死ぬのが怖い?」と。 「いいえ、恐くないわ」と彼女は言います。「少しも怖くないの?」「ザラ、たくさんの人がやってきたことなんだから全然難しいことではないでしょうよ?」とおばあちゃん。 (会場笑) 彼女は私達誰もがいつかは全てを失うということを教えてくれました。健康、若さ、そして自分の身体をコントロールする力さえも。 しかし何でも笑うセンス、ユーモア、これだけは決して失われることはないということも教えてくれました。この能力は死ぬその日まで持ち続けることができます。どんなことも笑い飛ばすことができれば、何も怖くありません。どんなことでも乗り越えることができます。 serious5 ユーモアは人生の困難をよりポジティブに解釈するための手助けとなります。著名な思想家は「ユーモアで笑い飛ばすこととは人間の脳の中で最も重要な機能である」と言っています。 serious6 ユーモアは我々の考え方を変え、心に余裕を生みます。ユーモアをもっと真剣に捉えてみてはどうでしょうか? 私達は言語を発する前に反射的に笑いますよね。表情に表す能力は50%が遺伝的です。2人の子どもをジェットコースターに乗せると、1人は喜びで泣き叫び、もう1人は恐怖で泣き叫びます。同じ体験をしているにも関わらず全く違う反応を見せるのです。 私達は皆、物事をポジティブに解釈することができるようになるのです。ユーモアと人間性は密接に関連しています。私達の多くは良いユーモアセンスを持っています。良いユーモアセンスを持つことは恋人探しにも有効です。 serious7 私もそうでした。結婚して21年ですが、今でも私と夫はお互いを楽しんでいます。私は夫のユーモアセンスが大好きです。私達はコメディショーで出会いました。私はステージでパフォーマンスをし、ジェフ・ベックのクライベイビーという曲、「プリーズミスタージェイラー、please let my man go free(レットマイマンゴーフリー)私の男を解放して」というすばらしい歌を歌ったのですが、控室に戻ると彼がマンゴーが牢屋に入っている絵を描いていたのです。 serious8 (会場笑) 「この人、すごくおもしろいわ!」と思ったものです。そこから私達はデートを始めました。本当の話です。 ユーモアには人を繋げる働きがあります。そして人生の困難を乗り越える力も与えてくれます。そして周囲の人の気分も楽にします。 ある10年間に渡る研究が悲しい事実を明らかにしました。我々は国際的疫病に苦しんでいるというのです。その疫病、流行り病とは「真面目すぎる」傾向です。特に職場で人々はとてもストレスを抱えています。 私の友人は12ヵ月前に企業で勤め始めました。 serious9 とても綺麗でしょ? それが今ではこうです。 serious10 怖いですよね。多くのビジネスシーンではたくさんのシリアスな人がシリアスな仕事をシリアスなやり方でしています。ホロコースト時代を生き抜いた人々を研究する心理学者、ヴィクター・フランクルは、人生の意味は自分で決めるものだ、と言いました。でも多くの人がそれすらわからなくなっているのではないでしょうか? 自分にとって何が大切なのか見失っている人が多いのではないでしょうか? 

「真面目の仮面」を脱いで柔軟性を手に入れる

もともと、人生で何かを成し遂げることが目標だ! と言われてきました。しかしその後、なんとか競争を生き延びるのだ、と言われ我々は混乱しています。 多くのことを期待され、他人から軽んじられることがないように必死になっていませんか? それが続いて、「スーツ人」になっていませんか? 面白味も何もなく、社会で生きていくためにスーツを着て「シリアス」の仮面を被るのです。 職場に行き、そこで期待される振る舞いをし、仕事をし、1日の終わりに家に帰ってスーツを脱ぎ「あぁー! やっと終わった!」と、本来の自分自身に戻る人もいる反面、そのまま「スーツ」を着続ける人もいます。それを続けていると生き方が変わっていきます。 自分の幸せは自分の中にある、とよく言われます。しかし現実には「スーツ」を着ている自分と本来の自分の間で2つの人生を行き来しているようなものです。そんな生き方は疲れるに決まっています。そして人々は心を病んでいくのです。 真面目すぎる、シリアス過ぎることの問題は、それがストレス、不安やうつに繋がり、私達は心の自己破産をしてしまうということです。「あなたにはわからないでしょうけど、私の仕事は本当にシリアスな仕事なのよ! 楽しむ時間なんてないのよ!」 第二次大戦中の将軍バーナード・モントゴメリーはとても興味深いリーダーシップを発揮していました。彼は日記に「ここにいる皆に最も必要なことはユーモアを忘れないことだ」と書いています。戦争といったすでにシリアスな事態の中で、真面目になりすぎると視野が狭くなります。競馬で走る馬のように、自分の周囲が見えなくなり、他の可能性があってもそれに気がつくことができなくなる。 そして見えなくなってしまうものの中にクリエイティビティが隠されているというのに。つまり、簡潔に言えば真面目でシリアスすぎることはおバカの始まりです。 serious11 もちろんネガティブな感情は危険な状況に素早く反応し、対応するために必要ですが、私達はもう原始時代に生きている訳ではないのです。敵に食べられないように、ストレスホルモンを分泌して素早く逃げることができるようにする必要もありません。 現代ではそのようなネガティブな感情は「過剰反応」になってしまうのです。職場で、車の運転中に、自宅で子どもに対して。50年代と比べて、我々がうつを患う確立は10倍以上上がってしまいました。 うつを最初に発症する平均年齢が以前は29歳であったのが、今では14歳と半年です。ここオーストラリアでは何百の成人がうつに苦しみ、2020年までに何百万という子どもがうつを患うことになるだろうと言われています。世界を見てもうつは最も深刻な健康問題のひとつですし、世界中で現在3000人の人が自らの命を絶っているのです。 今こそユーモアが必要なのです。ズボンのお腹の中にゴムのニワトリの人間を忍ばせて「ばぁっ!」とやるのも可笑しいし、そういうおふざけが好きな人はそれも悪くありませんが、ユーモアを持つということはより心理的、知性的柔軟性が求められることだと思います。 職場では仕事は真剣にやる反面で、自分自身の心まではガチガチに真面目にさせないことです。 serious12 これがとても重要です。 私達はユーモアを次のように定義しています「いかなる状況においても、快活で気楽な態度を崩さないこと」と。 SERIOUS13 これは一緒に過ごしやすい人でいることでもあり、もちろん適切なユーモアをも意味します。 今は冗談を言っている場合ではないだろう、という時にふざけることは適切ではありませんし、逆に常に冗談を言わずに真面目な顔をしているのも不適切です。しかし常に真面目な顔をしていることは、社会的に受け入れられていますよね。私達はこれまで能力と真面目さは比例すると信じてきました。 serious14 しかしそうではありません。家庭も仕事も上手く行かせるために常に真面目な顔をしている必要はありません。能力があるのであれば、別に常に難しい顔をしている必要はありません。 私達はこの2つを恐れています。 serious15 自分が認められないこと、そして十分なものを手に入れることができないことです。そしてこの2つの恐れが私達が人生で重要な決定をする時の要因となります。
そこで我々はとても革新的な実験をしてみました。誰もがユーモアのセンスを持っていて、快活になれることはわかっていましたが、誰でも笑いを取ることができるのでしょうか?
このプロジェクトは「スタンドアップ・フォー・ユアセルフ(Stand up for yourself)」といい、24人のシリアスなコーポレート企業のリーダーを招き、彼ら自身の人生を元にしたスタンドアップコメディ・ショー(漫才のようなショー)を皆の前でやってもらうことにしました。 人前でコメディをやらなくてはならないなんて緊張しますね。多くの人が怖いと思うのは、人前に出て話すことですよね? それでも、参加してくれた皆さん、素晴らしかったです。彼らがジョークを言う、それが観客にウケる、するとステージに立っている彼らは自分自身の自制心や真面目さからとても自由になったようでした。 更に、彼らのジョーク、とてもおもしろかったのです。この実験のゴールは世界最高のコメディアンを発掘することではなく、彼らに少し柔らかく快活になってもらい、シリアスな彼らが「自分がこんなことをやるなんて思ってもみなかった」という体験をしてもらうことです。「やった!できた!」という体験をしてほしかった。 そこから、「あれができたのだから、他にも何かできることがあるはず」と、シリアスな彼らに人生で他に楽しめることを探し始めて欲しいという願いがありました。 辛すぎて笑えないこともあります。私の友人は5年前車の事故で足を1本失いました。1年以内に彼女の精神的ダメージは回復しました。というよりも、彼女は事故から1週間後に新しい家を購入しています。そして数ヵ月後には結婚式を挙げました。昨年、彼女はロンドンパラリンピックで戦っています。 serious16 それってすごいことだと思うのです。だって私には2本の足がありますが、走るのが大嫌いですから。 (会場笑) でも彼女のこのすばらしい回復力は彼女のポジティブな思考に深く関連していると思うのです。「足を無くして良かったと思うことはある?」と彼女に聞いたことがあります。彼女は「あるわよ。1本分の足のムダ毛処理の手間が省けたことね」と言いました。 (会場笑) ガンジーは言いました「もしユーモアのセンスが全くなかったら、もうずっと前に自殺をしていただろう」と。 serious17 実は死については少し経験があります。15歳の時、私は摂食障害を患いました。今はこんなに健康的な体つきですが、当時はひどいものでした。 ある日心臓発作を起こし、少しだけ心臓が止まったのです。「その時何か光が見えた?」「天使がお迎えにきた?」と聞かれます。私も死ぬ時は何かそのような体験をするのだろうと思っていました。しかし、呼吸もできないままに声を絞りだして話そうとしている時に「あぁ、これで私は死ぬんだわ」と実感が湧きました。 しかしその後私は息を吹き返し、自分が生きていることがわかり、「あぁ! 人生はこれからだ! 生きている! これからは人生に悔いが残らないよう全力で生きよう」と思ったのです。

真の成功とは?

誰もが幸せな人生、成功する人生を望みます。しかし成功とは何か目標を成し遂げることというよりも、今この瞬間を生きて、それを一歩ずつ謳歌することではないでしょうか?
 
最近どう? と聞かれて「忙しいよ」と言っていませんか? 自分がすごい仕事をしているのだと自慢したい時は「ものすっごく忙しいの」と言っていませんか? 
(会場笑) 私達が忙しく生きようとするのは、いつかはすべてが無くなってしまう、死んでしまうのだという事実から目を背けようとしているからではないでしょうか? 私達は死をとても恐れています。 でも死を真剣に捉え、恐れる必要はありません。このトークで先に触れたヴィクター・フランクルは刺激と反応の間にはスペースがあると定説したことでも有名です。起きる物事とそれに対する我々の反応の間にはスペースがあるのです。そしてこのスペースをどう活用するかというのが皆さんの秘密のスーパーパワーだと思うのです。 ユーモアのセンスです。これさえあれば、皆さんはよりハッピーに、健康に、クリエイティブになります。これが必要な視野を広げてくれるのです。 世界中に広がる真面目になりすぎる傾向に立ち向かうために必要なのがユーモアのセンスです。 serious18 「終わってしまったと泣くのではなく、それが起きたことを喜ぼう」。ユーモアのセンスが良い人生の鍵です。ありがとうございました。

  
※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
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